ゴジラ対ヘドラ

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解説

昭和二十七年十一月に公開された第一作「ゴジラ(1954)」から始まった怪獣映画シリーズ二十三作目。脚本は「怪獣総進撃」の馬淵薫と、これが監督昇進第一回作品の坂野義光。撮影は真野田陽一がそれぞれ担当。

1971年製作/85分/日本
原題:Godzilla vs Hedorah
配給:東宝

ストーリー

ヘドロで汚され、一面に広がった赤褐色の湾内に、浮かんでは消えていく泡。その泡の中で唯一つ、次第に脹れあがり、妖しく揺れるのっぺらぼうな顔に無気味な双眼をつけているものがあった。数日後、この海坊主のような怪物は駿河湾に出没した。この怪物こそ、ヘドロの中で誕生した怪獣へドラだった。海へ流れ出たヘドロを主食としているヘドラはさらに形態を変えて巨大に進化していった。食糧不足をきたしたヘドラは、各地の湾内でタンカーが引き裂き、遂に田子の浦から日本に上陸した。工業地帯の煤煙やガソリンを食べたヘドラはさらに全長六十メートルに成長していった。エネルギー源となる多量のヘドロを体内に蓄積し、ジェット噴射による飛行も可能となり、ヘドラの行動半径はさらに伸びた。その結果、通過時に排泄する多量の硫酸ミストは全ての生体に害を及ぼした。地をはい、空を飛び、建物をつきぬけ、水中を行く、その神出鬼没、切断自在のヘドラは、まさに忍者怪獣だ。ヘドラの行くところビルは崩壊し、光化学スモッグが発生した。またヘドラの口から弾丸の如く飛ばされるヘドロと、双眼の上から放たれる赤色光線は、人間を一瞬にして白骨と化した。この地球の危機に、何処からともなくゴジラが出現した。ゴジラは、いまだかつてない強敵ヘドラに敢然と立ち向かっていった。ゴジラとヘドラ、この二頭の怪獣のいつ果てるとも知れない凄絶な死闘は東京湾から、さらに富士の裾野へと展開されていった。悪戦苦闘するゴジラの左眼はつぶされ左手も赤色光線でなかば白骨化してしまった。一方、海洋生物学者の矢野博士は、ヘドラ打倒のため電極板を発明、自衛隊の手によって富士の裾野へと運ばれた。しかし、博士の苦心も送電線が切れ、使用不可能となった。その瞬間、ゴジラが放った火炎が電極板に感応し、もの凄い電流がヘドラの体内をつらぬいた。さしものヘドラも水蒸気を立ち昇らせ、みるみるくずれ落ち、ゴジラの奇襲によって粉砕した。やがて、全身傷だらけになったゴジラは、人間の前から去っていった。

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映画レビュー

4.0新しい時代の不安には新しい不安を体現する怪獣映画が必要というテーマ性の回復がなされた

あき240さん
2020年3月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1971年7月公開
前作ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃から1年8ヵ月ぶり
つまり1970年はゴジラ映画は春、夏、冬、そして1971年の春と、その間1本もなしだった
東宝特撮の神、円谷英二が1971年1月に亡くなったこともあるだろう
だが喪に服して怪獣映画の製作が止まったわけではない
怪獣映画のブームが去ってしまったのだ

前作は番外編みたいなものだから、実質的には1968年8月の怪獣総進撃から約2年もブランクが空いてしまったのはそういうことだ

その間はガメラが踏ん張って怪獣映画を一人で支えていたのだ
そのガメラも1971年7月のガメラ対深海怪獣ジグラで一旦終了となる
製作映画会社の大映が倒産してしまったからだ

ガメラは毎年春に公開が通例であったが、この最後の作品だけは夏の公開だ
つまり初のゴジラとガメラの直接対決になったのだ
しかも向こうからぶつけてきたのだ

結果はどちらの作品もまずまずの入りとのことだから、初対決は引分けというところか

さて内容はどうか

その時代での漠然とした不安を怪獣の姿にして具象化し、現実世界をその怪獣が破壊するシーンを見せる事によって、不安の正体を明確化する
そしてその怪獣が倒されるか去ることによって不安感を一時的にせよ解消する

初代ゴジラはこのような構造があったからこそ、映画のイノベーション足り得たと思う

そして前作のゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃において、本多猪四郎監督は新しい時代の不安には新しい不安を体現する怪獣映画が必要だというテーマ性の回復を提示していたと思う
本作はそれに真っ正面から回答に取り組んだ作品だと思う

その新しい時代の不安とは、もちろん公害問題
今でいう環境問題だ

本作の前年の1970年には光化学スモッグで都内の中高生が多数被害を受ける事件が起こっている
また同年に田子の浦港のヘドロ問題の対策協議が大問題化していたのだ

まさしくその時代の不安を具象化した怪獣映画と言えると思う

ヘドラを退治する方法は人間が考え出しはするのだが、決定的な瞬間には間に合わない
結局ゴジラの力によってその解決方法を完遂する事ができるというストーリーはゴジラ任せの精神ではない

