雨あがる

劇場公開日

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解説

人を押しのけてまで出世することが出来ない心優しい武士と、そんな夫を理解し支える妻の心暖まる絆を描いた時代劇。監督は、98年に亡くなった黒澤明監督の助監督として活躍し、本作でデビューを飾った小泉堯史。脚本は、山本周五郎による短編を基にした「まあだだよ」の黒澤明の遺稿。 撮影には「まあだだよ」の上田正治があたり、また撮影協力として「まあだだよ」の斎藤孝雄が参加している。主演は、「まあだだよ」の寺尾聰と「生きたい」の宮崎美子。99年の第56回ヴェネチア国際映画祭緑の獅子賞を受賞。

2000年製作/91分/日本
配給:東宝=アスミック・エース エンタテインメント

ストーリー

亨保時代。武芸の達人でありながら、人の好さが災いして仕官がかなわない武士・三沢伊兵衛とその妻・たよ。旅の途中のふたりは、長い大雨で河を渡ることが出来ず、ある宿場町に足止めされていた。ふたりが投宿する安宿には、同じように雨が上がるのを鬱々として待つ貧しい人々がいた。そんな彼らの心を和ませようと、伊兵衛は禁じられている賭試合で儲けた金で、酒や食べ物を彼らに振る舞う。翌日、長かった雨もようやくあがり、気分転換に表へ出かけた伊兵衛は若侍同士の果たし合いに遭遇する。危険を顧みず仲裁に入る伊兵衛。そんな彼の行いに感心した藩の城主・永井和泉守重明は、伊兵衛に剣術指南番の話を持ちかけた。ところが、頭の固い城の家老たちは猛反対。ひとまず御前試合で判断を下すことになるが、そこで伊兵衛は、自ら相手をすると申し出た重明を池に落とすという大失態をしてしまう。それから数日後、伊兵衛の元にやってきた家老は、賭試合を理由に彼の仕官の話を断った。だが、たよは夫が何のために賭試合をしたかも分からずに判断を下した彼らを木偶の坊と非難し、仕官の話を辞退するのだった。そして、再び旅に出る伊兵衛とたよ。ところがその後方には、ふたりを追って馬を駆る重明の姿があった…。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
監督補
野上照代
脚色
黒澤明
原作
山本周五郎
プロデューサー
原正人
黒澤久雄
撮影
上田正治
撮影協力
斎藤孝雄
美術
村木与四郎
音楽
佐藤勝
音楽プロデューサー
斎藤昌利
録音
紅谷愃一
照明
佐野武治
編集
阿賀英登
衣裳
黒澤和子
福田明
長野陽子
大塚満
アソシエイト・プロデューサー
桜井勉
吉田佳代
プロデューサー・アシスタント
荒木美也子
製作担当
熊田雅彦
鶴賀谷公彦
助監督
鈴木康敬
スチール
佐藤芳夫
題字
黒澤明
製作委員会
朝野勇次郎
長瀬文男
小野清司
西條温
高居隆章
里見治
宮川鍍一
桃原用昇
椎名保
全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第24回 日本アカデミー賞(2001年)

受賞

作品賞  
脚本賞 黒澤明
主演男優賞 寺尾聰
助演女優賞 原田美枝子
音楽賞 佐藤勝

ノミネート

監督賞 小泉堯史
主演女優賞 宮崎美子
助演男優賞 三船史郎
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映画レビュー

3.5優しさの本質を問う緑の獅子賞受賞作品

2021年11月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

幸せ

寝られる

緑の獅子賞って、緑を一番美しく撮ったで賞のこと?と勘違いするくらいに、緑をはじめとする景色の色が、心にすうっと沁みわたる。

 そんな美しい調度の宿の一室に佇む妻。宮崎さんてこんなにいい役者だっけ?凛とまっすぐに背がのびたままの礼をはじめとして、一つ一つの作法がゆったりとしたテンポで美しくも心が落ち着き、すがすがしくなる。ジーンズ姿のあのCMのイメージが強いからビックリした。
 対して原田さんの、いかにも場末の夜鷹の荒々しい造作。別の映画の凛とした佇まい等と比べると別人のよう。
 そして宴会での、野太い民謡?
 女性陣が際立っている。
 松村さん、下川辰平さん、奥村公延さんとかさりげないところでこの役者が?というサプライズもある。
 民謡のような宴会での男衆の歌舞も鳥肌が立つ。
 一つ一つの要素は素晴らしく、宴会も混ざりたくなるほど楽しいのに、何故が不協和音。一つ一つの要素が際立ち、お互いが補完しての一枚の画になっていない。

  三船さんがいい。やんちゃな子どもみたいな星の王子様がそのまま大人になったみたいなお殿様がいい。一本調子で、落ち着きのなさが演技なのか、素なのかわからないけど妙にはまっている。奥方・家老達に諌められ、近習達に手のひらでころがされるも愛されているお殿様っぷりがいい。
 そして井川さん、吉岡さん、寺尾さんもいつも通り、役をきっちり演じてくださる。

ただ、説教節の爺さんて何?説教節という義太夫っぽいものがあるのか?ただ説教臭いからのあだななの?
とか、
「貧しいものがお互い助け合って~」とかが台詞で語られるだけでいまひとつよくわからないのが残念。
 宿屋のシーンも、助け合いの場面あったけ?いがみ合っているが主人公の機転で、仲直りしたようにしか見えなかった。
 まあ、しいていえば、妻が嫌っていた主人公の行いが、とっても意味があるんだと言うことをいいたかったんだろうけど、もう少し庶民とのやりとりを丁寧に描いてほしかったなあ。宴会場面よりも。

