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映画「ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏」 ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏
劇場公開日:2020年2月14日
解説
美少年作家としてアメリカの文壇に登場し、またたく間に時代の寵児となったものの、実は2人の女性が作り上げた架空の作家だったことから一大スキャンダルとなったJ・T・リロイにまつわる事件を、クリステン・スチュワート主演で映画化。娼婦として生きる母と息子を描いた映画「サラ、いつわりの祈り」の原作者として知られ、その才能と美貌から多くのセレブを魅了したリロイ。しかし、後にローラという女性が50ドルで雇った女性サヴァンナにリロイを演じさせていたことが明らかになり、リロイが架空の人物であることが判明。サヴァンナはなぜ、ローラの言われるままに数年もの間リロイを演じ続けたのか。この事件のてん末をサヴァンナの視点から描いていく。サヴァンナ役をスチュワート、ローラ役をローラ・ダーンがそれぞれ演じ、ダイアン・クルーガー、ジム・スタージェス、コートニー・ラブらが脇を固める。
2018年製作/108分/PG12/アメリカ
原題:JT LeRoy
配給:ポニーキャニオン
スタッフ・キャスト
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2020年2月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
替え玉作家騒動とか美少年作家捏造事件といった予備知識を得て鑑賞する方が大半だろう。実話に基づくドラマで、クリステン・スチュワート演じるサヴァンナの自伝が原作なので、基本的にサヴァンナの視点で進む。J・T・リロイの筆名で「男娼になった少年の自伝的小説」を書いたローラ(ローラ・ダーン)に出会い、ローラからリロイになりすまして取材を受けるよう頼まれる。最初は乗り気でないサヴァンナだが、著名な映画監督やセレブからちやほやされるうち、リロイを演じることにのめり込んでいく。
ただし騒動の概要を既に知っていると、サヴァンナの内面がサスペンス要素として機能しづらい。これがもし、謎めいた美少年作家に魅了されたファンか、リロイに疑問を抱き真相に迫ろうとするジャーナリストの視点だったら、リロイの素性も映画の謎として機能し、より面白くなった気がするのだが。スチュワートとダーン、どちらも好演しているだけに惜しい。
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サヴァンナが美しい。儚さ脆さ危なかしさを出し、皆んなを騙している事にはなるのだが味方したくなる。
実際の話を知らなかったので、いつ真実が明らかになるのであろうかと。現実、これが実話に基づき映画にもなっているのだから嘘がばれたのは明白なのだが、誰の目線で描かれたのか分からないまま鑑賞していたのでサヴァンナが壊れなければいいがと思っていた。
最後まで観て、小説書いているという話からこれはサヴァンナが書いたものだとわかり成る程と。
ローラは出てきた時から不思議感を出していたので、この人はもう既に精神的に追い込まれているのでは、恋人も息子かと思うくらいでバンドにのめり込み感じは不自然。どこまで事実と合わせているのかは分からないが、サヴァンナ目線で描くとこうなるかと。
2021年9月22日
Androidアプリから投稿
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J・T・リロイや、本、ましてや、この事件そのものを知っていれば見方が大きく変わったと思うし、もっと楽しめただろう。私は全く知らず、この現代においてそんなことあったのかと驚いた。人気作家や漫画家が顔を出さないのはよくある話だが別人に演じさせるとは。中性的でミステリアスな雰囲気をクリスティン・スチュワートが好演している。嫉妬するローラもわかる。エヴァを演じたダイアン・クルーガーも好演だった。エヴァは事実をある程度知っていて利用したのだろうか。この映画だけ見ると、別人を演じたサヴァンナがエヴァに本気で恋をしてしまい、JTを演じるのに苦しみだしながらも、今となって一夜の過ちはJTだからだったのか、酔った勢いだったのか定かではなく、エヴァには受け入れられず、想いを諦めたという失恋ストーリーと?映ってしまった。もう少し、この最大の秘密、面白く描けなかったのか
2021年7月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
―”J・Tリロイ事件”
2000年代半ばの実話。
母親から、男娼となる事を強制されて育てられた男性、”J・Tリロイ”が、自らの生い立ちを綴った
「サラ、神に背いた少年」を文壇に発表し、一躍時代の寵児になった。
けれど、J・Tリロイは、実は・・・。ー
◆感想
・J・Tリロイを演じた、サヴァンナを演じた、クリスティン・スチュワートの、今ままでのイメージを払拭するような、短髪で、中性的でボーイッシュな姿は魅力的。
・J・Tリロイに惹かれる女優で、映画監督でもあるエヴァを演じた、ダイアン・クルーガーも、当然美しく、魅力的。
・サヴァンナにJ・Tリロイを演じるように”軽い気持ち”で依頼した、「サラ、神に背いた少年」の本当の著者、ローラ・アルヴァートを演じた、事態が自分の想像を超えて大きくなっていく事態を楽しみながら、サヴァンナと共にマスコミに徐々に追い詰められていく姿を演じた、ローラ・ダーンも魅力的。
<だが、映画を観ていて、彼女達の姿は魅力的ではあるが、作品には魅力を感じられなかった作品。物語の流れが、場当たり的で、サヴァンナのアヴァターを演じ続ける事に、悩む姿も弱い。
ダイアン・クルーガーのJ・Tリロイに対する態度の変容の仕方も違和感がある。
当時、J・Tリロイを絶賛した、数々の著名人の中で、コートニー・ラヴ(故、カート・コヴァーンの奥さん)が実際に出演しているのには、少し驚いたなあ・・。>