公害問題、環境問題を人間のみの力では解決出来ないかも知れない
ゴジラという超自然的な力があってこそ最終的な解決までいくことができることだろう
それでも人間がその解決方法を用意していなければゴジラであっても解決できなかったかも知れないというメッセージだ
つまり、まず私達自身が解決に向けて行動しなければならないという意味だ

ラストシーンでのゴジラが訴えているのはその事だ
こんな事になるまで地球を汚すな
汚してしまったなら自分で最後まで始末しろ!と
なんで俺が面倒みないとならないんだ!と

そしてもういっぴき・・・・のテロップ
またヘドラは生まれてしまうだろうとの意味と受け止めた

本作から半世紀がたった
光化学スモッグの発生は近年では稀になって来た
田子の浦の浄化もすすんだ
本作のヘドロの海が21世紀には世界遺産の一部になるとは想像も出来ないことだろう
これならゴジラもそう怒らないだろう

しかし21世紀のヘドラは中国から出現するだろう
はるかに強力で巨大だ

しかし本当に現れたのは、予想もしなかった新怪獣だった
武漢に出現したコロナウイルスという大怪獣だ

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あき240

3.5とってもセクシーなコスチュームでお姉ちゃんが・・・

2020年3月9日
PCから投稿

この映画の中には監督が趣味で作ったような部分がふんだんに盛り込まれている
例えば音楽の使い方とか
例えば二人の女優が妙に色っぽいとか
例えば絵による説明とか
公害に抗議するためのいろいろな映像手法とか
ゴジラのキャラ設定とか
これは監督からしてみればとっても楽しい仕事だったに違いない
よくこんな趣味的要素盛りだくさんの映画を会社が作らせてくれたもんだ
きっとこの頃はゴジラ映画の全盛期でどんな映画作っても絶対に売れるということが分かっていたからだろう …
と思って調べてみたら違っていた。 どうやら本プロデューサーが入院してる間に 企画が通って撮影してしまったらしい
この作品を作った後、監督への道が閉ざされたらしい。 頷ける話だ 。しかし、もうちょっと優れた プロデューサー だったら 才能に気が付いて もっと活躍させていたに違いない。残念な話だ...
脚本はスピード感があり、上手くまとまっており、大人が見ても一応の鑑賞に堪える内容となっていると思う
最後の締めくくりもなかなか気が利いている。
「この惨事により、政府は公害の規制を厳しくすることになりました」
ってことにでもなるかなと思ったけど。このラストのほうがずっと良い。
もういっぺん見たくなると言っても過言ではない逸品であろう。

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KIDO LOHKEN

4.5公害の風景

2019年11月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

本作は、リアルタイム鑑賞でした。またも、今や影も形もない「西宮国際シネマ」…今観返すと、カオスってる感じが、メチャ面白いです。

父はよく映画に連れて行ってくれましたが、ある程度大きくなると、私と弟を映画館ほり込み、上映終了迄、自分はパチンコ屋です😥…

初めてその状況にされたのが、ヘドラだったので覚えてます。弟は不安からか映画観ないで私の顔ばっか見てるし、ヘドラ怖いし泣きそうでした。

阪神工業地帯が近い小学校でしたから、光化学スモッグも、廃液流れるドブ川も見慣れた風景でした。浜で磯釣りしてた従兄弟が、背骨曲がった魚を吊ったり…よく病気にならなかったもんだと今は思いますが😱…

それでもレコードで、ヘドラの主題歌やたら歌い覚えちゃいました…時はドーンと過ぎ(笑)😁何年か前、バンドで主題歌を替え歌にしてカバーしようとしましたが🎵…今や公害以上に人害が多くって替え歌どころじゃなくなり断念しました😅…

この頃、やたら公害怪獣多かったです…スペクトルマンのとか(笑)…ヘドラのあと、対ガイガン(新開地)、対メガロ(鳴尾)と続き、それで子供時代の映画は、終わりました(間にガメラシリーズも)

本作レビューされている方なら、ご存知かもですが、この年代を解き明かした書で、「切通理作/怪獣少年の復讐・70年代怪獣ブームの光と影」ってあります。未読の方は読んで見て下さい。ヘドラ話満載です🙇

1971年夏休み/国際シネマにて鑑賞。

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観賞菩薩

4.0もしゴジラが飛ばなかったら、、、

2019年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

ゴジラが飛んだことは批判の的になるこの映画。
リアルタイムで見た自分としては、
とにかく公害そのものがこわかった時代、
新聞ではヘドロの海の写真や骨の曲がった魚の写真。
実際、町に出れば車の排気ガス、腐ったような川。
それを具現化したヘドラと狂ったようなサイケ文化を
映像化したこの作品。
ひとりで映画を見に来てた小学生の自分も欝になりそうだった。
ゴジラが飛んでくれて、吹っ切れて明るく帰れた。
どーしてもゴジラが飛ぶのは、必要であり、必然。。。そういう時代だった

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流れ星3秒
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