ある男

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

芥川賞作家・平野啓一郎の同名ベストセラーを「蜜蜂と遠雷」「愚行録」の石川慶監督が映画化し、妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝が共演したヒューマンミステリー。

弁護士の城戸は、かつての依頼者・里枝から、亡くなった夫・大祐の身元調査をして欲しいという奇妙な相談を受ける。里枝は離婚を経験後に子どもを連れて故郷へ帰り、やがて出会った大祐と再婚、新たに生まれた子どもと4人で幸せな家庭を築いていたが、大祐は不慮の事故で帰らぬ人となった。ところが、長年疎遠になっていた大祐の兄が、遺影に写っているのは大祐ではないと話したことから、愛したはずの夫が全くの別人だったことが判明したのだ。城戸は男の正体を追う中で様々な人物と出会い、驚くべき真実に近づいていく。

弁護士・城戸を妻夫木、依頼者・里枝を安藤、里枝の亡き夫・大祐を窪田が演じた。第46回日本アカデミー賞では最優秀作品賞を含む同年度最多の8部門(ほか最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀主演男優賞、最優秀助演男優賞、最優秀助演女優賞、最優秀録音賞、最優秀編集賞)を受賞した。

2022年製作/121分/G/日本
配給:松竹

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第46回 日本アカデミー賞(2023年)

受賞

最優秀作品賞  
最優秀監督賞 石川慶
最優秀脚本賞 向井康介
最優秀主演男優賞 妻夫木聡
最優秀助演男優賞 窪田正孝
最優秀助演女優賞 安藤サクラ
最優秀録音賞 小川武
最優秀編集賞 石川慶

ノミネート

最優秀助演女優賞 清野菜名
最優秀撮影賞 近藤龍人
最優秀照明賞 宗賢次郎
最優秀音楽賞
最優秀美術賞 我妻弘之
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(C)2022「ある男」製作委員会

映画レビュー

4.5実存はどこにあるのか

2022年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

タイトルが地味だけど、こう言うしかない。自分は何者か、肩書や人種や国籍や、色々なものをはぎとって本質を見つめた時、残るものは何だろう。戸籍を入れ替えて過去も名前も捨てた男が死んで、彼が本当は何者だったのかを追いかける弁護士は国籍を日本に帰化した在日3世。自分は日本人か在日か、アイデンティティはどこにあるのかと問わざるを得なくなる。個人を個人として規定するものは、内面なのか、社会的な立場や評価、戸籍などの記録か、血筋なのか。自分はこういう人間だと内面で強く思ったとしても、世間は、犯罪者の息子は犯罪者の息子として扱ってくる。だから、自分は何の罪も犯していなくても犯罪者の息子として生きざるを得ない。
戸籍を交換し、外面の肩書などを全て外した時に残るものはなんなのだろうか。「ある男」としか言いようがない存在になっても、何かが個人の証として残るものがあるのかどうか。自分に残るものはなんだろうと考えてしまった。

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杉本穂高

4.5「唯一不可分な個人」と「自分探し」からの解放

2022年11月26日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

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高森 郁哉

4.5誰にでも成り得るし、確かなものは無い

2023年6月1日
Androidアプリから投稿

目の前の人間が、確かなものは何も無く名前も素性も血も何もかもが虚構の中にあるように思えてくる。ボクサーのリングネームだったり、離婚や家庭環境で変わる名字に為す術なく苦しめられる子どもだったり。秀逸な表現で、自分が何者か分からなくなり、何者にでも成り得ることをみせつけられた。

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☆まぁ☆

4.5社会性とエンタメミステリーの見事な両立

2023年5月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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ひでぼー
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