ブルーベルベット 劇場公開日:1987年5月2日
解説 平凡な青年が、ふとしたことをきっかけに悪夢のような世界に引きずり込まれていく様子を描く、鬼才デビッド・リンチ監督によるサスペンス作品。ノース・キャロライナ州ののどかな田舎町。急病で倒れた父を見舞うために帰郷した青年ジェフリーは、病院からの帰り道、切り落とされた人間の片耳が野原に落ちているのを発見する。警察に通報した彼は、ドロシーという女性が事件にかかわっていることを知り、好奇心から彼女に接近するが……。
1986年製作/121分/アメリカ 原題:Blue Velvet
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2020年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
以下、自分の映画評論から抜粋です。2020年9月、久しぶりに本編を見て驚いたことには、「ツイン・ピークス」の原型が、まんまここにありました。舞台はアメリカのスモールタウン。しかも林業の町で、材木を積んだトラックが頻繁に登場します。街にはダークサイドがあって、怪しい男たちが非合法ビジネスを営んでいる。「草むらの耳」に相当するのは「打ち上げられたローラ・パーマーの死体」。どちらの案件も、捜査するのはカイル・マクラクラン。 デビッド・リンチの作るフィルムノワールは、ダークサイドとブライトサイドのギャップの激しさが特徴です。オンライン辞書に「Lynchian(リンチ的)」なる単語があって、その意味は「不気味さと平凡さのバランスがとれていること」だそうです。 その観点からすれば、「ブルーベルベット」は、実に分かりやすい「リンチ的な映画」だと言えます。
映画界の危険人物の作品は、マルホランドみたような独りよがりもあってめんどくさいですが、これはまあまあ理解可能です。双子岳の少し前なので、ダルイ感じがすごく似てます。ホッパー君のサイコぶり、ほんとにこの人怖いですね。
2021年11月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
青春映画にミステリーを加えたような映画ですかね。 見舞いの帰りに草むらで「耳」を発見した主人公が警察に耳を届けるのですが、その話を聞いていた刑事の娘が同じく興味持ち、内緒で一緒に追求することになる。 けどやっぱり彼氏いるし家にもバレたら...と、興味あるけど躊躇ぎみなのが少しイライラしたりする。 エロイ場面は芸術なのか本能なのか!? 今の映画に慣れてしまうと刺激が足りないかもしれませんが、効果音を控えめにすることで良い緊張感を作っています。車のエンジン、トイレ、足音、ドア等々1つ1つの動作音だけで、この手の映画は緊張感が出る、いい例だと思ったりした。 これはデヴィッド・リンチの個性を確立した作品のようですね。 未知な世界に一般人がハマッていく...性欲は三大欲望だしコントロールするのは難しいのかな。後半は変なシーンも少なく普通のミステリーなノリになります。自己満足、芸能人にありそう、裏社会の話とか思って個人的には退屈だったなぁ。 話が進むと、耳が誰かなんてあんまり意味ない気がするし。。。 ミステリアスな音楽はムードあって良かったので、深夜向けの映画かと思います。 彼氏は気の毒だな。カイル・マクラクランに乗り換えなくてもいいのにね。
2021年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ー 尋常でない雰囲気が横溢する作品である。 特に、フランクを演じたデニス・ホッパーのFワードの多発や、イゼベラ・ロッセリーニ(イングリッド・バーグマンが夫と子を捨て、身を寄せたイタリア人監督ロベルト・ロッセリーニとの間に誕生)が演じるドロシー・ヴァランスの狂気を帯びた、妖艶さ・・。ー ・主人公のジェフリー(カイル・マクラマン)が、父を見舞いに来た時に、野原で見つけた”耳”。 彼が、それを刑事に預けるトコロから物語は始まる。 ・ジェフリーは、刑事の娘サンディ(ローラ・ダーン:当然だが若い。)と二人で、なぞ解きを初めてしまったものだから、彼は狂気とエロスの世界に巻き込まれていく・・。 ・サンディが聞きつけた、”耳は、ナイトクラブの歌い手、ドロシー・ヴァランスと関係がある・・”と聞いたジェフリーはドロシーの家のクローゼットに身を隠すが・・。 ー 江戸川乱歩の”屋根裏の散歩者”を想起させるシーン。 彼も、ドロシーに見つかり、パンツを脱がされちゃって・・。 ドロシーの家に乗り込んできたフランクの、ドロシーに対するSMチックな狂態の数々。 良い子は、観ては駄目だよ!ー ・徐々に明らかになっていく、ドロシーとフランクの関係。そして”耳”。 <フランクの家に有った、二つの死体。一つの死体は立ったまま、頭から血を流しており、もう一つの死体には”耳”が無く・・。 グロテスクなシーンが続くが、背後に流れるのは、アンジェロ・パダラメンディの奏でる幻想的且つ耽美な”Mystery of Love"である。 デヴィッド・リンチ監督特有の耽美的雰囲気を醸し出している、幻想的とも言える作品。 ”Mystery of Love"が収録されているジュリー・クルースの全曲アンジェロ・パダラメンディ作曲の耽美的アルバム「Floating into the Night」は、よく聞いたなあ・・。>