男はつらいよ 寅次郎純情詩集

劇場公開日:

解説

“男はつらいよ”シリーズ第十八作目で、おなじみのフーテンの寅が捲き起こす人情喜劇。今回は、学校の若い先生とその母を相手に、物語がくりひろげられる。脚本は「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」の朝間義隆と山田洋次の共同、監督は「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」の山田洋次、撮影もやはり同作の高羽哲夫がそれぞれ担当。

1976年製作/104分/日本
配給:松竹

ストーリー

暖かな初秋の陽差しをあびて、今日も帝釈天の参道は多くの参拝客で賑っている。その門前で、柴又名物のだんごや「とらや」を経営している寅のおいちゃん夫婦、最愛の妹さくら夫婦、そして隣りの印刷工場の社長らも平穏無事な日々を過ごしていた。今日は、さくら夫婦の一人息子満男を先生が家庭訪問する日であった。「とらや」の連中は朝からそわそわしている。というのは、担任の先生が産休のため、代わりに、美しい雅子先生がやって来るからである。「こんな時に寅が帰って来たら大変なことになる」と一同が噂している最中、雅子先生の後から、寅が平和な顔をしてブラリと帰ってきた。あきれる皆をよそに寅は持前の饒舌で雅子先生の相手をし、家庭訪問をメチャクチャにしてしまった。さくら夫婦はカンカンに怒ってしまった。寅に反省を求めようと、皆がまちかまえている所へ、バツの悪そうに寅が帰って来た。それからは、例の通りの大喧嘩。そして、寅は再び旅に出てしまった。数日後、寅は紅葉美しき信濃路を旅していた。寅はここで昔世話した旅役者の一行に偶然、出会った。その晩、寅はドンチャン騒ぎをし、翌朝になって旅館に無銭飲食がバレて、警察のやっかいになってしまった。知らせを受けたさくらは寅を引きとりに来た。さすがの寅も後悔して、ションボリ柴又へ帰ってきたのである。柴又に帰った寅は、また雅子先生について話し始めた。「あの娘に教養があって、気品溢れる未亡人の母親でもいれば別だけど」と。そんな折も折、雅子先生が綾という美しい、しかも未亡人の母親をつれて、「とらや」にやって来た。寅の勘は的中し、とらやの連中はまたまた絶望の境地に追いこまれた。綾は由緒ある家柄の未亡人だが、昔から病気がちで、ほとんど家にとじこもっていた。綾と寅は昔からの顔なじみであった。そんなある日、寅は夕食に招待された。綾に捧げる寅の慕情はつのる一方であった。しかし綾の病気はすでに、かなり悪化していた。ある日、綾は眠るようにしてこの世を去った。明けて昭和五十二年のお正月。帝釈天の参道は、初詣客でいっぱい。とらやの連中はてんてこ舞いの忙しさ。そんな頃、寅は雪に覆われた山々を背にした、田舎の小学校に転任した雅子先生を訪ねていた。

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映画レビュー

3.5初めてのパターン

2022年2月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

寅次郎、柴又に帰ってきて早々、満男の担任先生(檀ふみ)に惚れ込み、ひと騒動の後、例によって逃げ出す。
旅先で顔見知りの旅回り一座と出会い、カッコつけて大盤振る舞い、無銭飲食で捕まる。
さくらに引き取られ柴又に戻るが、今度は担任先生の母親(京マチ子)に出会い・・・。
珍しいパターンです。

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いやよセブン

4.0心が温かくなります

2022年2月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

毎度ながら倍賞千恵子がいい味出してました。
とても良かったです。

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tuna

3.0連作中、上位。

2021年9月18日
iPhoneアプリから投稿

好悪差が激しい本連作の中で上位。
死がテーマ。
肝心な場面の省略良し。
肉体派京マチ子を逆に病弱箱入りに据えた狙いのハズしが惜しい。
山田好みのヒロインの典型を体現する檀ふみ、こんなに可愛かったのか。
全編泣き我慢の倍賞の可愛さを愛でる。
推す。

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きねまっきい

3.0先生という当時のステータス

2021年3月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

前作の反応で分かったのか、寅さんの恋愛〜失恋がど真ん中というストーリーから離れてきたいい距離感になってきたのか。
まぁ、寅さんも年齢が上がってきて色恋で盛り上げていく世代からは上がってきた事もあるからだろう。

寅さんシリーズを見ていて毎回気づきを見つけている。
ここが見どころでもある。

一番は金銭価値。この当時は今の1/6ほどなんだと換算して見ているとおもしろい。
その時代、既に自分が生まれて幼少期だったと思うとおそろしい😅
他には大卒のステータス、一流企業に勤める事、車を持つ事、今じゃ当たり前になってる事ばかりが当時は夢であり憧れ。
そこに向かって頑張ってきた国民。

今回思ったのは教師という立場の高さだ。
先生と言う事で年齢の上下関係なく、誰もが尊ぶ。
おじさん、おばさんも、保護者も、例えキャリアの少ない若手先生でも先生は先生なのだ。
それなのに今はそんな立場もステータスも感じる事は少なくなり、半世紀のうちに社会は変化してるなぁと痛感する。

昭和と今の比較を楽しむの事が出来るのも寅さんシリーズの醍醐味だ。

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