「ジュラシック・パーク」シリーズ全6作解説 あらすじ、キャラクター、興行収入ランキング 【金曜ロードショーでの放送記念】
2022年6月10日 21:00
毎週テーマにそったおすすめ映画をご紹介する【映画.comシネマStyle】。映画史を書きかえた恐竜パニックアクションの金字塔「ジュラシック・パーク」シリーズの最新作にして完結編「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」が、7月29日に公開されます。
その公開を記念し、日本テレビ系の「金曜ロードショー」では、シリーズ第3作「ジュラシック・パークIII」(6月10日)、第4作「ジュラシック・ワールド」(7月22日)、第5作「ジュラシック・ワールド 炎の王国」(7月29日)を放送。そこで今週は映画.com編集部が、シリーズのあらすじ、主要キャラクター、興行収入ランキングなどを、一挙にご紹介します。
本シリーズは、マイケル・クライトンの人気小説を、スティーブン・スピルバーグ監督らが最新の映像技術を駆使して映画化したもの。「スター・ウォーズ」シリーズとは違い、公開順が時系列になっており、「ジュラシック・パーク」シリーズ(1993、97、2001)が3作、その後の「ジュラシック・ワールド」シリーズが3作(15、18、22)と、計6作が製作されています。
過去作のキャラクターが再登場したり、過去作にオマージュを捧げていたりと、“全て”を知っていれば、より楽しめること間違いなし! 最新作「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」公開前に、シリーズを総復習するのがおすすめです。
スティーブン・スピルバーグが監督を担い、爆発的に大ヒットしたシリーズ第1作。全世界興行収入は9億ドルを超え、当時の歴代興行収入1位だったスピルバーグ監督作「E.T.」の記録を塗り替えました。
古生物学者のアラン・グラント(サム・ニール)、古代植物学者のエリー・サトラー(ローラ・ダーン)、数学者のイアン・マルコム(ジェフ・ゴールドブラム)は、大富豪ハモンド(リチャード・アッテンボロー)がコスタリカ沖の孤島に建設した施設に招待される。そこは、最新テクノロジーによって恐竜たちがクローン再生された究極のテーマパークだった。ハモンドの孫のふたりの子どもとともに体験ツアーに出かけた一行だったが、恐竜の胚を盗もうとするシステムエンジニアの企みにより、コンピューター制御されていた檻から恐竜たちが解放されてしまう……。
全世界の子ども、大人が熱狂した恐竜の世界は、今見ても色あせることのないロマンを感じさせてくれます。ジープで巡る「ジュラシック・パーク」の世界は次に何が出てくるのか、どんな恐竜と出会えるのか、登場人物たちと一緒にワクワクできます。もちろん恐竜が襲いかかってくるときも、その緊張感は画面のこちら側の私たちも息をひそめてしまうほど。
また本作で最も人間にとって脅威となる恐竜が、大きくて凶暴なティラノサウルスではなく、小柄ですが集団で狩りを行う知性を持ったベロキラプトルであるところもおすすめしたいポイント。大きな口を開けた肉食恐竜に追い回されるのはもちろん怖いのですが、ラプトルたちがドアを開け、互いに協力して人間をおびき寄せる展開には、精神的にもぐいぐい追い詰められます。シリーズ全体でも重要な位置にいるラプトルに是非ご注目を。
映画の大ヒットを受けて、原作者クライトンが書いた続編小説「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク2」をスピルバーグ監督が再び映画化したシリーズ第2作。
舞台は「ジュラシック・パーク」の悲劇から4年が経った、イスラ・ソルナ島。そこは「サイトB」と呼ばれる、「サイトA」である「ジュラシック・パーク」に恐竜たちを供給する遺伝子工場となっていた。閉鎖され放置された島では、恐竜たちが生き延び繁殖をしているという。インジェン社会長のハモンド(アッテンボロー)は、またも数学者のマルコム(ゴールドブラム)を呼び出し、ソルナ島の調査を依頼する。しかし、前回の事件のせいで恐竜に恐怖心があるマルコムは拒否するも、恋人の古生物学者サラ(ジュリアン・ムーア)がすでに島にいることを知り、渋々向かうことになる。一方、ハモンドの甥でインジェン社を引き継いだルドロー(アーリス・ハワード)は、恐竜たちを捕獲し、金もうけを目論んでいた。
