ザ・ブック・オブ・ヘンリー
解説
「ジュラシック・ワールド」のコリン・トレボロウ監督が、「マルホランド・ドライブ」のナオミ・ワッツ、「IT イット “それ”が見えたら、終わり。」のジェイデン・マーテル(本作出演時はジェイデン・リーベラー)、「ワンダー 君は太陽」のジェイコブ・トレンブレイ共演で描いたクライムサスペンス。11歳の天才少年ヘンリーは、母スーザンや弟ピーターと3人で幸せな毎日を送っていた。ある日、ヘンリーは隣人の少女クリスティーナが継父から虐待を受けていることに気づき、彼女を救うための作戦を1冊のノートにまとめ始める。そんな中、ヘンリーに思わぬ悲劇が降りかかる。
2017年製作/アメリカ
原題:The Book of Henry
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2020年11月24日
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犯罪者になることを優先したのか。頭のいい少年であれば、病院の先生などの力を頼ることも出来たはず。もし、残されたテープに「ママ、ここまで一人で行動できたね、偉いよ!でも、やっぱり撃つことできなかったね」とかさ、次へのステップに繋げるには最高の演出にも出来たのに。あそこで、撃たない、そして、撃たれるところまでヘンリーなら予想できたはず。あくまでも、運が良かっただけだ。そして、入院していたはずなのに、あそこまで準備ができたのだろうか。
2020年7月18日
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2020年7月15日
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かなりネタバレなので注意。
他の人がどう解釈したか気になるので色んな解釈のコメントも頂けると嬉しい。
まずはこの映画が割と酷評されていることに驚いた。
確かに説明が足りていない部分はあったが、短い時間でこの話を描くならこれで良かったと思っているし、個人的には十分伝わったと思う。
まずは大前提として虐待は性的虐待だったと解釈した。
最初の方からそうなのかもと思っていたが、弟ピーターが赤いノートを見て一部わからないような反応をしていたことや、母親がその場面を窓越しに見た時の反応からもそう汲み取れる。
また、暴力であれば写真などに収めたと思われることからもそう取れる。
ヘンリーは天才だけど子供で経験がないことから、暴力よりもきっとショッキングなものだったと思う。
その上好きな子だったから尚更ショックなはずで、一刻も早くとめたいのにプライバシーを守って保護してくれるであろう大人が全て力になってくれない。
もう殺すしかない。そう考えても不思議じゃないと思った。
というのも、私自身ストーカー被害に遭って友人や職場関係を壊され殺害予告された時「殺すしかない。殺さない限り終わらない。」と思ってしまっていたことがあった。継続して悪化する絶望の中にいると人間はそう思うようになっていると思う。
だから他の酷評で「リアルじゃない。殺害に直結するのは短絡的。」という言葉に私は「いや、これはリアルだ。」と答える。
話が逸れたが、ヘンリーは天才だけど "思ったことに真っ直ぐ進むところ" に唯一子供らしさがみえて良かった。
きっと5年後のヘンリーなら「殺そう」「自分に出来なそうだから母親にやってもらおう」とならなかっただろう。
その未成熟な部分がたまらなく愛おしい。
そして、古屋の中の写真。
あれはヘンリーの"迷い"と"賭け"だったのではないだろうか。
頭のいいヘンリーが、銃で覗く窓のあんな近くにあの仕掛けのスタートを置くだろうか。しかも、息を潜めなければならないことをする場所で、弟に見せた時よりも大きい音が鳴る仕掛けを。
もしも母親が震え、ぶつかってその仕掛けが作動したなら、やめてもいい。選択していい。きっとこの写真を見たら踏みとどまるだろう。
そういった意図があったのではないだろうか。
イヤホン越しに聞こえる声では二度打つことを催促している。
ヘンリーには母親が打てないことがわかっていたのかもしれない。
赤い本に書かれていた格言のように、忙しく何かに夢中にさせて自分を亡くした悲しみから早く立ち直らせたかったのかもしれない。
クリスティーナを救うのは、殺すのでなくても母親ならどうにかしてくれると信じていたと思う。
シーラがヘンリーの名前を間違えるのは本当の母親?昔子供が死んで…とか?などと勘ぐっていたがキスのシーンがあったので病んで深酒するほど好きな元旦那にでも似ていた?のかな?
ヘンリーが入院してクラスのみんなが手紙を書くシーン。クリスティーナが
「みんな信じてる。」
と書いていたところ、クラスメイトが治るよね?と教師に質問し、教師がわからないと返答。それを見ていたクリスティーナは
「私は 信じてる。」
に変えていたシーンも良かった。そうだね。先生は信じていなかったものね。
真っ直ぐで繊細な子供らしさがよく描かれていた。
クリスティーナのバレエをみて校長が目に涙を溜め舞台袖からいなくなり警察に通報したであろう表現。あそこもとても良かった。
他はヘンリーや母親が動かしたが、ここだけは最終的にクリスティーナ自身の力で動かされたシーン。本人は無自覚だけど、校長側からは人に言われてやったのではなく最終的には助けたいという自分の心に従ったという事。
グレンが自殺したことによりクリスティーナが誰にも何もつらい経験を話さなくてよく済んで良かった。そこはリアルじゃないかもしれないし、リアルかもしれない。
警察の方が色々わかる分捕まるの怖いよね。警察の方が刑務所でも他の受刑者に虐められるし。
庭の見た目をとても気にする性格に描かれていたから、人の目を人一倍気にする人なのかもしれない。そう思うとリアルな気がする。
ヘンリーの残した株がきちんと整理され利益を出せるのかが気になるが、きっと医者といい感じになって医者がなんとかしてくれるだろう。
みんなお幸せに。
他にも書きたいことが沢山あるが、この辺で。
一人で観たことを後悔した。
私はとても好きな物語で、どう解釈したか話し合いたかった。
2020年5月26日
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母親の成長、という点を1番に感じた。
いくら天才と周りから評価され、大人びていても、まだヘンリーは子どもなのだという気付き。
そして、自分はその母親であり、大人であり、意思を持った行動を示していくべき立場だという気付き。
ヘンリーの成長過程を写した写真を見ることで、それに気付かされる母親。
今まで子どもに意見されないと何も決められなかった母、その逆転していた親子関係が、小屋の中で反転する。
人間の道を踏み外さず、丸く収まるハッピーエンド。
虐待現場や少女が傷ついている様子が過度には演出されず薄いが、あくまでも隣の家から見える範囲で展開が進むのが逆にリアルでよかった。
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