西島秀俊のおすすめ映画30選 「奥様は、取り扱い注意」金曜ロードショー放送記念【映画.comシネマStyle】
2022年3月18日 21:30
毎週テーマにそったおすすめ映画をご紹介する【映画.comシネマStyle】。
綾瀬はるかが元特殊工作員、西島秀俊が公安エリートという異色の夫婦を描いた劇場版「奥様は、取り扱い注意」が、3月18日に「金曜ロードショー」で放送されます。
主演作「ドライブ・マイ・カー」が第94回アカデミー賞で日本映画史上初めて作品賞にノミネートされ、同作で西島はアジア人男性として初めて全米批評家協会賞の主演男優賞を受賞している。今後の活躍から、ますます目が離せません。
そこで今週は、西島秀俊が出演したおすすめ映画30本を、最新作から過去作をさかのぼる形で一挙にご紹介します。
▽「99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE」(2021年/119分/木村ひさし監督)
2016年と18年にTBS「日曜劇場」で放送された松本潤主演の人気ドラマ「99.9 刑事専門弁護士」の劇場版。99.9%逆転不可能と言われる刑事事件で最後の0.1%まであきらめずに真実を追求し、無罪を勝ち取ってきた型破りな弁護士、松本が演じる深山たちが新たに挑む15年前の難事件。その鍵を握る謎の弁護士として西島が、大人気シリーズに花を添える。
常に事実だけを追求し、99.9%逆転不可能と言われる刑事事件で最後の0.1%まであきらめずに真実を追求し、無罪を勝ち取ってきた型破りな弁護士・深山大翔(松本)。斑目法律事務所の刑事事件専門ルームは、室長から所長へと昇格した敏腕弁護士・佐田篤弘(香川照之)のもと、新人弁護士の河野穂乃果(杉咲花)も加わり、事件に挑む日々を送っていた。ある日、15年前に起きた天華村毒物ワイン事件に関する依頼が舞い込む。事件には謎の弁護士・南雲(西島)とその娘エリ(蒔田彩珠)が関わっていた。村の青年・守(道枝駿佑)の協力を得て、事件を徹底的に調査していく深山たちだったが、思わぬ罠が彼らを待ち受けていた。
▽「劇場版 きのう何食べた?」(2021年/120分/中江和仁監督)
よしながふみ氏の人気漫画を西島と内野聖陽の主演でドラマ化して話題となった「きのう何食べた?」を、ドラマ版のキャスト&スタッフで映画化した劇場版。弁護士だが無駄な出費はせず、特売品で料理をするシロさんをドラマに引き続き西島が演じる。シロさんが作る美味しそうな料理の数々もこのシリーズの魅力の一つ。
雇われ弁護士の筧史朗(シロさん/西島)とその恋人で美容師の矢吹賢二(ケンジ/内野)にとって、2人でとる夕食の時間が日々の大切なひとときとなっている。ある日、史朗の提案で、賢二の誕生日プレゼントとして京都旅行に行くことに。賢二は京都を満喫していたが、道中に史朗からショックな話を切り出されてしまう。この京都旅行をきっかけに、2人はお互いの心の内を明かすことができなくなってしまい……。
▽「ドライブ・マイ・カー」(2021年/179分/PG12/濱口竜介監督)
村上春樹氏の短編小説を、「偶然と想像」でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した濱口竜介監督・脚本により映画化。第94回アカデミー賞で、日本映画史上初となる作品賞にノミネートされたほか、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞とあわせて4部門でノミネートとなる快挙を達成した。西島は本作で、アジア人男性初の全米批評家協会賞主演男優賞も受賞した。