前作より出てくる恐竜の数も種類も大幅アップした2作目。さらに島には続々と人間が集まってくる。ということは、それだけ恐竜の大暴れも堪能(!?)できてしまいます! ティラノサウルスはもちろん、ラプトルの暗殺者のような華麗な連携、さらには小さくてかわいいコンプソグナトゥス・トリアシクスの見た目とは裏腹な攻撃性もご注目。
さらに今作の最も興奮するポイントは、島から運び出されたティラノサウルスが、人々が普通に生活しているサンディエゴへと上陸するシーン。ジャングルのなかで恐竜たちに襲われる恐怖とはまた違う、人々の生活に恐竜が侵蝕してくる恐ろしい光景を是非ご覧あれ。
スピルバーグが製作総指揮を務め、「ミクロキッズ」「ジュマンジ」のジョー・ジョンストンが監督を務めたシリーズ第3作。
サンディエゴの悲劇から4年。古生物学者アラン(ニール)は恐竜の研究を続けていたが、資金繰りに窮していた。そんななか、冒険家夫婦だというポール(ウィリアム・H・メイシー)とアマンダ(ティア・レオーニ)が、恐竜が棲む島、イスラ・ソルナ島を空から探索するのにガイドをしてほしいと依頼される。「ジュラシック・パーク」での悲劇を引きずるアランはその申し出を渋るも、研究費を工面し、島には着陸しないという条件で、助手のビリー(アレッサンドロ・ニボラ)とともに随行することに。しかし、夫婦の目的は、2カ月前にパラセイリングの事故で島に漂着した息子エリック(トレバー・モーガン)を探し出すことだった。
1作目の主役・アラン博士が戻ってきた3作目。1作目では恋人同士だったエリー(ダーン)はほかの人と結婚し、子どもが生まれ、安定した生活を手に入れていますが、アラン博士は相変わらず恐竜の研究に打ち込み、子どもの扱いは少し苦手そう。あまり変わっていない姿は、1作目を見た人には嬉しく感じるポイント。
今作もスリル満点のアクションシーンは見もの。島に着陸するも、不穏な鳴き声を聞き、飛行機で立ち去ろうとしたところに現れるスピノサウルス。そのため離陸に失敗した飛行機は無残にもジャングルへと突っ込み、そのままでは降りられないような高さの木に引っかかって停止。そこに追ってきたスピノサウルスの襲撃。もう息をもつかせぬトラブルの数々に、のっけから手が汗でびしょびしょになります。
さらに、今作ではまたもベロキラプトルとグラント博士の対決が実現。しかし1作目とは違い何かで通じ合う姿は、「ジュラシック・ワールド」の世界観へとつながっていく大事なシーンです。
前作「ジュラシック・パークIII」以来14年ぶりとなるシリーズ第4弾。スピルバーグは製作総指揮を担当し、新鋭コリン・トレボロウ(「ザ・ブック・オブ・ヘンリー」)がメガホンをとりました。
「ジュラシック・パーク」の事故から22年後、新たにオープンしたリゾート施設「ジュラシック・ワールド」は、“ジャイロスフィア”という球体の乗り物でめぐる恐竜見学や、モササウルスの水中ショーなどで人気を博していた。さらなる人気を獲得したい運営責任者のクレア・ディアリング(ブライス・ダラス・ハワード)は、恐竜監視員のオーウェン・グレイディ(クリス・プラット)の警告も聞かず、遺伝子操作により、凶暴で高い知性を持つ新種の恐竜インドミナス・レックスを作り出す。
舞台やキャラクターを一新した新シリーズの幕開けならではの魅力で、「ジュラシック・ワールド」という施設がとにかく面白そう。このあとの悲劇がある程度予想できる観客でも、一旦は「行きたい!」と胸を高鳴らせずにはいられません。恐竜のホログラム満載の博物館や、かわいい&大人しいミニ恐竜たちと遊べる「ふれあいコーナー」的なスペースなど、リアルなテーマパークの造形が楽しめます。
そしてやはり、ジャイロスフィアが画期的な発明なんです! 「恐竜たちがいる危険エリアにも関わらず自分で操作できる」「攻撃されるとあっさりガラスが割れる」など、未来を感じさせる乗り物にも関わらず、しっかりと“惨劇”を巻き起こすリスクが備えられているところも満点です。
スピルバーグと、前作のメガホンをとったトレボロウは製作総指揮を担い、J・A・バヨナ(「怪物はささやく」)が監督を務めたシリーズ第5弾。
ハイブリッド恐竜のインドミナス・レックスとT-REXが激闘を繰り広げた前作から3年後、崩壊した「ジュラシック・ワールド」を有したイスラ・ヌブラル島に、火山の大噴火の兆候が表れる。恐竜たちの生死を自然に委ねるか、あるいは危険を冒してでも救い出すか――人間たちは決断を迫られていた。オーウェン(プラット)とクレア(ハワード)は、恐竜たちを救うべく行動を開始するが、その矢先に島の火山で大噴火が発生する。
