「新文芸坐」4月15日にリニューアルオープン! 映写・音響システム、レイアウトを刷新
2022年3月29日 21:00

東京・池袋の映画館「新文芸坐」が、4月15日にリニューアルオープンを迎える。当初は、4月1日のリニューアルオープンを予定していたが、諸事情により延期に。昭和の映画ファンに愛された「文芸坐」のスピリットを引継ぎ、2000年12月にオープンした「新文芸坐」が、新たに生まれ変わることになった。
1956年、東京・池袋駅東口の映画館「人世坐」の姉妹館として「文芸坐」が開館。当初は松竹洋画系の封切館だったが、人世座の閉館後に名画座に転向。様々な特集上映を行いながら営業を続けたが、建物の老朽化などを理由に1997年に閉館。2000年12月12日、跡地に再建されたマルハン池袋ビル内に「新文芸坐」として再オープン。低料金2本立て、映画監督や俳優によるトークショー、多彩なプログラム、オールナイト上映など、唯一無二の名画座として60余年に渡り映画ファンに愛され続けている。

今回のリニューアルに伴い、映写・音響システムが一新されている。映画誕生以来の規格である「35ミリフィルム」を従来通り上映しつつ、国内名画座では初となる4Kレーザーでの上映も可能になった。設置されるのは、クリスティ社製の最新4KRGBレーザープロジェクター「CP4430-RGB」。赤色、緑色、青色、それぞれのピュアRGBレーザー光源により、ハイコントラストかつ広色域の映像表現を実現させ、UHD-BDなどの4K素材にも対応する。
スクリーンは、セバートソン社製のパーフォレーション(穴)のないスクリーン「SAT-4K」を導入。音の透過率が良く、きめ細やかな映像を楽しむことができる。
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独自の音響システム「BUNGEI-PHONIC SOUND SYSTEM(ブンゲイ・フォニック・サウンド・システム)」によって“新文芸坐の音”が進化を遂げている。カスタムスピーカーの設計・製作は国内有数のホールや大手映画館チェーンのフラッグシップシアターに納入実績を持つ「イースタンサウンドファクトリー」と、同館の映写・音響設備のインストーラーである「ジーベックス」のコラボレーションによる最新スピーカーシステム。このカスタムスピーカーを「QSC社」の最新プロセッサーQ-SYS及び専用のネットワークアンプでドライブすることによりトータルで新たな音響が創り出される。
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メインスピーカーには、大型4ウェイシステムを採用。中高域には同軸型ドライバーを搭載した大型ホーンを選定し、メインスピーカーの中低域と低域、サラウンドスピーカーのドライバー口径をすべて15インチに統一した。これにより、音のつながりが良くなり、劇場全体を包み込むような一体感が創出される。加えて、リニューアル前、劇場に入っていたサブウーファー(EAW SB284C)以上の圧倒的な低音再生を実現するため、1 台当たり18インチドライバー2本を搭載した強力なサブウーファーを4台設置。デジタル上映時は最大7.1chまで対応。5.1ch時もバックサラウンドから音が出るため、豊かな音場感を得られる。なお、フィルム上映時はドルビーSRD-EX(6.1ch)まで上映が可能だ。
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新文芸坐のトレードマークともいえるのは「2本立て上映」だ。時代のニーズに対応し、鑑賞方法・チケットシステムも大きく変わることに。これまでの「自由席・入替なし・当日券のみ」から、オンライン・窓口で購入可能の「指定席・入替制・前売券あり」に変更。さらに2本の作品それぞれが「当日のどの回を選んでもOK(=続けて見なくてもOK)」となる。
これにより「オンライン上で混雑状況や座席の空き状況を確認できる」「朝1本見てから用事を済ませ、夜にもう1本を見ることが可能」など、さまざまなライフスタイルに合わせた鑑賞方法が可能になった。また、1本のみでの鑑賞料金も設定。毎週土曜日の「オールナイト上映」はリニューアル後も継続し、「1本立てのレイトショー」「モーニングショー」も行う。

目玉のひとつとなるのが、ロビーのレイアウト・内装の大幅な変更。「貸館」としても利用できる空間に生まれ変わった。個人・団体の上映会のほか、新たに導入された演出照明を用いたライブ、スクリーンを利用したプレゼンや企業総会、ウェディング、打ち上げのパーティーなどにも利用できる。
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また、新文芸坐がある豊島区は「トキワ荘」から始まり漫画、アニメ、特撮、コスプレなどのサブカルチャーと縁が深い地域だ。豊島区協力のもと「劇場都市としまエンタメシアターin 新文芸坐」を始動することに。新文芸坐を会場とした「ゲストトークイベント」「アニソンライブ」などが開催される。4月17日には「アニソンライブ 2022」(ゲスト:石原慎一、うちやえゆか)、4月21日には「マウスどうぶつえん&ルーム~五十嵐裕美~公開収録」(ゲスト:五十嵐裕美、坂巻学)、4月24日には劇場版 仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦&アニソンライブ」(ゲスト:高橋秀幸)を予定している。
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リニューアルオープンを記念した特集上映は「4Kで甦る 黒澤明」。上映作品は「七人の侍」「隠し砦の三悪人」「用心棒」「椿三十郎」「天国と地獄」「赤ひげ」「野良犬」「生きる」「影武者」。1本立て上映となっており、「赤ひげ」のみ35ミリ上映。その他の作品は、全て4Kデジタルリマスター版のDCP上映となる。上映日は、4月15~23日(※4月17日を除く)。
なお、同期間は「キングコング対ゴジラ 完全版 4Kデジタルリマスター」「モスラ 4Kデジタルリマスター版」「地獄の黙示録 ファイナル・カット」「夜叉ヶ池 4Kデジタルリマスター版」「太陽がいっぱい 4Kリストア版」「ショーガール」「リスペクト」「アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン」をレイトショーで披露。4月29日には、日本初となる「ドニー・ダーコ」の4K上映が控えている。
2本立て上映は「映画は時代に呼応する」(4月26、28、30日/「最後の決闘裁判」「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」)、「エンターテインメントの臨界点」(4月27、29日/「マリグナント 狂暴な悪夢」「レイジング・ファイア」)を予定。オールナイト上映として「『ジョン・ウィック』1~3一挙上映!」(4月16日)、4月23日「頑張れ!マッツ・ミケルセン」(4月23日/「ライダーズ・オブ・ジャスティス」「残された者 北の極地」「アナザーラウンド」)、「『パペット・マスター』1~3一挙上映!」(4月30日)が企画されている。
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