映画ラストマン FIRST LOVE : 特集
「ま~たドラマの映画化か」と何気なく呟いたら、後輩にとんでもない勢いで激ギレされた話 「『ラストマン』ガチですよガチ!! ナメないでください、めちゃくちゃ面白いですから! あと映画版も超絶面白かったんで!!」

年末年始。クリスマスや正月、1年でもっとも好きなシーズンがやってきた!
映画館がにぎわい、業界的にも熱が入る。そんなわけで「どんな映画が上映される?」と映画.comの公開スケジュールをためつすがめつしていると、ひときわ力強いポスタービジュアルが目に留まった。
12月24日公開の「映画ラストマン FIRST LOVE」。
気になる。でもこの作品、あ~、そうか。

(C)TBS 「ラストマンー全盲の捜査官-」全話U-NEXTにて配信中
ドラマ観てないとわからないやつかな。正直、そう思った。しかし問題はここからだ。「じゃあまあ、私は観に行かないかな」……心のなかで言ったつもりが、声に出ていたらしい。
瞬間、肩を叩かれた。振り向くと、隣のデスクで仕事していたはずの後輩が、鬼の形相で仁王立ちして、こう言い放った。
なに? とんでもないことってなに!?
何気ない一言が、まさかこんなことになるなんて……。
「ラストマン」ミリしら(1ミリも知らない、の略)の筆者が、「映画ラストマン FIRST LOVE」を観に行くまでの実録記事、始まります。
※記事内での敬称略
●記事の人物紹介


「い~や『ラストマン』は“よくあるドラマ映画化”と違うんすよ!!」 後輩の熱弁を聞いてみたら、確かに“ガチ中のガチ”だった

(C)TBS 「ラストマンー全盲の捜査官-」全話U-NEXTにて配信中
後輩
先輩……「私は観なくていいかな」って、 もしかして「ラストマン」、ナメてます?


先輩
待て待て待て、別にナメてないって!! 面白そうだけど「ドラマ観てないと楽しめないのかな」そう思っただけだよ。
後輩
いや~~~~~~!! それもったいないんですよ!! 「ラストマン」こそガチなんです、 ここでスルーしたら先輩が損することは確定的に明らか なので、まあ俺に任せてください。


先輩
任せるって、何を?
後輩


先輩
は?
後輩


先輩
声、でけ~。この異常なテンション、逆に興味わいてきた。そこまで言うなら聞かせてもらおう、「ラストマン」の面白さとやらを!!
●そもそも「ラストマン」とは?

(C)TBS 「ラストマンー全盲の捜査官-」全話U-NEXTにて配信中
後輩
まず「ラストマン」の概要を紹介します。そのうえで具体的な魅力を語る方がわかりやすいと思いますので。


先輩
後輩
「ラストマン」は2023年にTBS日曜劇場で放送されたドラマで、 福山雅治 演じる全盲のFBI捜査官・皆実広見(みなみ ひろみ)と、 大泉洋 扮する刑事・護道心太朗(ごどう しんたろう)が、難事件に挑む姿を描いています。


先輩
福山雅治と大泉洋の凸凹バディか。お二方、プライベートでも仲いいんだよね。

(C)TBS 「ラストマンー全盲の捜査官-」全話U-NEXTにて配信中
後輩
皆実は どんな事件も最後には必ず解決することから“ラストマン” と呼ばれています。しかし、幼いころに両親を殺害されていて、その事件に巻き込まれた結果、 両目の視力を失っている ――という人物です。


先輩
ふむふむ。“ラストマン”ってそういうことね。
後輩
そんな皆実と、 犯人逮捕のために手段を選ばない孤高の刑事・護道心太朗 がバディを組む。この物語に多くの人が夢中になった結果、 最高視聴率は14.7%、平均視聴率は12.9% を記録。テレビ視聴が多様化する現状で、これは立派な数字ですよ。


先輩
そういえば最終回放送時、X(当時はTwitter)で 「#ラストマン」が世界トレンド1位 になってたよね。
●「この“主人公”、発明レベルですごいキャラなんですよ!!」
全盲のFBI捜査官――この「見えない、だからこそ見抜く」構図がまず面白い。そして「信じる・助けられるからこそ、最強」という設定が唯一無二なんです!!

