「ファンタビ」2作目、キャスト・吹き替え声優・「ハリポタ」とのリンクまとめ ダンブルドア役は誰?
2022年4月7日 10:00
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J・K・ローリングによるベストセラーファンタジー小説で、映画も大ヒットを記録した「ハリー・ポッター」(以下「ハリポタ」)シリーズ。そんな「ハリポタ」と世界観を共有し、魔法動物学者ニュート・スキャマンダーを主人公にした新たな映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズ(以下「ファンタビ」)が、2016年に誕生しました。
4月8日のシリーズ第3弾「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」の公開を前に、日本テレビ系「金曜ロードショー」では、過去2作を2週連続で放送! 第1弾「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」(2016)が4月1日に放送され、第2弾「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」(18)が同月8日にラインナップされています。
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そこで本記事では映画.com編集部が、第1作のおさらいに加え、第2作の俳優やあらすじ、日本語吹き替え版声優、「ハリポタ」とのリンクなどをご紹介。ニュート役のエディ・レッドメイン、新たに登場するダンブルドア役のジュード・ロウ、グリンデルバルド役のジョニー・デップから、賢者の石、みぞの鏡など「ハリポタ」世界とのリンクまで、盛りだくさんでお届けします。
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物語の舞台は、「ハリー・ポッターと賢者の石」の約70年前の1926年。未知の幻獣を求めて世界中を旅している魔法動物学者ニュート・スキャマンダーは、米ニューヨークにたどり着く。
しかし、非魔法族(ノー・マジ、イギリスではマグルと呼ばれる)のジェイコブに荷物を取り違えられたことから、魔法のトランクに詰め込んでいた魔法動物たちが脱走。ニュートはジェイコブとともに、やがてはノー・マジに魔法が露見することを恐れるアメリカ合衆国魔法議会(MACUSA)の元闇祓い(闇の魔術と戦うエリート捜査官、オーラーとも呼ばれる)であるティナ、その妹クイニーも巻き込み、魔法動物たちの捕獲のためニューヨーク中を駆け回る。
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ときを同じくして、ニューヨークでは謎の黒い影による破損事件が相次いで発生。そんな怪現象を「魔女のしわざ」とし、魔法の根絶を目的に結成された秘密結社・新セーレム救世軍は、警戒を呼びかけていた。
やがて、MACUSAの魔法保安局長官グレイブスが接触していた、新セーレム救世軍の青年クリーデンスが、その黒い影を発生させていたことが判明。ノー・マジの世界で、魔法の力を抑圧されていたクリーデンスは、「オブスキュラス」と呼ばれる闇の力を解き放ち、暴走させていたのだ。ニュートらはクリーデンスを救おうとするが、闇祓いたちの攻撃を受けたクリーデンスは、黒い煙となり姿を消す。そしてグレイブスに変装していた闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルトが真の姿を現し、MACUSAへと連行されていく。
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ニューヨークでの冒険を終え、故郷イギリスに戻ってきたニュートは、念願叶って、遂に魔法動物に関する書籍「幻の動物とその生息地」を出版。そんなある日、MACUSAの収容施設に囚われていた強大な魔法使いグリンデルバルドが、アメリカからフランス・パリへの移送中に逃走したことを知る。
ホグワーツ魔法魔術学校の恩師アルバス・ダンブルドアから特命を受け、パリに向かったニュートは、ジェイコブや魔法動物たちとともに、グリンデルバルドの行方を追う。晴れて闇祓いに復帰したティナ、ジェイコブとの許されない恋に悩むクイニー、そして前作で消滅していたと思われていたクリーデンスも、ある目的のため、パリを訪れていた。やがて「純血の魔法使いがマグルを支配すべき」というグリンデルバルドの危険な思想が、魔法界全体を分断しようとしていた。
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「ハリポタ」で、ホグワーツ魔法魔術学校の指定教科書「幻の動物とその生息地」の編纂者として名前が登場した魔法動物学者ニュート。魔法動物をこよなく愛する変わり者で、魔法のトランクのなかに広がる家のなかで、さまざまな魔法動物を世話しています。優秀で誠実ですが、おっちょこちょいな一面も持ち、シャイな性格。ホグワーツでの学生時代はハッフルパフ寮に所属し、ダンブルドアの下で学びました。
前作の最後で、オブスキュラスと化したクリーデンスを守ろうとし、グリンデルバルドと対峙したニュート。序盤では、人間といるよりも動物たちに囲まれているほうが落ち着くというニュートは極度の人見知り状態でしたが、旅を終えたあとは、ジェイコブを「友達」と呼ぶなど、その成長ぶりも印象的でした。
本作でもマイペース&動物好きな面は変わらずですが、魔法界を二分する大きな戦いに巻き込まれていき、頼もしい姿も見せてくれます。ダンブルドアの授業を受ける学生時代のニュートも登場。ダンブルドアとの信頼関係に注目です!
