怪獣総進撃

劇場公開日:

解説

「キングコングの逆襲」の馬淵薫と本田猪四郎が共同で脚本を執筆し、本田猪四郎が監督した怪獣SFもの。撮影は「落語野郎 大爆笑」の完倉泰一。なお、特技監督には円谷英二と有川貞昌が共同で担当している。

1968年製作/89分/日本
原題:Operation Monsterland/Destroy All Monsters
配給:東宝

ストーリー

二十世紀の終り。地球上の怪獣はすべて、小笠原諸島周辺の海洋牧場の怪獣ランドに集められ、コントロール・センターの研究材料になっていた。ある日、怪獣ランドが不思議な霧につつまれ怪獣が、その恐暴性を発揮したのだ。世界中の各首都が、ゴジラ、モスラ、バラゴンによって破壊されようとしていた。この非常事態に対処すべく命令された日開発基地のSX3号は、機長山辺の指揮の下に地球に帰ってきた。しかしコントロールセンターの大谷博士や技師真鍋克子は、キアラク星人にリモート・コントロールで動かされていたのだ。白衣の美女の姿をしたキアラク星人は地球征服を目ざし、怪獣ランドを占領、怪獣たちを自由に繰っていたのだった。山辺たちは大谷博士を奪還したが、博士はそのまま死んだ。一方、克子はキアラク星人の手先となって怪獣操縦機を持って東京に姿を現わした。山辺はそんな克子のつけている耳輪がキアラク星人のリモコン装置と見破り、これを外して克子を地球人に戻してやった。また地球の科学陣も必死にキアラク星人の前線基地の所在を探し、それが月面の“カッシー噴火口”にあることをつきとめた。山辺は早速SY3号で月に向った。SY3号の装備している強力なメーサー掘削機で、山辺たちは高温に保たれているキアラク星人の基地を破壊した。そのとたんに、キアラク星人は岩石化してしまった。彼らの生存にとって高温は絶対条件だったのだ。そのころ地球でも怪獣の操縦装置が発明され、ゴジラたちはキアラク星人たちの操縦するキングギドラと凄絶な闘いをくり展げた。やがて、キングギドラを倒したゴジラたち怪獣は再び怪獣ランドに帰っていった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
特技監修
円谷英二
特技監督
有川貞昌
脚本
馬淵薫
本多猪四郎
製作
田中友幸
撮影
完倉泰一
美術
北猛夫
音楽
伊福部昭
録音
吉沢昭一
照明
平野清久
編集
藤井良平
助監督
谷清次
スチル
山崎淳
特技撮影
富岡素敬
真野田陽一
特技美術
井上泰幸
光学撮影
徳政義行
特技照明
原文良
合成
向山宏
合成撮影
土井三郎
操演
中代文雄
石膏
安丸信行
特技助監督
中野昭慶
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映画レビュー

2.5近未来ゴジラと冷たい月の女

2021年10月6日
iPhoneアプリから投稿

いつの間にか科学が発達して気軽に月へも行ける時代、謎の星人インベイジョンを特殊装備と怪獣パワーで何とかする話。
なぜか星人には美女しかいなくて(地球人の願望の投影?)下僕たちとの間にどんなやりとりがあったのか気になる。

ゴジラを筆頭に怪獣たちはわりと人間や宇宙人の言いなりで、監督は同じでも初代のような圧倒的な存在感はなく、わりとおざなり。
でもテンポよくてビオランテよりは面白かった。

初めはいくらなんでも怪獣ランドって…と思ったがその後は人間たちの間にけっこうバイオレントな展開があったり、甘い恋人から豹変したヒロインの冷ややかな目つきが良かった。
ずっとあのままでもよかったのに。

あとギドラかわいそう。。クライマックスなのにミニラがゴジラにじゃれついてたりとか、ちょっとシーンのシリアス度が謎。
でも放射能出せてよかったね!

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ipxqi

3.5大好きだったよ、怪獣映画!

2021年1月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ゴジラより後から生まれた俺だが、少年時代は、ゴジラ、ガメラ、ウルトラマンとずっと一緒にいた。
映画は、幼少期は父が連れて行ってくれたが、いつも適当な時刻に入るので、途中から観て、終わった後にまた最初から見始めた所まで観る、という見方を何度かした。立ち見で観たことも記憶している。人気があったんだな。

小学生時代(1966-1972)は、みんな好きだった怪獣も、中学生(1973-1975)ではただのオタクだ。
「ゴジラの息子」に続くこの「怪獣総進撃」は 1968年。8歳、小学3年生だ。そんなにたくさんの怪獣を、いっぺんに映画で見られるのか、と嬉しかったし、この頃はみんなで盛り上がれていた。

怪獣好きとしてたまらなかったのは、観ることができなかった昔の怪獣まで観られること。マンダ、ゴロザウルス、バラン、バラゴンにアンギラス!(グモンガにはノーコメントかな...)

