続男はつらいよ

劇場公開日:

解説

「男はつらいよ」の山田洋次が、小林俊一、宮崎晃と共同で脚本を書き、山田が監督したシリーズ第二作。撮影は、「喜劇 女は度胸」の高羽哲夫が担当。

1969年製作/93分/日本
原題:Tora-san Cherished Mother
配給:松竹

ストーリー

フーテンの寅こと車寅次郎は、故郷・葛飾を離れ、弟分の登としがない稼業を続けていた。そんなある日、北海道でうまい仕事があるとの知らせに出発したが、途中なつかしい妹さくらや、おじ、おばの顔みたさに東京で下車したのが運のつき。茶一杯で退散と決心したが、中学時代の坪内先生の家の前を通りかかり、懐かしさの余り、玄関先で挨拶のつもりが、出てきたお嬢さんの美しさに惹かれ、さっきの決心もどこへやら、上がりこみ、飲むわ食うわがたたって、腹痛を起こし、病院へかつぎこまれた。苦手の注射を打たれて卒倒し、一週間の入院を命じられた。その上、退屈そうな入院患者相手に香具師の実演をやらかし、藤村医師に見つかり、個室に入れられ、たまらず窓から脱出した。が、地元のチンピラに因縁をつけられ、大喧嘩の末、留置所入りの破目になった。さくらは泣くやら、おじとおばは怒鳴るやらの喧嘩の末、夜逃げ同様に柴又を後にした。北海道の仕事はうまくいかず、再び登と本州に戻った寅は東京を素通りして、関西に来た。かねがね母親が関西にいると聞いていた寅が、仲間に頼んで捜していたところ、偶然、坪内先生と一緒に買物をしているお嬢さんと出会った。やがて、母のいどころが判り、お嬢さんについて行ってもらった。ところがその母親は、寅の夢の中に出てくるやさしい母親と違い、厚化粧をし、三流どころの連れ込み宿を経営する女だった。カーッとなって怒鳴りつけた寅は、そのまま汽車に乗って去った。半月後、先生は他界し、寅が世話になった病院の藤村医師とお嬢さんの結婚を聞いた寅は、またも悲しみに打ちひしがれ、詑びるお嬢さんの言葉を胸に、登とともに柴叉を後にするのだった。

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映画レビュー

5.0国民的作品ですから

2023年1月17日
PCから投稿

清張の小説と漫画のサザエさんを読んで寅さんを観れば、昭和という時代がよくわかります。今更内容の評価は不要。不滅の名作だから。
しかし寅とさくらが異母兄弟だって知らなかった。昔見たはずなのに。

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越後屋

3.5来るぞ来るぞの面白さ!

2022年6月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

2作目も面白かった。

寅さんが帰ってくる。
迷惑けける。
マドンナに恋する。
振られる。
同じ事の繰り返しなのに、
寅さんが登場すると「よっ!待ってました!」となる。

お母さんもミヤコ蝶々だとオチは分かってるのに、
やり取りにニヤニヤしてしまう。

お母さんの話はするなよ!と言う分かりやすいフリも
分かってるけど、寅さんの反応が見たくて笑って
しまう。

寅さんと言うキャラがよく出来てるから、
全て許してしまう。

役者さんたちも素晴らしいし、
お馴染みキャラは親戚のように感じ、
よく出来たシリーズだなぁと今更思います。

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奥嶋ひろまさ

3.5寅さんの母、登場

2021年10月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

第二作で、マドンナは学校の先生(東野英治郎)の娘(佐藤オリエ)。
京都で産みの母(ミヤコ蝶々)と出会い、冷たくあしらわれ、さすがの寅さんも落ち込む、ちょっとだけ。
今回は警察に捕まったり、入院するなど大忙しでした。

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いやよセブン

4.0瞼の母との再会劇を笑いの渦に転換した喜劇映画の勢いと充実度

2021年7月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

第1作の勢いそのままに、爆笑を誘う喜劇映画の佳作。寅さんの恩師坪内散歩(逍遥を捩ってる)役に東野英治郎、医師藤村に山崎努、そして小さい時に生き別れた母親お菊役がミヤコ蝶々と、キャスティングが素晴らしい。恩師の娘役でマドンナの佐藤オリエの清楚な佇まい、患者役で特別出演の財津一郎の滑稽さもいい。その中で、寅さんのイメージを更に強固にしたお菊を演じるミヤコ蝶々の嵌り具合と、その一寸擦れた感じの中年婦人の手慣れた演技に最も感心してしまった。寅さんが夢に見る優しい母親像を壊し、その落差にユーモアを出す難役ではないか。それを見事に熟している。作品一番の爆笑ポイントである、とらやに意気消沈帰った寅さんを皆が気づかい腫れ物に触るように接する場面の可笑しさ。当時のテレビコマーシャルを生かした笑いの破壊力が、もう上質のコント劇になっている。このような場面でのおいちゃん森川信の味がある演技も素晴らしい。
前作「男はつらいよ」の公開から3ヵ月未満で制作された早撮りとは思えない充実した喜劇作品。

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Gustav
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