苦役列車
劇場公開日:2012年7月14日
解説
西村賢太による2010年・第144回芥川賞作を「天然コケッコー」「マイ・バック・ページ」の山下敦弘監督が映画化。昭和の終わりの酒と風俗におぼれる日雇い労働の青年の姿を通して、孤独や窮乏、生きる力について描き出していく。1987年、中卒で19歳の北町貫多は、日当5500円の日雇い労働でその日暮らしの生活を続けていた。生来の素行の悪さと性犯罪者だった父をもつ引け目から友人も恋人もいない貫多だったが、ある出会いによって大きく変化していく。主演は「世界の中心で、愛をさけぶ」「モテキ」の森山未來。貫多が港湾労働で知り合い、貫多に変化をもたらしていく専門学校生・日下部正二に高良健吾が扮する。映画オリジナルのヒロイン・桜井康子役で「AKB48」の前田敦子も出演。
2012年製作/113分/R15+/日本
配給:東映
スタッフ・キャスト
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2023年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
社会の底辺で生きる少年を森山未來が熱演。
日雇い労働で頑張っているのは好印象だったが、家賃を滞納し、友人、知人に借金までしているのに好きなだけ飲み食いし、風俗店に通いつめているという、なかなかのクズっぷりにはうんざり。
あと、唐突に始まった動物ゲームの馬鹿馬鹿しさ。
前田敦子がほとんど下着姿になって水遊びをするシーンはなかなかの衝撃度だった。
2022年8月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
私小説「苦役列車」がめちゃくちゃおもしろかったし、何回も読みたくなる小説だったので、映画化されていると知り、ほぼ期待せずに観たら、やはり映画は土台無理な小説だったと認識した。
私小説だからここの在り様を言葉で紡いでいるところに面白さがあるので、その表だけを真似ると、こんなような映像になってしまう。単に汚い、だらしないという感じになってしまう。
それを上っ面で表現するのではなくて、こころの屈折、劣等感、プライド、そんなものが観たかったが、ハードル高すぎて、小説だけにとどめておいた方がよいものだった。
あとは、演出では、主役にタバコを吸わせすぎ。タバコを吸う動作にかまけてしまって、肝心のこころの機微を表現しきれていない。すぐにタバコを吸う動作に逃げてしまっているようにも見えてしまう。
映画化にはそもそも期待しないが、一回、タバコを吸わないで、演ってみてよ、と自分が監督ならば、そんな注文だすよ、ワンシーンだけでも。そんなことを突っ込みたくなるくらい、タバコばかり吸っていて、あー、せっかく主役が気合入れて演ってるのにもったいないと思う。
原作者西村賢太に貶された作品。
原作では落語のようにテンポの良い掛け合いだが、
森山未來扮する北町貫太の話し方がが何かしら疾患を抱えてるかのようにのろまな喋り方をする人物として描かれたのが気に食わなかったという。
因みに、苦役列車は西村賢太の作品の中では、傑作というわけでもない。
2022年2月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
2度目の鑑賞
原作既読
原作は芥川賞作家西村賢太
監督は『リンダリンダリンダ』『天然コケッコー』『マイ・バック・ページ』『もらとりあむタマ子』『味園ユニバース』『ぼくのおじさん』『ハード・コア』の山下敦弘
脚本は『島田陽子に逢いたい』のいまおかしんじ
この作品に出演しているが日雇い労働者の一人だろう
おそらくバスで背後から2人に声をかけるおじさんじゃなかろうか
僻み根性丸出しで顔も頭も性格も悪い貧しい日雇い労働者の出会いと別れを綴った爽やかのかけらもない泥臭い青春もの
共感できる
心に突き刺さる
だからといって即ち名作とはならない
なぜなら自分の人生はとてもじゃないが傑作とはいえないからだ
共感できたら高評価し共感できなければ低評価することしかできない連中は嫌いだ
主人公は作者本人がモデルだろうか
日本文学でありがちな私小説というやつか
時代は80年代
シャツをジーンズのなかに入れている
みんな煙草バンバン吸っている
キャッチコピーは「友ナシ、金ナシ、女ナシ。この愛すべき、ろくでナシ」
貧乏なのは確かだが友達はできるし彼女じゃないけど女友達がいるし違うじゃねーかと最初は思う人もいるだろう
だけど主人公の言動のせいで友達も女友達も離れていく
ろくでなしらしいがそれほどろくでなしとは感じなかった
それでも愛すべきと言われても愛したくはない
何処の馬の骨かもわからない東京の小洒落たコピーライターの指図は受けたくない
R15は風俗シーンだろう
サロンというやつで裸で踊っている女を鑑賞しながら別の風俗嬢が手や口で性的サービスをしてくれる手口
若い男性諸君は無名な踊り子役のヌードより前田敦子の透けた下着に興奮するかもしれない
パンツ一丁であの日のように海で泳ごうとしたら砂浜の落とし穴にドボン
落ちた先は何故かアパートの前のゴミ置き場という最後の最後で突然SF的展開
小説を書き始める主人公の背中で終了
森山未來の顔は生理的に嫌いだ
男から見てもブサイクより高良健吾の顔を眺めている方が気分がいい
それ故にこの配役はバッチリだ
この役に森山未來はハマっている
実際に森山は役作りで風呂無し3畳の部屋にしばらく住んでいたという
菅野美穂のような何もそこまでと感じさせる役作りを彼もするんだなと感心した
引越し前にお尻を出ししゃがんでウンコしようとする北町が面白かった
松本人志が引っ越したばかりの小島よしおのマンションでそこはトイレじゃないのに大便しかけた『リンカーン』を思い出した
東京出身で父親が性犯罪を起こしたことで家族離散してしまう中卒の日雇労働者で主人公の北町貫多に森山未來
九州出身で日雇いの人足現場で親しくなり北町の友達になる同い年な日下部正二に高良健吾
北町の願いで女友達になる古本屋で働いていた桜井康子に前田敦子
日雇い労働者で事故により大怪我をするが3年後歌手としてテレビ出演する高橋岩男にマキタスポーツ
北町が行きつけの古本屋の店主志賀に田口トモロヲ
北町の元カノで風俗嬢の熊井寿美代に伊藤麻実子
日下部の彼女鵜沢美奈子に中村朝佳
日雇い現場の上司・前野健次に高橋努
風俗店の客引きに宇野祥平