ハケンアニメ!

劇場公開日:2022年5月20日

ハケンアニメ!

解説・あらすじ

直木賞作家・辻村深月がアニメ業界で奮闘する人々の姿を描いた小説「ハケンアニメ!」を映画化。地方公務員からアニメ業界に飛び込んだ新人監督・斎藤瞳は、デビュー作で憧れの天才監督・王子千晴と業界の覇権をかけて争うことに。王子は過去にメガヒット作品を生み出したものの、その過剰なほどのこだわりとわがままぶりが災いして降板が続いていた。プロデューサーの有科香屋子は、そんな王子を8年ぶりに監督復帰させるため大勝負に出る。一方、瞳はクセ者プロデューサーの行城理や個性的な仲間たちとともに、アニメ界の頂点を目指して奮闘するが……。新人監督・瞳を吉岡里帆、天才監督・王子を中村倫也が演じ、柄本佑、尾野真千子が共演。「水曜日が消えた」の吉野耕平が監督を務めた。劇中に登場するアニメは「テルマエ・ロマエ」の谷東監督や「ONE PIECE STAMPEDE」の大塚隆史監督ら実際に一線で活躍するクリエイター陣が手がけ、そのキャストとして梶裕貴ら人気声優が多数出演。

2022年製作/128分/G/日本
配給:東映
劇場公開日:2022年5月20日

スタッフ・キャスト

監督
吉野耕平
原作
辻村深月
脚本
政池洋佑
製作
木村光仁
高木勝裕
鷲見貴彦
與田尚志
中野伸二
鉃尾周一
岡徳康
企画プロデュース
須藤泰司
プロデューサー
高橋直也
木村麻紀
キャスティングプロデューサー
福岡康裕
音楽プロデューサー
津島玄一
ラインプロデューサー
石川貴博
撮影
清久素延
美術
神田諭
照明
三善章誉
録音
赤澤靖大
装飾
神戸信次
衣装
遠藤良樹
ヘアーメイク
細倉明日歌
編集
上野聡一
音響効果
勝亦さくら
音楽
池頼広
主題歌
ジェニーハイ
ナレーション
朴ろ美
スクリプター
渡邉あゆみ
俳優担当
林まゆみ
助監督
木ノ本豪
制作担当
曽根晋
関浩紀
VFXプロデューサー
井上浩正
山田彩友美
アシスタントプロデューサー
北岡睦己
プロダクション統括
木次谷良助
「サウンドバック 奏の石」監督
谷東
「サウンドバック 奏の石」キャラクター原案
窪之内英策
「サウンドバック 奏の石」メカデザイン
柳瀬敬之
「運命戦線リデルライト」監督
大塚隆史
「運命戦線リデルライト」キャラクター原案
岸田隆宏
アニメーション制作
Production I.G
実写本編監修
東映アニメーション
アニメ監修
梅澤淳稔
全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第46回 日本アカデミー賞(2023年)

受賞

優秀作品賞  
優秀監督賞 吉野耕平
優秀脚本賞 政池洋佑
優秀主演女優賞 吉岡里帆
優秀助演男優賞 柄本佑
優秀助演女優賞 尾野真千子
優秀音楽賞 池頼広
優秀美術賞 神田諭
優秀編集賞 上野聡一
新人俳優賞 小野花梨
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(C)2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会

映画レビュー

4.0 この映画こそが「目先の覇権でなく10年後に語られる作品」

2026年10月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

幸せ

「納得のいく作品」を作ることの難しさと醍醐味を描いた映画。

編集「このカット要る?コストたか~い。スケジュールもデスマーチだし。」
撮影監督「何パーセントですか?具体的に数値で言ってください。」
作画監督「数値で言わないでくれる?パッションだよ。」
色彩設定「もっと具体的に。コバルト?セルリアン?エイジアン?」
脚本「古いの?僕のアイデア。結構修正でるけどいいの?」
制作デスク「今からの変更は現場が対応しきれません。元のコンテ通りでいきましょう。」

でもこういう声に流されていたら、無難で平板な作品に落ち着いて「いいもの」なんてできやしない。折衷案で芯がぶれるため、本当に伝えたかったテーマが伝わらない。

監督というのは、非協力的な言葉や、鬱陶しそうな顔にもめげずに、自分の想いをぶれずにぶつけないといけない、わかってもらわないといけない。(鈍感力というか、タフじゃないとダメだな。)
メンバーというものは負荷がかかることには否定的な軽口を言うもの。そこが作品の最終責任を負うリーダーとの違い。目線の違い。
でも、、、、劇中の台詞にもあったが「プロデューサーも、スタッフも、声優もみんな、作品を届けたい気持ちは監督に負けない。」そうなんだ携わるメンバーの根っこにも、これがあるんだ。誰も胸を張れない作品で終わりたくない。

「部下が文句ばかり」「前向きになってくれない」
そんなふうにちょっと非協力的な態度をあてられただけで、課題を放棄するところだった自分を猛省。メンバーはネガティブな自分の軽口を、軽々と超えてきてくれるリーダーの熱を待っている。(かもしれない、、)

:
:

※アニメゾンの表紙を描く神アニメーターの「作画力」がすごい。特別なスキルだ。「なんて言ってるんですか」と聞きながらゾーンに入っていく瞬間が鳥肌もの。

※リデルの上層部会議、ゼーレのよう。笑

※刺さった台詞
 「書くことの壁は、書くことでしか越えられないんだ。」
 「どれだけやっても!納得できないもの世にだしたら御終いなんだよ!」
 「貴方は代打なんかじゃありません。最初から四番です。」
 「うちは大手です。目先の覇権じゃなく10年先に残るアニメを作ることができる。」

※てっきり派遣さんが作るアニメかと思ったら、、、 覇権かよ!

