男はつらいよ

ALLTIME BEST

劇場公開日:1969年8月27日

解説・あらすじ

渥美清主演による国民的喜劇シリーズ「男はつらいよ」の第1作。1968~69年にフジテレビで放送された連続ドラマの結末に抗議が殺到したことから、テレビ版の脚本を手がけた山田洋次のメガホンで映画化された。中学生の時に父親と大ゲンカをして家を飛び出した車寅次郎は、20年ぶりに故郷・葛飾柴又に帰ってくる。美しく成長した妹・さくらと再会を喜びあう寅次郎だったが、さくらの見合いの席で大失態を犯し、縁談をぶち壊してしまう。再び旅に出た寅次郎は、奈良で偶然にも柴又帝釈天の御前様と娘の冬子に会う。冬子に恋をした寅次郎は、彼らに同行するかたちで柴又に戻ってくるが……。マドンナ役は本作が映画初出演となる新派のトップ女優・光本幸子。名優・志村喬が、さくらに思いを寄せる青年・博の父親役で出演している。

1969年製作/91分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:1969年8月27日

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(C)1969 松竹株式会社

映画レビュー

5.0 第1作にしてシリーズ最高傑作かもしれない

2025年10月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

楽しい

1969年公開作品
2度目の鑑賞
前回TSUTAYAレンタル
今回はU-NEXT
便利な世の中になったもんだよ

監督と脚本は『東京家族』『小さいおうち』『母と暮せば』『キネマの神様』『こんにちは、母さん』の山田洋次
脚本は他に『やればやれるぜ 全員集合!!』『大事件だよ 全員集合!!』『黒木太郎の愛と冒険』『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』『ニワトリはハダシだ』の森崎東

粗筋
父の浮気相手の芸者の間に生まれた寅次郎
父と喧嘩して14で家を出た寅は放浪の末にテキヤになった
20年ぶりに帰ってきた柴又で幼い頃に別れたきりの妹さくらと再会
寅の両親と兄はすでに亡くなりさくらは老舗の団子屋「とらや」を継いだ叔父叔母夫婦に育てられていた
そんなある日にさくらの見合い話が持ち上がる
相手はさくらの勤め先の下請けの社長の息子
ついていくはずの叔父が体調を崩し行けなくなり代わりに寅が同席したが高級ホテルに飲まれたのがテキヤの調子ではじけてしまい見合いをぶち壊してしまう
相手側に断られ見合いは破談となり元から乗り気じゃなかったさくらはまだ良いがそれを聞いた叔父叔母夫婦は大激怒
寅は叔父にコテンパンに殴られる
反省したのか翌朝置き手紙を置いて再び家を出てテキヤの旅の寅次郎
京都で御前様とそのお嬢さん坪内冬子とバッタリ再開した寅
御前様とは20年ぶりに柴又に帰った際に会ってはいるが冬子とは14の時に別れて以来の「デメキン」と呼び揶揄った幼馴染
柴又に帰ってきた坪内親子と一緒に着いてきた寅は流れでまた実家に戻ってきた
なんやかんやでさくらは隣の印刷工場で働く諏訪博とめでたく結婚する運びに

堅物の集まりのヤフコメ民が初見で観たらびっくりするだろう初期の寅次郎のヤクザぶり
コタツ記事を書くしか能がない馬鹿ライターなら「今の時代だったら炎上」と書くであろう醜態の数々
吉岡秀隆が出演し始めた頃にはだいぶ丸くはなってはいたが当時は違った
とはいえ馬鹿だけど根は優しい人情家
これが多くの国民にウケた
寅さん映画50本以上制作される超ロングヒット

元々TVの連ドラで最終回にハブに噛まれて亡くなる寅次郎
視聴者からの猛抗議で映画で続編
亡くなったことは無かったことに

特別出演の志村喬がとにかく良い
披露宴での挨拶は寅さんシリーズでもトップクラスの名場面
たっぷり持たせる「間」
そして訥々と喋り出す訳だがそれが涙を誘う
ハリウッドスターのスティーブン・セガールも絶賛する昭和を代表する名優の貫禄ぶり

69年だけに当然みんな若い
倍賞千恵子は可愛かったし前田吟なんて好青年だし
当時津坂匡章と名乗った秋野太作や博の同僚役のの石井愃一も当然若い

今回のマドンナは光本幸子
新旧の役者を浅く広く知っていることに関しては日本人の平均を超えていると自負があるが歴代のマドンナで彼女だけは知らなかった
それもそのはず本来彼女は舞台女優
当時新派のトップ女優
舞台専門となると自分は無知に近い

あと見合い相手に広川太一郎さん出てるのにセリフが全くないって悲しいな
勿体無い
「スープをズズって啜っちゃってアアタ図々しい人ねなんて言っちゃったりなんかしちゃったりして」とか言わせてほしかった

