【2023年公開・配信のおすすめ作品】映画.comスタッフが惚れこんだ“最推し”俳優は誰?
2024年1月3日 10:00
【2023年公開・配信のおすすめ作品】映画.comスタッフが惚れこんだ“最推し”俳優は誰?
あの人の演技がいまだに忘れられない――2023年、そんな素晴らしい俳優と映画の中で出会うことはできましたか?
本記事では、映画.com&アニメハックのスタッフが「どうしても紹介しておきたい!」と熱望した推し俳優を出演作とともに一挙にご紹介(対象:2023年1月1日~2023年12月31日公開・配信作品。人名とともに記したタイトルが対象作品)。絶賛公開中の作品から、すでに配信やBD&DVDレンタルで楽しめる作品(もちろんこれからリリースするものも!)まで幅広くチョイスしました。
ここで取り上げる推し俳優の出演作は、良作、秀作、傑作ばかり!ぜひ鑑賞の参考にしてください!
【選出理由】
2020年以降に公開された出演映画が約20本、2023年は「正欲」「月」など5本が公開され、俳優として分岐点となる年となったのではないでしょうか。俳優・磯村勇斗さんの魅力は、しっかりとした芯をもちながら、好青年から心に闇や狂気を抱えた男まで、ふり幅を広く、柔軟に演じられるところ。すでに主役級の俳優でありながら、普通の役者であれば避けてしまいそうな役も果敢に演じ、強い印象を残すその姿勢が高く評価されています。(映画.comスタッフ 和田隆)
【「正欲」概要】
第34回柴田錬三郎賞を受賞した朝井リョウの同名ベストセラー小説を、稲垣吾郎と新垣結衣の共演で映画化。「あゝ、荒野」の監督・岸善幸と脚本家・港岳彦が再タッグを組み、家庭環境、性的指向、容姿などさまざまな“選べない”背景を持つ人々の人生が、ある事件をきっかけに交差する姿を描く。磯村は、佳道役に扮している。
【「月」概要】
「舟を編む」の石井裕也監督が宮沢りえを主演に迎え、実際に起きた障がい者殺傷事件をモチーフにした辺見庸の同名小説を映画化。磯村は、さとくんを演じている。
【選出理由】
2023年、個人的に最も強烈&鮮烈だったキャラクターは、実際にシンガーソングライター兼俳優として活動している彼女が演じた同名人物“アニー・ハーディ”。ラッパー兼迷惑系動画配信者という役柄なんですが、いやーーーー、マジでヒドイ(良い意味で。いや悪い意味も勿論ある)。共感度はゼロ。通常のホラー映画だったら序盤で死にそうなキャラですが、ノリと勢いと思考のヤバさで窮地をガンガン乗り越えていくんです。久々ですよ、ひどすぎて笑ったのは……。ちなみに、アニーのラップが流れるエンドロールも最低で最高で、やっぱり最悪なので必聴です。(映画.com編集部 岡田寛司)
【「DASHCAM ダッシュカム」概要】
「ズーム 見えない参加者」のロブ・サベッジ監督が、コロナ禍の世界を背景に、迷惑系動画配信者の主人公が陥る恐怖を、画面越しの視聴者目線で描いた新感覚ホラー。
女性ラッパーで迷惑系ライブ配信者として人気を得ているアニーは、ロサンゼルスのコロナ規制に辟易し、イギリスに住んでいる昔の音楽仲間であるストレッチのもとを訪ねる。しかし、今は配達員として普通に暮らしているストレッチにとってアニーの来訪は迷惑でしかなく、追い返されてしまう。頭にきたアニーは、ストレッチの車とスマホを盗み、ライブ配信をしながら彼のフードデリバリーの仕事を勝手にやりはじめる。そして、あるレストランのオーナーから大金を積まれ、ひとりの女性を運ぶという奇妙な配達依頼を受ける。悪態をつきながらも女性を目的の場所へ運ぶため出発したアニーだったが、その先には想像を絶する恐怖が待ち受けていた。
【選出理由】
