007/オクトパシー

劇場公開日:1983年7月2日

解説

米軍基地爆破を企む悪人たちの謀略に挑む英国情報部員ジェームス・ボンド。62年の「ドクター・ノオ」以来、シリーズ化されたボンド活躍譚もこの作品で13本目になる。製作はシリーズ全作品を手掛けているアルバート・R・ブロッコリ。エグゼキュティヴ・プロデユーサーはマイケル・G・ウィルソン。監督は前作「007/ユア・アイズ・オンリー」(81)に引きつづきジョン・グレン。イアン・フレミングの短編小説とオリジナル・キャラクターに基づいて、作家で「三・四銃士」の脚本家であるジョージ・マクドナルド・フレーザーが脚色。その脚本をリチャード・メイバウムとマイケル・G・ウィルソンが全面的に書き直して映画台本にした。撮影はアラン・ヒューム。音楽のジョン・バリー、メイン・タイトル・デザイナーのモーリス・バインダー、プロダクション・デザイナーのピーター・ラモントの三人は、ボンド・シリーズの常連。主題歌の「オール・タイム・ハイ」をリタ・クーリッジが歌っている。特殊効果はジョン・リチャードソン、編集はジョン・グローヴァーが担当。出演は、この映画で六回目のボンド役になるロジャー・ムーア、「007/黄金銃を持つ男」(74)についで二度目のボンド映画出演になるモード・アダムス、ルイ・ジュールダン、クリスティーナ・ウェイボーン、スティーヴン・バーコフ、カビール・ベディ、ヴィジャイ・アムリトラジ、「007/ユア・アイズ・オンリー」のウォルター・ゴテル、ミス・マネーペニー役で唯ひとりシリーズ全作品に出ているロイス・マックスウェルなど。テクニカラー(プリントはメトロカラー)、パナビジョン。

1983年製作/130分/イギリス
原題または英題:Octopussy
配給:MGM=UA=CIC
劇場公開日:1983年7月2日

あらすじ

中南米の某国。軍事基地に潜入した英国情報部員ジェームス・ボンド(ロジャー・ムーア)は、いったんは捕われるが、一瞬のスキをついて脱出。特製小型ジェット機アクロスターを操縦し、敵のミサイルとの空中チェイスの末に、格納庫をすり抜け、ミサイルは格納庫で爆破した。一方、ベルリンでは009が、イギリス大使館に倒れ込み息をひき取る。手からころげおちたのが、偽のファベルジュ・エッグ。本物はロンドンで競売にふされることになっている。M(ロバート・ブラウン)に009の仕事を引きつぐよう命せられたボンドは、競売場でエッグをインドの王族カマル・カーノ(ルイ・ジュールダン)とせりあいスキをみて、本物を偽物とすり換える。そうとは知らずに、カマルは偽物をせり落して引きあげた。その頃、クレムリンでは、ゴーゴル将軍(ウォルター・ゴテル)の宥和政策を、オーロフ将軍(スティーヴン・バーコフ)が批難し攻撃を主張していた。ボンドはカマルの後を追って、インドのウダイプールに行き、現地情報部員ヴィジャイ(ヴィジャイ・アムリトラジ)に出迎えられる。ボンドの出現をあやしんだカマルは、殺し屋ゴビンダ(カビール・ベディ)を派遣するが、ボンドは雑踏の中でみごとに撃退し、秘密のアジトで、Q(デズモンド・ルウェリン)から小型電波受信器などを受けとった。カマルの愛人マグダ(クリスティーナ・ウェイボーン)がボンドに接近し、ベッドをともにする。マグダは小型電波発信器をしくんだ偽のエッグを盗んで逃げ出す。ボンドは後頭部を一撃されて失神、気づいた時には、山の頂上にある宮殿にとじ込められていた。ソ連のヘリがやってきて、オーロフが降り立つ。受信器から、「クレムリンの宝石」「ベルリンのカールマルクスシュタット」といった言葉が聞こえてくる。ボンドは死体の袋に入って宮殿を脱出。カマルは象に乗って、ボンドを追撃する。あやうく、ボンドは観光船に逃げ込む。ボンドはマグダの肌に彫られていたタコの刺青から、オクトパシーという女の存在を知る。彼女はカマルのパートナーで、オクトパシー・サーカスのオーナーだという。オクトパシーの住む小島の宮殿に侵入するボンド。オクトパシー(モード・アダムス)は、公金を横領し自殺した情報部員の娘だった。ボンドは彼女から情報をひきだそうと、ベッドヘ誘う。そこヘ、不気味な殺し屋たちが、襲撃してきた。死闘の末に、彼らの息の根を止めたボンドは、ベルリンに向かう。カールマルクスシュタットではオクトパシー・サーカスが興行していた。カマル、オクトパシー、オーロフらは、クレムリンの宝石を偽物とすり換え、サーカスを隠れみのにして国境を越えようとしているのだった。しかし、実はカマルとオーロフは次の興行地であるフェルトシュタットの米軍基地で核弾頭を爆破させようとしていた。米の威信が失墜すれば、ソ連が有利になるという考えからだ。オーロフは、しかし、ゴーゴルに追われて死亡する。ボンドはフェルトシュタットの米軍基地に突入し、危ういところで核弾頭から時限装置をとりはずす。一足早くインドに逃げ帰ったカマルの裏切りを怒ったオクトパシーは、輩下のオクトパシー・ガールズとともに山の宮殿を襲撃。熱気球にのってQとボンドがやって来た。オクトパシーを人質にしてカマルは軽飛行機で逃走。ボンドは軽飛行機にとびつき、ゴビンダを翼の上で激闘の末に倒し、オクトパシーを救出。軽飛行機は操縦不能になり、カマルをのせたまま墜落し炎上する。