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CB

4.0第1期ゴジラシリーズのフィナーレ

2020年3月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1968年8月公開
監督は前作の福田純から本多猪四郎に戻ります
特技監督は有川貞昌で変わらずです

1968年は特撮界にとってどんな年であったのでしょうか?

正月は前年末に公開のゴジラの息子です
大コケでした
福田純と有川貞正のコンビは失敗に終わりました

春は3月にガメラ対バイラスが公開、併映の妖怪百物語と合わせて好調な入り

そこに黒船が海外から2隻突如あらわれたのです!
それは2001年宇宙の旅と猿の惑星です
前者は圧倒的な内容、特撮技術、美術、科学考証
何もかも逆立ちしても勝てません
というか同じ映像すら撮れない
モーションコントロールカメラ技術は日本には無く当時どうやって撮ったのかも謎だったのです
映画全体の意味すら、何がどうすごいのかも、正しく評価すら出来なかったのです

後者は特殊メイクという新技術が衝撃でした
日本にはチープなお化け屋敷レベルの特殊メイクの技術しかなかったのですから

正に幕末の黒船です

この海外からの新しい特撮の流れに日本の特撮界になす術は無かったのです
10年前は世界一の特撮技術を誇っていたのに、怪獣映画の大ヒットの連続で酔っぱらって、海外で始まっていた特撮の技術革新に無関心であり、新技術の獲得を怠り、10年前の技術を維持し高めるだけの「特撮道」になっていたのです
まるで日本の電機メーカーのデジタル化に乗り遅れ、ガラパゴス化した運命を先取りしているかのような話です

さらに駄目押しでサンダーバード6号が本作にぶつけて公開されたのでした

さて本作です
普通ならゴジラは1年間隔なので次作は12月の予定です
通常なら8月は別の特撮ものの公開になるはずです
なぜゴジラ映画のスケジュールが繰り上がったのでしょうか?

それは前作が大コケ過ぎだったからです
怪獣ブームに陰りがハッキリでてきたのだから、製作予算がかかる怪獣映画の製作は打ち切るべしとの方針が東宝でうちだされたのです
夏にゴジラ映画を公開してそれをもって有終の美を飾る
よって最後のゴジラ映画は本多猪四郎監督が撮るべきとなったのだと思います
特技監督が有川貞正のままなのは、円谷英二がウルトラセブンの対応で多忙だったからでしょう

内容は怪獣達のお別れ公演になったのも当然です
そこに黒船到来です
手も足もでず、やれることをやるしかないのです

さすが本多猪四郎監督です
なかなか面白く楽しめました
怪獣ランドは日活の大巨獣ガッパからのアイデア拝借です
というか後年のジュラシックパークの元ネタかも知れません
東宝特撮の強み、特色とは何か?
それは宇宙SFの要素を持った怪獣映画である
そう監督は考えたようです

キアラク星人の物語はX星人と同じ位置付けです
三大怪獣地上最大の決戦の拡大版リメイクと言って良いぐらいです

ロケットムーンライトSY-3号は格好いいです!
サンダーバードの強い影響を受けているのが伺えます
しかしサンダーバードにはある機能や性能や原理を類推させるデザインでは無いのです
これが東宝特撮の限界の本質なのだと思います

特撮はおろか、美術においても2001年宇宙の旅には全く及びません
宇宙服、特に宇宙帽のチープさは泣きたくなる程です
彼我の差は歴然としています
予算規模は確かに雲泥の差が有ったと思います
しかしセンス自体が無いのです
前年3月に公開されたギララの宇宙服のほうが遥かに優れている位です
地上で活劇する為に敢えてこうした宇宙服ぽさを減らしたのだと思いますが、これではまるで消防服です

特撮は都市破壊シーンもあり楽しめます
しかしランドマークを完全再現して破壊するのは
国連ビルや凱旋門やクレムリン宮殿がチラリと写る程度です
日本の臨海部や街並みはどこかのようで適当な臨海部と街並みです
取材して完全再現したものには見えません

最強宇宙怪獣キングギドラを地球の怪獣軍団が力を合わせてやっつけます
最後はカーテンコール宜しく怪獣達のお別れシーンです

これをもって東宝は怪獣映画をお仕舞いにする筈だったのです

ウルトラセブンも1ヵ月後の9月に最終回となります

怪獣映画の季節は終わりを迎えた筈でした

しかし本作はゴジラの息子を興行収入を上回ります
僅かな望みが残りました
それが実るのは翌年1969年の12月でした
次回作ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃が作られたのです
ただこの作品の内容はフィナーレに続くエピローグというべきものでした

それ以降も何作とゴジラ映画はつくられますが
それらは一旦リブートしたものというべきだと思います

コメントする 2件)
共感した! 2件)
あき240

3.5怪獣ランドに行きたかった!

2020年1月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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共感した! 2件)
もーさん
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