舞台俳優で演出家の家福悠介(西島)は、脚本家の妻・音(霧島れいか)と幸せに暮らしていた。しかし、妻はある秘密を残したまま他界してしまう。2年後、喪失感を抱えながら生きていた彼は、演劇祭で演出を担当することになり、愛車のサーブで広島へ向かう。そこで出会った寡黙な専属ドライバーのみさき(三浦透子)と過ごすなかで、家福はそれまで目を背けていたあることに気づかされていく。
▽「奥様は、取り扱い注意」(2021年/119分/佐藤東弥監督)
2017年に放送され、綾瀬はるかと西島が元特殊工作員と公安エリートの夫婦を演じて最高視聴率25.6%を記録した人気ドラマの劇場版。原案は、「SP」シリーズや「GO(2001)」の金城一紀。西島が挑んだ、ドラマからよりスケールアップしたアクションも見どころ。
特殊工作員だった過去を持つ専業主婦の伊佐山菜美(綾瀬)と、現役の公安警察であることを隠しながら菜美を監視するやさしい夫・伊佐山勇輝(西島)。半年前、ある出来事により菜美は記憶喪失になってしまい、2人は桜井久実と裕司に名前を変えて、小さな地方都市で新しい生活を始めていた。2人が新生活を送る珠海市では、新エネルギー源「メタンハイドレード」の発掘をめぐり、開発反対派と推進派の争いが激化していた。そんな中、新エネルギー源開発の裏でロシアと結託した国家レベルの陰謀が潜んでいる事実を公安が突き止める。勇輝が公安の協力者になるか特殊工作員だった妻を殺すかの選択を迫られる中、菜美は大きな事件へと巻き込まれていく。
▽「サイレント・トーキョー」(2020年/99分/波多野貴文監督)
「アンフェア」シリーズなど手がけた秦建日子氏がジョン・レノンとオノ・ヨーコの楽曲「Happy Xmas(War Is Over)」にインスパイアされて執筆した小説「サイレント・トーキョー And so this is Xmas」を映画化したクライムサスペンス。西島はテロ事件を追う刑事を熱演。だらしない無精ひげとボサボサな頭髪とは対象的に、眼光は周囲を切り刻むかのように鋭く、常に臨戦態勢。セクシーさと危うさが同居した佇まいは注目だ。
クリスマスイブの東京。恵比寿に爆弾を仕掛けたという一本の電話がテレビ局にかかって来た。半信半疑で中継に向かったテレビ局契約社員(井之脇海)と、たまたま買い物に来ていた主婦(石田ゆり子)は、騒動の中で爆破事件の犯人に仕立て上げられてしまう。そして、さらなる犯行予告が動画サイトにアップされる。犯人からの要求はテレビ生放送での首相との対談だった。要求を受け入れられない場合、18時に渋谷・ハチ公前付近で爆弾が爆発するというが……。
▽「風の電話」(2020年/139分/諏訪敦彦監督)
「ライオンは今夜死ぬ」の諏訪敦彦監督が、震災で家族を失った少女の再生の旅を描いた人間ドラマ。今は亡き大切な人と思いを繋ぐ電話として、岩手県大槌町に実在する「風の電話」をモチーフに映画化。第70回ベルリン国際映画祭ジェネレーション14プラス部門に出品され、スペシャル・メンション(国際審査員特別賞)を贈られた。
8年前の東日本大震災で家族を失い、広島の叔母のもとで暮らす17歳の少女ハル(モトーラ世理奈)。ある日、叔母が突然倒れ、自分の周りの人が誰もいなくなってしまう不安にかられた彼女は、震災以来一度も帰っていなかった故郷・大槌町へ向かう。豪雨被害にあった広島で年老いた母と暮らす公平(三浦友和)や、かつての福島の景色に思いを馳せる今田(西田敏行)ら様々な人たちとの交流を通し、ハルは次第に光を取り戻していく。道中で出会った福島の元原発作業員・森尾(西島)とともに旅を続けるハルは、「もう一度、話したい」という強い思いに導かれ、故郷にある「風の電話」にたどり着く。
▽「任侠学園」(2019年/119分/木村ひさし監督)
社会奉仕がモットーの地元密着型ヤクザたちの奮闘を描いた今野敏氏の人気小説「任侠」シリーズを映画化したコメディ。西島は、「阿岐本組」のナンバー2・日村誠司役。アクションも披露していますが、要所で見せる“突破口を見つけたときの笑顔”が破壊的にチャーミングなので必見。
