伊藤歩の生涯ベスト映画は? 衝撃のホラートークも…【あの人が見た名作・傑作】
2023年6月15日 18:30
映画を見に行こうと思い立ったとき、動画配信サービスで作品を鑑賞しようとしたとき、何を見れば良いのか分からなかったり、選択肢が多すぎて迷ってしまうことは誰にでもあるはずです。
映画.comで展開する新企画「あの人が見た名作・傑作」は、そんな皆さんの映画選びの一助として、映画業界、ドラマ業界で活躍する著名人がおすすめする名作、傑作をご紹介するものです。第25回は、「忌怪島 きかいじま」に出演する伊藤歩さんです。
難しいことを聞きますね(笑)。すごく悩みました。「ゴッドファーザー」シリーズ、「レナードの朝」「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」「レオン(1994)」「ショーシャンクの空に」「ディア・ハンター」「フルメタル・ジャケット」など、挙げたらきりがありません。
レオナルド・ディカプリオが好きなので、バズ・ラーマン監督作「ロミオ&ジュリエット」も大好きな作品ですが、いまこの瞬間のベストは「ギルバート・グレイプ」です。この作品を改めて見てみて、やっぱり普遍的なテーマを扱っているなと感じたんですよね。
19歳か20歳の頃、TSUTAYAでレンタルして見たのが初めてでした。ハリウッド大作でも、アクション映画でもない派手さのない家族の話なんですが、本当にこの人たちの一瞬、一瞬を切り取ったかのようなメッセージ性の強さに惹かれたのを覚えています。
シンプルに、ああいう作品にいつか巡り合いたい、と感じました。ジョニー・デップが演じたギルバートが、大変な家族を抱える一家の大黒柱じゃないですか。砂漠のような場所で家族を支え、自分を殺しながら生きるひとりの青年を主人公にした話が、日本だとどうやったら成立するんだろう? って。
大きな事件などは起こりませんが、登場人物の誰もが繋がっているような、力強い脚本、作品に巡り合いたいなって「ギルバート・グレイプ」を初めて見たあの瞬間から、ずっと思っていますね。
ディカプリオのことも、最初はハンディキャップを抱えたアーニーを演じているのに気づかなくて……。当時18歳くらいですよね。こんな役者が世の中にいるのか……と衝撃を受けました。
「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」で注目を集めたスウェーデンのラッセ・ハルストレム監督が、ハリウッドで手がけたヒューマンドラマ。アイオワ州の小さな町エンドーラ。生まれてから24年間、何もないこの町から出たことがない青年ギルバートは、ハンディキャップを抱えた弟アーニーと、身動きが取れないほど太った過食症の母、そして2人の姉妹の面倒を見ながら日々を送っている。家族を守ることに精いっぱいで自分の夢も希望も見失っていたギルバートは、ある日、トレーラーで旅をしながら暮らしている少女ベッキーと出会う。車の故障でしばらく町にとどまることになったベッキーとの交流を通して、ギルバートは自分の人生を見つめ直していく。ギルバートをジョニー・デップ、アーニーをレオナルド・ディカプリオ、ベッキーをジュリエット・ルイスがそれぞれ演じ、ディカプリオはアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。
「コーダ あいのうた」が強く印象に残っています。劇場へ、2度観に行きました。最初は賞レース前に、アカデミー賞受賞後に再び観に行ったら、お客さんの入り方も全然違いました。
家族の中でただひとり耳の聞こえる少女が、歌に導かれていくお話。ご両親とお兄さんは耳が聞こえないので、彼女はいわば大黒柱。優しさゆえに自分の人生に決断できにという設定にグッとくるんです。人と人の関わりがしっかり描かれている映画、私はこういう作品が好きなんですよね。
2014年製作のフランス映画「エール!」のリメイク。海の町でやさしい両親と兄と暮らす高校生のルビー。彼女は家族の中で1人だけ耳が聞こえる。幼い頃から家族の耳となったルビーは家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の先生は、都会の名門音楽大学の受験を強く勧めるが、 ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられずにいた。家業の方が大事だと大反対する両親に、ルビーは自分の夢よりも家族の助けを続けることを決意するが……。テレビシリーズ「ロック&キー」などで注目の集まるエミリア・ジョーンズがルビーに扮し、オスカー女優マーリー・マトリンら、実際に聴覚障害のある俳優たちがルビーの家族を演じた。監督は「タルーラ 彼女たちの事情」のシアン・ヘダー。タイトルの「CODA(コーダ)」は、「Children of Deaf Adults=“耳の聴こえない両親に育てられた子ども”」のこと。2022年・第94回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞(トロイ・コッツァー)、脚色賞の3部門にノミネートされ、同3部門を受賞している。
ホラー映画は2作目かもしれませんね。私がホラーのような存在になる作品はたくさんあるんですけどね(笑)。
「忌怪島」のメガホンをとられた清水崇監督とは、いつかご一緒させて頂きたいなと思いながら作品もよく観ていたので、今回出演できて本当に良かったです。今作は奄美大島に伝わるイマジョ伝説がもとになっているんですが、島の皆さんが、撮影中でもその話をすると本当に嫌がるんです。「その言葉を口にしたら絶対にダメだ」って……。
変なことは何もなかったんですが、私だけ奄美大島に生息する吸血害虫の「ヌカカ」にめちゃめちゃ刺されました。それはもう、腹が立つほどすごく刺されて(苦笑)。虫除けもいっぱい持って行ったのに……。服の隙間から侵入してくるんですが、腫れて来るのが2~3日後なんですね。だからどこで刺されたのかも分からない。あれは本当に恐怖の体験でした。
私は霊感って特にないのですが、臭いで「ああ、ここやばい」と感じることはあるんです。最近もある作品の撮影で廃墟ビルに行ったのですが、ビルに入った瞬間からすごく臭くて……。スタッフさんに「臭くない?」と聞いても、皆さんは「そうですか?」って。生ごみ、湿気、カビ、腐敗臭みたいなものが混ざった感じで、かいだことのない臭いだったんです。それで、よくよく聞いてみたら、そのビルで4人も亡くなっているって……。
私は臭い以外、一切感じないんですよ。でも、そういう経験は何度かあって……。何年か前に出演させていただいた映画のロケがリゾート地であって、スタッフさんが「せっかくだから」って、何棟かあるコテージを提供してくださったんですね。
コテージに入った瞬間に「申し訳ないのですが、部屋を変えていただいてもいいですか?」とお願いするくらいの例の臭いがしたんです。そうしたら相手役の俳優さんが「僕が変わりますよ」と言ってくださったおかげで、私はぐっすり眠れたのですが、翌日の現場でその俳優さんがずっと下を向いていて……。
「一睡もできなかった。一晩中、軍隊の隊列が自分の周りをグルグル回っていて、金縛りにもあったからホテルのロビーでずっと待っていた」っておっしゃっていて、本当に申し訳ないことをしてしまいました。その場所も何かあったのかもしれませんね。あまり自分のことを信じるタイプではないのですが、この臭いに関してだけは信じています。
すごく気持ちの良い演出を受けました。怖さを求めるための演出をされるのかと思ったら、全くそうではありませんでしたし、なるほど! と思うこともたくさんありました。怖くさせようという演技をしようとしたときは、「いや、そうではなくていいです」って言ってくださる。リアルな芝居を求めて「これだ!」という瞬間まで諦めずに撮ってくださるので、清水監督は信頼できると強く感じました。
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内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
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