ゴジラ

劇場公開日:1984年12月15日

解説

火山の爆発で出現した怪獣ゴジラの大破壊と、それに対する人間の行動を描く。田中友幸の原案に基づき永原秀一が脚色。監督は「さよならジュピター」の橋本幸治、特技監督は「日本海大海戦 海ゆかば」の中野昭慶、撮影は「さよならジュピター」の原一民がそれぞれ担当。

1984年製作/103分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:1984年12月15日

あらすじ

198X年。伊豆諸島の南端にある大黒島付近を鯖漁船第五八幡丸が、猛烈な暴風雨の中を懸命の航行を続けていた。乗り組み員の一人、奥村宏は大黒島の火山が爆破し、やがて巨大な物体が船に接近するのをかい間見た。東都日報の大島通信員、牧吾郎が第五八幡丸を発見した時、生存していたのは奥村ひとりだった。早速、牧は本社に連絡するが、この記事はなぜかにぎりつぶされてしまう。政府から調査を依頼された生物物理学者の林田博士は、警察病院に隔離されている奥村から話を聞き、その巨大な物体がゴジラであることを確信する。林田博士は、30年前にゴジラが東京上陸した際に二次災害で両親を失い、憎しみと復讐心から研究を始めたが、今では親しみすら感じるという。三田村首相はパニックをおそれ、当分の間、ゴジラのことを秘密にする一方、対策本部を設置した。牧は特種をにぎりつぶされた代償として林田博士と接触することを許され彼の助手尚子が奥村の妹であることを知ると、二人が対面できるように取り計らう。尚子は牧に好意を抱くが、彼の行為がスクープを狙ったためなのではないかとも疑う。ゴジラがソ連の原潜を襲い、ソ連がアメリカの攻撃だと批難したため、政府はゴジラの存在を公表する。ゴジラは井浜原発を襲い、エネルギーを吸収し、渡り鳥の鳴き声にひかれて去って行く。これを観察した林田博士は、ゴジラに帰巣本能があることを思いつき、その研究を推進する。ゴジラ退治に米ソが核爆弾を使ってほしいと申し入れるが、三田村首相は非核三原則の立場から断わる。ゴジラは東京に上陸し、晴海通りを直進して有楽町マリオンビルを破壊し、永田町を通って新宿副都心へ向かう。林田研究所では渡り鳥の鳴き声のテープが完成し、それを持って奥村と林田が伊豆大島に向かう。三原山の噴火口におびき寄せ、人工的に噴火をおこして、ゴジラをやっつけようという計画である。西新宿でゴジラが暴れ廻り、多くの人々が逃げまどい、尚子と牧は心が通い合うのを感じた。東京湾に停泊していたソ連船からゴジラに向けて核ミサイルが発射される。政府の依頼で嘉手納米軍基地から迎撃ミサイルが発射され、東京上空の成層圏で迎撃する。首都防衛用に作られたスーパーXから発射された放射能を中和するカドミウム溶液弾で動かなくなっていたゴジラは、この核爆発で再びエネルギーを得て暴れ出す。だが、渡り鳥の鳴き声を聞きつけて伊豆大島に移動し、噴火口から落下して姿を消してしまう。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
橋本幸治
特技監督
中野昭慶
脚本
永原秀一
原案
田中友幸
製作
田中友幸
撮影
原一民
B班撮影
宝田武久
美術
櫻木晶
装置
鈴木和夫
加藤慶一
沼倉信吾
塗装
水野明
建具
三ッ石仙太郎
木工
棚橋克巳
組付
笠原良樹
装飾
田代昭男
市丸洋
佐々木大三郎
電飾
稲垣秀男
音楽
小六禮次郎
音楽プロデューサー
前田忠彦
主題歌
ザ・スターシスターズ
挿入歌
沢口靖子
録音
田中信行
音響効果
三縄一郎
照明
小島真二
B班照明
大場明之
編集
黒岩義民
衣装
川崎健二
ヘアーメイク
梅沢文子
演奏
東京交響楽団
俳優係
田中忠雄
製作担当者
森知貴秀
B班監督
山下賢章
助監督
大河原孝夫
B班助監督
三好邦夫
記録
梶山弘子
スチール
石月美徳
特技撮影
山本武
大根田俊光
特技美術監督
井上泰幸
特技照明
三上鴻平
特殊効果
渡辺忠昭
久米攻
合成
真野田嘉一
視覚効果
宮西武史
特技スチール
中尾孝
特技美術
青木利郎
繰演
松本光司
宮川光男
特技製作担当者
池田雅行
特技装置
竹中儀雄
鴨志田平造
鈴木栄二
特技記録
小林みどり
合成作画
塚田猛昭
石井義雄
映像協力
坂田俊文
模型電飾
高木明法
CG
土屋裕
特技助監督
浅田英一
造型
安丸信行
サイボット造形
加茂哲
サイボット製作
水野俊一
メカ造形
小川正晴
特殊機械
田中豊夫
鹿山和男
車輛係
小林康夫
協力製作
田中文雄
宣伝プロデューサー
山根秀吉
宣伝係
堀内實三
上川重久
中川敬
ポスターイラスト
生頼範義
特別スタッフ
竹内均
青木日出雄
大崎順彦
クライン・ユーベルシュタイン
田原総一朗
全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