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演じるエディ・レッドメインは、英ロンドン出身の実力派俳優。10代の頃はモデルとして活動するかたわら、ウィリアム王子と同級生だった名門イートン校からケンブリッジ大学へと進学した秀才としても知られています。舞台でキャリアを積み、数々の演劇賞を受賞後、ミュージカル映画「レ・ミゼラブル(2012)」で、コゼットと恋に落ちるマリウス役でブレイク。
“車いすの天才物理学者”として知られるスティーブン・ホーキング博士を演じた「博士と彼女のセオリー」(14)で、第87回アカデミー主演男優賞に初ノミネートされ、受賞を果たしました。続く「リリーのすべて」(15)では世界で初めて性転換手術を受けた画家を演じ、再び第88回アカデミー主演男優賞にノミネートされました。
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2018年7月21日に行われた「コミコン・インターナショナル・サンディエゴ」で、レッドメインはニュートとダンブルドアの関係について、「ニュートの自分を曲げないところが好きなんだけど、それは子どもの頃にダンブルドアから教えられたことだと思っているんだ」と持論を展開。「ダンブルドアは狡猾だよね。いつもさりげなく促してくるんだ。ニュートはそれに気づいているけど、ダンブルドアのことを好きにならずにはいられない。それはある種の師弟関係だし、弟子は師匠に少しだけ挑むものだよね」と分析しています。
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ティナことポーペンティナ・ゴールドスタインは、MACUSAで働く正義感の強い魔法使い。優秀ですが、ニュートと同じく不器用な一面もあります。前作の活躍により、本作では闇祓いに復帰していますが、クリーデンスを心配し、その行方を追ってパリへ。前作の最後でいい雰囲気だったニュート&ティナの恋の行方も気になるところ!
演じるキャサリン・ウォーターストンは、ロンドンで俳優一家の娘として誕生。「インヒアレント・ヴァイス」(14)の主人公の元恋人役で一躍注目を浴びます。その後、「スティーブ・ジョブズ」(15)、「エイリアン コヴェナント」「ローガン・ラッキー」(ともに17)など、話題作に次々と出演しています。
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インタビューでウォーターストンは、「トラブルに巻き込まれて助けを必要としている若者がいると、規則をそっちのけにしてでも助けずにはいられない」というティナの性格は相変わらずだと明かしています。
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ジェイコブは、もともと缶詰工場で働いていましたが、一念発起してパン屋を開店させようと奮闘するノー・マジの男。前作では、ニュートにより魔法界へと誘われ、クイニーと心を通わせるさまが描かれました。しかし、クライマックスで魔法界の掟により、魔法にまつわる記憶を失うことに。本作ではある人物の助けで記憶を取り戻しており、ニュートとともに再び冒険に繰り出します。
演じるダン・フォグラーは、ニューヨーク・ブルックリン出身。舞台俳優としてキャリアをスタートさせ、ブロードウェイデビューを果たしたミュージカル「The 25th Annual Putnam County Spelling Bee」で、05年のトニー賞最優秀主演男優賞などを受賞。その後、映画出演が増え、「燃えよ!ピンポン」(07)、「ファンボーイズ」(09)、「ベアリー・リーサル」(15)など、コメディ作品を中心に活躍しています。
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フォグラーは見どころとして、前作でジェイコブが記憶を消された、雨のシーンのオマージュがあると説明。「パリに来たジェイコブがジャケットを脱いだとき、振り向くとそこにクイニーがいないっていうシーンなんだけれど、振り向くとそこに彼女がいないっていうのは、僕は何かを暗示しているような気がしてならない」と、クイニーとの関係の変化を匂わせています。
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ティナの妹で、相手の心を開き、思考や記憶を読み取る“開心術”に長けた魔法使いクイニー。前作では生きる世界が違うと分かっていながらも、優しいジェイコブに惹かれていきました。
「ファンタビ」の舞台は、「ハリポタ」よりも掟が厳しく、魔法使いがノー・マジとの接触を厳しく制限されていた時代。本作では、そんなルールにより、クイニーとジェイコブの恋にも暗雲が立ち込めます。
演じるアリソン・スドルは、シアトル生まれ、ロサンゼルス育ち。「アリソン・モンロー」の名義で映画2本に出演した後、07年に「アリソン・スドル」として犯罪捜査ドラマ「CSI:ニューヨーク」で本格的に女優のキャリアをスタートしました。同年、「ア・ファイン・フレンジー」の名義でシンガーソングライターとしてもデビュー。ドラマ「トランスペアレンツ」(14)、「DIG 聖都の謎」(15)などを経て、本シリーズのクイニー役に抜てきされ、ハリウッド大作に初出演を果たしました。
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インタビューで、スドルは「恋に恋い焦がれている場合、自分の一番いい部分が出てくることもあれば、最悪な部分が出てくることもあると思うの」といい、「お互いにちゃんとこうしていくべきっていうところを見いだせていなくて、クイニーとジェイコブ、ふたりの視点が一致していないの。紆余曲折を経てうまくいってくれたらいいけれど……。恋人同士っていうのは、いかに自分自身と距離をおいて合理的に考えていくのが大事だと思う」と語っています。心を読むことができる魔法使いのクイニーと、ピュアなノーマジのジェイコブの恋、果たしてうまくいくのでしょうか……?