義理と人情に厚すぎるヤクザ・阿岐本組。社会奉仕に目のない組長(西田敏行)は次から次へと厄介事を引き受けてしまい、ナンバー2の日村(西島)はいつも振り回されてばかりだった。そんな彼らが、今度は経営不振の高校の建て直しに協力することに。学校には嫌な思い出しかない日村は子分たちを連れて仕方なく学園へ向かうが、そこで彼らを待ち受けていたのは、無気力・無関心な高校生と事なかれ主義の先生たちだった。それでも義理人情の正義を貫こうとする阿岐本組の情熱に、学園内の空気は徐々に変わっていくが……。
▽「空母いぶき」(2019年/134分/若松節朗監督)
「沈黙の艦隊」で知られるかわぐちかいじ原作のベストセラーコミック「空母いぶき」を実写映画化。国籍不明の軍事勢力から攻撃を受ける中、それぞれの立場で国民の命と平和を守るため奔走する者たちの姿を描く。西島が、航空自衛隊のパイロットとしての実績を買われていぶき艦長に抜擢された秋津竜太を演じた。
世界が再び「空母の時代」に突入した20XX年。日本の最南端沖で国籍不明の軍事勢力が領土の一部を占拠し、海上保安庁の隊員を拘束する事態が発生。未曾有の緊張感に包まれる中、政府は初の航空機搭載型護衛艦「いぶき」を中心とした護衛艦群を現場に派遣するが……。
▽「人魚の眠る家」(2018年/120分/堤幸彦監督)
人気作家・東野圭吾氏の同名ベストセラーを「明日の記憶」の堤幸彦監督が映画化したヒューマンミステリー。愛する娘の悲劇に直面し、究極の選択を迫られた両親の苦悩を描き出す。西島は、娘を救えるかもしれないと自社の最先端科学技術を駆使する父親を演じる。
ふたりの子どもを持つ播磨薫子(篠原涼子)と夫・和昌(西島)は現在別居中で、娘の小学校受験が終わったら離婚することになっていた。そんなある日、娘の瑞穂がプールで溺れ、意識不明の状態に陥ってしまう。回復の見込みがないと診断され、深く眠り続ける娘を前に、薫子と和昌はある決断を下すが、そのことが次第に運命の歯車を狂わせていく。
▽「オズランド 笑顔の魔法おしえます。」(2018年/105分/波多野貴文監督)
「海猿」や「S 最後の警官」の原作者としても知られる小森陽一氏の人気小説「オズの世界」を「SP」シリーズの波多野貴文監督が映画化。西島は、主人公の久瑠美を支える、お節介であったかい“理想の上司”を演じている。
超一流ホテルチェーンに就職しながら系列の地方遊園地への配属という不本意な辞令を受けてしまった波平久瑠美(波瑠)。落胆する彼女を迎える広大な田園風景とそこに突如出現する遊園地。そして遊園地で彼女を待っていたのは、これまでに数々の企画を成功させ、「魔法使い」の異名をとる天才社員・小塚慶彦(西島)と個性的過ぎる従業員たちだった。憂鬱な気持ちで遊園地での業務にあたる久瑠美だったが、各支社で目覚しい成果を上げたMVP社員は、好きな部署への異動希望を出せることを知り、MVP社員を目指して仕事に邁進するが……。
▽「散り椿」(2018年/112分/木村大作監督)
名カメラマンの木村大作が、「劔岳 点の記」「春を背負って」に続く映画監督第3作として手がけた時代劇。「雨あがる」などの監督・小泉堯史を脚本に迎え、直木賞作家・葉室麟氏の同名小説を実写映画化した。
享保15年。藩の不正を訴え出たために藩を追われた瓜生新兵衛(岡田准一)。追放後も連れ添い続け、病に倒れた妻・篠(麻生久美子)は、死の床で最期の願いを新兵衛に託す。それは、新兵衛のかつての友にしてライバルであり、藩追放に関しても大きな因縁を持つ人物・榊原采女(西島)を助けてほしいというものだった。妻の願いをかなえるため故郷へ戻った新兵衛は、やがてある確証を得て采女と対峙する。過去の不正事件の真相や妻の本当の思いを知る新兵衛だったが、その裏では大きな力が彼を襲おうとしていた。
