男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋

劇場公開日:

解説

今までふられ続けて来た寅さんが、なんと美人にほれぬかれるシリーズ第二十九作。寅次郎を戸惑わせるマドンナにいしだあゆみを迎え、脚本は「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌」の山田洋次、朝間義隆の共同執筆、監督も同作の山田洋次、撮影も同作の高羽哲夫がそれぞれ担当。

1982年製作/110分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1982年8月7日

ストーリー

葵祭でにぎわう京都、加茂川べりで休んでいた寅次郎は、ひとりの老人と知り合った。孤独な感じの老人に寅次郎は声をかけ慰め、それがうれしかったらしく先斗町の茶屋に寅次郎を誘った。老人は加納という有名な陶芸家だった。酒に酔い、翌朝、寅次郎は加納の家で目がさめ、その立派さにびっくりしてしまう。そして加納家のお手伝い・かがりと会う。かがりは丹後の生まれで、夫は五年前に病死、故郷に娘を置いてきていることを知った。加納は弟子の蒲原とかがりが夫婦になることを望んだが、蒲原は他の女性と結婚するといい、それを聞いたかがりは丹後へ帰ってしまった。旅に出た寅次郎、足がむいたのは丹後。かがりは思いのほか元気だった。その夜、偶然二人きりになってしまい、まんじりともしない一夜を過ごした。そのことを気にしつつ、東京に帰った寅次郎。再び旅に出ようとした矢先、かがりがとらやを訪ねて来た。帰りぎわに鎌倉の紫陽花で有名な寺で待っているという手紙をにぎらされた。当日になると一人では心細いと、甥の満男を一緒に連れて出かけた。満男を同行した寅次郎をみて、かがりの表情には落胆の色が浮かんだ。鎌倉から江の島への間、かがりは胸のうちを寅次郎にぶちまけるチャンスもなく、そのまま丹後に帰ってしまった。かがりの心を知りながらそれに応えられない哀しさを酒でまぎらわそうとした。かがりは本当は寅次郎が好きだったのでは、と言うさくらに、あんな美人で賢い人が俺のようなヤクザを思うわけがないといってとらやを後に旅立っていった。数日後、さくらのもとにかがりから故郷で元気に働いているとの便りが来た。そのころ信州の古い宿場で寅次郎は瀬戸物を売っていた。加納の名をかたっている寅次郎の前にひょっこり姿をあらわしたのが寅次郎のさすらいの生活にひかれて旅に出た加納だった。フーテンの寅さんと人間国宝・加納の屈託のない声が信州の山々にこだましていた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第6回 日本アカデミー賞(1983年)

ノミネート

主演女優賞 いしだあゆみ
助演男優賞 柄本明
音楽賞 山本直純
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映画レビュー

1.5打薬窯変三彩碗❤️

2024年11月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

4.5【”風の吹くまま。”今作は、京都・鎌倉が舞台であるからか、マドンナがいしだあゆみさんであるからか、シリーズの中では際立って情緒溢れる逸品なのである。】

2024年6月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

幸せ

■今作は、序盤の舞台の昭和の京都の街並みが映し出されているのが、嬉しい。
 マドンナかがりを演じたいしだあゆみさんが、人間国宝の陶芸家・加納作次郎(片岡仁左衛門)の家で働いている所に、作次郎の下駄の鼻緒を直してあげた寅さんが招かれるのだが、最初は寅さんはかがりには、余り興味を持たない所が、今までと少し違うかな。
 かがりが、密かに想いを寄せていた作次郎の且つての弟子(津嘉山正種:前作までオープニングで、色んな役で江戸川のシーンに出ていたが、メデタク昇格。)が、結婚する報告を受け、何故か、かがりを激しく叱責するのである。
 ー この辺りのいしだあゆみさんの陰のある控えな美しさは、今までの作品にない位であると思う。特に寅さんに自部屋を与えて、夜その部屋に娘のランドセルを取りに来て、寝たふりをしている寅さんの枕もとの灯りをそっと消すシーンなど、寅さんでなくともドキドキする。ー
 そして、かがりは故郷の丹後に戻るのだが、”風の吹くまま”の旅をする寅さんは、作次郎から名器の茶碗を貰い、願いを聞き、丹後でかがりと出会い、失意の彼女を笑わせるうちに、恋心を抱くのである。

 とらやに戻った寅さんはいつもの如く、恋わずらいで寝込むが、そこにかがりが東京の友達と訪ねて来る所から、通常の寅さんに戻るかと思ったら、ナント、かがりは寅さんに、”鎌倉の紫陽花寺で、日曜日の一時に待っている”と言う手紙を貰ったところから、一騒動。
 寅さんは、恥ずかしいのか満男を連れて、かがりと会う。
 - この再会のデートシーンも、何ともジレッタイ。そして、寅さんはかがりから”旅先の寅さんとは違うのね。”と寂しげな笑顔で言われてしまうのである。
   満男を演じる幼き吉岡秀隆さんの演技も良いのである。この方は、小さい頃から少し困った様な顔をしながら、喋る姿が良いのだなあ。-

<今作は、可笑しきシーンも多いのだが、京都・鎌倉が舞台であるからか、マドンナがいしだあゆみさんであるからか、シリーズの中では際立って情緒溢れる作品である。
 名優、片岡仁左衛門が人間国宝の陶芸家である加納作次郎を演じているが、全く違和感なく役を演じている様や、作次郎の元で12年も修行している近藤を演じた若き柄本明さんのコミカルな姿も良い。
 けれども、やはりいしだあゆみさんのどこか陰のある色っぽさにはヤラレル作品なのである。>

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NOBU

3.0寅さんは罪な男だなぁ

2023年10月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

柄本明が若い。

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あっちゃんのパパと

5.0気持ちの良い作品

2023年9月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

楽しい

マドンナ(いしたあゆみ)の脚本、それを
演じる演技もいい味を出しています。
笑える気持ちの良い会話、寅さんが得ていく稀な縁、とても身近なとか、自然に見える演技とか「男はつらいよ」の良い点を満喫できたと思っています。
恋模様や人情とかも楽しめます。

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シャカ

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