ちなみに「ハリポタ」では、闇の魔法使いヴォルデモートに心を読まれないよう、開心術に抵抗する手段として、セブルス・スネイプがハリーに閉心術を教えていました。
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「ハリポタ」にも登場した、ホグワーツの偉大な校長ダンブルドア。「ファンタビ」では校長になる前の、若き日の姿が描かれます。ダンブルドアはグリンデルバルドの動きを警戒し、学生時代から目をかけていたニュートに、「グリンデルバルドを止められるのは君だけだ」といい、ある密命を伝えます。「ハリポタ」では故リチャード・ハリスさんとマイケル・ガンボンが演じた同役を、「ファンタビ」ではジュード・ロウが茶目っ気たっぷりに体現しています。
ロウはロンドン出身で、12歳でナショナル・ユース・ミュージック・シアターに所属し、17歳から俳優業に専念。「真夜中のサバナ」(97)などの米映画で注目を集め、「リプリー」(99)でアカデミー助演男優賞、「コールド マウンテン」(03)で同主演男優賞の候補に。以降、「クローサー」(04)、「ホリデイ」(06)、「シャーロック・ホームズ」シリーズ(09~)、「ヒューゴの不思議な発明」(12)、マーベル映画「キャプテン・マーベル」(19)など、人気作品に出演してきました。
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ロウは「コミコン」で、「『ハリー・ポッター』シリーズに登場するダンブルドアになるまでには、長い道のりがあるんだ。その間には魔術や魔法薬の腕を上げたりしている。だけど、いたずら好きだったり、人心掌握術にたけていたりするのは一緒かな。J・K・ローリングが描くキャラクターが誰しも秘密を持っているように、彼にも秘密があるんだ」と語っています。さらに、ダンブルドアがハリーやニュートと築いた関係には類似点があるといい、「ダンブルドアはいつも、正しい選択をする人を信頼する」と明かしました。
ローリングは、最新作「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」のカギとなる彼の秘密について、「ダンブルドアには、グリンデルバルドの野望に魅了された暗い過去がある。ふたりの関係は、みんなが知っているダンブルドアになるための重要な要因なの。若きダンブルドアは、治すことのできない心の傷を負ってしまった」と解説しています。
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前作で「オブスキュラス」と呼ばれる闇の力を暴走させた、謎めいた青年クリーデンス。クライマックスで消滅したと思われていましたが、本作で衝撃の復活を遂げます。ベールに包まれた出生の秘密を探るため、魔法サーカスに所属し、パリを訪れているようです。
演じるエズラ・ミラーは、8歳でメトロポリタン・オペラのチルドレンコースに入り、3大テノールのひとり、ルチアーノ・パバロッティの舞台に参加。16歳で学校を退学し、数々の作品を経て、「少年は残酷な弓を射る」(11)の凄惨な事件を起こす少年役で注目を集めました。「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」(16)にフラッシュ/バリー・アレン役でカメオ出演し、「ジャスティス・リーグ」(17)ではメインキャストとして活躍しました。
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リタは、ニュートの兄テセウスの婚約者で、ロンドン魔法省の優秀な闇祓い。ニュートとは、ホグワーツの同級生です。前作では、ニュートの魔法のトランクのなかにリタの写真があったことから、彼はリタに淡い恋心を抱いていた様子。スキャマンダー兄弟とリタの三角関係も気になります。
なお「ハリポタ」でレストレンジといえば、ヴォルデモートの手下だったベラトリックス・レストレンジら悪名高い純血主義の一族として知られています。リタも、自身のバックボーンにまつわる葛藤を抱えています。
演じるゾーイ・クラビッツは、ロサンゼルス出身で、ロックミュージシャンのレニー・クラビッツと女優のリサ・ボネの娘。「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」(11)への参加がブレイクのきっかけとなり、以降「ダイバージェント」シリーズ(14~)、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(15)などのアクション大作に出演。「THE BATMAN ザ・バットマン」(公開中)では、キャットウーマンを演じ、話題を呼んでいます。女優だけではなく歌手としても活躍し、バンド「Elevator Fight」でフロントを務め、14年からは自身のバンド「Lolawolf」を組んで活動しています。