▽「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」(2017年/126分/滝田洋二郎監督)
人気料理番組「料理の鉄人」を手がけた演出家・田中経一氏のデビュー小説を、二宮和也主演、「おくりびと」の滝田洋二郎が監督で映画化。二宮扮する天才料理人が、歴史の闇に消えてしまった幻のレシピを探す過程で、思いがけない真実が明らかになっていくさまを描く。西島は伝説のフルコースを残した、70年前の天皇の料理番を演じる。
1930年代、日中戦争前の満州国にやってきた天皇の料理番・山形直太朗(西島)は、陸軍からの依頼で112品目から構成される伝説のフルコース「大日本帝国食菜全席」を考案する。しかし、そのお披露目の直前、とある陰謀によって「大日本帝国食菜全席」のレシピはいずこかへと失われ、歴史の闇に消えてしまった。それから70年後の現代、一度食べればどんな味でも再現できる絶対味覚「麒麟の舌」を持ちながら、料理への情熱を失ってしまった天才料理人・佐々木充(二宮)は、中国料理界の重鎮である楊晴明という老人から、失われたレシピを探して欲しいと依頼される。
▽「クリーピー 偽りの隣人」(2016年/130分/黒沢清監督)
「岸辺の旅」でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞を受賞した黒沢清監督が、日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した前川裕氏の小説「クリーピー」を実写映画化したサスペンススリラー。「東南角部屋二階の女」で長編監督デビューした池田千尋と黒沢監督が共同脚本を手がけ、奇妙な隣人に翻弄されるうちに深い闇に引きずり込まれていく夫婦の恐怖を、原作とは異なる映画オリジナルの展開で描き出す。
元刑事の犯罪心理学者・高倉(西島)は、刑事時代の同僚である野上(東出昌大)から、6年前に起きた一家失踪事件の分析を依頼され、唯一の生き残りである長女の記憶を探るが真相にたどり着けずにいた。そんな折、新居に引っ越した高倉と妻の康子(竹内結子さん)は、隣人の西野一家にどこか違和感を抱いていた。ある日、高倉夫妻の家に西野(香川照之)の娘・澪(藤野涼子)が駆け込んできて、実は西野が父親ではなく全くの他人であるという驚くべき事実を打ち明ける。
▽「劇場版 MOZU」(2015年/116分/PG12/羽住英一郎監督)
逢坂剛氏のハードボイルド小説「百舌」シリーズを原作に、TBSとWOWOWが共同製作、リレー形式で放送した人気ドラマ「MOZU」の劇場版。フィリピンでロケを敢行した過激なカーチェイスや爆破のアクションシーンが見どころ。
妻の死の謎を追っていた公安警察官の倉木(西島)は、警察の内部に巣くう闇を明らかにした。しかし、それは恐るべき陰謀の氷山の一角にすぎなかった。ある時、高層ビルが占拠・爆破され、ペナム共和国の大使館が襲撃されるという2つの大規模テロ事件が同時発生。暗殺専門の殺し屋・権藤(松坂桃李)を中心とするテログループの犯行だったが、権藤らの裏には日本の犯罪史に残る重大事件を裏で操ってきた「ダルマ」と呼ばれる存在があった。
▽「脳内ポイズンベリー」(2015年/121分/佐藤祐市監督)
「失恋ショコラティエ」で知られる漫画家・水城せとな氏の同名コミックをもとに、年下男性に翻弄されるアラサー女性の苦悩を、彼女の脳内にある5つの思考を擬人化して描いたラブコメディ。西島は、主人公いちこの脳内会議で議長を務める「理性」を演じる。
