シザーハンズ

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

「バットマン」のティム・バートン監督が描く、切ないファンタジー。丘の上の屋敷に住む発明家に作られた、人造人間のエドワード。未完成のまま主人に先立たれたエドワードは、ハサミの手を持っていた。セールスでやってきたペグに連れられ、町に出ることになったエドワードだが……。エドワードをジョニー・デップ、彼が恋をする、ペグの娘キムをウィノナ・ライダーが演じている。

1990年製作/105分/PG12/アメリカ
原題:Edward Scissorhands
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:1991年7月13日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第63回 アカデミー賞(1991年)

ノミネート

メイクアップ賞  

第48回 ゴールデングローブ賞(1991年)

ノミネート

最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) ジョニー・デップ
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映画レビュー

3.5エドワードの雪❄

2023年3月28日
スマートフォンから投稿

中学生の頃に初めて観たティム・バートンとジョニデのタッグ作品。この映画で二人の名前を初めて認識しました。
とても切ないお話でした。人との違いが気になり出す思春期で観たせいか、エドワードの気持ちが流れ込んで来る気がした。久しぶりに観ると、当時観た切ない気持ちが蘇ってきました。エドワードの降らせる雪が、当時ままならない思春期のモヤモヤしていた気持ちまでも癒やしてくれたような気がした。

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ホビット

4.0バートン色と大衆性との絶妙なバランスが図られたファンタジー

2020年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

30周年を迎えた本作は、ティム・バートンが幼少期に着想し、スケッチブックにデザインしたキャラ設定が原案となっている。人付き合いが下手で、疎外感や孤独感を抱きながら暮らしていたバートン自身が投影されているのはもちろんだが、それでいうと「バットマン」や「ナイトメア」を始めとするその他のキャラたちもまた、バートン自身だ。彼はそうやってぐるぐると自分について鏡の角度を変えながら描き続けている。

改めて鑑賞すると、パステルカラーの街並みにゴシック調の城、そこに炎をイメージする赤やオレンジの色合いが徐々に増え始めていく緻密な配色の構成に驚かされる。これは「フランケンシュタイン」をはじめとするモンスター・ファンタジーで民衆がたいまつを持って城へ押し寄せてくる描写の現代版か。バートン色をいかんなく発揮しながらも、あえて伝統的な物語運びや話法を用いて、大衆性と絶妙なバランスが図られた一作と言えるのである。

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牛津厚信

4.5私はこの映画、好きです

2024年7月15日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

悲しい

ペグの天然さが爆発。あんなに気色の悪いお城に営業に行く?!。
オバケ見たいのが現れても平気でおまけに持ち帰る?!
銀行にお金を借りにいくときに同席し断られると「市長の散髪依頼書がある」と変に抵抗する?!
すべてこのおばさんから始まったのではないか?
結果的に一人死に一人の少女が傷つき近所の住民を不快に陥れてしまう。
こう書くと全然良い映画ではないようだけれど、エドワードの雰囲気がもの悲しさを誘うストーリーにマッチしていて立派なファンタジー映画になっていた。
エンディングに流れる音楽も余韻たっぷり感が味わえる。

冒頭、おばあさんが昔を思いだしながら語るシーンはタイタニックを、警官が発砲し「彼は死んだ」と言ったシーンはレ・ミゼラブルを思い出した。

不思議なのはエドワードはお城で一人どんな生活をしてたのか?
食事は?入浴は?トイレは?
深く追求しないのがファンタジーのええ所やね

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Elton Shin

5.0監督の人間不信と自己憐憫

2024年1月31日
PCから投稿

この映画を純愛モノと感じる人は人生習熟度が高い。。。。私、感じないもの(T_T)。

【監督の人間不信と自己憐憫】
バートン自身が抱いている、両親や同級生など身近な他人に対する "イヤな感じ" が濃厚に滲み出ていて、ひどく痛々しい。

母親係のペグは、両手ともハサミのエドワードにナイフとフォークを与え、グリーンピースを摘まんで食べろと強要する。人付き合いが上手になるようにとパーティを開き、知らない人ばかりの只中にエドワードを置き去りにする。彼の向き不向きなどお構いなしに、社会規範を押し着せようとする。それが正しい母親の態度だと信じて疑わない。

父親係のビルは、エドワードの特殊性にある程度は寛容だけど、騙して酒を飲ませたり、タバコを吸わせたりする。男同士のつきあいを息子と持ち、距離を縮めたいのかもしれない。でも、酒が苦手なエドワードは目を回して倒れてしまう。

そして気になる同級生、キム(いじめっ子ジムのガールフレンド)。
この女、エドワードと二人きりの時は彼を憐れみ、彼を庇護すると自分の身も危ないと感じた時は、口をつぐんで何もしない。
キムには罪悪感がない。だから謝らない。己の薄情さにとことん無自覚なのも、非常に女子的。
さらには、映画としての「悪役」側にまわらないよう巧みに立ち振る舞うので、私たち観客にすら嫌われない。
(デルトロ監督「ヘルボーイ2」のヒロインは庇ってくれたのに・・・中2監督両者の夢と絶望が比較できて興味深い)

・・・こんなに容赦なく苛む人達に囲まれて、可哀想なボク。
こうして、青年ティム=バートンの化身たるエドワード=シザーハンズはたった一人、ゴシック調の屋敷に引きこもり、氷像やトピアリーなどの作品作りに没頭する人生を送りましたとさ。
私には、彼が撒き散らす雪が、みっともなく哀しいエドワードの恨み言に聞こえて切ない。
そしてその雪を眺めて、「綺麗・・・エドワードの心には今でも私がいるのよ」と幸せそうに眠るキム。このズレ、わかってねェ通じてねェ感、もう最高(痛)。

このズレこそが人間関係の現実で、ズレを含みながら通じ合う心情こそ恋愛であると感じる人は、オトナな立場から本作を嗜まれることでしょう。
・・・私もそういう境地に立ちたいねぇ(呟)。

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雨丘もびり