※「出﨑演出」、、、初めて知りました。

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momokichi

4.5 新人アニメ監督の奮闘

2022年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

原作は未読ですが、予告で気になって鑑賞しました。
幼少期からアニメで育ってきた者として、久々に熱くなるストーリー展開でした。

今作では、アニメ業界で働く人達の大変さが描かれています。毎日夜遅くまで作業をし、精神的に追い込まれても、良質な作品を届けようと頑張っている姿を見て、彼らを応援する気持ちで夢中になることができました。
特に新人監督の斎藤瞳は、初めは気弱でスタッフの意見に振り回されますが、一人でも刺さるアニメを作るために奮闘している姿から勇気をもらいました。
王子監督も、強いこだわりを持った監督としてのプライドが伝わってきました。

また、エヴァンゲリオンやプリキュアなどのネタだけでなく、梶裕貴や花澤香菜などの有名声優も出演しているため、アニメ好きには嬉しい要素が満載でした。

最近のアニメは、視聴率や売上で作品の良し悪しを決められることが多くなっているように感じます。これはあくまで個人的に思っていることですが、どれだけ自分が好きでも、人気の低迷などでネガティブな印象を持つ人々を見て、残念に感じることも少なからずありました。しかし、この映画を見たことで、たとえライバルに負けてしまっても、クオリティを重視して少しでも受ける作品を制作したい監督もいることを実感しました。
今後は、様々なアニメを楽しむだけでなく、心を込めて制作している人達に敬意を払っていきたいと思うようになりました。

余談ですが、この作品は所沢などの西武線沿いが舞台になっています。私はその周辺に住んでいるので、馴染みのある場所が沢山出てきて親近感が湧きました。
時間があったら、映画の舞台へ訪れてみたいです。

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Ken@

3.5 もう少し前に映画化されていれば

2022年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

良く出来ていたし、ストロングポイントもターゲット層も明確だったのに、これがヒットしなかったのは時代の感覚が急速に変化していることの現れだろうか。2017、2018年ごろならもっとヒットしているんじゃないかと思う。日本を代表するカルチャーとなったアニメに情熱を注ぐ人々のドラマを通して、ものつくりへの熱い思いをぶつけているわけだが、今そういう熱いものって受ける時代じゃなくなったのかもしれない。
それとアニメ業界がここ5年くらいで激変しているので、ここに描かれたアニメ業界がすでにちょっと古いものになっているというのもある。タイトルにある「ハケン(覇権)」という単語もアニメファンの間で使われていないし、視聴率競争はずいぶん過去のものだし、徹夜仕事も減ってきているしもっとデジタル化が進んでいる。
映画そのものは見ごたえがある。吉岡里帆は良い芝居をしているし、作中のアニメが本格的な作りで本気度がうかがえる。少し古い話だとしても、もうちょっと注目されてもいいんじゃなかろうかと思う。企画のタイミングって難しいなと思う。

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杉本穂高

4.0 懇願:サウンドバックを全話作ってください。

2022年6月28日
PCから投稿

アニメ業界の裏舞台もの、とはいえ、監督自身が現実とは違うとわかった上で同じ時間枠での視聴率対決を持ち込んだように、あくまでもエンタメとして見せることを優先したお仕事映画。とくにアニメ業界に詳しい人には思うところもあるんじゃないかと思うが、吉岡里帆をはじめ「演技しすぎない演技」の按配がすごくよくて、クサくなりそうなところを絶妙に踏みとどまる感覚が心地よい。

ただ根性論や作家主義の礼賛、ふたつ出てくる恋愛要素など、価値観としていささか古く見える部分はある。わかりやすさとのせめぎ合いがあったのではないかと想像するが、そもそも物語自体がそおのめぎ合いについてであり、良くも悪くもメタなシンクロについて考えさせられる。

劇中アニメのクオリティが高く、そしてちゃんと「面白そう」に見えるのは稀有であり、本作の強みのひとつだろう。フィクションでは天才や名作が出てきたところでセリフの説明で処理されてしまうことがほとんど。それをきちんとアニメ作品単体でも観たいと思わせる力が凄まじい。豪華パンフレットに両劇中アニメの全話プロットが載っているこだわりも良かった。特に「サウンドバック」は超面白そうだったので全話作ってはくれまいか。

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村山章