話の筋はふに落ちない。
 やさしさ、謙虚さって何?主人公は本当に優しいの?とも思う。お殿様の言葉が端的にそれをついている。
 また「人の地位を奪うより~」というオチも一理あるけど、正式な御前試合はすっぽかして闇打ちするような指南役に席をゆずっていいのか?とも思う。
 現代に置き換えると、正直に丁寧な仕事をする業者が主人公で、談合で手抜き仕事でもそれなりの委託料とるのが現地の道場主だよ。それって、藩主・藩士に、税金払っている庶民に対して、不誠実だと思うけど。

 とはいえ、人物造形は面白い。他の作品なら、職につかずに己を通したい夫と、生活のためにどうにかしろという妻だけど、この映画では反対。
 主人公は強く見せないのが処世術なんだろうけど、どこかで自分の力を認められたいとも思っている。どこが謙虚なんだ。そんな下心見え見えの嫌味な男を、さらっと気持ちの良い男に見せてしまう寺尾さんはやっぱりすごい。
 とも思うけれど、どこかで主人公を三船敏郎さんや仲代さん、萬屋錦之助さんがやったらまた違う雰囲気になっただろうなと惜しい。叶わぬ夢だが。寺尾さんだと、常に「手を抜いてますよ」的な腰砕けが目立つし、要領よく立ち回ってこじんまりまとまっていて、それはそれでいいけれど、ちょっとつまらない。”毒”が見えてこない。そして何より、寺尾さんだと、ダメ男のかわいらしさはあるのだが、無骨な男に見え隠れするかわいらしさは見えてこない。

黒澤作品は『羅生門』『生きる』『隠し砦の三悪人』『用心棒』『椿三十郎』『天国と地獄』『赤ひげ』くらいしか観ていない。カラーになってからは見ていない。黒沢監督が監督されていたのならどう仕上げったのだろう。
 小林作品は『明日への遺言』『蜩ノ記』と観て、3本目。この2作とも、ひょうひょうとして人当たりが良いながらも、己が信じた生き方を、家族の願いも無視して貫く、腹が据わった男を描いていた。藤田さん・富司さん等役者に恵まれて、特に『明日への遺言』は何度も見直したいバイブルに仕上がっている。けれど、人の良さの方が前面に出てしまって、男の非情さや死をも辞さない狂気の部分が足りない。塩ひとつまみ足りない。
 この作品の主人公は、まだ仕官したくてうじうじしていて、挙げた2作とは違うけど、うん、やっぱり塩ひとつまみ足りない。
 例えて言うならさっときれいに作った澄まし汁。 奥底に色々なものが沈みつつも、上澄みが透き通っているようなコンソメのコクが足りない。
 『生きる』『天国と地獄』は構成が見事だった。『羅生門』『赤ひげ』はそれぞれのドラマの掛け合いが、重層的に重なり、唯一無二の作品として昇華していた。『隠し砦の三悪人』『用心棒』『椿三十郎』は、RPGにも似た、先の見えないスリリングさ=緩急が見事だった。特に殺陣や台詞のスピード感。そして、その映画を盛り上げる音楽。『用心棒』なんてオープニングの侍が歩く姿を追っただけの楽曲を聞くだけで、物語の幕開けにワクワクしてしまう。何度も観ているのに。
 でも、この『雨あがる』にはそれがない。山間を歩くが如く、緩やかな上り下り、木々に覆われて先の見通しが立たないところから、ちょっと休憩できるところ、視界が開けるところはあるけれど…。
 と、巨匠と比べてもと思うが、この作品は「黒沢監督の遺稿の映画化を黒沢組で」を売りになさっているので、つい比較したくなる。

とはいえ、黒澤作品のイメージの大作(シンフォニー)ではないけれど、後味の良い小品(セレナーデ)です。

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とみいじょん

3.5てるてる坊主

2021年11月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

剣の腕が立つのに、物腰が低くて、逆にそれが人の勘にさわるという、残念な浪人。就職先を探して放浪中。演じる寺尾聰、無精髭が似合うよなぁ。

その妻、どんと構えて先回り、愚痴も言わずに黙って夫を支える。宮崎美子がにこやかにしっとりと演じている。いやー、すごいきれいだわー。

長雨で足止めを食う間に、ひょんなことからその地のお殿様に気に入られ、剣術指南役にスカウトされる。しかし、それを快く思わない連中が…。

あまりにも飄々としていて、さらさら流れる春の小川のよう。これが「たそがれ清兵衛」のように、意に反したことをやり遂げるなら、見てる方も心が動くんだけど。モラトリアム時代劇とでもいうか、「また就職ダメだったー、でも次行くか」って感じが、今の時代の人っぽい主人公だった。

BS日テレ特選時代劇にて。

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ぷにゃぷにゃ

2.5際だったたみの賢妻ぶり

さん
2021年7月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

寺尾聰扮する三沢伊兵衛は、宮崎美子扮する妻三沢たみとともに大雨のため宿で足留めされていた。三沢は、かけ試合で宿に泊まる皆の急場をしのいでいた。たまたま若侍の揉め事を収めた事で藩主に呼ばれ剣術指南役にどうかと言われた。

寺尾聰のキャラもあってずいぶんとゆるいトーンで展開していくが、一介の浪人に長時間藩主自ら接待するなんて事はあり得ないよね。たみの賢妻ぶりは際だったが、特に盛り上がりも無かったな。

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重

4.0素晴らしい内助、理想の夫婦像でした。 宮崎美子、はまり役でした。

tunaさん
2021年5月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

素晴らしい内助、理想の夫婦像でした。
宮崎美子、はまり役でした。

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tuna
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