携帯小説の作家として生計を立てている櫻井いちこ(真木よう子)は、飲み会で出会って以来気になっていた青年・早乙女(古川雄輝)と偶然にも再会を果たす。彼女の頭の中では、「理性(西島)」「ポジティブ(神木隆之介)」「ネガティブ(吉田羊)」「衝動(桜田ひより)」「記憶(浅野和之)」という5つの思考がせめぎあい、声を掛けるか否かで会議を繰り広げはじめる。その結果、早乙女を食事に誘ったいちこは彼の部屋にまで押しかけて肉体関係を結び、やがてふたりは付きあうことになるが……。
▽「チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像」(2014年/127分/星野和成監督)
医師で作家の海堂尊氏による人気ミステリー「チーム・バチスタ」シリーズ(田口・白鳥シリーズ)の第6作にして最終作「ケルベロスの肖像」(宝島社刊)を映画化。2008年のドラマ「チーム・バチスタの栄光」から続く、伊藤淳史&仲村トオル主演版の完結編となる。ドラマ第2弾「チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋」から本シリーズに参加している西島は、傲慢だが優秀な救命救急医で、“ジェネラル・ルージュ”(血まみれ将軍)の異名を持つ速水晃一を演じる。
東城大学医学部付属病院の心療内科医・田口公平(伊藤)と、厚生労働省の白鳥圭輔(仲村)は、マンモスMRIマシン「リヴァイアサン」を目玉とした国際Aiセンター(Ai=オートプシーイメージング:死亡時画像診断)発足と、死因究明システムの一大改革に向け、奔走していた。そんななか、司法解剖では死因が特定できない前代未聞の密室集団不審死事件が発生。さらには東城大に脅迫状が届き、高階病院長(林隆三)の指示を受けた田口は、脅迫状の真相解明の任も背負うことになる。
▽「ゲノムハザード ある天才科学者の5日間」(2013年/120分/キム・ソンス監督)
司城志朗氏の小説「ゲノムハザード」を映画化した日韓合作サスペンス。西島は真実を求める科学者役で、ノースタントでアクションをこなした。
ある日、自宅で殺された妻を発見した科学者の石神武人(西島)は、死んだはずの妻からの電話を受ける。そして、その日を境に警察を名乗る男たちに追われるように。真実を求める石神は、正体不明の記者(キム・ヒョジン)や妻を装う女(真木よう子)との出会いを通し、自分の記憶が何者かに上書きされていることに気付く。
▽「ストロベリーナイト」(2013年/127分/PG12/佐藤祐市監督)
誉田哲也氏の人気警察小説シリーズを原作に、女性刑事・姫川玲子の活躍を竹内結子さん主演で描いたドラマの劇場版。西島はドラマ版に続き、姫川の部下・菊田和男に扮した。劇中では、姫川、菊田、新たに登場する牧田勲(大沢たかお)の三角関係が展開する。
警視庁捜査一課の刑事・姫川率いる「姫川班」の管轄で、死体の左目が縦に切り裂かれるという連続殺人事件が発生し、警察は合同特別捜査本部を設置。やがて姫川のもとに「犯人は柳井健斗」というタレコミ情報が入るが、上層部からは「柳井健斗には触れるな」という不可解な指示が下る。納得できない姫川は単独で捜査を進め、その過程で牧田という男と出会う。
▽「セイジ 陸の魚」(2011年/108分/PG12/伊勢谷友介監督)
辻内智貴氏の小説「セイジ」を映画化した、伊勢谷友介の監督第2作。大学生の青年が旅のなかである男に出会い、やがて事件が起こるさまを描いた。西島がドライブインの雇われ店長・セイジ、森山未來が大学4年生の“僕”を演じた。
大学最後の夏休みに、自転車で一人旅をしていた“僕”は、国道沿いの寂れたドライブイン「HOUSE475」で、不器用だが純粋に生きる男セイジに出会う。成り行きで店を手伝うことになった僕は、物静かなセイジの話す言葉に影響を受け、人生について考えをめぐらせていく。そんなある日、平和な日常を一瞬で吹き飛ばす凄惨な事件が発生する。
▽「CUT」(2011年製作/132分/アミール・ナデリ監督)
