男はつらいよ 花も嵐も寅次郎

劇場公開日:

解説

旅先で知り合った青年と娘の恋の仲立ちをする寅次郎の姿を描く。脚本は「男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋」の山田洋次と同作の朝間義隆の共同執筆、監督も同作の山田洋次、撮影も同作の高羽哲夫がそれぞれ担当。

1982年製作/106分/日本
原題または英題:Tora-san The Expert
配給:松竹
劇場公開日:1982年12月28日

ストーリー

大分は湯平温泉でバイをする寅は、馴染みの湯平荘に宿をとった。夜、寅と宿の親父、勝三が酒を飲んでいると、そこへ、ひとりの青年が現れた。三郎というその青年は、かつて、この宿で女中をしていた女性の息子で、その母がひと月ほど前に病死し、遺骨を埋めにこの地にやって来たという。勝三は美しい三郎の母親を覚えており、彼の親孝行に感心した寅は、さっそく昔の知り合いを集め、供養をしてやる。同じ宿に泊り合わせていた、東京のデパートに勤めている旅行中の螢子とゆかりという二人の娘も、寅はその席に座らせてしまう。翌日、二人の娘と見物をしていた寅は、車で東京に帰ろうとしていた三郎と出会い、その日は四人でドライブをすることになった。そして夜、二人の娘と別れるときになって、三郎は螢子に付き合って欲しいと言う。突然のことで、螢子はとまどうようにフェリーに乗り込んだ。車で東京に帰った寅と三郎はヘ卜ヘトになって柴又に辿り着く。とらやの家族の団らんは、母と二人で育った三郎にはとてもうらやましく思えた。そして、三郎は自分の思いを螢子に伝えてほしいと寅に頼んで帰っていった。一方、螢子も、寅との楽しい会話が忘れられず、とらやを訪ねた。その日、寅は留守だったが、数日後、二人は一緒に酒を飲んだ。寅は三郎の気持ちを螢子に伝える。親のすすめる見合いを断った螢子だが、三郎は二枚目すぎると乗り気ではない。寅の報告にガックリする三郎。そこで寅は、螢子をとらやに招待し、彼女には知らせずに三郎も呼んだ。ぎこちない二人だが、その日からデートをするようになった。その頃、螢子の両親は、見合の相手の家族が螢子の素行を興信所で調べてもらった結果、彼女が特定の男性と交際していると教えられていた。螢子は両親に、その男性について問いつめられ、涙をためてとらやに向った。螢子は寅に「動物園の飼育係をする三郎は、チンパンジーのことしか話さず、大事なことにふれようとしない」と話す。螢子は三郎が好きだが彼の煮えきらない態度に、今後の関係に迷っていた。寅はそんな螢子に、好きだから余計に、思っていることが言えないんだと説得する。さくらにも励まされ、螢子は、とらやの帰路、三郎の本心を聞こうと決意、彼の勤め先を訪ねた。話があるという螢子に、三郎も話したいことがあると、観覧車に誘った。まず三郎が「チンパンジーがなつかなくなった。愛情がなくなったことを感じるのだろうが、それは君と知り合ってからだ……、結婚してほしい」と話した。もう螢子は何も話すことはなかった。結婚することを決めたという螢子の電話を聞くと、寅は、これからやって来るという二人は待たずに旅に出るのだった。

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マサシ

4.5沢田研二さんと田中裕子さんの恋

2024年10月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

笑える

萌える

BSの放送を録画したものを視聴しました。

『ウエスト・サイド・ストーリー』のミュージカル風の夢から覚めた寅さん(渥美清)は神社にいます。今作は三郎(沢田研二)と蛍子(田中裕子)の恋物語がメインです。三郎に寅さんが恋のアプローチ方法を教えます。

クライマックスの団子屋で三郎と蛍子の再会シーンの時、田中裕子さんの演技が凄いんです。ハッと驚いた顔をするんですが、それも良い。その後の台詞が声になってなくて泣きそうな顔をするのですが見どころでございます。

蛍子の両親が寅さんを彼氏だと勘違いするのも笑えますし、とにかく寅さんの言動が笑えて、おまけに三郎と蛍子の恋に感動して泣けるもんですから、もう面白いのなんの。

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Don-chan

1.0寅次郎「元祖ゆるキャラ」説

2024年9月14日
PCから投稿

本作の寅次郎は…

・酒は飲むが、打つ買うは全くしない(香具師仲間から変に思われないのでしょうか?)
・口は悪いが手は出さない
・若い女性が警戒心を抱かず、すぐになつく
・おっさんのくせに恋にあこがれるうぶさ(実体験はないくせに、空想のみたくましい)
・子どもを騙して茶碗から松茸を奪い取る幼稚さ(見た目はおっさんで中身は子供)
・身内に対して甘えた態度
・誰にでもなれなれしい
・地元は葛飾柴又だがほうぼうへ出かけていく
・いつも同じコスチューム

もうこれは人間と言うより、柴又のゆるキャラですね…
性格も外見もこんなに変で、かつこんなに国民に愛されたゆるキャラはいないと思います。
そう考えるといろいろと納得できます。
さすが山田洋次と渥美清!

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jin-inu

4.5【”あんまり二枚目だもん・・。”寅さん、再び恋のキューピッドに成るの巻。若き田中裕子さんの確かなる演技と憂いを漂わせるあの細い一重の目の艶っぽさが印象的な作品。】

2024年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

萌える

ー 寅さんシリーズの今作までで、本格的な?キスシーンは出て来ただろうか・・。
  マドンナを演じた田中裕子さんと女性に対して口下手な動物園の飼育係、純朴な三郎青年を演じた沢田研二さんの観覧車でのキスシーンである。
  今作は、寅さんのキューピッドが強烈過ぎた作品である、結果的に・・。-

◆感想

・冒頭のいつもの寅さんの夢シーンでは、沢田研二さんは”スケコマシのジュリー”として、颯爽と登場する。幼き時に記憶のある格好良い華やかな歌手、沢田研二さん、そのままである。
 だが、本劇の中では、沢田研二さんは冴えない二枚目の青年を演じさせられている。
 寅さんならぬ山田洋次監督の”二枚目は良いな。ちょっぴり妬けるぜ。”という思いかどうか知らないが、巧い配役だと思う。

・それにしても、今作のヒロイン、ケイコを演じたお若い田中裕子さんの確かなる演技と憂いを漂わせるあの細い一重の目の艶っぽさには、驚く。
 今や、邦画の大女優になられているが、お若い時はとても艶っぽい人だったのだなあ。

<寅さんが三郎に頼まれて、ケイコとの間を取り持とうと、とらやの皆と奮闘するのだが、元々ケイコの方が三郎に一目惚れをしていたのだから、上手く行くのは必然なのである。
 だが、三郎の純朴であるが故に、ケイコと二人になると会話が続かず不安になる心持ちから、漸く三郎からプロポーズされて、嬉しそうに涙する様を、見事に演じる田中裕子さんはお若い時から、演技派女優さんであったのだなあ・・、と思った作品である。>

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NOBU

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