アナザーラウンド

劇場公開日:

アナザーラウンド

解説

デンマークを代表する人気実力派俳優のマッツ・ミケルセンが、アカデミー外国語映画賞にノミネートされた「偽りなき者」のトマス・ビンターベア監督と再タッグを組んだ主演作。冴えない高校教師のマーティンと3人の同僚は、ノルウェー人の哲学者が提唱した「血中アルコール濃度を一定に保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」という理論を証明するため、実験をすることに。朝から酒を飲み続け、常に酔った状態を保つと授業も楽しくなり、生き生きとするマーティンたち。生徒たちとの関係も良好になり、人生は良い方向に向かっていくと思われた。しかし、実験が進むにつれて次第に制御がきかなくなり……。「偽りなき者」でもミケルセンと共演したトマス・ボー・ラーセンやラース・ランゼらがマーティンとともに実験を行う同僚教師を演じた。脚本に「偽りなき者」「ある戦争」のトビアス・リンホルム。新型コロナウイルスの影響で通常開催が見送られた2020年・第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクションに選出されたほか、第78回ゴールデングローブ賞の最優秀外国語映画賞にノミネート、第93回アカデミー賞でも監督賞と国際長編映画賞の候補に挙がり、国際長編映画賞を受賞した。

2020年製作/115分/PG12/デンマーク
原題:Druk
配給:クロックワークス
劇場公開日:2021年9月3日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第93回 アカデミー賞(2021年)

受賞

国際長編映画賞  

ノミネート

監督賞 トマス・ビンターベア

第78回 ゴールデングローブ賞(2021年)

ノミネート

最優秀外国語映画賞  

第73回 カンヌ国際映画祭(2020年)

出品

カンヌレーベル「常連(もしくは過去に一回でも選出されたことがある制作陣)」
出品作品 トマス・ビンターベア
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(C)2020 Zentropa Entertainments3 ApS, Zentropa Sweden AB, Topkapi Films B.V. & Zentropa Netherlands B.V.

映画レビュー

4.5「つまらない大人」から一歩を踏み出すことの重み。

2023年9月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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共感した! 2件)
すっかん

4.0酒は楽しい人生の薬(副作用あり)

2021年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

中年男性がお酒の力を借りて冴えない人生を立て直そうとする話。
コメディではあるが爆笑する類のものではなく、くすりと笑うレベルのおかしさ、日常レベルのハラハラ感と仲良し中年達のほっこり感、その中にシリアスなエピソード(割と深刻)が点在する感じ。
デンマークでは、アルコール度数16.5%以下の酒は16歳から購入可、18際以上なら店での飲酒も可能だそうだ。高校生が飲酒したり、教師と飲酒量について語り合うシーンに否定的な雰囲気がないのはちょっと新鮮だった。

血液中のアルコール濃度を0.05%に保つことでより高いパフォーマンスを発揮する……素人のそんな実験がどういう帰結になるかはお察しである。
学校の教師である彼らが職場でこそこそお酒を飲むものだから、いつ彼らが社会的地位を失う羽目になるか心配しながら見ていた。案の定この実験を始めた4人はうまくいくことばかりでなく色々失敗もするのだが、それでもこの作品、やっぱり仕事中の飲酒はよくないね、というスタンスでは全くない。酒飲みをジャッジするのはこの話の主眼ではない。
ヴィンターベア監督は、本作を「人生を決めつけないことについての映画」と表現している。人生も半ばを過ぎると、この先自分の力で大きく人生が変わることはないのでは、と無気力になったり、投げやりになることもあるだろう。そんな時にはお酒の勢いを借りてもいい、人生を楽しむ姿勢を忘れないことが大切。そんなメッセージが、枯れかけた中年男性マーティンが人生を前向きに捉え直すまでの道程に詰まっていた。

本作のデンマーク語原題は「Druk」、「大量飲酒」といった意味だそうだ。英題「Another Round」は、「もう一杯」とお酒のおかわりを頼む言葉。個人的にはこの英題、充実した生き方をもう一度取り戻そうとするマーティンの姿に重なる部分があってなかなか好きだ。

枯れかけたと言ってもマッツ・ミケルセン。枯れた風情までが魅力的で、職場も家庭もぱっとしない親父にはとても見えない(色眼鏡)。ダンサーの経験に裏打ちされた身体能力を突然発揮するシーンがあったりして、目の保養になった。
作中とっても美味しそうな描写でたくさん出てくるお酒や、酔っ払った仲良しおじさん4人組のわちゃわちゃも何だか楽しい。こっちまで一杯ひっかけたような気分になってくる、ちょっと不思議な感覚もある映画。

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ニコ

3.5Whimsically Original

2023年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

This Danish soap comedy is a parody on the joys of drinking alcohol. It's not judgmental towards the necessary human habit but it encourages thinking about the reasons one drinks. Mads' lead role helps the indie film feel big. For Thomas Vinterberg, it's an honorable work in recovering from loss: his daughter passed prior to filming and its set in her school with her classmates as extras.

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共感した! 0件)
Dan Knighton

4.0【第93回アカデミー賞・国際長編映画賞受賞作】血中アルコール濃度を常に0.05%に保つとどうなるのか?

2021年9月5日
PCから投稿

本作はデンマークの作品で、第93回のアカデミー賞において「国際長編映画賞」を受賞しています。しかも、アカデミー賞では監督賞にもノミネートされていました。
一見、評価の難しい作品ですが、実は緻密に伏線を仕掛けながら上手く回収し、シンプルな題材でも深い部分まで描けています。
本作のメインとなる題材は「飲酒」で、国により飲酒に関する法律や慣習が異なることも重要です。本作を見れば分かるように、実はデンマークでは高校生が平然とお酒を大量に飲んだりしているのです。
まずメインの登場人物は、高校教師と3人の同僚。
主人公は、歴史を教えるマーティン。仕事と家庭で上手くいかずに行き詰っています。
そんな時、心理学を教える同僚が、実在のノルウェー人哲学者が提唱していた【血中アルコール濃度を常に0.05%とするのが理想。するとリラックスでき、仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる】という理論を紹介するのです。
行き詰っていた生真面目な主人公がこっそり一人で実践したことにより、仲間4人でこの理論を「仮説」として「検証」することに。そしてキチンと論文としてまとめることにします。
その条件として、「ノーベル文学賞を受賞したヘミングウェイは毎日、夜8時まで飲んで執筆していた」という逸話を参考に、「夜8時以降と週末は飲酒禁止」というルールを設定。
当初は、テンションが変わることで授業などもマンネリから好転し上手くかみ合い出します。
ただ、そもそも「血中アルコール濃度を常に0.05%とする」とは、ワイン1,2杯分の量のアルコールを飲み続けないといけない、という設定です。
そして人間というのは、より上を目指そうという欲が出て、血中濃度0.05%を超えるとどうなるのかも試したくなっていきます。
そこで、さらに論文は次の段階へと進むのですが、どのような展開が待っているのか?
「飲酒と偉人」という面で偉人らの逸話が出てきたりと、興味深い話も出てきます。
ただ、私たちは「飲酒の怖さ」を知っているので、彼らの状況を客観的に観察することもでき、まさに❝人間とは❞という「人生讃歌」の映画として成立していることが分かるのです。
本作の特徴の一つに音楽の使い方が絶妙で上手い、というのもあり、特にラストへと向かう楽曲のチョイスは、監督から本作への捉え方のメッセージのようで、全てをまとめ上げるのに相応しいものとなっています。

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細野真宏

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