ルーカス・ドン監督が電車で姿を見かけて、オーディションに誘ったというレオ役のエデン・ダンブリン。ドン監督はインタビューでその理由を、「目が印象的だった」と語っていました。そのドラマティックなエピソードにも納得できるほど、映画の冒頭、レオがレミに向ける視線の数々は、観客の心に強烈に焼き付きます。その雄弁な眼差しから、レオがレミをいかに大切に思っているかが伝わってくるのです。前作「Girl ガール」のビクトール・ポルスターしかり、ドン監督の素晴らしい俳優を見極める力に、改めて唸らされた逸材でした。(映画.com編集部 ドーナッツかじり)
【「CLOSE クロース」概要】
トランスジェンダーの主人公がバレリーナを目指す姿を描いた「Girl ガール」でカンヌ国際映画祭のカメラドール(新人監督賞)を受賞したルーカス・ドン監督が、13歳の2人の少年に起こる関係の変化を描いた長編第2作。
13歳のレオとレミは、学校でも放課後でも一緒に時間を過ごす大親友だった。しかし、ある時、2人の親密すぎる間柄をクラスメイトにからかわれたことで、レオはレミへの接し方に戸惑い、そっけない態度をとってしまう。そのせいで気まずい雰囲気になる中、2人は些細なことで大ゲンカをしてしまう……。
【選出理由】
危険なシーンではもちろんスタントマンに頼っているとは思うのですが、それでもキアヌ自身も身体を張っているのは一目瞭然。カンフー、ガンアクション、バイクチェイス、ヌンチャクバトルに、果ては「蒲田行進曲」(82)に影響を受けたのか(!?)、同作を遥かに凌駕する222段もの階段落ちにまで挑んで、姿勢を正して「ご苦労さまです!」と言いたくなりました。また、真田広之、ドニー・イェンとの共演シーンだけでも眼福でした。(映画.comスタッフA.K)
【「ジョン・ウィック コンセクエンス」概要】
キアヌ・リーブスが伝説の殺し屋に扮した大ヒットアクション「ジョン・ウィック」シリーズの第4弾。
裏社会の掟を破り粛清の包囲網を逃れたジョン・ウィックは、裏社会の頂点に立つ組織・主席連合から自由になるべく立ちあがる。主席連合の若き高官グラモン侯爵は、これまで聖域としてジョンを守ってきたニューヨークのコンチネンタルホテルを爆破し、ジョンの旧友でもある盲目の暗殺者ケインをジョンのもとへ差し向ける。そんな中、ジョンが日本の友人シマヅに協力を求めるため、大阪のコンチネンタルホテルに現れる。
【選出理由】
特筆すべき演技を披露した俳優は他にもたくさんいるが、63歳にしてなお映画に身を捧ぐ覚悟を芝居から滲ませる佐藤浩市を推さない理由が見つからない。2023年は9作品に出演。今年は「春に散る」と「愛にイナズマ」、この2本に尽きる。体当たりでぶつかってくる若手、中堅を硬軟織り交ぜながら真正面から対峙し、成長と飛躍の後押しすらする姿勢に最敬礼。とはいえ、「まだまだ主役の座を譲る気はないよ」と言わんばかりの存在感もまた、選出理由の一因。(映画.com副編集長 大塚史貴)
【「春に散る」概要】
沢木耕太郎の同名小説を佐藤浩市と横浜流星の主演で映画化し、ボクシングに命をかける男たちの生き様を描いた人間ドラマ。監督は「ラーゲリより愛を込めて」「護られなかった者たちへ」の瀬々敬久監督。佐藤は、不公平な判定で負けたことをきっかけに渡米し40年ぶりに帰国した元ボクサーの広岡仁一役を演じた。
【「愛にイナズマ」概要】
松岡茉優と窪田正孝が主演を務め、「舟を編む」「茜色に焼かれる」の石井裕也監督がオリジナル脚本で描いた作品。26歳の折村花子(松岡)は幼少時からの夢だった映画監督デビューを目前に控え、気合いに満ちていた。そんなある日、彼女は魅力的だが空気を読めない男性・舘正夫(窪田)と運命的な出会いを果たす。ようやく人生が輝き始めたかに思えた矢先、花子は卑劣なプロデューサーにだまされ、全てを失ってしまう……。花子は10年以上音信不通だった“どうしようもない家族”のもとを訪れ、父や2人の兄たちの力を借りて、大切な夢を取り戻すべく反撃を開始する。佐藤は、花子の父・治を演じている。
【選出理由】