「コミコン」でクラビッツは、ウィザーディング・ワールドの一員になったと実感したときのことを、「杖を渡されたとき。その瞬間、わあ、魔法の世界だって実感できたわ(笑)」と振り返っていました。
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ニュートの兄テセウスは、戦争の英雄で、イギリス魔法省のエリート闇祓い。レッドメインは、「(テセウスは)とにかく人気者で、家族のなかでも厄介者扱いされるニュートとは正反対」、プロデューサーのデビッド・ハイマンは「ふたりはよく似ているけど、テセウスが役人タイプなのに対して、ニュートは役所の仕事になじめてない。反発し合っているけど、やっぱり兄弟なんだ」と解説しています。
演じるカラム・ターナーは、ロンドン出身。18歳の頃から演技を学び始め、ファッションモデルとして1年ほど活動したあと、俳優としてのキャリアをスタートさせます。「クィーン アンド カントリー」(14)の主要キャストとしてアメリカで脚光を浴び、BBCのテレビドラマ「戦争と平和」(16)、映画「アサシン クリード」(16)、Netflix映画「浮き草たち」(16)などに出演し、マーク・ウェブ監督作「さよなら、僕のマンハッタン」(17)では主演を務めました。

「コミコン」でターナーは、ウィザーディング・ワールドの一員になったと実感したときのことを、「呪文を習ったときかな。ブンって大きく杖を振ったら、もっと優しくと言われたよ。次はシュルルルってやったら、それも違うって」と、杖の扱いの苦労をにじませていました。
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魔法動物に変身してしまう呪われた血の持ち主(マレディクタス)で、魔法サーカスの人気スターでもあるナギニ。本作ではクリーデンスとサーカスを抜け出し、行動をともにします。「ハリポタ」にも登場しており、ヴォルデモートが異常な愛情を注ぐペットであると同時に、ある重要な役割を担う存在でもありました。
演じるクローディア・キムは、韓国生まれ。5歳から6年間、ニュージャージーで過ごし、韓国に帰国しました。05年、韓国と中国の共催によるスーパーモデルコンテストへの出場をきっかけに、モデルとしてキャリアをスタート。まもなく女優としても活動を始め、韓国のテレビドラマに出演します。大学卒業後、ハリウッドでオーディションを受け始め、「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」(15)のチョ博士役に抜てき。その後、「ダーク・タワー」(17)や本作のメインキャストに起用されたほか、Netflixオリジナルドラマ「マルコ・ポーロ」(14~16)やドラマ「モンスター その愛と復讐」(16)などにも出演しています。
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2018年11月21日に行われたレッドカーペットイベントで、キムは「最初に脚本を読んだとき、頭からこのキャラに惚れ込んだ」「人間として脆い部分があり、邪悪な部分もある。演じることができて、とても光栄に思っています」と、役の魅力を紐解きました。
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「ハリポタ」でのハリーの宿敵ヴォルデモートが台頭する以前、その強大な力で世界を混乱に陥れた危険人物。ダンブルドアとかつて深いつながりがあり、原作には「ふたりは親友だった」という旨の記述があります。「魔法使いの方がマグルよりも優れている」という思想を持ち、圧倒的なカリスマ性で賛同者を募り、魔法界のみならず人間界をも支配しようと企んでいるようです。
前作は、MACUSAのグレイブスに姿を変えていたグリンデルバルドが登場するという、衝撃的なエンディングで幕を閉じました。本作では、MACUSAに拘束されていたグリンデルバルドが逃亡。仲間を集め、世界を再び闇に堕とそうと画策します。
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演じるジョニー・デップはケンタッキー生まれ、フロリダ育ち。高校卒業後はロサンゼルスへ移り、友人ニコラス・ケイジの勧めで俳優を目指し、「エルム街の悪夢」(84)で映画デビューを果たします。「クライ・ベイビー」(90)で映画初主演を務め、長年の名コンビとなるティム・バートン監督の「シザーハンズ」の主演で人気を確立。
