ハケンアニメ!

劇場公開日:

ハケンアニメ!

解説

直木賞作家・辻村深月がアニメ業界で奮闘する人々の姿を描いた小説「ハケンアニメ!」を映画化。地方公務員からアニメ業界に飛び込んだ新人監督・斎藤瞳は、デビュー作で憧れの天才監督・王子千晴と業界の覇権をかけて争うことに。王子は過去にメガヒット作品を生み出したものの、その過剰なほどのこだわりとわがままぶりが災いして降板が続いていた。プロデューサーの有科香屋子は、そんな王子を8年ぶりに監督復帰させるため大勝負に出る。一方、瞳はクセ者プロデューサーの行城理や個性的な仲間たちとともに、アニメ界の頂点を目指して奮闘するが……。新人監督・瞳を吉岡里帆、天才監督・王子を中村倫也が演じ、柄本佑、尾野真千子が共演。「水曜日が消えた」の吉野耕平が監督を務めた。劇中に登場するアニメは「テルマエ・ロマエ」の谷東監督や「ONE PIECE STAMPEDE」の大塚隆史監督ら実際に一線で活躍するクリエイター陣が手がけ、そのキャストとして梶裕貴ら人気声優が多数出演。

2022年製作/128分/G/日本
配給:東映
劇場公開日:2022年5月20日

スタッフ・キャスト

監督
原作
辻村深月
脚本
政池洋佑
製作
木村光仁
高木勝裕
鷲見貴彦
與田尚志
中野伸二
鉃尾周一
岡徳康
企画プロデュース
須藤泰司
プロデューサー
高橋直也
木村麻紀
キャスティングプロデューサー
福岡康裕
音楽プロデューサー
津島玄一
ラインプロデューサー
石川貴博
撮影
清久素延
美術
神田諭
照明
三善章誉
録音
赤澤靖大
装飾
神戸信次
衣装
遠藤良樹
ヘアーメイク
細倉明日歌
編集
上野聡一
音響効果
勝亦さくら
音楽
池頼広
主題歌
ジェニーハイ
ナレーション
朴ろ美
スクリプター
渡邉あゆみ
俳優担当
林まゆみ
助監督
木ノ本豪
制作担当
曽根晋
関浩紀
VFXプロデューサー
井上浩正
山田彩友美
アシスタントプロデューサー
北岡睦己
プロダクション統括
木次谷良助
「サウンドバック 奏の石」監督
谷東
「サウンドバック 奏の石」キャラクター原案
窪之内英策
「サウンドバック 奏の石」メカデザイン
柳瀬敬之
「運命戦線リデルライト」監督
大塚隆史
「運命戦線リデルライト」キャラクター原案
岸田隆宏
アニメーション制作
Production I.G
実写本編監修
東映アニメーション
アニメ監修
梅澤淳稔
全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第46回 日本アカデミー賞(2023年)

ノミネート

最優秀作品賞  
最優秀監督賞 吉野耕平
最優秀脚本賞 政池洋佑
最優秀主演女優賞 吉岡里帆
最優秀助演男優賞 柄本佑
最優秀助演女優賞 尾野真千子
最優秀音楽賞 池頼広
最優秀美術賞 神田諭
最優秀編集賞 上野聡一
新人俳優賞 小野花梨
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(C)2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会

映画レビュー

3.5もう少し前に映画化されていれば

2022年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

良く出来ていたし、ストロングポイントもターゲット層も明確だったのに、これがヒットしなかったのは時代の感覚が急速に変化していることの現れだろうか。2017、2018年ごろならもっとヒットしているんじゃないかと思う。日本を代表するカルチャーとなったアニメに情熱を注ぐ人々のドラマを通して、ものつくりへの熱い思いをぶつけているわけだが、今そういう熱いものって受ける時代じゃなくなったのかもしれない。
それとアニメ業界がここ5年くらいで激変しているので、ここに描かれたアニメ業界がすでにちょっと古いものになっているというのもある。タイトルにある「ハケン(覇権)」という単語もアニメファンの間で使われていないし、視聴率競争はずいぶん過去のものだし、徹夜仕事も減ってきているしもっとデジタル化が進んでいる。
映画そのものは見ごたえがある。吉岡里帆は良い芝居をしているし、作中のアニメが本格的な作りで本気度がうかがえる。少し古い話だとしても、もうちょっと注目されてもいいんじゃなかろうかと思う。企画のタイミングって難しいなと思う。

