HOKUSAI

劇場公開日:

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解説

「富嶽三十六景」など生涯を通して3万点以上の作品を描き残したといわれる江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の知られざる生涯を、柳楽優弥と田中泯の主演で映画化。町人文化が華やぐ江戸の町の片隅で、食うこともままならない生活を送っていた貧乏絵師の勝川春朗。後の葛飾北斎となるこの男の才能を見いだしたのが、喜多川歌麿、東洲斎写楽を世に出した希代の版元・蔦屋重三郎だった。重三郎の後押しにより、その才能を開花させた北斎は、彼独自の革新的な絵を次々と生み出し、一躍、当代随一の人気絵師となる。その奇想天外な世界観は江戸中を席巻し、町人文化を押し上げることとなるが、次第に幕府の反感を招くこととなってしまう。青年期の北斎を柳楽、老年期の北斎を田中が演じ、重三郎役を阿部寛、人気戯作者・柳亭種彦役を永山瑛太、歌麿役を玉木宏をそれぞれ演じる。監督は「探偵はBARにいる」シリーズ、「相棒」シリーズの橋本一。

2020年製作/129分/G/日本
配給:S・D・P
劇場公開日:2021年5月28日

スタッフ・キャスト

監督
企画
河原れん
脚本
河原れん
エグゼクティブプロデューサー
細野義朗
プロデューサー
中山賢一
共同プロデューサー
吉原大佑
キャスティング
川村恵
アソシエイトプロデューサー
勅使川原千春
大西結衣
ポストプロダクションプロデューサー
篠田学
ラインプロデューサー
武石宏登
撮影監督
ニホンマツアキヒコ
撮影
角田真一
照明
佐藤宗史
キーグリップ
ヒロカクハリ
録音
久連石由文
美術
相馬直樹
装飾
鈴村高正
衣装
宮本まさ江
メイク
宮内三千代
かつら
濱中尋吉
高嵜光代
編集
掛須秀一
音響効果
柴崎憲治
音楽
安川午朗
VFXスーパーバイザー
進威志
スクリプター
松澤一美
助監督
西山太郎
制作担当
田中智明
北斎スーパーバイザー
久保田一洋
浮世絵指導
向井大祐
松原亜実
音楽プロデューサー
安井輝
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映画レビュー

3.0人の心を動かす一本の線。

2021年7月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

まるでマイク・タイソンのような獰猛さ。自ら軋轢を呼び込み、ぶつかり合うことで自己確認するかのような絵師。若き日の北斎に扮した柳楽優弥は身体ごとぶつかる芝居を選んだ。
描きたいものを見つけること。どれだけリアルで精緻に再現されようと、内なる衝動がなければ人を惹きつける絵にはならない。遮二無二突き進もうとする青年に絵師としての才気を見出した蔦屋重三郎は、彼だけの絵を生むために必要な衝動へのきっかけを作ろうと、美人画の歌麿、役者たちの個性をデフォルメ画で表現した写楽ら、同時期を生きた絵師を紹介する。だが、宴席で逆ギレした青年は癇癪を起こすだけ。
人の心を動かす絵を描くことは簡単ではない。優れた絵は、なぜ人の心を動かすのか。青年が放浪の果てに見つけた一本の線が、年老いて覚醒する北斎の絵へとつながっていく。
諸説ある北斎の生きた軌跡から浮かび上がる、内なる創作衝動だけが生み出す唯一無二の創造の奇跡。シンプルだけれど根源的なこの問いかけは、どの道にも通じる普遍性を持つことを教えてくれる。

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高橋直樹

3.5ほぼフィクションの青年期パートが冗長。田中泯の身体表現をもっと見たかった

2021年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

知的

遅咲きの浮世絵師だった葛飾北斎の人生について、有名になり多くの弟子を抱えていた老年期は資料が多く残るものの、青年期の資料はほぼゼロだという。そこで本作は、柳楽優弥が演じる勝川春朗(のちの北斎)の青年期を創作し、いまだ画風を確立できず貧乏暮らしの日々や、当時すでに売れっ子の歌麿や年下の写楽と宴会に同席した際の焦りやこじらせ具合を描いており、特殊な天才の話ではなく普遍的な成長物語に寄せる意図はうかがえる。にしても、企画当初からダブル主演が既定路線だったのか、この青年期パートが全編のほぼ半分、1時間。これはさすがに長すぎた。

田中泯の老年期パートに入ると、有名な「富嶽三十六景」や「生首の図」の制作過程などで描写ががぜん活き活きとしてくるが、前半の青年期のエピソードが後半に効いてくるかと言えばそうでもない。だったら青年期をせいぜい3分の1程度に抑えて、そのぶん老年期パートで名画やユニークな北斎漫画などの創作の秘密に迫るとか、カメラアイの持ち主だったと言われる北斎からの見え方を凝った映像で再現してみるとか、もっと工夫のしようがあったのではないか。舞踏家でもある田中泯の絵を描いている時の身体パフォーマンスは素晴らしく、それゆえに、たとえば有名な120畳サイズの「巨大だるま絵」を描くシーン(原恵一監督のアニメ映画「百日紅 ~Miss HOKUSAI~」はさすが、この場面をしっかり描いていた)などがあれば、田中の全身を使った圧巻の身体表現を堪能できただろうにと惜しまれる。

俳優陣の演技や意欲的な映像も決して悪くないのだが、構成上のバランスの悪さが響いた。

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高森 郁哉

0.5『おーい』 と 呼べば あいよ と答える。

2023年12月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

4.0名作一歩手前かな?

2023年8月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

通してみて面白かったです。章立てで作ってありますのでサブスクなどで登場した時もキリの良いところで区切れます。
・表情と光(陰影)の演出が卓越している。特に、田中泯演じる老境の北斎には凄みが溢れていた。旋風での人々の様子を感じ取るところ、北斎の青の完成などはすげえを通り越して呆然としました。ラストの怒涛図を書き込んでいく若い北斎(柳楽優弥)との共演にはホロリとしました。
・一方、圧倒的にダメなのは、筆の音がマジックにしか聞こえない。これは圧倒的にダメだし興ざめ。
・史実は知らないので、アレなんですが、開眼/老境の北斎って、写楽の価値観(感じたことを表現する)、蔦屋の野心を持って絵を描いていった、ということですね。はい。

面白い作品ですのでぜひ観て欲しいです。

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