ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
劇場公開日:2007年7月20日
解説
J・K・ローリングのベストセラーを映画化した大ヒットファンタジー「ハリー・ポッター」シリーズの5作目。闇の帝王ヴォルデモート卿の復活を目の当たりにしたハリーと、その事実を認めようとしない魔法省は対立し、両者の溝は深まっていく。ホグワーツ魔法魔術学校には、「闇の魔術の防衛術」の教授として、魔法省の息のかかったドローレス・アンブリッジが就任。実利的な魔法の訓練を禁じるアンブリッジに対抗し、ハリーは来るべき戦いのために有志の生徒を集めて「ダンブルドア軍団」を結成。秘密裏に魔法の特訓に励むが……。イギリスTV界出身のデビッド・イェーツが、長編映画初監督でメガホンを取った。おなじみのキャスト陣にイメルダ・スタウントン、ヘレナ・ボナム・カーター、ブレンダン・グリーソンらが新たに参加。
2007年製作/138分/アメリカ
原題:Harry Potter and the Order of the Phoenix
配給:ワーナー・ブラザース映画
スタッフ・キャスト
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2023年1月17日
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イェーツ監督に変わり、以降ファンタビまで同じ作風の予感がしました。やっと本編の進みましたが、魔法省の妨害や軍団の編成は単なる尺稼ぎに感じました。敵はハリーにしか用事がなく、案の定ハリーたちだけで戦っているので軍団は必要ないし、このストーリー構成は疑問に感じました。次作で「ロード・オブ・ザ・リング」のような合戦シーンがあるのかも知れませんが、それは一本の映画の中でやって欲しいです。終盤の対峙を見るに、最終作までこんな空気なんだろうなと思いました。
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ハリーはただでさえ思春期で、繊細で、イライラしているところに加えて、
・セドリックディゴリーは亡くなる
・ヴォルデモート復活
・それを周りが信じない
・ヴォルデモートと思考が繋がってしまい寝てもうなされて休まらない
・マグル街にまでディメンターが現れて守護霊呪文を使い、尋問にかけられる
・魔法省(ファッジが省庁、子分は忠誠心大好きのドローレス)がホグワーツを干渉し、ドローレスというピンク教科書おばちゃんが学校で権限を増していく
・ダンブルドアがヴォルデモートを刺激しないためわざとハリーを遠巻きにする
抱えきれないほど悩む事たくさんなハリー。
心の余裕がなくなり、カッとしやすくピリピリしている。
感情がスプーン一杯のロンがいなければもっと交友関係は荒れていただろう。庇ってくれるロンにさえピリピリしてしまうハリー。
ピンク教科書おばちゃんは典型的イギリスおばちゃんに見えるが、実際、残酷で手段選ばず、自分への忠誠が絶対という人間。ファッジの子分として、都合の良い決まりを次々にもうけては生徒の自由を奪い、禁止し、罰で支配をして権力を得たいだけのおばちゃん。
みんなが手を焼くこのおばちゃんに禁止されて、ヴォルデモートが迫っているというのに、闇の魔術への実践的な授業が受けられなくなった生徒達は、ハーマイオニーとロンの提案でハリーを講師にして密かに団結しダンブルドア軍団を結成して、戦い方を学び始める。
命の危機に何度も瀕しているハリーは、これまで戦ってきたことはすごいのではなく、殺されるか目の前で友達が死ぬかの命からがらだったんだと話す。
まるで戦争で勲章を得た人の言葉。
魔法省と闇側と立ち向かうもの達の集団同士の対決に子供が巻き込まれていく。規則や法や校則で縛り、有無を言わせず自由が阻まれていく。教科書命は思考統制。気付かぬ間に忍び寄り支配を増やしていく闇。まるで戦争への過程。
それを子供達が自分の頭で考えてどう立ち向かうか知識を応用させ実践に移していく事を、良しとするのがホグワーツ。統制は取れていないけど、根幹を大切にするダンブルドア。
ダンブルドア軍団のメンバーの集まりが本作の楽しいところ。
・エクスペリアームズ武器よ去れ
・ストゥーピファイ失神の呪文
・レダクト粉々
・エクスペクトパトローナム守護霊の呪文
こればっかりなのだが、興味の範囲だったクラスメイト達が真剣に取り組み力をつけていく。
迷う事なく不死鳥の騎士団で戦うと言うハリーだが、他のみんなはどうしていくのか。戦いに参加して平和のために活動しながら、家族を守り日常生活を送っていかれるのか。万が一亡くなれば子供も皆殺しにされたり、子供が孤児になったりする。