「ギルバート・グレイプ」(93)、「エド・ウッド」(94)などを経て、海賊ジャック・スパロウを演じた「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ(03~)が世界的な大ヒットとなり、アカデミー主演男優賞の候補に。「チャーリーとチョコレート工場」(05)、「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」(08)、「アリス・イン・ワンダーランド」シリーズ(10~)などで活躍しました。
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「ハリポタ」の90年代のイギリスを離れ、「ファンタビ」第1作は20年代の米ニューヨーク、第2作は仏パリが舞台。魔法の杖などのアイテム、「ルーモス」「アロホモラ」などの呪文の数々、魔法界に誘われるおなじみの音楽など共通点が多数あります。
スタッフ陣は、「ハリポタ」の原作者であるローリングが映画脚本を担当。「ハリポタ」の第5作「不死鳥の騎士団」から最終作「死の秘宝 PART2」までを手がけたデビッド・イェーツが監督、シリーズ全作品に携わってきたハイマンが製作として続投しています。つまり「ハリポタ」の世界から地続きで、ファンへの細かい目配せがちりばめられた、新たな物語が誕生しているのです!
本作では、前作以上に「ハリポタ」との深いリンクがちりばめられています。特に「ハリポタ」シリーズ第1作「ハリー・ポッターと賢者の石」とのリンクは鳥肌もの。本パートでは、そんなリンクの数々を解説していきます。
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第1作「ハリー・ポッターと賢者の石」の重要なアイテムである、不老不死の源となる“賢者の石”。力を取り戻すため、石を狙うヴォルデモートと、石を守ろうとするハリー、ロン、ハーマイオニーの戦いが描かれました。
本作ではダンブルドアの紹介で、ニュートとジェイコブが、ダンブルドアとともに賢者の石を生成した錬金術師ニコラス・フラメルのフランスにある自宅を訪問。そして戸棚のなかには、あの賢者の石が……! プロップマスターのピエール・ボハナは、本作のために賢者の石を制作し直したそうですが、燃え上がるルビーのような輝きは、11歳のハリーが握り締めていたあのときと同じです。
鬼才アレハンドロ・ホドロフスキーの息子で、「リアリティのダンス」「エンドレス・ポエトリー」などに出演したブロンティス・ホドロフスキーが、フラメルを演じています。
グリンデルバルド、賢者の石、ニコラス・フラメル……。この単語を見て思い浮かぶのは、「ハリー・ポッターと賢者の石」でハリーとロンがホグワーツに向かう途中、ホグワーツ特急の車内販売で買った蛙チョコレートのカード。ハリーが動く写真に驚いた、ダンブルドアのカードに、全てのヒントが隠されていたのです。
「近代の魔法使いの中で最も偉大な魔法使いと言われている。とくに、1945年、闇の魔法使いグリンデルバルドを破ったこと、ドラゴンの血液の12種類の利用法の発見、パートナーであるニコラス・フラメルとの錬金術の共同研究などで有名。趣味は、室内楽とボウリング」
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第1作「ハリー・ポッターと賢者の石」で、クリスマスの夜にハリーが見つける“みぞの鏡”。人の心の奥底にある“のぞみ”を映しますが、鏡に映る像はあくまで幻影であって、現実ではありません。鏡にいまは亡き両親の姿を見出し、魅了されてしまったハリーに、「夢にふけったり、生きることを忘れてしまうのはよくない」と説いたダンブルドア。そんなダンブルドアに、ハリーは「先生ならこの鏡で何が見えるんですか」と質問し、「厚手のウールの靴下を持っている姿」だと返されますが、それが本当の答えではないと察する……というシーンがあります。
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本作では、若き日のダンブルドアが、みぞの鏡をのぞき込むシーンがあります。そのなかにはどうやら、グリンデルバルドが映っている様子。ふたりの関係が、物語のカギを握っているようです。

第5作「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」に登場する、骸骨の体、爬虫類のような顔、コウモリに似た形の巨大な翼を持つ魔法動物。一度死を目撃した人間にしか姿が見えず、魔法界では不吉な存在とされています。ハリーと、レイブンクローのルーナ・ラブグッドにしかその姿が見えませんでした。
本作では、アメリカからフランスにグリンデルバルドを移送する際、セストラルが導く空飛ぶ乗り物が使用されています。
