第25回上海国際映画祭で上映される日本映画は? 「こんにちは、母さん」「658km、陽子の旅」が長編コンペ入り
2023年6月8日 18:00

中国国内で唯一の国際映画製作者連盟 (FIAPF) 公認長編映画祭「第25回上海国際映画祭」が、6月9日~18日(現地時間)に開催される。同映画祭には、例年通り、多数の日本映画が出品。本記事では、出品作の紹介に加え、上海国際映画祭プログラマーを務める徐昊辰氏のコメントを紹介する。
長編コンペティション部門には、山田洋次監督が吉永小百合を主演に迎え、現代の東京・下町に生きる家族が織りなす人間模様を描いた人情ドラマ「こんにちは、母さん」と、菊地凛子と熊切和嘉監督が22年ぶりに再タッグを組んだ「658km、陽子の旅」が選出。山田監督、熊切監督、菊地らは現地参加を予定している。アジア新人部門には「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」(金子由里奈監督)、長編アニメーション部門には「とんがり頭のごん太 2つの名前を生きた福島被災犬の物語」(西澤昭男監督)が出品されている。


GALA部門では、監督・山下敦弘と脚本家・宮藤官九郎が初タッグを組み、台湾映画「1秒先の彼女」をリメイクしたラブストーリー「1秒先の彼」、齊藤工が監督、窪田正孝が主演を務める「スイート・マイホーム」の上映を予定している。山下監督は「苦役列車」以来、11年ぶりに同映画祭に参加し、舞台挨拶に登壇予定。また、齊藤監督も「Blank13」にてアジア新人賞部門・最優秀監督賞を受賞して以来、6年ぶりに同映画祭に参加する予定だ。


“巨匠・伊丹十三”という枠組みでは「お葬式」「大病人」「静かな生活」「スーパーの女」「マルタイの女」、“巨匠・特別記念”では、2022年3月に亡くなった青山真治監督作「EUREKA ユリイカ」と、今年3月に他界した音楽家・坂本龍一さんに迫ったドキュメンタリー「Ryuichi Sakamoto: CODA」をラインナップ。“オフィシャル推薦枠”は、「ある男」(石川慶監督/審査員作品展)、「せかいのおきく」(阪本順治監督/名匠の新作)、「ケイコ 目を澄ませて」(三宅唱監督/映画祭セレクション)、「LOVE LIFE」(深田晃司監督/映画祭セレクション)となっている。
今回、石川監督は、アジア新人部門の審査員として映画祭に参加。三宅監督も映画祭期間中にマスタークラスを開催予定となっており、中国の映画人や学生たちと交流する。


特別企画は「東映アニメーションの軌跡」。「映画HUGっと!プリキュア・ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」(宮本浩史監督)、「美少女戦士セーラームーンCosmos 前編」(高橋和也監督)、「美少女戦士セーラームーンCosmos 後編」(高橋和也監督)、「銀河鉄道999」(りんたろう監督)、「さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅」(りんたろう監督)、「長靴をはいた猫」(矢吹公郎監督)、「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」(細田守監督)といった作品群で東映アニメーションの歩みを振り返る。

ニッポンエクスプレス部門には、日本国内で話題を呼んだ作品が目白押しだ。「ハケンアニメ!」(吉野耕平監督)、「ヴィレッジ」(藤井道人監督)、「窓辺にて」(今泉力哉監督)、「ロストケア」(前田哲監督)、「こちらあみ子」(森井勇佑監督)、「レジェンド&バタフライ」(大友啓史監督)、「雑魚どもよ、大志を抱け!」(足立紳監督)、「TANG タング」(三木孝浩監督)、「Winny」(松本優作監督)、「銀河鉄道の父」(成島出監督)、「渇水」(高橋正弥監督)が中国の映画ファンに披露される。
映画.comでは、コラム「どうなってるの?中国映画市場」(https://eiga.com/extra/xhc/)を連載している徐氏。今回の上海国際映画祭については「コロナの影響を受け、2年ぶりの開催となった上海国際映画祭。審査委員長のイエジー・スコリモフスキ監督、山田洋次監督といった巨匠をはじめ、ピーター・チャン、齊藤工、イー・ヤンチェンシーといった映画スターたちが、再び上海に集まります。今年は、日本映画の新作が100本以上も映画祭に応募していたため、例年以上に大盛況でした。コンペティション部門に入選した『こんにちは、母さん』『658km、陽子の旅』、GALA部門に入った『スイート・マイホーム』『1秒先の彼』などなど。中国の観客は、きっと日本映画の新たな魅力を発見するでしょう」と語っている。
主な上映作品は、以下の通り。
「Half Time」チャン・ヤオユェン監督
「映画HUGっと!プリキュア・ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」宮本浩史監督
「美少女戦士セーラームーンCosmos 前編」高橋和也監督
「美少女戦士セーラームーンCosmos 後編」高橋和也監督
「銀河鉄道999」りんたろう監督
「さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅」りんたろう監督
「長靴をはいた猫」矢吹公郎監督
「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」細田守監督
「みなに幸あれ」下津優太監督
「ハケンアニメ!」吉野耕平監督
「ヴィレッジ」藤井道人監督
「窓辺にて」今泉力哉監督
「ロストケア」前田哲監督
「こちらあみ子」森井勇佑監督
「レジェンド&バタフライ」大友啓史監督
「雑魚どもよ、大志を抱け!」足立紳監督
「TANG タング」三木孝浩監督
「Winny」松本優作監督
「銀河鉄道の父」成島出監督
「渇水」高橋正弥監督
「青と白」西山裕之監督
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

映画「F1(R) エフワン」
【語れば語るほど、より“傑作”になっていく】上がりきったハードルを超えてきた…胸アツをこえて胸炎上
提供:ワーナー・ブラザース映画

たった1秒のシーンが爆発的に話題になった映画
【この夏、絶対に観るやつ】全世界が瞬時に“観るリスト”に入れた…魅力を徹底検証!
提供:ワーナー・ブラザース映画

でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
【あり得ないほど素晴らしい一作】この映画は心を撃ち抜く。刺すような冷たさと、雷のような感動で。
提供:東映

メガロポリス
【映画の“神”が186億円の自腹で製作した狂気の一作】この映画体験、生涯に一度あるかないか…
提供:ハーク、松竹

なんだこの映画は!?
【異常な超高評価】観たくて観たくて仕方なかった“悪魔的超ヒット作”ついに日本上陸!
提供:ワーナー・ブラザース映画

すさまじい映画だった――
【あまりにも早すぎる超最速レビュー】全身で感じる、圧倒的熱量の体験。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

“生涯ベスト級”の絶賛、多数!
「愛しくて涙が止まらない」…笑って泣いて前を向く、最高のエール贈る極上作【1人でも多くの人へ】
提供:KDDI

究極・至高の“昭和の角川映画”傑作選!
「野獣死すべし」「探偵物語」「人間の証明」…傑作を一挙大放出!(提供:BS10 スターチャンネル)