イランの名匠アミール・ナデリが、2005年の東京フィルメックスで西島と出会ったことをきっかけに製作。青山真治が共同脚本で参加した。西島演じる、殴られ屋をして金を稼ぐ売れない映画監督の映画への愛情を描き出す。
映画監督の秀二(西島)は、いつも兄からお金を借りて映画を撮っていたが、どの作品も映画館にかけることができない。そんなある日、秀二は兄が借金のトラブルで死んだと聞き、兄が自分のために借金をしていたことを知る。罪悪感に苛まれる秀二は、兄の痛みを分かち合い、借金を返済するため、兄が死んだヤクザの事務所で殴られ屋を始める。秀二は殴られるたびに名作映画を思い浮かべ、映画への愛情が、彼を何度でも立ち上がらせる。
▽「サヨナライツカ」(2009年/134分/R15+/イ・ジェハン)
辻仁成氏のベストセラー恋愛小説を、中山美穂主演で映画化。「私の頭の中の消しゴム」のイ・ジェハン監督がメガホンをとった。
1975年のタイ・バンコク、ひとり自由気ままに暮らす沓子(中山)は、日本から赴任してきたエリートビジネスマンの豊(西島)に出会う。激しく惹かれ合うふたりだったが、豊には日本で彼の帰りを待つ婚約者がいた。
▽「真木栗ノ穴」(2007年/110分/深川栄洋監督)
「体育館ベイビー」「同級生」の深川栄洋監督が、山本亜紀子氏のホラー小説「穴」を映画化。西島演じる売れない小説家が、のぞき穴の向こうに広がる妖しい世界に溺れていくさまを描く。
鎌倉にある築40年の安アパートに暮らす、小説家の真木栗勉(西島)は、官能小説を依頼されるもアイディアがまるで浮かばない。ある日、隣の空き部屋をのぞくことが出来る小さな穴を見つけた真木栗は、そこに若い女が引っ越してくることを妄想し、それをもとに小説を書き始める。やがて、その空き部屋に本当に女が越しきて、真木栗は女の生活をのぞき見るうちに、彼女の虜になっていく。
▽「休暇」(2008年/115分/門井肇監督)
作家・吉村昭氏の同名短編小説をもとに、死刑執行に関わる刑務官の苦悩と葛藤を描き出した社会派ドラマ。西島は、死刑執行を宣告された死刑囚を演じた。
死刑囚を収容する拘置所で働く刑務官の平井(小林薫)は、シングルマザーの美香(大塚寧々)との結婚を控えていた。ある日、収監中の死刑囚・金田(西島)の執行命令が下る。執行の際、下に落ちてきた死刑囚の体を支える“支え役”を務めれば1週間の休暇が出ると知った平井は、新婚旅行へ出かけるためにその役を引き受けるが……。
▽「大奥(2006)」(2006年/125分/林徹監督)
江戸城・大奥の女たちの壮絶な愛憎劇を描いた人気ドラマを、仲間由紀恵主演で映画化。大奥史上最大のスキャンダルとして多くの犠牲者を出したと言われる「絵島・生島事件」を軸に、女たちの陰謀や禁断の愛を描く。
江戸幕府7代将軍・家継の時代。幼い将軍の後見人・間部詮房(及川光博)の出世に、老中たちは不満を抱いていた。大奥では家継の生母・月光院(井川遥)と間部の関係を知った天英院が、ふたりの失脚を画策。手始めに、女中からの信頼が厚い大奥総取締・絵島(仲間)に、歌舞伎役者の生島(西島)を接近させる。
▽「海でのはなし。」(2006年/171分/大宮エリー監督)
人気バンド「スピッツ」の曲をモチーフに、不器用な男女が織りなす恋を綴ったラブストーリー。宮崎あおいが自身の出生の秘密を知ることになる女性、西島が人と距離を置いて生きてきた男性に扮した。西島は本作のあと、「スピッツ」のアルバムのCM2本に出演。さらには主演作「劇場版 きのう何食べた?」の主題歌を「スピッツ」が手がけるなど、何度もタッグを組むことになる。
すごく平凡な家庭で、両親に愛されながら育った楓(宮崎)。ところがある日、実は母が父の愛人で、自分は私生児だったことを知る。深く傷ついた楓は、心を通わせる大学の非常勤講師・博士(西島)の元を訪れるが、人との関わりを持たずに生きてきた博士は彼女の思いを受け止めきれず……。