配役
20年ぶりに柴又に帰省したテキヤの車寅次郎に渥美清
寅次郎の腹違いの妹でオリエンタル電機で働いている車さくらに倍賞千恵子
老舗の団子屋「とらや」の6代目主人で寅次郎の叔父の車竜造に森川信
竜造の妻の車つねに三崎千恵子
タコ社長こと共栄印刷の社長の桂梅太郎に太宰久雄
共栄印刷で働く印刷工でのちにさくらと結婚する諏訪博に前田吟
題経寺の住職の「御前様」に笠智衆
御前様の娘で寅次郎の幼馴染の坪内冬子に光本幸子
題経寺の寺男の源吉に佐藤蛾次郎
博の父で北海大学農学部名誉教授の諏訪飈一郎に志村喬
博の母で颷一郎の妻の諏訪郁に津路清子
寅次郎の舎弟でテキヤをしていたが流れでとらやの従業員として働くことになった川又登に津坂匡章(現:秋野太作)
司会者に関敬六
オリエンタル電機の部長に近江俊輔
さくらの見合い相手の鎌倉道男に広川太一郎
オリエンタル電機の下請け会社の社長で道男の父に石島房太郎
道男の母に志賀真津子
川甚の仲居に村上記代
印刷工に石井愃一
印刷工に市山達巳
香具師1に北竜介
香具師2に川島照満
印刷工に水野皓作
参道の旦那に高木信夫
参道の旦那に大久保敏男
桂梅太郎の妻に水木涼子
とらやの店員に米本善子
結婚式の客に谷よしの
ご近所さんに後藤泰子
ご近所さんに秩父晴子
ご近所さんに大塚君代
ご近所さんに佐藤和子
大学教授に山内静夫
オリエンタル電機の社員に篠原靖夫
さくらと博の息子の満男に石川雅一

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野川新栄

5.0 笑いと涙と人情の心が温まる不朽の名作シリーズ第一話

2025年10月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

楽しい

不朽の名作シリーズ第一話です。おそらく見たのは3度目ではないかと思います。何度見ても笑って、涙して心が温まります。日本人に響く人情と風景が随所に現れて忘れていた心を取り戻すことができます。渥美清の切れのいい口上と豊かな演技、倍賞千恵子の初々しさとかわいらしさが光っています。ここまでの下町の日常があったかはわかりませんが庶民の姿が生き生きとしていて今よりも貧しかったかもしれませんが幸せそうに見えてこの作品に出てくる人たちのように生きることができるといいなと思います。
この一作目でシリーズのベースが出来上がっています。どの作品もストーリー展開はほぼ同じで先が見えてどうなるかわかっているのですが見飽きないです。たしかシリーズ映画本数ではギネスを取ったことがあったと思います。それだけ日本では根強い人気で数十年にわたって上映されてきました。日本人にとって普遍的に心を揺さぶるものを持っていて、そして、見ることでほっと安心を得ているっているのだと思います。

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むっ、むいちろう

5.0 寅さん初視聴

2025年10月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他、VOD

泣ける

笑える

癒される

子供の頃からその存在は知りつつも敬遠していた寅さんシリーズ。なんだか古臭いし渥美清の顔も好きじゃないし。退屈でベタベタな人情喜劇なんだろうと食わず嫌いでおりましたが、ウエストランドの河本さんキッカケでちょっと試しに見てみようと気紛れを起こしてU-NEXTで視聴。

本当に思った通りベッタベタ。もう50年以上前の作品ですから当たり前と言えば当たり前なのですが、なんの新鮮味も感じられないストーリー。演技もなんだか大袈裟で芝居がかってるかと思えば台詞を噛んでるのにそのままの所もあったりと、現代の感覚では違和感をおぼえるシーンが散見されます。主人公である寅さんの破天荒で無茶苦茶な性格が災いしてのトラブルメイカーっぷりも度を越していて少々不快…。

だがしかし。それにも関わらずこれが実に面白い。バラエティ番組などで常々耳にした冒頭のあのフレーズ、お世辞にも画質が良いとは言えないザラついた色彩に一気にノスタルジックな仮想世界に引き込まれます。映画を見た事の無い人間でも日本人なら誰でも知ってるあの寅さんが颯爽と画面に現れると心の中では既に拍手喝采。よっ!待ってました!なんて気分にさせられてしまいます。
上で書いたように行く先々でトラブルを巻き起こす寅さんを軸にしたベッタベタなストーリーは第一作目から既にマンネリ化しているには違いないのですが、それがほんの瑣末事だと思い知らされます。

何より渥美清さんの名調子が耳に心地よい。大衆演劇のような芝居がかった仕草もこの寅さんというキャラクターをより際立たせているように感じられ、むしろこれでこそ寅さんなんだと思わされました。
脇を固める役者陣も味があり、妹さくらの美しさは「とらや」の雰囲気からは逸脱していてハッとさせられるほど。個人的にはおいちゃんのコミカルな表情が大好物。「馬鹿だねぇ〜」がちょっと癖になります笑。
かと思えば博の父親のスピーチシーンでは分かっているのに思わず目頭が熱くなってしまうような説得力漲る名演もあり、当時の役者さんの充実ぶりがギュッと詰め込まれた素晴らしさ。

古き良き昭和の日本という今となってはまるで異世界な寅さんワールドで繰り広げられる人情劇。観客はまるでその異世界に転生したかのごとくその一員となる他ありません。
それほどにこの寅さんワールドにはそこで生活する人々の息遣いが聞こえてくるようなリアリティがあります。山田洋次監督の手腕なのでしょうか、細部までしっかりと作り込まれたこの舞台がどうにも懐かしく愛おしいのです。願わくばずっとこの世界に浸っていたいと思わせる温かさが名もなきエキストラの方々にまで満ち満ちているようです。

コロナ禍を経て益々人と人との距離が遠ざかってしまった現代にこそこの物語とこの世界はより一層輝いて感じられるのではないでしょうか。
未見の方には是非オススメしたいと強く思います。

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消臭プラス

3.5 映画終活シリーズ

2025年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

幸せ

1969年度作品
良きも悪きも、寅さん映画。
日本人は寅さん渥美清が、好き。

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あきちゃん

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