戦争は本当に恐ろしい。
光と影両方あり、どちらを選ぶかでその人が決まる。
シリウスが言うその通りだが、そんなの通用しない、ルシウス家のような例もある。
「もう危なくなることはしない。大切に思うものが増えれば増えるほど、失った時が辛くなる。だからもういっそ1人のほうが良い。」とハリーは言っていたが。
ハリーの予言を求めてヴォルデモートが来る魔法省秘密部のデータセンターのような場所に、ハリーだけでなく友達も危険を承知で来てくれた。
ダンブルドアと騎士団が来るまでの間、みんなでどうにか対抗する。
が、今作ではシリウスが亡くなる。シリウスのいとこのベラトリクスに何の躊躇いもなく殺されてしまった。
ハリーはまた家族を失った。
でも、ハリーには、ヴォルデモートと違い、恐怖で支配をしなくても自分のために戦ってくれる、友達がいる。心を暖めて安心させてくれる想い出が人を強くする。
ハリーに全部ひとりで抱えるなと言ってくれるロン。
ロンとハーマイオニーも随分通じ合ってきた。
ハリー、チョウチャンとキス、セドリックディゴリーの写真の前で!!同じく母を亡くしたルーナとも心が通じ合う。スネイプもハリーがヴォルデモートに操られないよう、呪文をかけた相手の感情や記憶を読み取るレジリメンス呪文に抗う訓練に随分協力してくれて、実際乗っ取られずに済んだ。
人間関係はうまくいっているようで、、
ハリーの父がスネイプを卑劣に快楽的にいじめていた事実。。
「人生とは不当なものだ」と語るスネイプが、虐められたその記憶を克服しながらも、ハリーにも憎しみを転移させながらも、闇への対抗に手を貸している、自己統制の強さ。闇に系統もしたが、戻ってきたその人間性の積み重ねこそが、生徒にとって精神鍛錬の教科書である。
2022年10月2日
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鑑賞方法:DVD/BD
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魔法ファンタジー映画『ハリー・ポッター』シリーズの第5作。
復活したヴォルデモート卿に対抗するため、ダンブルドア率いる「不死鳥の騎士団」が再び結成される。
しかし、闇の帝王の復活を信じたくない魔法省は、ホグワーツを統制するため上級次官ドローレス・アンブリッジを送り込む…。
原作はJ・K・ローリング。
○キャスト
ハリー・ポッター…ダニエル・ラドクリフ。
ロン・ウィーズリー…ルパート・グリント。
ハーマイオニー・グレンジャー…エマ・ワトソン。
ヴォルデモート…レイフ・ファインズ。
シリウス・ブラック…ゲイリー・オールドマン。
セブルス・スネイプ…アラン・リックマン。
シビル・トレローニー…エマ・トンプソン。
セドリック・ディゴリー…ロバート・パティンソン。
新たなキャストして、アズカバンに収監されているデス・イーター、ベラトリックス・レストレンジを演じるのは『ファイト・クラブ』『チャーリーとチョコレート工場』の、名優ヘレナ・ボナム=カーター,CBE。
〈ダンブルドア軍団ルールその1、ダンブルドア軍団のことを口にするな。
ダンブルドア軍団ルールその2、ダンブルドア軍団のことを絶対に口にするな。〉
『ハリー・ポッター』シリーズも後半戦に突入。
実はこの『不死鳥』からは今回が初観賞。原作は全巻、リアルタイムで一応読んでいるのだが、正直言って惰性で読み進めていたのでほとんど覚えていないのであります。
というわけで、かなり新鮮な気持ちで観賞しております。
まずもって思ったこと。
これ『スター・ウォーズ』?
今回で初めて魔法使い同士のガチバトルが描かれた訳だが、良い者の光は緑、悪者の光は赤と、かなり分かりやすく視覚化されていた。…わかりやすいというか、これ『スター・ウォーズ』そのまんまですやん…。
ダンブルドア先生の声が永井一郎さんだということもあり、なんだかヨーダvsドゥークー伯爵の闘いを思い出した。関係性も似てるしね。
ヨーダの「腕を上げたのう、かつてのパダワンよ。」というセリフが大好きなんだけど、それは今は関係ないですね💦
映画における超能力バトルシーンは好物なんだけど、『ハリー・ポッター』でそれを観たいかと言われると…。
『ハリポ』にはもっとファンタジー要素で楽しませていただきたいと個人的には思います。バトルとか別にどうでもええねん。
大体、ダンブルドアとヴォルデモート以外の魔法使いたちの攻撃はただ光線を飛ばすだけで面白みがない。
これなら拳銃でも良くない?…なんて言うのは野暮ですよね。
原作は上下巻あり、総ページ数1300を超えるというシリーズ最長の作品。
この超大作を2時間少々にまとめ上げたことは賞賛に値する偉業だと思います!
