ロケットマン 劇場公開日 2019年8月23日
解説 グラミー賞を5度受賞したイギリス出身の世界的ミュージシャン、エルトン・ジョンの自伝的映画。並外れた音楽の才能でまたたく間にスターへの階段を駆け上がっていった一方で、様々な困難や苦悩にも満ちたエルトン・ジョンの知られざる半生を、「ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」や「ロケット・マン」など数々のヒット曲にのせたミュージカルシーンを交えて描いていく。イギリス郊外の町で両親の愛を得られずに育った少年レジナルド(レジー)・ドワイトは、唯一、音楽の才能には恵まれていた。やがてロックに傾倒し、ミュージシャンを目指すことを決意したレジーは、「エルトン・ジョン」という新たな名前で音楽活動を始める。そして、後に生涯の友となる作詞家バーニー・トーピンとの運命的な出会いをきっかけに、成功への道をひた走っていくが……。日本でも社会現象となった大ヒット作「ボヘミアン・ラプソディ」で、降板した監督に代わり映画を完成させたデクスター・フレッチャーがメガホンをとり、「キングスマン」シリーズのマシュー・ボーンが製作を担当。同じく「キングスマン」シリーズでブレイクしたタロン・エガートンがエルトン役を務め、吹き替えなしで歌唱シーンもこなした。エルトン・ジョン本人も製作総指揮に名を連ねているほか、主題歌「(アイム・ゴナ)ラヴ・ミー・アゲイン」が第92回アカデミー賞の主題歌賞に輝いた。
2019年製作/121分/PG12/イギリス・アメリカ合作 原題:Rocketman 配給:東和ピクチャーズ
オフィシャルサイト スタッフ・キャスト 全てのスタッフ・キャストを見る
2020年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
Rocket Man came out just months after Bohemian Rhapsody--the studio formula couldn't have been more obvious. Due to the R-rating, Elton's sexuality can be explored not just more graphically but with more intensity. Some scenes really do feel like the exact same movie though. Rocket Man--as a completed work with one director--who had to put the finishing touches on Rhapsody--comes out the winner.
ネタバレ! クリックして本文を読む
エルトン・ジョンのことを、どこかバカっぽく思っていて、シリアスに捉えられずにいた自分がいた。実際、エルトン自身が道化師的な持ち味を売りにしていて、ドナルドダックやワニの着ぐるみでライブをするような人なのだ。しかし、道化になるまでには、その人なりの事情や嗜好や歩いてきた道があるというちゃんと考えたら当たり前のことを、エルトンの曲と詞を通じてとてもわかりやすく伝えてくれるミュージカル映画だった。 伝記映画、と呼ぶにはかなり脚色されていて、曲の時系列もかなり変更が加えられている。でも、ミュージカル映画だからこその、単純明快な伝達力を最大限に利用して、ざっくりと人生のようなものを堪能できる。このアレンジ力がみごとだと思う。 監督つながりで『ボヘミアン・ラプソディ』と比較されがちではあるが、まったくベクトルの異なる作品だし、ラストが『ボヘ』のようなカタルシス満載のライブではなく、おちゃらけたミュージックビデオであることも、なんともエルトン・ジョンらしくて好きです。
2019年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
まったく、最高の条件で映画化が実現したという他ない。「サンシャイン」でミュージカル経験済みのデクスター・フレッチャーが「ボヘミアン・ラプソディ」を経て最強となって監督登板しているだけあって、本作はライブの「宙に足が浮かび上がる」高揚感から、自宅のピアノでふと名曲がこぼれ落ちる刹那の愛おしさに至るまで、これ以上ない豪快さと繊細さの振れ幅で“生きるレジェンド”の半生を伝えてくれる。 タロン・エガートンのあまりのハマり役にも心底恐れ入った。単なるモノマネではなく、彼は文字どおり役を“生きて”いる。この感覚、歴史を懐かしむのではなく、我々もまた歴史が躍動するのを目撃していると言えばいいのだろうか。そして脚本家リー・ホールの驚きの構成力にも感服しきり。彼の筆致はまさに伝記映画の新たな地平を切り開いたと言っていい。ありったけのリスペクトを捧げながらもエンタメ精神を片時も忘れない、そんな傑作の誕生だ。
2019年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
タロン・エジャトンが見た目は少し異なるエルトン・ジョンを彼らしい愛らしさで巧く造形している。両親の愛に恵まれなかった少年時代の記憶は成長したエルトンを苦しませるし、愛に恵まれないのはロックスターとなってからも同じ。でも、この世の誰かに理解され、人生を賭けるに値するビジネスと、それを全うするに足る才能に恵まれたことの至福が、エジャトンの熱唱を介して客席にまで伝播していく。それを支えるのは、近頃珍しいほどショーアップされたミュージカル・シーケンスだ。時々スキャンダラスに傾きすぎるエルトンの生き様が、音とサウンドとダンスによってショーアップされる、これぞまさしくミュージカル・ファンタジー。見終わっても、しばらく興奮が冷めやらないこのジャンルの楽しさを、本当に久々に味わった。
すべての映画レビューを見る(全374件)