影武者

ALLTIME BEST

劇場公開日:1980年4月26日

解説・あらすじ

黒澤明監督が「デルス・ウザーラ」以来5年ぶり(日本映画としては「どですかでん」以来10年ぶり)に製作した、戦国スペクタクル巨編。製作総指揮としてフランシス・F・コッポラとジョージ・ルーカスが参加、アメリカでも公開され独創的な様式美と壮麗な合戦絵巻が評判を呼んだ。時は戦国時代、あやうく処刑をまぬがれた盗人が武田信玄の影武者となり、信玄の幻に威圧されながらも敵をあざむいていく。だが男にとって戦国の雄・信玄として生きることはあまりにも過酷だった……。カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。

1980年製作/179分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1980年4月26日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第53回 アカデミー賞(1981年)

ノミネート

外国語映画賞  
美術賞  

第38回 ゴールデングローブ賞(1981年)

ノミネート

最優秀外国語映画賞  

第33回 カンヌ国際映画祭(1980年)

受賞

コンペティション部門
パルムドール 黒澤明

出品

コンペティション部門
出品作品 黒澤明
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(C)1980 TOHO CO.,LTD.

映画レビュー

3.5 戦国武将・武田信玄の史実に基づく時代劇

2026年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

【概要】他者の影として生きる苦悩と悲哀を映す歴史ドラマを荘厳に描く
【特記】日本固有の様式美と豪壮な合戦絵巻大作で人の世の哀れを映す
【哲学】生きるとは自我を識別し体現すること

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@SAY

3.5 合戦描写が一般感覚的にちょっと変

2026年5月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他

悲しい

知的

武田信玄の影武者を主人公にするという発想が面白かった。ただ主演の仲代達矢はちょっとミスキャストに感じたかな。信玄役は迫力満点でいいんだけど、肝心の影武者役がねえ。インテリっぽい仲代にああいう無教養なお調子者の役は似合わない。勝新がわがままさえ言わなければなあ。

あと、クライマックスの長篠の戦いの描写は一般感覚的・常識的にちょっと変に感じた。風・火・山が騎馬軍団で林だけ歩兵部隊だが、騎馬武者=偉い人、徒歩=足軽という感覚なんで、林だけ下っ端部隊かよとか、徒歩で他の騎馬3軍団についてくの大変だな~とか思ってしまったのだ。絵的な面白さ優先なのはわかるんですけどね。もっと変なのは武田勝頼が1部隊ずつ投入して4部隊全滅させちゃうところ。普通、2番目の林がやられたあたりでダメだと気付くだろう。半分やられちゃったんだから。残りも突撃させるにしても何か別の作戦を立てるのが普通じゃないのかな。何の策もないまま3つめも4つめも同じように全部突撃させちゃうって常識的に考えても変。ま、全体的にはなかなか面白かったんですけどね。

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バラージ

4.0 【”真に成り切れと命じられた贋の悲哀。”今作は、時代的にCGを使わずして黒澤監督が描き上げた合戦絵画であり、贋の悲哀を演じた仲代達矢がラスト、川に突っ伏して流れゆく姿が印象的な作品である。】

2026年5月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

知的

■戦国時代が舞台。
 名将、武田信玄が「我もし死すとも3年は喪を秘せ」との遺言を残した後に、足軽の鉄砲に当たり重傷を負い、この世を去った。
 弟の武田信廉ら重臣たちは、織田信長や徳川家康が放った間者の目を欺き、「信玄死す」との噂を打ち消すため、信玄と瓜二つの盗人を影武者に仕立て上げるのである。

◆感想

・鑑賞して思ったのが、カメラの使い方である。基本的に固定カメラで場面場面を一枚の絵画にように引きで写していく手法である。
 私の数少ない黒澤明監督作品を鑑賞した際には、カメラは演者たちに近づき、その躍動感を捉えていたと思うのであるが、今作は”静”のシーンが多いのである。

・故に物語としては、実在した武将が次々に登場するが、躍動感は余り感じられないのである。
 その中で、影武者を演じた仲代達矢さんは、目力が物凄いので絵画の中でも存在感が凄いのである。

・演出としては、”能の如きシーン”の多さが印象的である。
 影武者が死した武田信玄が収められた大壺を割り、中に信玄が座しているのを見たシーンで打ち鳴らされる杵の音や、能で囃子方が発する”ヨー!””ハ!”と言う声や、後ずさる影武者の足拍子である。
 今作は、プロデューサーにフランシス・フォード・コッポラ、ジョージ・ルーカスを据えたそうであるが、海外で評判が高かった理由が分かる気がしたのである。

・影武者が、竹丸に最初は贋と見破られるも、自身も信玄の贋を演じていた武田信廉らのアドバイスにより徐々に真に近づくも、信玄が愛した馬には振り落とされ、介抱しようとした側室たちに背中に川中島で受けた刀傷がない事に気付かれ、大雨の中、屋敷を追われるシーンは悲哀が漂うのである。

・長篠の戦いで、織田・徳川両軍から一斉射撃を受けて次々に斃れる武田軍の兵士たちと、地に横たわり足をばたつかせる姿をスローモーションで撮るショットは、正に滅びの美学である。
 その中で、草叢で戦いを観ていた贋は、手に何も持たずに狂ったように織田・徳川両軍に突進し、銃で撃たれるのである。
 ラスト、偽が川の中に突っ伏して、武田軍旗が流れる方向とは逆に流れゆく姿も、哀れなのである。

<今作は、時代的にCGを使わずして黒澤監督が描き上げた合戦絵画であり、贋の悲哀を演じた仲代達矢がラスト、川に突っ伏して流れゆく姿が印象的な作品である。>

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NOBU

3.0 不動如山

2026年2月8日
iPhoneアプリから投稿

冒頭の三人が並ぶ画は好みではある。後は高天神攻めの画かな。次作の乱もそうであるが、今更であるがカラーへの取り組みが感じられる。思いっきり引いた独特の画は好きではあるが、幾分かこだわりが強すぎるきらいがあって、話には入りにくくなる。騎馬隊の再現も同じく。凄いのではあるが、それを再現する凄さであって、話は躍動してこない。
武田の凋落と長篠の惨敗というのは擦られすぎた話でもあるが、影武者の有無に関わらず、特別な解釈が与えられている訳でもない。

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Kj