男はつらいよ 寅次郎紙風船

劇場公開日:

解説

旅先で知り合った若い娘や、昔のテキ屋仲間の未亡人と寅次郎が繰り広げる騒動を描くシリーズ二十八作目。脚本は「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」の山田洋次と同作の朝間義隆の共同執筆、監督も同作の山田洋次、撮影も同作の高羽哲夫がそれぞれ担当。

1981年製作/日本
配給:松竹
劇場公開日:1981年12月28日

ストーリー

秋も深まってきた九州。気ままな旅暮らしの寅は、家出娘の愛子と知り合った。なかたか面白い彼女は、寅のバイに“サクラ”になったりして、二人は稼いだ。ある縁日。寅の向いで、あかぬけた三十女がバイをしている。光枝というその女は、寅のところにやって来ると「寅さんでしょ、主人から聞いてます」と話す。昔のテキ屋仲間、常三郎の女房だった。今、重い病に伏している亭主に代って仕事に出ているという。翌日、常三郎を見舞いに行った寅は、喜ぶ彼から「俺が死んだら、あいつを女房にしてやってくれ」と言われる。頷く寅は渡世人の末路に寂しさを感じ、光枝に何でも相談に乗ると手紙を残すと、まともな暮らしをしようと柴又に帰った。数日後、とらやに愛子がやってきた。とらやの一同は、愛子が寅の話していた女と間違え、驚いた。しかし、愛子は店の仕事をかいがいしく手伝い、おいちゃん、おばちゃんも大喜び。数日後、愛子のたった一人の兄・健吉がやって来た。マグロ船乗組員の兄は、家をあけることが多く、愛子は寂しかったのだ。その頃、光枝から寅に手紙が届いた。あれから間もなくして、夫が死に、今は上京して旅館で女中をしていると言う。寅は、家族を前に、結婚をすると告白する。住まい、就職の心配をする寅に、みんなはオロオロするばかり。数日が過ぎて、光枝がとらやにやってきた。だが、光枝は寅と結婚するつもりで来たのではなかった。「亭主の言葉を負担に思っているなら、安心して下さい。寅さんにだって好きな人はいるでしょう。これからは一人で生きていきます」と話す。旅の仕度をする寅を、さくらは止めるすべもなかった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.0柴又帝釈天、川甚入口って言うバス停があった。 僕はこの映画で笑った...

2024年11月3日
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鑑賞方法:VOD
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マサシ

4.0【温かいとらやという家族を持つ寅さんが、如何に幸せな男なのかという事を丁寧に描いた作品。しみじみとした哀愁、郷愁が漂うシーン多き、佳品である。】

2024年6月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■今作で、寅さんが出会う人達

 1.寅さんを良く知るテキヤのカラスの常(小沢昭一)
   病床に臥せっており、見舞う寅さんに”俺に万一の事が有ったら、光枝を頼む”と告げる。

 2.その妻で、今作のヒロイン、みつえ(音無美紀子)
   両親の愛を受けれずに、不良だったと寅さんに告白する。気丈だが過去に哀しみを抱え、更に常も病気で失う。

 3.家を飛び出したハッチャけているが、実は哀しみを胸に抱き、相部屋になった寅さんに惹かれ、一緒にテキヤの仕事を手伝う愛子(岸本加世子)

  という、どこか寅さんの境遇に似ている人達だが、決定的に違うのは寅さんには、いつ帰っても寅さんの身を案じている温かくも盤石な砦の如き”家族”が居る点である。

<今作は、面白いシーンもいつものように多数あるが、みつえを演じた音無美紀子さんの落ち着いた風情から漂うどことない哀愁が印象的な作品である。
 それと対比する形で、寅さんが帰る温かき場所がある事に気付き、みつえとの所帯を持つ事も考え、真面目に働く決意をする珍しきシーンがある作品でもある。>

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NOBU

3.5今回も切ないねぇ寅さん優しいし…大事な所でなかなか言えないねぇ 岸...

2023年2月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

今回も切ないねぇ寅さん優しいし…大事な所でなかなか言えないねぇ
岸本佳代子が可愛くて明るくて最後の寅さんいい笑顔だね

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ひでを

4.5大事なトコでヘタレる寅次郎は愛すべきキャラクターです。不採用通知を...

2022年4月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

大事なトコでヘタレる寅次郎は愛すべきキャラクターです。不採用通知を読んで貰って『とんだ3枚目だね』と言ったシーンが印象的でした。
絶頂期の岸本加世子の異常な程の可愛さだけでも観る価値あります。とても良かったです。

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tuna

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