We Live in Time この時を生きて : 特集
【久々にこんなに泣いた】仕事にならないくらい泣いた
1日1日を大切に生きると、人はこんなに幸せになれる
映画ファン必見レーベルA24がほれ込んだ感涙の物語
人生の岐路で何度も観返したい【一生大切にする1本】

鑑賞後、涙を拭いながらそう誓った作品があります。6月6日公開の映画「We Live in Time この時を生きて」です。
アカデミー賞作品賞にノミネートされた「ブルックリン」のジョン・クローリー監督がメガホンをとった本作の主人公は、新進気鋭の女性シェフと、シリアル会社に勤める離婚直後の男性。運命の出会いを果たしますが――。
映画を観てこんなに泣いたのは久々というくらい、泣いて、泣いて、泣いて……。でもそれは、今ある幸せを感じてあふれ出てきた涙だったんです。
悲しくて泣くときもあれば、幸せで泣くときもある――。そんなことを思わずにいられない、超おススメの作品。皆様にもぜひご鑑賞いただきたいので、私の感想をお伝えしていきます。
【予告編】君は、僕の、永遠。
【伝えたい1本になりました】人生で何度も観返します
こんなに泣いたの久々…限られた時間のなかで愛が輝く

本作は感動はもちろん、それ以上に、もっともっと伝えたくなる深い魅力があるんです。
【この物語…】 限りある時間を生きる2人 幸せだから泣けてくる、最高に前向きな愛の物語が“生涯ベスト級”に良い

主人公は、新進気鋭の一流シェフであるアルムート(フローレンス・ピュー)と、離婚して失意のどん底にいたトビアス(アンドリュー・ガーフィールド)。アルムートが車でトビアスを轢くという衝撃的な出会いを果たし、恋に落ちます。

自由奔放なアルムートと慎重派のトビアスは何度も危機を迎えながらも一緒に暮らし、やがて娘が生まれ、家族に。そんな中、数年前に寛解したアルムートのがんが再発します。余命わずかだと知ったアルムートは、逆転の可能性にかけながらも、“最高に楽しくて前向きな時間”を過ごしたいと告げて……。
本作の関係者によると、試写会では尋常じゃなく感動する人が続出しているようです。なかには、泣きすぎてしばらくトイレから出られず、打ち合わせ中に思い出して再び泣いていた人、こういう作品では絶対に泣かないと言っていたけれど、鑑賞後には「生涯ベスト級」と推す人などなど……。

さらには本作撮影中の、こんなエピソードもあります。まだクランクインしてから1週目にも関わらず、アルムートを演じたフローレンス・ピューの熱演を目の当たりにした撮影監督が感涙し退席。撮影がストップしてしまったそうです。
また、本作を観たピューの友人は鑑賞後、大泣きのあまりピューの方を見られず……。そして、「この映画を観たら、生きる意欲が湧いてきた。恋をしたくなったし、これまで自分がやるべきだと考えていたことを、全てやりたくなった。とにかく生きたいと思った」と最高の感想を伝えたといいます。
とにかく、みんなが泣いています。
【この斬新な演出…】 3つの時間軸のシャッフルが、“新しい没入と共感”を生む――まるで感情のジェットコースター。情動が増幅していく!

かくいう筆者(30代女性)も、鑑賞中から涙が止まらなかったです。これを書いている今も、特に胸に響いたシーン(後ほど詳しく語らせてください)を思い出して、泣きそうになるのをぐっと堪えています。
でも、何より伝えたいのは、悲しい涙ではなく、“前向きな涙”だったということ。一瞬一瞬を大切に生きようとするアルムートと、アルムートの人生をさらに輝かせようとするトビアスの姿があまりにも美しくて、眩しくて。多幸感にずっと包まれていたんです。
そんな「We Live in Time この時を生きて」の“さらなる特徴”の一つが、3つの時間軸をシャッフルした斬新な構成です。アルムートとトビアスの出会いからの数年間、2人の娘がまさかの場所で産まれる一日、アルムートのがんが再発する現在の3つの時間軸が交錯します。

嬉しいことがあれば悲しいこともあり、感情がジェットコースターのように大きく揺れ動きます。ジョン・クローリー監督によると、この構成は「3つの時間軸が互いに溶け込んだり影響しあったりする様子を感じられるように」という狙いがあったそう。
時間軸シャッフルの知的興奮もふんだんにありつつ、“この手法だからこそ伝わること”が、言葉ではなく心に染み入ってくる――さまざまなことを乗り越えて現在の夫婦関係になっていったことがわかり、ストーリーが進むにつれて、共感度と没入感がどんどん増していきます。
【このキャスト…】 主演2人の相性が最強に良い! フローレンス・ピュー×アンドリュー・ガーフィールド→映画ファン歓喜の共演!

