ライダーズ・オブ・ジャスティス

劇場公開日:

ライダーズ・オブ・ジャスティス

解説

「アナザーラウンド」のマッツ・ミケルセンが主演を務め、列車事故で失った妻の復讐に燃える軍人の姿を描いたアクション。「アダムズ・アップル」をはじめ、数多くの作品でミケルセンとタッグを組むアナス・トーマス・イェンセン監督がメガホンをとった。アフガニスタンでの任務に就いていた軍人のマークスは、妻が列車事故で亡くなったという報せを受け、悲しみに暮れる娘の元に帰国する。そんなマークスのもとに数学者のオットーが訪ねてくる。妻と同じ列車に乗っていたというオットーは、事故は「ライダーズ・オブ・ジャスティス」という犯罪組織が、殺人事件の重要証人を暗殺するために計画された事件だとマークスに告げる。怒りに震えるマークスは妻の無念を晴らすため、オットーらの協力を得て復讐に身を投じる。

2020年製作/116分/PG12/デンマーク・スウェーデン・フィランド合作
原題:Retfaerdighedens ryttere
配給:クロックワークス
劇場公開日:2022年1月21日

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(C)2020 Zentropa Entertainments3 ApS & Zentropa Sweden AB.

映画レビュー

4.0観客の予想を巧妙にすり抜けていくストーリー

2022年1月29日
PCから投稿

わかりやすい語り口ながら、そこで起こる展開は観客の予想の裏をかくものばかり。その度に「えっ」と声を出して驚いた。主人公は愛する妻を事故で失い、派兵先から帰還を遂げる一人の兵士。フィジカル的、メンタル的に一筋縄ではいかないこの役柄をマッツ・ミケルセンが演じ、何かが爆発しそうな危うさを常に携えて本作は突き進んでいく。さらにここに確率論を研究する数学者や、テクノロジーに秀でた珍妙な仲間たちが合流することで、事態はよくある真相解明や復讐劇へ振り切れそうになりつつ、決してそのような方向へは陥らない。面白いのは一人一人のキャラクターがどれも内面、外面的にとても繊細に描かれていること。だからこそ彼らがぶつかり合うくだりでは各々の想いが痛いほど滲み出し、お互いに心の穴を埋め合おうとする姿や光景にも思わず胸熱くなる。アクション、サスペンス、家族ドラマを巧みに内包した、とても変則的なクリスマス・ストーリーだ。

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牛津厚信

4.0ありきたりの復讐活劇に見せかけ、良い意味で予想を裏切る

2022年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

悲しい

知的

マッツ・ミケルセンが演じるめっぽう強い軍人が、妻を殺され復讐に立ち上がり、犯罪組織の悪人たちをばったばったとやっつけていく……そんな話なら、まあありきたりだ。だがそうした先入観は、途中から「あれれ?」と驚きとともに裏切られることになる。

あちこちに皮肉たっぷりのユーモアが効いている。題名からしてそう。殺人事件の重要証人を殺すために実行したとされる列車事故を仕組んだ犯罪組織の名称が「ライダーズ・オブ・ジャスティス」(正義のバイク乗りたち?)。そしてストーリー上も、犯罪組織そのものの存在感や凶悪さはメインではなく(オートバイの活躍もないし)、あくまでもミケルセンたちにやっつけられる“切られ役”程度の扱いにすぎない。それがなぜ題名に?

物語をユニークなものにしているのは、列車事故で生き残った数学者オットーの存在だろう。統計や確率を専門とする彼は、観察力も優れていて、事故の直前に降りた不審な乗客のことも覚えていた。友人の数学者レナートや顔認識技術に長けたハッカーのエメンタールと協力して、証人が死んだのは偶然ではなくライダーズ・オブ・ジャスティスの仕業だと結論づけ、妻を亡くしたマークス(ミケルセン)にそのことを伝えるのだが…。

マークスの悲壮な復讐を、オットーら3人のオタク組がコミックリリーフ的に緩和する効果は確かにある。だがそれだけではない。オットーが口にする確率や必然、偶然や運命といった言葉が、実は列車事故だけではなく、映画全体の筋に関わっているのだと、冒頭とラストに配置された自転車をめぐるエピソードで示される。

言われてみれば確かに、たいていの大事故も、人的な過失や機械の故障など、確率的にはめったに起こらない出来事の連なりによって発生してしまうものだろう。日々の報道で見聞きする悲劇的な事故の背景にも、どんな偶然の連なりがあったのだろうかと、本作の鑑賞後にはきっと想像してしまうはず。

復讐活劇のようで、ブラックコメディ。喜劇のようで、哲学や運命論に通じる示唆に富んでいる。

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高森 郁哉

4.0お父さん強い

2024年1月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

幸せ

父と娘の物語にも見えるが、いろいろな悩みを抱えている人と繋がり初め、なんだか最後は不思議な家族が出来上がっている

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クリオネ

5.0人生の不条理を描く、感動バイオレンスコメディ

2023年9月28日
スマートフォンから投稿

笑える

悲しい

楽しい

 人生の不条理に直面した時に、人はどうすれば良いのか。どうすれば悲しみと絶望の淵から、少しでも前を向いて生きていくことができるようになるのか。この映画が語るテーマはとても重くて、深くて、まるでカミュの小説のようだ。
 それをこの映画はコメディとして、それもバイオレンスコメディとして表現している。そしてそれが見事にハマっている。
 突然の事故で、母であり妻であった女性を亡くした父と娘は、癒えることのない悲しみの底に沈んでいる。なぜこんな不幸な目に自分たちは合わなければならないのか、人生はあまりにも不公平だ。
 この映画は、そんな父娘が少しずつ立ち直って行く姿を、派手なアクションと大爆笑の中で描いていき、最後は深い感動がある。アクション、コメディ、ヒューマンドラマという調和しそうもない要素が見事に調和した大傑作!

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Toninu
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