後輩


先輩
一瞬、名前を「広島皆実」(高校サッカーの強豪校)に読み間違えるよね。
後輩
(無視)なにがすごいって、全盲の皆実は “見えない、だからこそ見抜く” んです。


先輩
おお~、一言で“気になる”説明ができるとは、キャラが立ってるねえ!
後輩
捜査って“視覚”に絶対頼るものじゃないですか。でも皆実は “視覚以外のすべて” で勝負します。たとえば聴覚。 足音のリズムや重さ で、その人の体格や身につけているものが、皆実にはだいたいわかります。さらにそこから、 趣味趣向、生活習慣、社会的地位とかも瞬時に推察 したりします。


先輩
足音だけでそんなにわかるの? すんごい。

後輩
あとは“ 反響音” から場所の広さや障害物を把握したり、 “匂い” とか “手触り” とかも重要な手がかりになります。ただ、見えない分ほかの感覚が鋭い、じゃあなくて 「感覚を総動員しつつも、洞察・知識・推理をフル回転させ、常人は気にしない“些細な違いや一致”に着目し、決定的な判断材料にする」 という描かれ方なのがまた面白いんですよ。


先輩
なるほど~。知性と洞察が最大の武器なんだねえ。
後輩
一方で、 視覚情報もデジタル技術で補完 されていて、耳元につけたカメラで目線を撮影し、その映像をAIが解析、人物や状況を読み上げて皆実に伝えてるんです。ほかには心太朗が皆実の“目”になって「9時の方向に敵」など伝えて共闘したり、 “周囲の助け”と本人の天才的なスキルが噛み合って無双 します。格闘も射撃もお手の物です。


先輩
まさに鬼に金棒! うわ~、すごく好きだな~皆実~。

後輩
ということで、皆実は 「見えない、だからこそ見抜く」 人物で最高なんです。さらに 「助けられるからこそ、最強」 という唯一無二のヒーロー像もすごい。


先輩
どういうこと?
後輩
普通、ヒーローは誰かを助けるために強くあろうとしますよね。 しかし皆実は「誰かに助けてもらうからこそ、強くなれる」。 逆なんですよ。個としての力ではなく、連帯の力を象徴する皆実の存在は、分断の世の中の“今”を照らす光でもあると思っています。


先輩
そんな皆実と、自身の魅力を1200%融合させている 福山雅治もすごい 、ということだね。
後輩
まさにその通り! 福山雅治のパブリックイメージもうまく盛り込まれていて、 紳士的なのにいたずらっぽい、とてもチャーミングなキャラ でもあります。だから笑えるシーンもたくさんあって楽しいんですよ「ラストマン」って。皆実は日本ドラマ史に残る“発明”なのでは?と思う瞬間が度々訪れて、考えれば考えるほど 「よくできた作品だなあ」 とため息が出る。だから俺は「ラストマン」にどっぷりハマったんですよ。

●「この “バディ”、よ~く見てください…日本最強クラスなんですよ!!」
福山雅治と大泉洋…日本の大スター“2トップ”の信頼・衝突・ユーモア・化学反応が、もう逆に直視できないくらい良いんです!!


先輩
そんな福山雅治と共闘するのが…… 大泉洋 ?
後輩
はい! 福山雅治 × 大泉洋!! 今の日本で“スター”と呼べる人は少なくなってきましたが、 この2人は紛れもなくトップクラスの大スター です。つまり“日本最強”バディ!


先輩
どんなバディになるの?
後輩
観れば秒で“理解(ワカ)る”んですが、あえて伝えるとこんな感じですね。

・大泉洋が、福山雅治に振り回され続けておもろい
・なんだかんだ言ってお互いを認め、信頼している
・だからこそ、たまに衝突する
・なのに軽口叩きながら、命預けちゃう
・アツい
後輩
で、 心太朗、最初は嫌々バディを組みます 。さしずめ “同僚以上・相棒未満、それでいて運命共同体” 。あと皆実って敵を騙すためにまずは味方を激しく騙す人で、重要情報をぜんぜん共有してくれないんですよ。なので、序盤の心太朗はずっと皆実に 「こいつマジで……!」 と憤慨してます。


先輩
カリカリしてる心太朗と、どこ吹く風でご機嫌な皆実が目に浮かぶね。
後輩
しかし、爆弾テロやバスジャックなど難事件を乗り越えるうちに、2人の 信頼ゲージがギュンギュン増し、 だんだんと “無敵のバディ” になっていきます。この過程がアツいのなんの。やがて 彼らの“過去”が思いも寄らず交錯 し、予想を超える展開に突入していきます。


先輩
おお、どんな展開か気になる。そして関係性の尊みがすごい。
後輩
尊みがスリリングな物語展開とあわさって、うわ、こうくるか!と、抗いようもなく飲み込まれていくわけで。俺も「最強のふたり」「グリーンブック」とか、バディものは見漁ってきましたが、それらの中でも トップクラスに好きなバディ。 あとですね……

それを受けて、映画では絆が限界突破しててマジでアツいんですよ!!!!!!!!