映画で描かれる大虐殺の引き金をひくキーパーソンのひとりである、自警団(在郷軍人会)のリーダー役を、役とは正反対の信条をもつ水道橋博士氏が演じることで、単なる悪役ではない血の通った人間として見ることができました。大変なストレスがあったと思いますが、映画序盤の虚勢を張っている様子や終盤の崩れ落ちるところまで終始目が離せず、心に残りました。映画自体、どんな信条の人にも幅広く見ていただきたい1作です。(アニメハック編集部 五所光太郎)
【「福田村事件」概要】
「A」「A2」「i 新聞記者ドキュメント」など、数々の社会派ドキュメンタリー作品を手がけてきた森達也が自身初の劇映画作品として、関東大震災直後の混乱の中で実際に起こった虐殺事件・福田村事件を題材にメガホンを取ったドラマ。
1923年、澤田智一は教師をしていた日本統治下の京城(現・ソウル)を離れ、妻の静子とともに故郷の千葉県福田村に帰ってくる。澤田は日本軍が朝鮮で犯した虐殺事件の目撃者であったが、静子にもその事実を隠していた。その年の9月1日、関東地方を大地震が襲う。多くの人びとが大混乱となり、流言飛語が飛び交う9月6日、香川から関東へやってきた沼部新助率いる行商団15名は次の地に向かうために利根川の渡し場に向かう。沼部と渡し守の小さな口論に端を発した行き違いにより、興奮した村民の集団心理に火がつき、後に歴史に葬られる大虐殺が起こってしまう。水道橋博士は、長谷川秀吉を演じている。
【選出理由】
大好き。2023年にようやく「ストレンジャー・シングス 未知の世界」シーズン4までをイッキ観したが、演じたホッパー署長が最高すぎ。そして9月公開「グランツーリスモ」。超一流のレーサーとして世界中で名声を得ていたが、今はしがないメカニックとして生きる男が、未来ある若者たちを指導することになり…という設定。これが胸がアツくなるのなんの、これまた最高すぎ。あとヘッドセットの掛け方がかわいすぎるのも必見。(映画.com編集部 尾崎秋彦)
【「グランツーリスモ」概要】
世界的人気を誇る日本発のゲーム「グランツーリスモ」から生まれた実話をハリウッドで映画化したレーシングアクション。
ドライビングゲーム「グランツーリスモ」に熱中する青年ヤン・マーデンボローは、同ゲームのトッププレイヤーたちを本物のプロレーサーとして育成するため競いあわせて選抜するプログラム「GTアカデミー」の存在を知る。そこには、プレイヤーの才能と可能性を信じてアカデミーを発足した男ダニーと、ゲーマーが活躍できるような甘い世界ではないと考えながらも指導を引き受けた元レーサーのジャック、そして世界中から集められたトッププレイヤーたちがいた。想像を絶するトレーニングや数々のアクシデントを乗り越え、ついにデビュー戦を迎える彼らだったが……。ハーバーは、指導者ジャックを演じている。
【選出理由】
正直なところ、作品を見る前はこの映画はいろんなことが美化されすぎているんじゃないかと心配だったんです。でも、役所広司さん演じる平山さんのキャラクターが魅力的で、こんな人がいたらいいな、と純粋に感動しました。セリフはほとんどなく、語りすぎない。でも彼の生活や行動からその人柄がにじみ出るのです。もしかしたら、浅草に行けば仕事終わりに1杯やってる平山さんに会えるんじゃないか…そんな風に思わせてくれるすばらしい名演技でした。(映画.com編集部 M.K)
【「PERFECT DAYS」概要】
ドイツの名匠ヴィム・ベンダースが、役所広司を主演に迎え、東京・渋谷を舞台にトイレの清掃員の男が送る日々の小さな揺らぎを描いたドラマ。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、役所が日本人俳優としては「誰も知らない」の柳楽優弥以来19年ぶり2人目となる男優賞を受賞した。
東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。
【選出理由】
