新喜劇王
劇場公開日 2020年4月10日
解説
「少林サッカー」「カンフー・ハッスル」のチャウ・シンチーが1999年に主演、監督、脚本を手がけた「喜劇王」を女性を主人公に据えて復活させたコメディ。モンは映画女優になることを夢見ていたが、いつまでたってもエキストラのままで顔もまともに映らない端役や死体の役ばかりを演じていた。ある日、役作りのためにやったプチ整形顔がスタッフの目に留まり、かつてのスター俳優マー主演の超大作「白雪姫 血のチャイナタウン」に大抜てきされた。しかし、過去の栄光にすがるマーは演技も性格も最悪なトラブルメーカーだった。落ちぶれた俳優マー、底辺から脱するために奮闘するモン。この出会いが2人の人生を大きく変えていく。主人公モン役を本作がデビューとなるエ・ジンウェン、マー役を「アイスマン」シリーズのワン・バオチャンがそれぞれ演じる。チャウ・シンチーが監督、脚本、製作を担当し、共同監督として「イップ・マン 最終章」のハーマン・ヤウが参加。
2019年製作/90分/G/香港・中国合作
原題:新喜劇之王 The New King of Comedy
配給:ツイン
スタッフ・キャスト
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チャウ・シンチーはバカコメディの人と思われているかも知れないが、本当にハートのある映画を撮る。もはやハートこそが唯一最大の関心事で、そのために多くの映画では当然とされているような構成を平気ですっ飛ばしたりもする。なので、本作の展開(特に終盤)をあっさりし過ぎているように感じる人もいると思う。でもそれは、チャウ・シンチーがプロットを丁寧に処理することに特に重要性を感じていないのだろう。で、じゃあ何を描こうとしているのかというと、「夢を追うことの地獄とその先に見える希望の光」。素晴らしいラブストーリーだったオリジナルの『喜劇王』から恋愛パートすら削ぎ落としていることに凄みすら感じる。そしていまや中国の大ヒットメーカーなのに、本当に名もない時代の気持ちを失っていないことに感動する。
あと『喜劇王』の続編ではなく、映画『喜劇王』が存在する世界で、女優を目指すエキストラの奮闘記です。
2021年10月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
シャウ・シンチー作品はいくつか見てきたが、苦労と貧乏の表現が好きである。
悲惨でみじめで大変なんだけれど、どこか安心して見られる温かさがある。
落ち込みはするのだけど、卑屈にならないというか
むしろ爽やかな登場人物像が浮かび上がってくるところが印象的で好きだ。
これ、体育会系、清貧とでもいおうか。
本作もその清々しさが波状攻撃。存分に味わえてよかった。
物語りはまったくひねりのない王道で、
コメディーというよりヒューマンドラマである。
ただし、それでも退屈することなく、それ以上、楽しみ感動してさえしまうのは、
上記のような人物の描き方によるところが大きいと感じて止まない。
(だから他の監督さんだったら、こうはまとまらず大変な事にもなりそう)
もちろん本作は純然たる夢物語だし、ていのいい占いのようなものではあるが
だからして落ち込んでいる時こそ観ると、
ものすごくデトックスできる作品なのではなかろうかと感じる。
ひねりのない物語の中でも、往年のスターと主人公のお父さんはちょっと見ごたえがあって、
気に入ってしまった。
それにしても「白雪姫」の筋書き、オモシロ過ぎないか。
見たいわ逆に。
2021年9月26日
Androidアプリから投稿
人魚姫みたいな息もできなくなるほどの笑う映画を求めて見てみたらけっこうハートウォーミング、とはいえこれはこれでとても良い。他の方々のレビューを読むとこっちがチャウ・シンチーの本来の味っぽいですね。
主役の女の子があまりにもひどい目に合うけど、まあ最後には挽回するんだろうなと思うから安心してみてられたし、金持ちのエキストラ仲間と安直にくっつかないのも好印象でした。マー先生いい人だったねー。
2021年2月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
みんな大好きチャウ・シンチー監督が、自身が監督・主演・脚本を担当した「喜劇王」の主人公を女性に変えてリメイクしたコメディー映画。
「え、イマドキこれ!?」って思うくらいベタ過で昭和感溢れる笑いと涙をてらいなくやり切ってみせるのは流石のチャウ・シンチー印だと思うし、本作でデビューとなる主演のエ・ジンウェンを始め、一体どこから連れてきたんだってくらい“いい顔”の役者を揃えるキャスティング能力も見事。
続編ではないので「喜劇王」を観てない人が観ても十分に楽しめる。
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