EUREKA ユリイカ

ALLTIME BEST

劇場公開日:2022年5月13日

解説・あらすじ

「Helpless」の青山真治監督が、バスジャック事件で心に傷を負った人々の再生への旅を描いた人間ドラマ。2000年・第53回カンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞とエキュメニック賞を受賞した。九州の地方都市でバスジャック事件が発生し、多くの乗客が殺害された。生き残ったのは運転手の沢井と、中学生の直樹と小学生の梢の兄妹だけで、3人は心に深い傷を負う。2年後、家族を置いて消息を絶っていた沢井が町に戻ってくる。時を同じくして周辺で連続殺人事件が発生し、沢井に疑いの目が向けられる。そんな中、兄妹が2人だけで暮らしていることを知った沢井は、彼らの自宅を訪ね一緒に暮らし始める。さらに兄妹の従兄・秋彦も加わり、4人は沢井の運転するバスで旅に出るが……。沢井を役所広司、直樹と梢を実際の兄妹である宮崎将と宮崎あおいが演じた。2022年3月に青山真治監督が他界したことを受け、同年5月に追悼上映としてデジタル・マスター完全版を劇場公開。

2000年製作/217分/日本
配給:東京テアトル
劇場公開日:2022年5月13日

その他の公開日:2001年1月20日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第53回 カンヌ国際映画祭(2000年)

出品

コンペティション部門
出品作品 青山真治
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映画レビュー

5.0 またバスに乗って

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

青山真治監督作品。

凄い作品をみました…。
とにかく凄い。物語が、語られ方が、カメラワークが、省略が、、、凄い。

大きな物語が失墜してしまったポストモダンで私たちはどう生きるか。

私たちは沢井がバスの運転をするように、取るに足らない日常を往還して生きている。そんな日常にバスジャックという〈出来事〉が到来しても、バスジャック犯を撃退するようなヒーローにはなれず、トラウマを抱えて「以後」を生きざるを得ない。しかも家族には疎まれ、古き良き共同体の中で生きることもできない。私たちはあまりにも孤独に一人で生きないといけない。
そんな生き方は、バスジャック事件を生き残った兄妹のように、死へと放棄されていく。しかしそれでも生きなければいけない。ではそれはどのようにか。それが沢井と梢、直樹の邂逅と生への営み、バスでの旅によって「発見」されていく。

その「発見」について言うには、全てのショットについて言葉で語らなければならない。だがそれは不可能な営みだ。だから〈私〉が〈私〉自身で本作をみて、〈私〉の仕方で「発見」をしなくてはいけない。とにかくみなければならない。

ひとつ言えるとしたら、「哀悼すること」だろう。絶えず哀悼する旅に出向くこと。けれど日常に帰る道筋はあるのだろうか。そしてどのような日常に帰るのだろうか。

その答えにはたどり着けていない。私の「発見」の旅は往路の途中でしかないのかもしれない。

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まぬままおま

5.0 これが映画だ。これこそ映画だ。

2026年8月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

ドキドキ

多分人間の神経回路は(特に二千年以降)
極端に、意味の無い物に成り果てたのだろう。
いや、自分という一人の人間にとって
二千年頃に色々有り過ぎたのかも知れない。
としか私には言えない。
このレヴュー欄を見てそう感じた。
全ての生物に時間は等しく与えられている
はずなのだが、象の一分間と、蟻の
一分間が同じかと言うと、自信が無い。
この映画をタブレットで三倍速で観て
それでも今の子供達は、私と同じ物が
見出せるのかも知れない。
それこそ折角時短したのだから
違う映画をもう二本観て三倍の量の何かを
得られるのかも知れない。
この映画に泣けるところが百個あったよ。
という人もいれば、宮崎あおいの奇跡の笑顔で
充分元は取れた、一回ボロボロに泣いて
それで満足だ。他には無い感覚だったよ。
という人もいるかも知れない。