夫婦を演じたフローレンス・ピュー(「ミッドサマー」「オッペンハイマー」)、アンドリュー・ガーフィールド(「ソーシャル・ネットワーク」「tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!」)は、ともにアカデミー賞にノミネート経験のある実力派です。
特にフローレンス・ピューは話題の主演作が続いている“今最もキテる俳優”と言ってもいい注目度。2023年5月に行われたファッションの祭典「メットガラ」では、いきなり丸刈り頭を披露したことで驚かせましたが、実は本作での役作りのためでした。

そしてこの二人、相性が最強に抜群! お互いを見つめるときの目が“愛しい人を見る目”なんです(また、映画ファンにとっては「アメイジング・スパイダーマン」のガーフィールドと、「サンダーボルツ*」のピューの共演はアガリますよね)。
百聞は一見にしかずなので、参考用にナレーションやテロップを徹底的に排除したロングタイム予告を置いておきますね! 観ると今すぐ映画館へ行きたくなるので、ご注意を!
【このテーマ…】 自分ならどう生きる? 決して他人事じゃない――主人公の“決意”が、「人生で何度も見返したい」と強く思わせる

映画「トロイ」にも出てきた「終わりがあるから美しい」という言葉があります。もともと好きな言葉だったのですが、本作を観てから、改めて誰しもが限られた時間を生きていると痛感しました。
その限られた時間が急に早まってしまう――アルムートと同じ状況になったとき、どう生きたらいいのか。30代を迎えてからずっと考え続けています。

前向きに生きることを決めたアルムートは、劇中で“ある挑戦”をすることになり、その理由を明かす場面があります。身体を心配して止めようとする夫・トビアスに対し、激しく感情を表に出すアルムート。これまでの彼女の人生を表すようなセリフの数々に、自分を重ね合わせずにいられないシーンです。
ここ、涙でスクリーンは滲んでいましたが、一番好きで一番覚えています。

鑑賞後、私はきっとこの先の人生で何度も観返すだろうと思いました。自分や大切な人がアルムートと同じ状況になったとき、何かを諦めそうになる人生の岐路を迎えたとき。そんなときに何度も観返して、自分を勇気づけたい。そう思える、一生大切にしていきたい作品ができました。
【さらに知ってほしい大切なこと】 あの“攻めの気鋭スタジオ”A24が惚れこんだ! 製作総指揮には“超有名俳優”の名前も…その品質に絶対の自信!

本作の北米配給は「パスト ライブス 再会」「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」などで知られる映画会社「A24」が手がけています。エッジの効いた実験的な作品を製作・配給することで知られるA24ですが、真正面から愛を描いた本作に惹かれ、完成後に配給が決まりました。
もう一つお伝えしたいのは、製作総指揮としてドラマ「SHERLOCK シャーロック」や「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」などのベネディクト・カンバーバッチが参加しているということ!

上述の通り、映画ファン的には「サンダーボルツ*」などのピューと「アメイジング・スパイダーマン」シリーズのガーフィールドの共演作なのも嬉しかったですが、まさかドクター・ストレンジもいたなんて、夢のようです!
【さらに、さらに知ってほしい大切なこと】 本作は“大人のラブストーリー”の決定版 「パストライブス」「アバウト・タイム」「エターナル・サンシャイン」が好きな人には特におすすめ!

本作は、「パスト ライブス 再会」「アバウト・タイム 愛おしい時間について」「エターナル・サンシャイン」など、良質な“大人のラブストーリー”が好きな人にも特におすすめです。アルムートとトビアスが出会い、恋に落ちていく過程や、結婚に対する考え方の違いなど、酸いも甘いも知る大人だからこそより深く共感できます。

さらに、これまで伝えてきた通り、恋に落ちた“その先”の人生の描かれ方が従来の作品とは一味違う魅力であり、ラブストーリーをたくさん観てきた人たちにとっても、新鮮で重要な1本になるはずです。

それと、近年“大人のラブストーリー”がブームになりつつあること、知っていますか? 全世界興行収入300億円超の「恋するプリテンダー」(2023)、第96回アカデミー賞で作品賞・脚本賞にノミネートされた「パスト ライブス 再会」(24)など、多くの良作が世に放たれています。それらの“決定版”とも言える作品が、「We Live in Time この時を生きて」。劇場公開のこの機会に、ぜひお観逃しなく!
【結末はどうなる?】この幸せな映画体験は唯一無二 絶対に劇場で確かめて

さて、アルムートとトビアスがどんな結末を迎えるのかは、ぜひご自分の目で確かめてください。ラストシーンの光景はこんなに美しいものがあったのかというくらいキラキラしていて……。
長々語るとまた泣けてきてしまうので、この辺で終えようと思います。皆様も1日1日を大切に生きようと思える映画体験を、堪能してください!