映画レビュー

3.5​復活したゴジラ!圧巻の西新宿巨大セット!日本で核爆発の危機! 緊迫の展開とベテラン俳優達の名演も 武田鉄矢、かまやつひろしの悪ふざけのせいで台無し

2025年8月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

「ゴジラ(1984)」がゴジラシアターに登場するも、スクリーン小さすぎ!

長年の特撮マニアの地道な応援を受けて、やっと復活したゴジラ。
ゴジラの動きはリアルを意識して地味。
ゴジラの撮影には、従来どおりのキグルミと、新たに巨額な費用を投じて作られた巨大ロボット(サイボットゴジラ)を併用したが、ロボットの似ても似つかない造形とカクカクした動きはいただけない。
それでも、新宿西口高層ビル群周辺の見事な巨大ミニチュアセットと、新宿上空核爆発、オーロラの夜空などのシーンは見ものです。
渋いオールスターキャストにも注目!
夏木陽介、小林桂樹、佐藤慶、小沢栄太郎、内藤武敏、金子信雄、加藤武、鈴木瑞穂、織本順吉、田島義文、小泉博、村井国夫、江幡高志、潮哲也、など凄い!!

あまりにも、苦難の道が長く、相手が巨大なアイコン、スーパースターだったために、冷静に映画が作れずに、くだらないカメオ出演などのお祭り騒ぎで終わってしまった感もあり。
ゴジラに殺されてしまうのに満面の笑みで牧師姿の かまやつひろし。
特にホームレスの、武田鉄矢(特別出演!)に時間使いすぎ。
ゴジラに食って掛かるシーンが2シーンも、スクリーンプロセスでゴジラとの合成カットまである!
公開時でも全く笑えないギャグシーンは、本編で浮きまくり、せっかくのシリアスな展開が台無し!
そんな場面の尺は減らして、せっかくだから名優陣の出番をもっと増やしてほしかった!