まさに「炎の王国」の副題の通り、「恐竜」だけではなく、「火山の噴火」という新たな脅威が、人間たちに襲いかかります。溶岩が全てを飲みこみ、岩石が降る絶体絶命の状況が物語を最高にヒリヒリさせ、どこを切り取ってもすさまじい“画力”を生み出しているんです! 炎をあげる火山を背に咆哮するT-REX、滅びゆく島に取り残され煙に包まれるブラキオサウルスなど、かっこいいだけではなく、切なさがこみ上げるカットも。
前作ではベロキラプトルたちとバイクで並走していたオーウェンが、火山噴火が巻き起こるなか恐竜たちとダッシュで避難するなど、その強さは人間離れした(!?)レベルに達しています。同じくクレアの絶叫もパワーアップしているので、要注目。筆者お気に入りの球体の乗り物“ジャイロスフィア”も、最高に盛り上がるポイントで登場するので、是非チェックしてみてください。
引き続きスピルバーグが製作総指揮を担い、第4作のトレボロウが監督に復帰したシリーズ第6弾。
「ジュラシック・ワールド」のあったイスラ・ヌブラル島が噴火で壊滅し、救出された恐竜たちが世界中へ解き放たれてから4年。人類はいまだ、恐竜との安全な共存の道を見出せずにいた。恐竜の保護活動を続けるオーウェン(プラット)とクレア(ハワード)は、「ジュラシック・パーク」創設に協力したベンジャミン・ロックウッドの亡き娘から作られたクローンの少女・メイジー(イザベラ・サーモン)を守りながら、人里離れた山小屋で暮らしていた。ある日、オーウェンは子どもを連れたブルーと再会。しかし、子どもが何者かに誘拐され、オーウェンはクレアとともに救出に向かう。
「ジュラシック・パーク」から、「ジュラシック・ワールド」へ――。タイトルの変化が物語るように、恐竜たちが地球の至るところに生息する「ワールド」へと進化を遂げ、シリーズは未知の領域に足を踏み入れます。
新作では、「ジュラシック・パーク」に出演したサム・ニール(古生物学者アラン・グラント役)、ローラ・ダーン(古植物学者でアラン・グラント博士の助手であるエリー・サトラー役)、前作「ジュラシック・ワールド 炎の王国」のカムバックで話題を呼んだジェフ・ゴールドブラム(数学者イアン・マルコム役)が再登場!
「ジュラシック・ワールド」シリーズはこれまでにも、過去作へのオマージュの数々で、長年のファンを歓喜させてきました。例えば「ジュラシック・ワールド」では、廃墟と化した「パーク」のビジターセンター跡地が登場し、クレアの甥っ子であるザック&グレイ兄弟がジープを修理するシーンがあります。さらに「ジュラシック・ワールド 炎の王国」では、「パーク」の創設者ジョン・ハモンドの旧友ロックウッドが登場。レジェンドキャストたちが復帰する最新作は、ますます過去作とのリンクやオマージュに期待できそうです。
「ジュラシック・パーク」「ジュラシック・パークIII」で恐竜たちの脅威と戦う古生物学者。恐竜の専門家で、主にベロキラプトルの生態についての研究を進めています。機械音痴で子ども嫌いな面を持っていますが、恐竜の襲撃に際しては子どもたちと心通わせる場面も。研究熱心で、正義感も強く、恐竜のクローン生成については「神への冒涜」として強い拒否反応をみせています(正直、「ジュラシック・パーク」であれだけ怖い思いをすれば、否定する気持ちもわかります……)。そんな彼は「ジュラシック・ワールド」をどんな思いで見ていたのか、「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」でその真意がわかるのか、楽しみです。
演じるサム・ニールはニュージーランドで映画監督として活動後、オーストリア、アメリカに拠点を移し、俳優として活躍。「オーメン 最後の闘争」(1981)で注目を集めるようになり、「ジュラシック・パーク」と同年に製作された、ジェーン・カンピオン監督のオスカーノミネート作「ピアノ・レッスン」にも出演。「マイティ・ソー バトルロイヤル」(2017)、「トレイン・ミッション」(18)、「ピーターラビット」(18)などの人気作にも出演しています。
古代植物学者で、当時の恋人であるアランとともに「ジュラシック・パーク」へと招待されます。自らを省みず危険にも飛び込む性格で、「ジュラシック・パーク」でシステム復旧のために恐竜たちが潜むジャングルへ誰かが行かなければならない場面で、「生きるか死ぬかの時に、男か女かなんか関係ないわ」と、自ら進んで乗り込んでいきます。アランと別れた後は、外交官と結婚し子どもをもうけていますが、アランとの絶大な信頼関係は続いています。