先輩
やめてくれ。気になって仕方なくなってきた。
●「マジでナメないでくださいよ、なぜなら“スタッフ”がガチなんですよ!!」
脚本、画づくり、サスペンス…「全方位レベチ」だからむちゃ面白いクオリティなんです!!


先輩
あとほかにはどう? なにかある? もっとちょうだい!
後輩
先輩も「ラストマン」に俄然、興味がわいてきたんですねえ……! クオリティ面を推したいんで、サクっと紹介します!!

・メインの脚本家が“関わる作品、ことごとく極大ヒット”の黒岩勉(「TOKYO MER」 「グランメゾン・パリ」「キングダム」など)!
・“トリック”が面白い! 「その手があったか!」と毎回、唸らされる!
・“皆実の両親はなぜ殺された?”…ヒューマンサスペンスとしても完成度が高い!
・コメディパートもかなり良い!! 各話最後の「LASTMAN」表示もおしゃれで小気味いい「これは良い!」と声が出る!
・“全盲所作指導”を担当する「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」がめちゃくちゃいい仕事してますねえ!
後輩
どこを切っても大満足のクオリティ なんです。――上述の通り、視聴率も評価も非常に高いため、 映画版の大ヒットにも期待が寄せられる ことは、ごく自然の摂理と言えるでしょう!

●「と、いろいろ語ってきましたが――!」
“ドラマ観ないと映画版楽しめない?” そんなことないです! 映画から観ても大丈夫、楽しめます!!


先輩
う~ん、聞けば聞くほど、私にドンピシャな作品のように思えてきたなあ。
後輩
でしょでしょ。ちなみに文字数の都合で省きましたが、心太朗の実の父親が「皆実の両親を殺した容疑」で収監されていたり、物語の根底に“さまざまな理不尽を受ける人々”を勇気づけるテーマが流れているなど、重要ポイントが大量にあります。


先輩
でもさあ、まだ大きな問題が残ってるよ……。
後輩
そこです!!! それがぜんっぜん大丈夫なんです。 映画から入ってOKで、むしろそのほうが良い説すらあると思います。


先輩
根拠はわからんがすごい迫力だ。ドラマの予習いらない? 本当に?

後輩
もちろん、予習するのも最高だと思いますし、今ならTVerなどで一気に観られます。が、 映画を先に観ると、ドラマを強烈に観たくなる と思います、そこだけが危険ですね……。


先輩
12月28日に完全新作スペシャルドラマ「ラストマン-全盲の捜査官- FAKE/TRUTH」も放送されるね。連ドラ最終回の“直後”から始まる物語で、しかしこれも映画を観てからでもOK、と……年末年始に向けての畳み掛け、「ラストマン」が猛烈な勢いで押し寄せてきている。
後輩
福山雅治と大泉洋が手を振りながらこちらに猛ダッシュしてきてるイメージ。


先輩
映画館へ行くしかねえ。 「映画ラストマン FIRST LOVE」、観てくるよ!
“面白い映画”、ここにあります!
▶▶「映画ラストマン FIRST LOVE」の上映スケジュールをチェックする
【ということで】映画「ラストマン FIRST LOVE」を観てきました。過去の自分をぶん殴りたい…これは誇張抜きで“劇場で観てよかった映画”!
プレゼンを受けた“私”が、後輩の言葉を鵜呑みにして、ドラマを予習せずに劇場へ……その結果は、果たして?
●【物語のスケール、すんごかった――!】
映画になって“面白さ倍”、さらに倍!! 最悪の犯罪集団との対決、鍵を握るのは“初恋の人”。そして、無敵のラストマンがついに敗北――!?

いざ本編開始!
おお……! 開始直後から「これまでの『ラストマン』」をひじょ~~~~にわかりやすく、スピーディーに紹介してくれる!! OK、だいたいわかった! 後輩が「予習不要」と言ってたのはこれがあるからだったのだ。
で、肝心な物語はというと、スケールがすごいのなんの! 中心人物となるのが、ロシアの超天才エンジニア。謎の組織に命を狙われ、亡命をはかった“彼女”は、皆実の初恋の人、ナギサ・イワノワ(演:宮沢りえ)だったのだ!

