怪獣島の決戦 ゴジラの息子

劇場公開日:

解説

「ウルトラマン(1967)」の関沢新一と、「ゼロ・ファイター 大空戦」の斯波一絵が共同でシナリオを執筆し、「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」の福田純が監督した怪獣もの。特技監督には新人の有川貞昌があたり、撮影は「育ちざかり」の山田一夫が担当した。

1967年製作/85分/日本
原題:Son of Godzilla
配給:東宝
劇場公開日:1967年12月16日

ストーリー

南太平洋の無人島ゾルゲル島では、楠見博士らの手によって、ある実験が進められていた。それは、人口増に伴う世界的な食糧難を解決するため人間の手で気象コントロールを行なおうというもので、「アイスキャンデー」作戦と名付けられたものだった。実験準備は終った。一行には記者の伍郎も参加していた。伍郎はある日、無人のはずの島に少女の姿を見かけて驚いたが、誰もその話を信じなかった。実験が成功すればこの島は凍結するはずで、伍郎は少女の身を案じた。やがて実験が始った。ところが、不思議な妨害エネルギーにより実験は失敗、その反転現象で島は一時、異常高温に包まれてしまった。しかも、これが生物に作用して、カマキリが異常に成長して怪獣カマキラスに変貌し、実験本部を襲ってきた。一行を助け、安全な洞窟に導いたのは伍郎が見かけた少女だった。少女はサエコといい、島で死んだ日本人考古学者の遺児だった。そんなあいだにカマキラスは妨害エネルギーの出所、三角山を崩し始めた。そこから現われたのは、ゴジラの卵で、カマキラスに割られた殻の中からはゴジラの子供が姿を現わした。ちょうど親ゴジラが島に来て子供の危機を救ったが、ゾルゲル島は怪獣の棲家となってしまった。楠見や伍郎たちは、熱病を治す赤い沼の水を得るために、怪獣クモンガの隙をうかがわなければならなかったし、カマキラスは常に彼らを狙っていた。しかし、成長の早い子供ゴジラは、何故かサトコに好意を見せ、カマキラスの巨大な鎌から彼女を救った。やがて、ゴジラ親子とカマキラス、クモンガとの間に壮絶な戦いが始った。習いたての放射能炎を武器に戦う子供を助けながら、親ゴジラはカマキラスとクモンガを倒すと、子供を連れてこの島を去っていった。三つ巴の死闘に茫然としていた実験隊一行は、やがて我にかえると、再び実験にとりかかるのだった。

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映画レビュー

1.5ミニラはかわいいのか

2024年2月19日
スマートフォンから投稿

笑える

楽しい

元祖キモかわいいと言われているミニラですが、個人的にはキモさ9割、かわいさ1割といったところです。基本的にはキモい。
生まれたときに複数のカマキラスにいじめられていましたが、私も何故か参加してちょっと一緒にいじめたくなりました。ちょっとムカつくというか、嗜虐性を掻き立てる何かがミニラにはあるかもしれない。そんな自己の性癖を自覚する映画でした。
くだらないことを書きましたが、この映画は昔子供の頃に父親とVHSで一緒に見たんですよね。そんでこの前、親父と一緒に飲んでるときにこの映画の話になって、「ゴジラに尻尾踏まれて、最初は輪っかだった火炎放射がちゃんと出せるようになるんだよなぁ」と言って笑いあうことが出来たので私にとっては尊い映画なのです。
まあ星1.5なんだけど。
本当は星0.5個くらいの評価なんだけど、上記の思い出補正で1個追加するね。

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タブロー

5.0昭和ゴジラシリーズの中では異色の作品。

2020年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

初期ゴジライメージを大事にするマニアには、本作は子供じみたふざけた作品に映るだろうが、当時の操演技術によるカマキラスやクモンガのリアルな表現は、CGをフルに使えなかった時代のスターウォーズ作品と同レベルであると個人的に感じている。

確かに親ゴジラの顔は間抜けではあるが、ミニラのデザインは逆にコミカルで愛らしく、そのためか本作は海外でも認知されファンは多い。音楽を担当した佐藤勝のアンダースコアもジャジーな手法を使い軽快でリズミカルである。

低予算ながらも脚本は怪獣映画における時代劇パターンとは一線を画した「SF巨大生物の島」の流れであり、欧米市場をも含む興行作品としての完成度は今みても決して低いとは言えないだろう。本作の採点が辛口なのを知って、あえて星5を選ばせてもらった。ちなみに操演技術の類似作品として「放射能X」原題「Them!」といった古典的作品がどうしても思い起こされる。

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sakuranbo2008

2.0誰も満足しない怪獣映画になってしまった

2020年2月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

1967年12月公開
つまりこの年の春に勃発した、怪獣映画代理戦争への東宝特撮の回答が本作だ

大映、松竹、日活のガメラ、ギララ、ガッパ
それぞれの作品を研究して、東宝特撮が対抗して勝利する作品を作らなければなならない
それが東宝特撮の回答になるのだ

もちろん7月にキングコングの逆襲を出しているが、期間が無さ過ぎる
対策はこの年末公開の作品でやることになる

まず監督と特撮監督の両方を本多猪四郎、円谷英二のゴールデンコンビを、それぞれの一番弟子の福田純、有川貞昌に交代している

世代交代は必要性なことだが、他社の一斉攻勢の最中の本作で行ったということは、他社の作品はたいしたことはない、新体制で十分対応できると東宝は考えたと言うことだろう

内容は日活のガッパの影響が強い映画になった
ガメラのような子供向けの要素はない
ギララのような宇宙SF色は全くない
ガッパの青春映画ぽいドラマに怪獣の子供を出して子供向け対策とするというアイデアを露骨に真似ている

つまり東宝特撮とはこれだというべきものは、そもそも無かったのだ

特撮ではエビラで挑戦した多肢の外骨格怪獣を発展させ、昆虫モチーフの着ぐるみでない繰演怪獣を出す新機軸を打ち出している

だが誰がこの内容で満足するのか?
青春映画ぽいドラマを大人が観に来るのか?
父ちゃん化したゴジラ、子供に媚びたミニラ
そんなものを子供が観たいと思うのか?
繰演怪獣は作り手からすれば新機軸だろうが、観客からすればどうでもよい
ようは怪獣が大暴れして子供が退屈せずに大人しく観てくれる怪獣映画を出せば良いのだ
それには応えていないのだ
誰も満足しない怪獣映画になってしまったのだ

1967年怪獣映画代理戦争は大映のガメラの勝利が確定したのだ

ハッキリ言って特撮技術が一番低いガメラが勝利したということは、日本の特撮映画のガラパゴス化をいよいよ加速させることを意味していたのだ

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共感した! 2件)
あき240

2.5ミニラが不細工

2020年1月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

昭和ゴジラシリーズ凋落の始まりの一作。

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もーさん
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