男はつらいよ 寅次郎頑張れ!

劇場公開日:

解説

シリーズも二十作目を迎えた今回は、ヒロインの他に青年が登場し、寅さんと共に騒動をまきおこす。脚本は「幸福の黄色いハンカチ」の山田洋次と同作の朝間義隆、監督も同作の山田洋次、撮影も同作の高羽哲夫がそれぞれ担当。

1977年製作/95分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1977年12月29日

ストーリー

紅葉の便りを聞くころ寅は柴又へ帰って来た。すると、身知らぬ青年・良介におし売りに間違えられ、口論となるところへ、さくらが帰ってくる。寅はさくらから事情を聞くが、自分の部屋を良介に占拠されているのを知る。良介は、平戸島から上京し、近所の柴又電工の作業員をやっていた。彼はとらやの近くにある大衆食堂の幸子に恋していた。寅はそんな良介の胸中をすぐ見破る。数日後、寅に励まされた良介は、いきなり幸子にプロポーズする。秋田の母の容体が悪く、気がかりだった幸子は良介の言葉が耳にはいらない。それを良介は失恋と思いこみ故郷へ帰ると言い出した。結局、寅が彼に同情し、一緒に平戸島に行くことになった。平戸島にやって来た寅は良介の姉・藤子に紹介された。一目見た寅は、美しい藤子の恋の虜になってしまう。その頃柴又では、秋田から戻った幸子がとらやを訪ね、自分のことで自殺未遂まで起こしてしまった良介の一件を知り、愕然とする。幸子も良介が好きだったのである。幸子が良介を好きだという電話をうけ、早速姉と一緒にとらやにやって来た。一方、平戸島で藤子の家の留守番をしていた寅も、彼女を追って再びとらやに帰ってくる。良介と幸子の結婚話は急激に進展した。そんなある夜、藤子が、平戸島に恋人がいるので寅に来られてはこまると、良介に話しているのを寅は聞いてしまう。翌日、さくらに見送られ、寅は柴又の町を後にした。お正月、良介に連れられて晴れ晴れとした顔で幸子は平戸島を訪れた。その頃、寅は別の土地で旅回りの一座と再会していた。失恋の淋しさなどみじんも感じさせない寅の姿が、初春の日差しの中でなんともいえずさわやかだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第1回 日本アカデミー賞(1978年)

受賞

監督賞 山田洋次
脚本賞 山田洋次 朝間義隆

ノミネート

主演男優賞 渥美清
主演女優賞 倍賞千恵子
助演女優賞 大竹しのぶ
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映画レビュー

0.5恋愛ごときで命をかけてどうする?若者の鑑賞者は昭和の青年がこんな恋...

2024年10月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

4.0【秋田のめんこい娘と、長崎は平戸の朴訥な青年の恋物語。寅さんが二人を一緒にしようと頑張る姿が印象的な作品。寅さんのアリアと呼ばれる自身の恋を語る独唱が今作でも冴え渡っています。】

2024年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

楽しい

幸せ

■今作は、秋田から東京に来た食堂で働く娘、大竹しのぶさん演じる幸子と、中村雅俊さんが演じる長崎は平戸出身の朴訥な青年、ワット君との恋物語を軸に、寅さんが頑張って二人を一緒にしようとする中で、ワット君のお姉さん(藤村志保)に恋をする物語である。

◆感想

・若き大竹しのぶさん演じる幸子のほっぺたが少し赤く見える可愛らしさと、そんな彼女に惚れた電気工事が仕事の中村雅俊さん演じるワット君の朴訥な風貌や口調が良き作品である。

・寅さんは、いつものように自分の部屋で下宿しているワット君に、押し売りと間違われ怒っていつものようにとらやを飛び出すが、パチンコ屋で偶々一緒になったワット君と意気投合してほろ酔いでとらやに戻る。ワット君、良い奴である。

・ワット君と食堂で会った寅さんは、自分が惚れやすいからか、他人の恋には敏感であり、すぐさまワット君が幸子に恋している事を見抜き、四角い顔のキューピッドの如く色々と頑張るのである。可なり空回りしたアドバイスだが、ワット君はそのとおりに幸子とデートをするのである。

・今作では、ワット君が純朴であるが故に周りが見えておらず、幸子の母が入院する知らせを受けた直後に食堂でプロポーズしてしまう。で、幸子に振られたと思いガス自殺を図るが、どこか寅さんに似ている気がする。流石に寅さんはガス自殺は考えないだろうが・・。
 それにしても、ガス爆発のシーンは寅さん史上最も派手ではないだろうか。

■寅さんが、ワット君を気遣って平戸に行くシーンも可笑しい。美人のお姉さんが離婚して一人と聞いた途端に、ノコノコとワット君の家に行くのであるから。

<今作は、いつもの山田洋次監督が十八番にしている基本パターンは崩さずに、微妙なところをカスタマイズした脚本よりも、一歩踏み込んだ寅さんがキューピッドになろうとする展開と、ワット君の故郷が平戸であるからだろうか、キリスト教の要素を少しだけ内容に加えた所が新鮮であり、且つ大竹しのぶさんと中村雅俊さんの若いカップルが結ばれるというハッピーエンドな所が爽やかな気持ちになる作品である。>

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NOBU

3.5異質のオーラ

2023年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

楽しい

中村雅俊と大竹しのぶをゲストに迎えてマドンナは藤村志保の本作だったが、中村は、この時、当代きっての若手人気俳優で、独特の中村ワールドを醸し出しており、寅さん映画とはある意味、異質の空気感だった。これは否定しているのではなく、それはそれで良かった。大竹しのぶは、流石の演技力&滲み出るような可愛さでこれも良かった。何よりも感動したのが、映画のラストシーン、恒例の寅さんが旅先で田舎の道を歩くシーン、旅一座のトラックと遭遇するのだが、何と・・私の自宅から車で15分の山中だった。「ちびとらの寅さんロケ地の旅」というう素晴らしいサイトで発見しました。まさか、この映画が公開されて45年、こんな近くにロケ地があるなんて感動でした。

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マッチ

3.5中村雅俊って演技上手いんだね。何となく上手くないと思ってた。 大竹...

2023年2月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

中村雅俊って演技上手いんだね。何となく上手くないと思ってた。
大竹しのぶちゃんカワイイね。演技も良い。
毎度のお決まり、分かっちゃいるけどベタな流れ。
今回は寅さん無理矢理フラれてる感じだね。無理に主役がフラれなくてもいいんじゃないの。

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ひでを

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