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移動キーは、複数の人間を同時に、定められた空間に瞬間移動させるアイテム。第4作「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」で、ハリー、ハーマイオニー、ウィーズリー一家、エイモス&セドリック・ディゴリー親子が、魔法界の人気スポーツであるクィディッチのワールドカップに向かうために使用しました。マグルが手を触れないよう、古いブーツなど、目立たない形をとることが多いようです。
本作でも、ダンブルドアの密命を背負うニュートとジェイコブは、ロンドンからパリへ、バケツの形をした移動キーでひとっ飛び。ジェイコブが「移動キー嫌いだ」と語るように、乗り心地(!?)はいまひとつなようです。
ポリジュース薬は、第2作「ハリー・ポッターと秘密の部屋」で登場した変身のための薬です。材料のひとつは、変身したい相手の髪の毛。劇中ではハーマイオニーが長い日数をかけて薬を調合し、「秘密の部屋」のことをマルフォイに聞くため、ハリー&ロンがマルフォイの取り巻きであるクラッブ&ゴイルに変身しました。
本作でも、ニュートがフランス魔法省に潜入するため、ポリジュース薬を飲んで、ある人物に変身するひと幕があります。
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本作では、ニュートとリタというはぐれ者同士のふたりが絆を育んでいく、ホグワーツでの青春時代が描かれます。「ハリポタ」以来となるホグワーツへの帰還に、ファンは大興奮間違いなし。校長になる前のダンブルドアが、「闇の魔術に対する防衛術」の授業で、まね妖怪ボガートとの戦い方を、ふたりに教えています。
ボガートは、第3作「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」にも登場。「闇の魔術に対する防衛術」の先生に就任したリーマス・ルーピンが授業の題材として紹介します。ボガートは、人が一番怖いと思うものに、自在に姿を変えられる妖怪。撃退方法は、「リディクラス」(ばかばかしい)という呪文とともに、ボガートがおかしな姿に変わるよう想像することです。
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ニュート・スキャマンダー/宮野真守
ポーペンティナ・ゴールドスタイン(ティナ)/伊藤静
ジェイコブ・コワルスキー/間宮康弘
クイニー・ゴールドスタイン/遠藤綾
アルバス・ダンブルドア/森川智之
クリーデンス・ベアボーン/武藤正史
リタ・レストレンジ/森なな子
テセウス・スキャマンダー/江口拓也
ナギニ/大地葉
ゲラート・グリンデルバルド/平田広明
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5部作になるといわれている「ファンタスティック・ビースト」シリーズ。最新作となる第3弾「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」が、4月8日から公開されます。「ハリポタ」では描かれなかった、ミステリアスなダンブルドアの過去と秘密が紐解かれ、グリンデルバルド(第3弾ではデップに代わり、マッツ・ミケルセンが演じています)とのつながりも明らかに……? 既報の映像では、ホグワーツの大広間、クィディッチの試合で使用する金のスニッチ、隠し部屋である「必要の部屋」などが映し出されており、これまで以上に「ハリポタ」とのリンクが気になるところ!
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また6月からは、原作シリーズに続く8番目の物語で、「死の秘宝」から19年後の世界を描く舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」が、東京・TBS赤坂ACTシアターで開幕(※プレビュー公演は6月16日~7月7日、本公演は7月8日から)。藤原竜也、石丸幹二、向井理がトリプルキャストで、3人の子を持つ父となったハリーを演じ、そのほか厳しいオーディションを勝ち抜いたキャスト陣が集結します。
そして23年前半には、東京・練馬区の「としまえん」跡地に、「ワーナーブラザース スタジオツアー東京 メイキング・オブ ハリー・ポッター」がオープン予定。約3万平方メートルの広さを持つ施設に、「ハリポタ」「ファンタビ」からなる「ウィザーディング・ワールド」の印象的なシーンセットなどが展示され、来場者は映画の舞台裏の秘密を学ぶことができるそう。こちらも待ち切れないですね!
・4月15日 「名探偵コナン」特別編集版「本庁の刑事恋物語~結婚前夜~」
・4月22日 「名探偵コナン 緋色の弾丸」(本編ノーカット、初放送)
・4月29日 「魔女の宅急便」(ノーカット)
・5月6日 「崖の上のポニョ」(ノーカット)
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