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杉本穂高

4.0懇願:サウンドバックを全話作ってください。

2022年6月28日
PCから投稿

アニメ業界の裏舞台もの、とはいえ、監督自身が現実とは違うとわかった上で同じ時間枠での視聴率対決を持ち込んだように、あくまでもエンタメとして見せることを優先したお仕事映画。とくにアニメ業界に詳しい人には思うところもあるんじゃないかと思うが、吉岡里帆をはじめ「演技しすぎない演技」の按配がすごくよくて、クサくなりそうなところを絶妙に踏みとどまる感覚が心地よい。

ただ根性論や作家主義の礼賛、ふたつ出てくる恋愛要素など、価値観としていささか古く見える部分はある。わかりやすさとのせめぎ合いがあったのではないかと想像するが、そもそも物語自体がそおのめぎ合いについてであり、良くも悪くもメタなシンクロについて考えさせられる。

劇中アニメのクオリティが高く、そしてちゃんと「面白そう」に見えるのは稀有であり、本作の強みのひとつだろう。フィクションでは天才や名作が出てきたところでセリフの説明で処理されてしまうことがほとんど。それをきちんとアニメ作品単体でも観たいと思わせる力が凄まじい。豪華パンフレットに両劇中アニメの全話プロットが載っているこだわりも良かった。特に「サウンドバック」は超面白そうだったので全話作ってはくれまいか。

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村山章

4.5執念の眼力と多彩な人間模様に胸熱くなる

2022年5月29日
PCから投稿

吉岡里帆が脇目もふらず一直線を見つめる。その眼力というか覇気に、まずとてつもなく圧倒された。髪を振り乱し、愚直に己の全てを投げ打って理想のものに近づこうとする。そうやってTVアニメ作品を一話一話、魂を込めて世に解き放つ新人監督の姿は、言わばこの映画の魂のエンジン。と同時に、本作にはいわゆる絵に描いたような悪役が登場せず、ライバルとなる天才監督もまた、彼にしか辿り着けない境地で孤独に魂を震わせるもう一つのエンジンだ。本作はこうして発射態勢に入る二つの製作陣営を、比べて、競わせて、ゆくゆくは共振させることで作品としての分厚さを得ていく。その過程でヒロインが視野を広げ、経験を積み、スタッフを信頼し、自分のビジョンを具現化するための言葉と人を動かす統率力を培う成長ぶりがまた素晴らしく、持ち前の眼力が透度と深みを帯びていく様に心動かされる。それを支えるキャストも細部に至るまでみんな見事に活きている。

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牛津厚信

5.0今の世の中に必要な要素がかなり多く詰まった、いろんなものを考える際に重要なカギとなるエンターテインメント作品!

2022年5月20日
PCから投稿

まず本作は「アニメーション業界の舞台裏を知る事ができる」という意味でも面白いのですが、実はどんな業種であろうと「今の世の中を考える上で重要な要素が詰まっている」と思います。
この深い世界観を自然で面白い「お仕事ムービー」として仕上げている制作陣は、素直に「流石」だと思えました。
メインの中村倫也の安定感に加え、吉岡里帆の❝仕事人に徹した演技❞はこれまでで一番良かった気がします。
個人的には、プロデューサー役の柄本佑は、役柄も含めて、これまで見た作品で最も魅力的に映りました。
珍しく、他のどの役者も良くて、「本物」(本職)にしか見えない凄さがありました。
あえて挙げると、「神作画」を描くアニメーター役の小野花梨が光っていました。直近では、のん監督作の「Ribbon」で❝テンションの高い妹❞を演じていましたが、また違った興味深いキャラクターでした。
本作は想像を超えて出来が良かったので「あと少し頑張って欲しかったシーン」が逆に目につきました。
1つ目は、電車の中の「中吊り広告」のシーン。今は週刊誌の中吊りは無くなりましたし、そもそもアニメの話がトップに来る事はないです。いくら「覇権アニメ」であってもやや誇張になってしまうのでスマホのニュース記事のタイトルなどで良かったと思われます。
2つ目は、2人の監督が公開対談する際に、詰まった新人監督(吉岡里帆)に王子千晴(中村倫也)が助け船を出しますが、それとプレゼン画面がリンクするのは無理がありました。
本作は大きな点でこのくらいしかダメ出しする必要のない「圧倒的なクオリティーの高さ」でした!

今の世の中は「働き方改革」の名の下、本作の2人のアニメーション監督のようにこだわり抜くクリエイターは「ブラック」と見られる風潮もあります。もちろん、その大きな流れに異議を唱える訳ではないのですが、私は本作で描かれているプロフェッショナルな人達の「仕事の熱量」こそ、人や世の中を動かせるものだと考えています。
その意味で、こういうリアルな「本気を描いた映画」は、単純に楽しめるのと同時に、仕事の意義を考えるのにも適した意義深い作品だと思います。

なお、エンディング曲の後にも映像が続くので、席を立たずに最後のシーンを見逃さないようにしましょう!

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細野真宏
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