▽「LOFT ロフト」(2005年/115分/黒沢清監督)
「カリスマ」「CURE キュア」の黒沢清監督が、「ドッペルゲンガー」以来3年ぶりに作り上げたサスペンスホラー。中谷美紀が、東京郊外の一軒家に引っ越し、怪異に襲われる小説家・春名礼子を演じた。西島は「ニンゲン合格」に続き黒沢監督と再びタッグを組んだ本作で、礼子の担当編集者に扮した。
スランプに陥り、新作の執筆に専念するために、郊外の一軒家に引っ越してきた小説家の礼子は、向かいの家に住む考古学教授の吉岡誠(豊川)が得体の知れないものを運んでいるところを目撃する。その後、その得体の知れないものがミイラであることを知った礼子は、正体不明の悪夢に苛まれる。
▽「好きだ、」(2005年/104分/石川寛監督)
お互いに本当の思いを伝えられない男女の17年におよぶ愛を描いたラブストーリー。宮崎あおいと永山瑛太が17歳の頃のユウとヨースケ、永作博美と西島が34歳になったふたりを演じる。
お互いに好意を持っていながら、「好きだ、」の一言が言い出せないでいる17歳のユウとヨースケ。しかし、ある悲劇でふたりは引き裂かれてしまう。それから17年が経ち、東京のレコードメーカーに勤務するヨースケは、偶然ユウと再会する。
▽「カナリア」(2004年/132分/塩田明彦監督)
「害虫」「黄泉がえり」の塩田明彦監督が、オウム真理教事件をモチーフに描いた物語。カルト教団のなかで育った少年と、寄る辺のない少女の出会いと葛藤を描く。西島は少年と交流する、カルト教団の元信者を演じた。
カルト教団に入信した母(甲田益也子)に連れられて、妹とともに教団の施設で育った12歳の少年・光一(石田法嗣)。教団はテロ事件を起こして解散し、母は行方知れずになり、光一は児童相談所に預けられる。しかし光一は、祖父母に引き取られた妹を取り戻すために施設を脱走。その道中、援助交際をする少女・由希(谷村美月)と出会い、一緒に旅するようになる。
▽「Dolls(ドールズ)」(2002年/113分/北野武監督)
近松門左衛門の人形浄瑠璃「冥途の飛脚」をモチーフに、その舞台で死への旅に出る男女の人形が観客を3つの愛の物語へと誘う、北野武監督の第10作。西島は、勤め先の社長令嬢と結婚するため、恋人を捨てた男を体現した。
勤め先の社長令嬢と結婚するため、恋人・佐和子(菅野)を捨てた松本(西島)。死期を悟ったヤクザ(三橋達也)と、彼をひたすら待ち続ける良子(松原智恵子)。事故で人気の絶頂から転落した元トップアイドル・春奈(深田恭子)と、その熱狂的なファン・温井(武重弁)。それぞれの人間模様を描く3つの物語を通して、愛を求める男女の悲しみが浮かび上がる。
▽「ニンゲン合格」(1999年/109分/黒沢清監督)
西島が、昏睡状態から10年ぶりに目覚め、家族再生に奮闘する青年を演じた人間ドラマ。後に西島と「LOFT ロフト」「クリーピー 偽りの隣人」などでタッグを組む黒沢清監督がメガホンをとり、脚本も手がけている。
14歳の頃に交通事故に遭い、昏睡状態のまま10年間眠りつづけていた吉井豊(西島)はある日、突然目が覚める。そんな彼を迎えに来たのは、家族ではなく、吉井家の敷地で釣堀を営む風変わりな父の友人・藤森(役所広司)だった。宗教活動をしている父(菅田俊)。離婚して自立している母(りりィ)。恋人とその日暮らしを送る妹(麻生久美子)――10年という歳月で、家族を取り巻く状況は大きく変わっていた。戸惑いながらも豊は、家族再生のために、かつて家にあったポニー牧場を再建しようとするが……。
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内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。