実は、昨年も「流浪の月」の横浜さんを選んだので、今年は別の俳優さんをと思ったのですが、やっぱりどうしても推したい……! 「ヴィレッジ」の闇落ちした主人公と、「春に散る」の生命力あふれるボクサー役。今年は2つの作品で対照的な役に挑み、さらに役者としての幅を広げた横浜さん。「春に散る」の試合シーンは芝居とは思えない臨場感で、バキバキの腹筋も相まってプロボクサーにしか見えませんでした。プロテストの合格ニュースにも驚かされましたし、舞台「巌流島」も素晴らしかった! 2025年の大河ドラマも楽しみにしています。(映画.com編集部 MOMO)
【「ヴィレッジ」概要】
「新聞記者」「余命10年」の藤井道人監督のオリジナル脚本を、横浜流星主演で映画化したヒューマンサスペンス。「新聞記者」「ヤクザと家族 The Family」「空白」などを手がけ、2022年6月に他界した河村光庸プロデューサーのプロデュース作品。
美しい集落・霞門村(かもんむら)に暮らす片山優(横浜)は、村の伝統として受け継がれてきた神秘的な薪能に魅せられ、能教室に通うほどになっていた。しかし、村にゴミの最終処分場が建設されることになり、その建設をめぐるある事件によって、優の人生は大きく狂っていく。母親が抱えた借金の返済のため処理施設で働くことになった優は、仲間内からいじめの標的となり、孤独に耐えながら希望のない毎日を送る。そんな片山の日常が、幼なじみの美咲が東京から戻ったことをきっかけに大きく動き出す。
【春に散る」概要】
沢木耕太郎の同名小説を佐藤浩市と横浜流星の主演で映画化し、ボクシングに命をかける男たちの生き様を描いた人間ドラマ。横浜は、ボクサーの黒木翔吾を演じている。
【選出理由】
韓国では名バイプレイヤーとして人気の53歳のベテラン俳優。オリジナルドラマシリーズ「ムービング」で不死身の身体を持ちながら、繊細で優しい男を演じ、その実力を世界へ知らしめました。ヒット作「エクストリーム・ジョブ」(2019)の流れをくむ、気は優しくて力持ちな男を演じさせたら、いま彼の右に出る者はいないのではないでしょうか。11月に公開された「人生は、美しい」でも不器用な夫役を好演し、笑って泣かせてくれます。(映画.comスタッフ 和田隆)
【「人生は、美しい」概要】
「エクストリーム・ジョブ」のリュ・スンリョンと「完璧な他人」のヨム・ジョンアが初共演し、余命わずかな女性とその夫の旅をポップな音楽に乗せて描いたロードムービー。
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第86回アカデミー作品賞受賞作。南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップが12年間の壮絶な奴隷生活をつづった伝記を、「SHAME シェイム」で注目を集めたスティーブ・マックイーン監督が映画化した人間ドラマ。1841年、奴隷制度が廃止される前のニューヨーク州サラトガ。自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモンは、愛する家族とともに幸せな生活を送っていたが、ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷としてニューオーリンズの地へ売られてしまう。狂信的な選民主義者のエップスら白人たちの容赦ない差別と暴力に苦しめられながらも、ソロモンは決して尊厳を失うことはなかった。やがて12年の歳月が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスと出会う。アカデミー賞では作品、監督ほか計9部門にノミネート。作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した。
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