“ 純粋 ”な訳じゃないと思います。
いわゆる普通の人から見て
コミュニケーションの仕方が違う人達。
多分(ばかり使います)脳の構造は
象と蟻とでは同じか違うか理解して無いが、
ヒトは果たしてどちらに近いのか
また、象寄りのヒトと蟻寄りのヒトは居るのか。

兎に角ずうっと虫が鳴いている。
左右の耳のすぐ側で虫が鳴いてて
遠くを電車やバスが通り過ぎる。
しかし・・・、もっと近くで鳴ってるはずの
人の生活音が尽くしない、か、小さい。
静止画では無さそうなので、観てる側と
同じ時間が流れてるはずなのだが。
そんなものかも知れない。
みんな何考えてるか判らない。
(途中で手越が一人ほっぽり出されるが、
 (さすがにあんなところで置いてかれたら
 キツイと思った。もっと弁解しろよ。)
 アイツにだってもっともっと深い何かが
 澱んで溜まっていたのかも知れない。)
でもそのくらいが居心地良い。
周りの人間が何考えてるのか解り易過ぎると
自分まで馬鹿になってしまいそうで怖い。
(頭の中が丸見えの馬鹿しか出て来ない映画では
さらにその馬鹿がやたら己が感情を説明する。
それがまた薄っ平くてその薄っ平さの向こうにも
何も無い。これはさすがにゾッとする。
しかし、もしかしてナメられてるのか?とか
そんなに慌てて仕上げた映画で金取るのか?
とか、ずうっとハードルの低い(無い?)
映画を観せられて来た。殆どそうだった。
それが好き、な人も存在するのかも知れない。
が、もういい加減御免被りたい。)

ちゃんと選んでたか?
こんなにちゃんとした映画もあったのに。

伝説の「クーリンチェ」に例えたくなる程
張り詰めてザラザラと寄り添った3時間半。
退屈など挟まる余地一切無し。
ギリギリの人達の足掻き踠き呻き。
多分、再生までは出来そうにない。
けど、オカシクならない為の毎日を探れる強さ、
の、ヒントは見えたのだと思う。

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equinox

5.0 崇高さまでも感じる静かに訴えてくる作品

2026年3月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

3時間半、観てしまった。
事件による心の傷、というのが分かりにくかったが、
兄妹の目が全てを語っているようにも見えた。
兄はそれほどまでに心を病んでいたのか。
なかなか救いを探しても見当たらない。
登場人物と時を共有しているがごとくに時間が流れていく。台詞も少なく、ただ静かな時間が流れていく。
しかし、観るものは色々考えなくてはならない。
抜き差しならなくなった人々の心の再生を見守る。
物語に引き込まれるほどに辛くなっていく。
ハッピーエンディングとは言い難い終わり方。
どこに穏やかな幸せがあるのか?
それでも生きていかなければならない。
私たち自身も。
松重豊曰く「宮﨑あおいの演技が凄すぎて、何をすればいいのか分からないほどだった」
たしかに、ただ者では無いオーラが既に現れていた。

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K.I

3.5 小説を映像で読む

2023年11月24日
iPhoneアプリから投稿

2023
89本目

長いので心を委ねて観る作品。

編集すれば2時間に収まるだろう。
しかしそれでは意味がない。
これは見た人しかわからないだろう。

3時間半を超える作品にほとんど台詞は無く、役者の表情と音だけ。
故に役者は物凄く大変だっただろう。
宮崎あおいさることながら、ナオキ演じる宮崎将さんの目が本当にすごかった。

バスジャックに巻き込まれて生き残った3人を軸に再生物語だが、まあ台詞が少ない分、頭で考える時間が非常に疲れてしまった笑
セピアカラーなので、エモショーナルな印象だが他に目がいかないので役者の演技にどっぷり集中できる。

最後まで見切るも、満足感などは無い。
あの後、幸せになれるのだろうか??

おそらく、沢井さんは遠からず…
彼女を信じるしかない。

と色々と考える作品でした。

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M.T