とりあえずゴジラ映画が完成、復活、公開できただけで、良しとするしかないのですが、次回作(VSビオランテ)までには、さらに数年待つことになります。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ITOYA

3.5シン・ゴジラを想起させました。

2025年7月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

公開当時の感動は、シン・ゴジラを観た時の感動に似ていたことを思い出しました。
米ソ冷戦などのリアリティのある表現やゴジラの恐怖が印象的。
キャストも豪華。沢口靖子さんがとっても可愛いかったです。

本編の牧悟郎とシン・ゴジラの牧悟郎教授の関係が気になりますね。

コメントする 2件)
共感した! 1件)
kobo-ojisan

5.0既存の「怪獣映画」というよりは、「日本沈没」のようなリアリティを追求した重厚な「災害パニック映画」に近いアプローチ、大人になって見直すとドラマ性の高さに驚嘆します。

2025年7月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

ドキドキ

ゴジラ 70周年記念企画としてスタートしたゴジラシアター。
7月25日からは『ゴジラ(1984)』日本初公開の4Kデジタルリマスター版上映。

『ゴジラ』(1984年/103分)
ゴジラ生誕30周年記念作品で『メカゴジラの逆襲』(1975)以来9年ぶりの新作。
今でも人気の高いアイヴァン・ライトマン監督『ゴーストバスターズ』、ジョー・ダンテ監督『グレムリン』とほぼ同時期の年末公開で【3G決戦】と呼ばれて盛り上がっていました。
わたしは迷わず本作を選択、劇場ではじめて観る新作のゴジラ映画でしたね。

「1954年の(初代)ゴジラが出現してから30年ぶりに日本に襲来」という設定で第2作『ゴジラの逆襲』(1955)以降を一旦完全リセット。

本編パートは2つのストーリーが同時進行。

ひとつは、ゴジラの帰巣本能を発見して三原山の活火山に誘導させようとする生物学者・林田信(演:夏木陽介氏)はじめ理学生・奥村宏(演:宅麻伸氏)と彼の妹でもあり林田の研究所助手・尚子(演:沢口靖子氏)、ゴジラの襲われた奥山を救出した新聞記者・牧吾郎(演:田中健氏)の活躍。

もうひとつは、30年ぶりのゴジラの日本襲来への応戦や、領土内での戦略核兵器によるゴジラ殲滅を主張する米ソ超大国との外交交渉に当たる内閣総理大臣・三田村清輝(演:小林桂樹氏)や閣僚、自衛隊員の苦悩と葛藤。

既存の「怪獣映画」というよりは、「日本沈没」のようなリアリティを追求した重厚な「災害パニック映画」に近いアプローチですね。

特に閣僚・高官のキャスティングには総理役・小林桂樹氏を筆頭に小沢栄太郎氏、内藤武敏氏、金子信雄氏、加藤武氏、鈴木瑞穂氏、織本順吉氏、田島義文氏と豪華ベテラン名優が勢ぞろい、各々実に味のある演技。
庵野秀明総監督『シン・ゴジラ』(2016)のように、もっと首相官邸の動静や閣僚たちの掛け合いにフォーカスしたストーリーも観たかったですね。

特撮も当時開業したばかりの有楽町マリオンを中心とした数寄屋橋交差点周辺、新宿副都心のビル群のミニチュアも精巧でリアル。
なかでもマリオンのガラス窓に映りこむゴジラが不気味であり美しいです。
初代の50mから80mに一気に伸びた身長ですが、それでも200m級の新宿副都心のビル群のなかでは非常に小さく、高度経済成長期に追い抜かれた戦後の象徴のようで実にシンボリックに感じます。
全高5mの各部が稼働して目や口元、鼻の動きがリアルな表情の「サイボットゴジラ」や等身大の「ゴジラフット」など新技術も積極的に採用していました。

初見の幼少期は怪獣映画として物足りなさを感じましたが、大人になって見直すとドラマ性の高さに驚嘆します。

すぐに次回作公開を期待しましたが『ゴジラVSビオランテ』(1989)が公開されたのは5年後。脚本を公募し推敲を重ねた同作はバイオテクノロジーへの警鐘などのテーマ性、『007』さながらの国際スパイアクションをはらんだシリーズ屈指の名作で、本作を上手く昇華させましたね。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
矢萩久登

2.0核ミサイル

2025年6月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
odeonza

「ゴジラ」シリーズ関連作品