皆実は心太朗、CIAなどの合同チームとともに、ナギサの警護にあたることに。しかし……内通者によって敵対組織に情報が漏れ、皆実たちは襲撃を受けてしまう。絶体絶命のピンチ。無敵のラストマンが、ついに敗北の危機――!!?
と、皆実が初めて愛した女性をめぐる“最大級の事件”、この迫力とダイナミズムよ! 銃撃戦や爆発音の重さ、静寂の緊張、場のすべてを支配する皆実と心太朗の存在感――まさに映画館で観てこそ。「ほかの映画にしようかな」とか心の片隅で思っていた自分をぶん殴りたくなる。
最初から最後までエンタメ爆走最前線(?)って感じで、映画好きとしてもどっしりとした満足感。後輩くん、いや誇張抜きでかなり面白かったよこれ!!

後輩
(そうでしょうそうでしょう)
●【ああ、こういうことか! 福山雅治が“聞いていた以上”に最高!】
過去最強レベルでキレッキレ! そして大泉洋も北海道で面目躍如の大暴れ――ゾクゾクするほどキャストの熱量が爆発的!

そしてワクワクしてた福山雅治Meets皆実について。
物語序盤、いきなり、足音を聞いただけで初対面のFBI捜査官、クライド・ユン(演:ロウン)がいるとズバリ言い当てたりして、当のユン捜査官も賞賛どころか「すごいとは聞いてたけど、ここまですごいの?」的にドン引き。知性の“すごみ”の連打に「うっわこういうことか!」とシビれまくりだった。
さらにさらに心太朗役の大泉洋も大暴れ(シリアスとコミカルのブレンド絶妙)! 今回の舞台が北海道なのがミソですね、心太朗が北海道愛をとうとうと語ったのちに「護道さん、東京出身なのにやけに北海道に詳しいですねえ」「なんかこう、好きなんですよ北海道」みたいな、“役を超えて大泉洋本人がにゅっと出てる”シーンが意図的に盛り込まれていて、「ラストマン」を知らなくても思わず、ふくふく笑ってしまう。

……ああもう! もっと映画的なド派手シーンがたくさんあったのに、こういう“細かいけど心に残る場面”ばかりを語りたくなる!!(それもまた豊かな映画だった証拠)
後輩から聞いていた以上に福山雅治・大泉洋らキャスト陣が素晴らしいし、魂こめて“最高”を目指した撮影現場の熱気も感じられる。こういう作品、好きだなあ!
●【ええ…? 2人の信頼関係、限界突破してるじゃん――!】
もはや“信頼の向こう側”、その“絆”がエモすぎる!! ああ、これで決まった…大好きです「ラストマン」!!
個人的にここが一番好きだった。
もうなんか、信頼を通り越して普通にイチャイチャしてませんか、この人たち。
ネタバレを避けるため短くなりますが、「飛んで!」のシーンが泣きそうなくらい良かった。「信じている」とはいえ、普通、ここまで“誰か”に己の全存在を預けたりなんかできないよ!
信頼の向こう側にあるエモすぎる絆。早くこのシーンを観て、胸いっぱいに“あたたかいなにか”で満たされてほしい――「飛んで」その三文字で、私は「ラストマン」が大好きになりました。
【まとめ】「ナメてたらもったいない」――その理由が、観れば一瞬でわかる。そしてあなたも言いたくなる。「『ラストマン』はガチ中のガチですから!」

以上、ドラマ未履修の状態で「映画ラストマン FIRST LOVE」を観たところ、想像以上に「むちゃくちゃ面白かった」というレポートでした!
ほかにもアクションもスリルもトリックも全部良いし、本作のキーワードはさしずめ“迫力・緊張・疾走感”、そして“結末・真相・予想外”だった。
あとあれです! 主題歌が福山雅治「木星 feat. 稲葉浩志」(楽曲も最強バディなんかい!!)で、エンドロールもアガりにアガった!
ドラマの延長ではなく、映画になるべくしてなった“一級品”のエンタメだと、個人的に激推したい。そして、こうして記事を執筆しながら、今日の夜はドラマ版を1話から観るんだ~、なんてワクワクしていたりもする。
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