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映画レビュー

3.0 またコメディ路線に逆戻り このシリーズも振れ巾があります

2025年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

1983年公開の「007/オクトパシー」を見ました。
シリーズ13作目。今年の目標、007シリーズ全作鑑賞キャンペーンもやっと折り返し。1年で全25本+2本は無理があったようです。

監督は前作に続きジョン・グレン。音楽は前作のラロ・シフリンからジョン・バリーに戻りましたが、ユナイテッドアーチスは前年にMGMの傘下になったため、本作からタイトル前にあのライオンが登場します。

前作「ユア・アイズ・オンリー」はなかなかヨカッタのですが、今回またコメディ路線に逆戻り。このシリーズも振れ巾があります。好みもあるのでしょうけれど、ロジャー・ムーアのキャラや年齢を考慮した結果なのか、製作サイドも悩んでるんでしょうね。

さて比較のために極私的な観点で本作の色々な魅力を採点します。
(点数は私の好みによる)

①ジェームズ・ボンドの魅力/5点
R.ムーアも公開時56才。アクションシーンはほとんどスタントマンに任せて、ベッドシーンに比重を移しているように見えますが、途中ターザンの雄叫びを上げたりと、前作からは変わってコメディ風に戻りました。

②ボスキャラ/6点
黒幕は、西ドイツの米軍基地で核爆弾を爆発させようとしたソ連のオルロフ将軍ですが、それに手を貸す実行部隊のカマル・カーンというインドの貴族が敵ボスです。しかし、こいつは「オクトパシー」の手下だし、ダマしたり出し抜いたりと、やることが小さくてみみっちい。悪党よ大志を抱け。

③敵キャラ/7点
あらゆる場所でボンドに絡み、戦いを挑むターバンを巻いた大男がしつこい。インド人なのだが、一見異国のターミネーター風。ジョーズみたいに笑いはとれません。ただひらすらカマルに忠実。

④音楽・主題歌/7点
音楽はラロ・シフリンからジョン・バリーに戻りました。やっばり007にはジョン・バリーがしっくります。主題歌の「オール・タイム・ハイ」歌ったのはリタ・クーリッジ、美しい曲で「オクトパシー」に相応しいゴージャス感ありです。

⑤アクション/7点
飛行機の機外での格闘や列車の上での戦い、小型ジェトで格納庫を突っ切ったりアクロバット飛行など、危険なアクションがつるべ打ちですが、1つ1つは粗っぽい印象です。

⑥車・バイクその他/6点
トゥクトゥクでインドの町を爆走したり、ベンツで線路上を走ったりしますが、コレといったのが登場しません。

⑦秘密装備/7点
久しぶりに出ました大形装備の折りたたみ式小型ジェット機。競走馬のトレーラーから登場して大空へ。他にはセイコーの液晶時計など。

⑧ボンド・ガール/7点
「オクトパシー」とは孤島の宮殿に住み、美女軍団を配下に従える女性(モード・アダムス)なのですが、実は宝石泥棒一味のリーダー。ボンドガールとしては今までに無い設定で、貫禄ありました。

⑨異国情緒/7点
タージ・マハルもチラっと映りますがヘビ使い、剣を呑む男、火の中を歩く男、剣が並んだベッドに横たわる男、上空へと昇るロープなどが登場し、まるでおとぎ話に出てくるような旧世界の古いイメージのインドが描かれ、笑わせてくれます。

⑩タイトル/6点
定番のシルエットを使ったタイトルで、さあ始まるよといった気分にさせてくれます。

合計65点です。思ったより高得点。

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多田納人

3.0 テーマが地味かなあ

2025年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

それなりにシリアスだったのが柔らかくなった感じで、スケールも宇宙船や原潜からロシアの秘宝だし。ちょっとロジャー・ムーアもお疲れ気味で老けた感じ。極めつけは、ボンドガールも若くないし。なんとなく華やかさに欠ける007で、個人的にはいま一つでした。

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Bluetom2020

4.0 0221 飛行機の外のボンドをやっつけてこい!えー?!

2024年10月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1983年公開
地味に面白い。
恒例話の枕で敵陣に忍び込み上官に変装し
わざわざ部下の外れたボタンを注意するボンド好き。
オークションの場面、ニュービジネス!
びっくりする側近もイイ。
そら6のダブルばかり出たら誰かイカサマと気がつけよ。
ワニの潜水艦で敵の女の館に近づくボンド。
本物のワニに攻撃されたらどうすんねん!?
そこでの殺人ヨーヨーの対決は面白い。
ボンド「原爆列車がドイツで爆発したら誰が責任取るねん?」
将軍オーロフ「誰になるかな?」
ボンド「なるほど」
ピエロのボンド「サーカスの砲弾に爆弾が!」
西側の将軍「そんなことは見世物やから当たり前(笑)」
ボンド「本物やって!」
セリフのやりとりが優れている。
ジョンバリーの音楽がそれぞれのアクションシーンと
めっちゃマッチしていて楽しい。
とにかく冒険活劇に徹しており
アクションとお遊びのバランスも良いのだが
ムーアの老け顔がだんだんと気になってきた。
80点
初鑑賞 1983年9月5日 梅田ピカデリー2
パンフ購入

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NWFchamp1973

4.0 やっぱりおもしろい!

Mさん
2024年1月24日
Androidアプリから投稿

首のしわが気になってしまったが、やっぱりおもしろい!
今回もCGでないのが(あたりまえだが)凄い。
ただのベンツが鉄路を走るだけなのに、テーマ曲がかかると興奮する。

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M