ゴジラ(1954)
劇場公開日 2014年6月7日
解説
1954年に東宝が製作・公開した特撮怪獣映画の金字塔。太平洋の沖合いで船舶が次々に沈没する事件が発生。数少ない生存者が、巨大な怪獣の目撃談をもたらす。古生物学者の山根博士や助手で娘の恵美子、その恋人でサルベージ機関の所長・尾形らで結成された調査団が事件現場近くに浮かぶ大戸島に派遣され、やがて彼らの前に怪獣が姿を現す。島の古い言い伝えから「ゴジラ」と命名された怪獣は、密かに生き残っていた太古の生物が、繰り返される水爆実験の放射能の影響で目を覚ましたものであるとされ、対応策が練られる。しかし、その強大な力に人間たちは成すすべもなく、東京に上陸したゴジラは街を火の海に変えていく。その頃、山根博士の愛弟子である科学者の芹沢は、ゴジラにも有効な恐るべき発明を実現させていた。その技術がいつか悪用されることを恐れ、使用をためらっていた芹沢だったが……。98年にはローランド・エメリッヒ監督によるハリウッド版も製作。そして60周年を迎えた2014年、2度目のハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」(ギャレス・エドワーズ監督)の製作・公開を記念し、原点である本作が「ゴジラ 60周年記念デジタルリマスター版」としてリバイバル公開された。
1954年製作/97分/G/日本
配給:東宝
日本初公開:1954年11月3日
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2022年5月5日
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鑑賞方法:VOD
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まだ、防衛庁が発足したばかりの頃なので、協賛は海上保安庁のようだ。従って、未確認生物に発砲する瞬間になんのためらいもない。GHQが1952年にサンフランシスコ講和条約によって廃止されたばかりなので、まだ、自衛隊に専守防衛の権限などないはずだ。従って、そのフラストレーションをゴジラにぶつけて、発砲しまくっているように見える。だから、オキシジェンデストロイヤーなる毒ガスを使用する等もってのほかだ。
水爆、放射能に対する警鐘はうなずけるが、やはり、台本がチープ過ぎる。
『○○獣の後始末』なる映画があったが、ゴジラの遺体は東京湾に放置されていることになり、しかもオキシジェンデストロイヤーに際して出来た副産物で、この一帯は死の海になるはずである。つまり『○○病』になる病が発生すると思うが。『綺麗な水が毒ではない』は間違いなのだ。海上保安庁が協賛するような映画なのだから、もう少し考えてもらいたい。怖い話だ。
レンタルビデオ黎明期に、過去のアーカイブ的な扱いで、自宅のテレビで鑑賞。その異様な雰囲気に、引きこまれ、一気に最後まで見た。まるで、どこかの孤島が台風に飲み込まれるニュースのような、天災みたいな雰囲気だった。
当時から、原子力というもののあやしさに、不快感を感じる人は多かったけど、自分が生まれる前に、水爆実験を引き金に、また日本が核の被害に飲み込まれるという骨子を、極限の映像で表現したギリギリの映画だったと思う。
今は、都会のビル群をその太い尻尾で薙ぎ払うような映像が当たり前に見られるが、この時代小笠原の漁村に上陸し、暗い夜の村を襲う映像はかえって新鮮だったりする。その迫力に圧倒された。そこに本当に未知の生き物がいるように錯覚したものだ。
この始まりの恐怖と畏敬の念を、いまだに超えるゴジラが生み出されていない。それだけははっきり言えるだろう。
2019.7.3
2021年10月10日
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初めてみたのはたぶん2015年。
山岸凉子のエッセイ漫画に描かれていた「ゴジラが山の端から顔を覗かせるシーンの恐怖」を味わいに劇場へ行きました。
ゴジラ映画はまだ10本ほどしか観ていない新参者ですが、結局この1本目が初代にして決定版だと思ってしまいます。
やっぱりゴジラの怖さも、ドラマも、映画全体の出来映えとしてもベストで、そもそもゴジラという仕掛けが極めてドメスティックな存在だったことを痛感させられます。
終戦から10年も経たない、記憶や傷跡の生々しい段階で公開された初代ゴジラの、街を破壊する場面が当時の観客にどれだけの衝撃をもたらしたかは、その後の続編とは一線を画すものだっただろうと想像します。
この初代だけが持っている暗さ、怪獣が暴れるような荒唐無稽な企画でありながら独特の静けさは死者に向けた弔いの様相。
これだけ沢山作られていながら、結局災禍の後のその時限りの企画でしかなかったことを示しているように思います。
だからこの初代のインパクト、ゴジラという仕掛けが真価を発揮できるのは戦争や水爆といった現実の災禍が起きた後に、その傷を再びフィクションの中で再現する以外にないのだろうとも。
その点で震災の直後に作られた「シンゴジラ」は奇跡的な一作だし、アメリカ版としてはレジェンダリーよりも「クローバーフィールド」の方がより正統なアプローチだったことになります(俯瞰のショットを作ってしまった後半はいただけないけど)。
レジェンダリー版もこれはこれで好きですが、せっかく怪獣たちのワールドツアーするなら現実の地震やハリケーンなどの被害があった場所を舞台にしてその被害を再現したらいいのにと思います。
ニュースや映像を通してであれ、現実の被害を共有している観客にこそゴジラは真の姿を現す。人間の無力さの象徴として。
2021年7月4日
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鑑賞方法:DVD/BD
ゴジラVSコング公開記念
これは何度も観た
一度でいいから映画館で観たい
戦後間もない娯楽といえば映画しか無かった時代
今と当時の人では受け止めかたが全く違うだろう
「長崎の原爆から命拾い」「また疎開か」「もうすぐお父ちゃんのとこに行くの」
民衆の一言一言に時代を痛感する
BGMとゴジラの鳴き声がとにかく素晴らしい
特にゴジラのテーマは聴くだけでテンションが上がり魂が揺さぶられる
1954年(昭和29年)
3月1日遠洋マグロ漁船第五福竜丸がビキニ諸島近海でアメリカによる水爆実験によって核の灰を浴びる事件が発生した年である
それから約8ヶ月後の11月3日に公開された作品がゴジラである
ゴジラの出現は水爆実験の影響によるものという設定は3月の悲劇で急遽盛り込まれたものだろう
リベラルの解釈では反核や環境破壊がテーマらしい
それならなぜ初代ゴジラは日本じゃなくてアメリカ本土を襲わないのか
GHQも解散してしばらく経つ時期だし遠慮する必要もあるまい
それにしてもなぜゴジラは都市を破壊するのだろうか
海の生物が激減しお腹を空いたから人間を食べにきたというわけでもないようだ
古代生物の生き残りらしいがなぜか火を吐く
山根博士役の志村喬が貫禄の存在感
良い味を出している
チョイ役だが志村喬以上に良い味を出していたのは野党の国会議員役の菅井きん
蓮舫もTwitterに夢中になってないでこのくらいの気概を少しは見習って欲しいものである
命を張って報道するラジオアナウンサーに大感動
今の新聞記者やテレビ局員にこんなことができるわけがない
さようならがせつない
なんとかデストロイヤーなるものでゴジラを退治するわけだがゴジラの最期としてビジュアル的にはシンゴジラの方が好きだな
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