演じるローラ・ダーンは、米ロサンゼルス出身で、父は俳優のブルース・ダーン、母は女優のダイアン・ラッド。80年の「フォクシー・レディ」で本格的なデビューを果たし、85年の「マスク」でロサンゼルス映画批評家協会賞のニュー・ジェネレーション賞を受賞。デビッド・リンチ監督の「ブルーベルベット」(86)で脚光を浴び、「ワイルド・アット・ハート」(90)、「ランブリング・ローズ」(91)、「インランド・エンパイア」(06)などで主演を務めました。「わたしに会うまでの1600キロ」(14)、「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」(17)など話題作にも多く出演し、20年には「マリッジ・ストーリー」で第92回アカデミー賞助演女優賞を受賞しています。
米テキサス出身の数学者で、カオス理論の専門家として、ハモンドから「ジュラシック・パーク」の調査を依頼され島にやってきます。ハモンドには「できるかどうかに心を奪われて、すべきかどうかを考えなかった」と痛烈な言葉を投げかけ、エリーを口説くなど、陽気で皮肉屋な性格である一方、子どもたちを守るために自ら囮(おとり)となることも。別れた妻との間に娘がいて、娘にはひたすらに弱い面もあります。
演じるジェフ・ゴールドブラムは、米ピッツバーグ出身。74年の「狼よさらば」で映画に初出演、「眠れぬ夜のために」(85)で主演を務め、「ザ・フライ」(86)で一躍有名に。「ジュラシック・パーク」シリーズ2作と同時期に出演した「インデペンデンス・デイ」(96)も大ヒットとなりました。続編の「インデペンデンス・デイ リサージェンス」(16)にもカムバックしています。
「ジュラシック・ワールド」シリーズの主人公。元海軍の軍人で、「ジュラシック・ワールド」の恐竜監視員。ブルーを筆頭に、チャーリー、デルタ、エコーという4頭のベロキラプトルを飼いならすことに成功し、オーナーのマスラニ(イルファン・カーン)からも信頼を寄せられています。誰よりも恐竜と心を通わせ、仲間を決して見捨てない、正義感が強く勇敢な性格。恐竜との戦闘シーンでは、バイクに飛び乗り、ラプトルを操り、武器を片手に尋常じゃない頼もしさを見せます。真逆のタイプともいえるクレアとは一度デートした仲で、ぶつかることも多いですが、互いに思いを寄せています。
演じるクリス・プラットは、米ミネソタ出身。2000年頃から俳優として活動し、テレビシリーズ「エバーウッド 遥かなるコロラド」(02~06)、「The OC」(06~07)で人気を集め、大ヒットシットコム「Parks and Recreation(原題)」(09~15)でも活躍。マーベル・スタジオの「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズと、「ジュラシック・ワールド」シリーズでハリウッドスターとしての地位を確立しました。そのほか「マネーボール」(11)、「マグニフィセント・セブン」「パッセンジャー」(ともに16)、「トゥモロー・ウォー」(21)など多数の出演作があります。
「ジュラシック・ワールド」の運営責任者。来場者増加を目指して、遺伝子操作による新種の恐竜を開発し、多忙な日々を送っています。仕事をてきぱきとこなし、几帳面な性格。当初は施設の利益のことだけを考え、恐竜を“商品”と見なすビジネスライクな対応が目立ちましたが、物語を追うごとに恐竜への愛を深め、成長していきます。
演じるブライス・ダラス・ハワードは、米ロサンゼルス出身で、父は映画監督のロン・ハワード。舞台女優としてブロードウェイで活躍したあと、04年に「サイモン・ベイカー 結婚の条件」で映画デビュー。ブロードウェイの舞台を見たM・ナイト・シャマラン監督に「ヴィレッジ(2004)」のヒロインに抜てきされ、同じくシャマラン監督の「レディ・イン・ザ・ウォーター」(06)では主演を務めました。「スパイダーマン3」(07)、「ターミネーター4」(09)、「ヒア アフター」(10)、「ロケットマン」(19)など、幅広いジャンルの作品に出演しています。
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