ゴジラVSモスラ

表モスラの裏バトラ。
気象コントロールという愚行に走ったコスモス一族を地球から抹消する為にバトルモスラという概念が誕生した、らしいがそれを語る生き残りの口ぶりはまるで他人事だ。
身勝手が生んだ怪獣、ゴジラと同じ境遇の被害者がまた一人。

優等生怪獣の口車に乗せられて海にドボン、バトラの馬鹿正直ぶりには涙が出る。隕石は任せて、とでも言われたのだろうか、人間も怪獣も等しく情に弱い生き物だ。
泥棒で生計立ててるヤツにまともな夫婦生活なんか求めても無駄である。

殲滅に特化した怪獣故、「変態」という段階を踏まずに形態変化させるところはバトルの冠に相応しい潔さだ。ちんたら繭を張ってたら、護るモノも護れないというもの。
正直者が馬鹿を見て今日も日本は平和だ。

1992年公開
この人ゴジラはかっこいいよ。しかし
川北特撮モスラは台無しが続く
卵の孵化シーンは卵が軽く、
幼虫はモゴモゴした動きが皆無、
蛹もイマイチ。
成虫は生物感ゼロ。デザインもそれを優先しすぎ。
円谷モスラとはどう見ても生きてるやろ、とは雲泥の差。
キングギドラでこれはあかんやろ、という動きが今回も見事に再現。
ゴジラもマントルの中を泳いで出現！？
誰やねんこんな脚本書いたん？
また大森一樹か！しゃーないわ。
大竹まことの悪役も宝田明のセンを狙ったのでしょうが
迫力不足。
あーそうそう出だしのインディジョーンズも浮きまくり。
初期デザインは双子のモスラやったのに
実は一匹は違う怪獣。
そのバトラは幼虫も成虫もその出現シーンもいい出来やったですが。
70点
鑑賞　1993年１月16日　新宿コマ東宝
パンフ購入　￥400
配給　東宝

　国会議事堂を半壊させ、国会議事堂ごと繭で包むモスラの幼虫は、一晩で空飛ぶモスラに成長し、何故か同じ日に富士山爆発という奇跡が重なる素晴らしい夜なのでした。

　ゴジラが富士山から登場するというシチュエーションも印象に残ります。

　タイトルに出てこないバトラという怪獣が、横浜みなとみらいでモスラと相談してゴジラを運びます。怪獣の後始末も完璧にこなすモスラは、東京を破壊した罪は問われませんでした。宇宙の隕石を退かすとかなんとかコスモス（二人組の小人）が言い残してモスラと共に去りましたが、宇宙詐欺的な話を登場人物が鵜呑みにしている場面に辟易します。

　古い映画ですから特撮は今観ると褒めたものではありませんが、今も活躍している小林聡美さんは、今と変わらずのお姿で驚きです。

　眠くなるような映像は仕方がないとしても、怪獣たちの登場のシチュエーションが良いので好きな作品です。

息子曰く当初はモスラ対バトラの話だったらしい。
本当か嘘かは分からないけど、
なるほどそう言われるとゴジラは別にいなくても
良かった気がしなくもない。

モスラの前になるとゴジラは完全なヒール。
知能も低く見えてしまう。

ラストのモスラとバトラの共闘は胸が熱くなり、
バトラの身を持ってゴジラを討伐する姿はグッと来る。

俳優さんも今観ると大御所ばかりでした。