しかし、情報を圧縮してしまったことに対する弊害も見受けられる。
ぶっちゃけ言ってしまって、今回の映画は目的がなんなのかさっぱりわからんかった😅
これまでのシリーズ作品は、タイトルを見ればどんな物語なのか一目瞭然で、なおかつストーリーの軸になるものがなんなのか映画を観ていればすぐに理解することが出来た。
しかし今回は、不死鳥の騎士団というものが存在する、ハリーがその騎士団を真似た学生組織を作る、というところまではわかるのだが、そこから先の物語をどう進めたいのかが不透明なため、興味が持続していかない。
冒頭で「今回のお話の目的地はここです!」みたいなものを提示してくれないので、今自分は何を観ているのだろう?という気持ちが最後まで付き纏ってきた。
映画のクライマックスも、正直言って何やっているのかさっぱりわからん。
ヴォルデモートはハリーの「予言」ってものが欲しかったらしいんだけど、それって何?なんかスノードームみたいなものに入っていたけど…。
誰が予言して誰がスノードームに詰め込んだの?それを保管しておく意味は?
そもそもヴォルデモートは何であれを欲しがったの?すごく抽象的でどうでもいい内容だったけど…。
もう何が何やら全然分からん!!原作読めばわかるのかな?仮にそうだとしたら、映画だけでわかるようにしてくれよ!!
なんかシリウス・ブラックが死んじゃったけど、ここも何が起きているのかよくわからんかった。あのアーチなんなの!?
正直シリウス・ブラックって殆ど出番がないから、死んじゃったところで「あっそう…」って感じ。しかもオビ=ワン・ケノービくらい殺される描写があっさりかつフワッとしているので、驚くほどなんの感情も湧き上がらなかった。原作はもう少しエモーショナルだったような気がするんだけどね。
という事で、今回観賞してみて頭に残ったことは、ピンクのババァがクソムカつくということだけ。
このババァ、本当に凄まじいほどのクソババァで、映画史を遡ってもここまでのクソババァはなかなかいないのではないでしょうか?
ヴォルデモートやベラトリックスなんか目じゃないくらいの邪悪だった😈
「自分が『悪』だと気づいていない…もっともドス黒い『悪』だ…」という名言が『ジョジョの奇妙な冒険』にありますが、まさにアンブリッジはこのもっともドス黒い『悪』そのもの。
ここまで胸糞悪い悪役にはなかなかお目にかかれません!
アンブリッジの何が嫌かって、リアルにもこういうババァ結構居るよなぁ…と思い出させてくれるところ。
この辺はJ・K・ローリングの人物描写の巧みさの真骨頂ですよね。
そしてアンブリッジを演じているイメルダ・スタウントンの演技が素晴らしかったということでしょう。
ヘレナ・ボナム=カーターの存在感が霞むほどの強烈なインパクトを残してくれました。
今後イメルダ・スタウントンを映画で見かけたら、善人の役をやっていても「このクソババァ!」と罵ってしまうかも笑
もう一点心に残ったところは、やはりあの「スネイプ先生の過去」でしょう。
ここは原作を読んだ時にもめちゃくちゃ驚いた。
聖人君主として語られていた人物が実は…。という展開は創作物には多々あるし、現実世界にもありがちなんだけど、ここまで上手く物語に落とし込んでいる例はなかなかないのでは?
これまでのスネイプ先生の言動の理由が明らかになり、彼の見え方が180℃変わってしまうという、素晴らしい過去回想だと思います。
こういう人間の二面性みたいなものをしっかりと描きこめる。J・K・ローリングの作家としての確かな手腕を感じずにはいられません!
という訳で、なんやかんや不満もあるものの総評としては結構楽しんだような気もする。
陽キャの権化フレッド&ジョージのパンク・スピリットには、フリットウィック先生と同じようにガッツポーズしたくなったしね👍
ヘレナ・ボナム=カーターが出演しているということもあり『ファイト・クラブ』を想起させる、『ハリポ』史上最も血の気が多い一作でありました。
※なんかチョウ・チャンが可哀想な感じになっていたけど、みんなあの後ごめんなさいしたのかな?
丸メガネのイギリス人と東洋人のカップル…。やっぱりモデルはジョン&ヨーコ?
2022年6月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
第5作目。
さらに暗く本格的にストーリーが動き出していく。
結束していく生徒たちを観ているのは微笑ましかった。孤立していくハリーを支える友情も。
シリウスさんが…あっさりしすぎていて寂しい。