キングコング対ゴジラ

劇場公開日:

解説

東宝創立三十周年記念として、監督本多猪四郎、特技監督円谷英二、製作田中友幸のトリオで昭和二十九年に製作された「ゴジラ」シリーズ。撮影は「妖星ゴラス」の小泉一。磁気多元式立体音響。のちに「春休み東宝チャンピオンまつり」向けに74分短縮版が製作された。

1962年製作/97分/日本
原題または英題:King Kong vs.Godzilla
配給:東宝
劇場公開日:1962年8月11日

あらすじ

パシフィック製薬の多湖宣伝部長は、自社提供のテレビ番組「世界の驚異シリーズ」が不評のため悩んでいる矢先、南方野生薬草の調査旅行から帰った牧岡博士から、ファロ島に大異変が起りつつあるという原住民の噂を聞くや、TV局の桜井カメラマンや古江社会教育部員を海外取材班として急行させた。そのころ、国連派遣の科学者を乗せて北極海を航行中の原子潜水艦シーホーク号は、突如大爆発を起した氷山から怪獣ゴジラが飛び出してくるのを見た。彼は咆吼と共に放射能を吐きつつ北方軍事基地を粉砕、ベーリング海峡を一気に南下した。一方南海のファロ島に上陸した古江たち一行は、浜辺で大蛸と格闘するキングコングに胆をつぶした。原住民の土器の赤い汁を飲んだキングコングは昏睡状態に陥って、難なく生捕りにされた。大筏にしばりつけたキングコングを貨物船が曳いて日本へ向う途中、待ちきれない多湖がヘリコプターで飛んできた。キングコングとゴジラを戦わせれば、これ以上の宣伝はないと、大ハリキリだ。が、ある日、大蛸が再び襲いかかってキングコングは海中に逃げた。松島湾から日本本土に上陸したゴジラは、仙台市を過ぎ、時速五〇キロで南下を続けた。防衛庁では科学者をまじえて対策を協議するが、ゴジラにキングコングをぶつける以外に局面打開の道はない。ゴジラを倒すには百メガトンの水爆攻撃が必要なのだ。警察側は埋没作戦と、二十万V作戦を練った。九十九里浜から潮来に抜けたキングコングは、中禅寺湖でゴジラと対決したが、強力放射能に敗れて姿を消した。かくてゴジラは帝都に侵入、大東京は怪獣の蹂躙に遭って恐怖のドン底に陥った。しかし、科学陣の二十万Vの高圧電線に触れたキングコングは、感電のショックで帯電体質となり、再び富士山上でゴジラと世紀の死闘を展開するのであった……。

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スタッフ・キャスト

監督
特技監督
円谷英二
脚本
関沢新一
製作
田中友幸
撮影
小泉一
美術
北猛夫
安倍輝明
音楽
伊福部昭
録音
藤好昌生
整音
下永尚
音響効果
西本定正
照明
高島利雄
編集
兼子玲子
製作担当者
中村茂
助監督
梶田興治
スチル
田中一清
特技撮影
有川貞昌
富岡素敬
特技美術
渡辺明
特技照明
岸田九一郎
合成
向山宏
光学撮影
幸隆生
徳政義行
光学撮影・特撮作画
真野田幸雄
合成撮影
三瓶一信
特殊機械
中代文雄
小道具(火薬)
山本久蔵
渡辺忠昭
特撮作画
飯塚定雄
特撮編集
石井清子
皆川泰陳
特技スチール
中尾孝
特技製作担当者
成田貫
特技チーフ助監督
浅井正勝
特技助監督
中野昭慶
造型
利光貞三
八木康栄
八木勘寿
振付
青木賢二
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写真提供:アマナイメージズ

映画レビュー

5.0記念作品らしく

2025年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

東宝30周年記念でゴジラ初のカラー作品。白黒らしい怖さが薄れた感はあるけれど、伊福部昭先生の音楽はのっけから爆発。いやあ、これだけでもうワクワク。
今回はキングコングを迎え、すっかりエンタメ作品に。アメリカの核の傘の元、高度成長期、原子力の平和利用の合言葉で、そもそも放射能の恐怖感はどこかにほっぽり出された。アメリカ代表キングコングへの敬意か忖度か?
いろいろ面白かったけど、後のボンドガールお二人のそろい踏みとか、根岸明美さんのドーラン化粧の踊りとか語り始めると尽きない感じ。これだけの踊り子たちに黒い化粧も大変だったろうな。自分でやったかも。この頃の浜美枝さんはかわいくて素敵。
昭和時代の特撮はやっぱりすごいし、一発勝負の緊張感あるよな。円谷さんに拍手。
動員数も多かったのも納得の作品でした。

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Bluetom2020

3.0まあまあの内容

2025年1月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

おどろおどろしいところがないとつまらないな。
コングとゴジラが闘うのは一度見ればたくさんだね。
ゴジラの見せ場がなかった。

やっぱり第1作はすごかったんだな。

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四葩

4.0パシン!! 何故

2024年9月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他

笑える

楽しい

興奮

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共感した! 3件)
トミー

3.0サル✕ゴジラ

2024年8月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

3年前ハシにも棒にもかからない愚作「ゴジラvsコング」を見る前に原典をもう一度見ておこうと思ったのだが、近所のレンタルビデオ屋になかったので、やむなく断念。
もちろん過去に何度か見ているが、今回スクリーンで見るのは久しぶりだ。この後「ゴジラ対〜」路線が定番になるが、RKOに敬意を表してかタイトルはキングコングが先になっている。制作年代からして解像度や特撮のレベルが低いのはいかんともしがたいが、娯楽映画に振り切っているので、まあ鷹揚な気持ちで見ていられる。今見ると「ウルトラQ」の「五郎とゴロー」や「南海の怒り」は明らかにこの映画を参照しているのがわかる。南洋の原住民役をメイクした日本人がやるのはコント感が強いな。アダモちゃ〜ん。
主人公が国会議員や特攻隊の生き残りではなく、製薬会社の社員というのが微笑ましい。高島忠夫も有島一郎も若い。松村達雄は歴代の“おいちゃん”の中で一番好きだったが、あの独特の口調が聞けて懐かしかった。浜美枝と若林映子はこの映画のおかげで二人とも007に出演できたらしいので、何とも不思議な巡り合わせだ。
ゴジラの造形では本作が一番シャープで好みだった。でも既にところどころ動作が擬人化されているのが(シェーまでしないものの)、その後の東宝ゴジラシリーズの行く末を予感させて、悲しかった。

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梨剥く侍

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