シネマ歌舞伎 歌舞伎NEXT 阿弖流為(アテルイ)

劇場公開日:2016年6月25日

解説・あらすじ

歌舞伎の舞台を映画館で上映する「シネマ歌舞伎」シリーズ第24弾で、市川染五郎、中村勘九郎、中村七之助主演により、2015年に新橋演舞場で上演された「歌舞伎NEXT『阿弖流為』」をスクリーン上映。平安時代に実在した歴史上の人物、阿弖流為(アテルイ)の舞台化を構想した染五郎自身の主演により、02年に「劇団☆新感線」の作品として上演され、今回の歌舞伎版でも新感線版同様に作を中島かずき、演出をいのうえひでのりが手がけている。蝦夷(えみし)を率いるリーダー・阿弖流為と、蝦夷を討伐する坂上田村麻呂。敵同士でありながら、奇妙な友情で結ばれる若き2人の男の戦いを軸に、阿弖流為を導く謎の女・立烏帽子をはじめとする、一筋縄ではいかない登場人物たちによる物語が、従来の歌舞伎にはないスピード、スケール感で描かれる。阿弖流為を染五郎、坂上田村麻呂を勘九郎、立烏帽子を七之助がそれぞれ演じ、坂東彌十郎、市村萬次郎、片岡亀蔵らが脇を固める。

2016年製作/185分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2016年6月25日

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映画レビュー

5.0 歌舞伎らしさ満載の極上舞台

2025年12月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

そもそも江戸時代等の歌舞伎は娯楽のため時節や流行をどん欲に取り込んで興行されてきたので、現在も新作がどんどん作られるのは至極順当な事なのですが。
だがしかし、新作歌舞伎にも色々あって、個人的に「これ歌舞伎でやる必要ある?」とか「これ歌舞伎って言う?」のような演目も正直あるのです。
阿弖流為は、三味線の音色こそ聞こえませんがめっちゃ歌舞伎です。
さらに、古典にありがちな「現代の感覚だと理解に苦しむ価値観なので物語を理解するために前知識が必要」な事もありません。物語も展開含め、すごく面白い。
そして古典にはない躍動感やスピード感に溢れている。
現代の感覚でも十分高揚できる演出に加え、主要人物が格好良く見得をきりまくります。
作り手が歌舞伎の演出をものすごく愛しているのが伝わってきます。
現代風のスピード感あふれる演出と、歌舞伎らしい格好良い迫力のある演出や工夫が融合されて、「これぞNEXT歌舞伎」映画館で鑑賞できるチャンスがあれば、何度でも鑑賞したい傑作です。

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Katkat

5.0 カッコいい、カッコよすぎる!!

2025年12月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

驚く

なんですか、
この凄まじく熱い芝居は。
ビックリしました!!!
すごい熱量です、観ないと大損です。
劇場で歌舞伎や演劇作品を観たことない方に、是非観て頂きたいです。
歌舞伎役者の身体能力に感服いたしました。。

幸せなひとときをありがとうございました!

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睦月

5.0 面白いの一言!

2024年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

歌舞伎のわかりにくい部分はなく、歌舞伎の面白いところがうまくミックスされている。
特に七之助が美しく妖しく、圧巻でした。

歌舞伎を全く知らない夫にも是非にと勧めたところ、
非常に面白かったと。。
特にくまこが良かったとのことでした。

長いけど途中休憩あり。

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くろすけ

5.0 最高のエンターテインメント

2024年2月13日
Androidアプリから投稿

楽しい

興奮

松竹座の初日に観てから、ずっとずっと再演して欲しいと思っている演目です。

格好良さ、ドキドキ、ワクワク、息を呑む美しさ、笑い、涙…
エンターテイメントに必要なものが大体詰まってると思います。

たぶん、月イチ歌舞伎でやる度に、映画館で観てるかもしれません。

当時、ギリギリ若手(?)の染五郎(現:幸四郎)と、バリバリ若手の勘太郎(現:勘九郎)、七之助のバランスが最高に良くて、脇を固める萬次郎、彌十郎、亀蔵も本当に良い。

蝦夷の長になった阿弖流為(染五郎)と、蝦夷の討伐に向かう坂上田村麻呂(勘太郎)、そして阿弖流為のかつての恋人鈴鹿/鳥烏帽子(七之助)の、それぞれの立場や思い、それぞれの正義が、蝦夷討伐という戦の中で描かれていて、今の世界に置き換えても、考えさせられるストーリーでありながら、劇団☆新感線お得意のしょうもない笑いが散りばめられていて、重たすぎず、スカッと観れるところも、エンターテイメントとして本当に凄いなと思います。

そして、エンターテインメントを追求しながらも、それぞれの芝居が本当に良く、板の上で血が通うキャラクターとして、完璧に成立しているのも、この演目の凄いところです。
そこには、よくこんなのを毎日2回、ほぼ1ヶ月休みなくやったなと、思うぐらいの、とんでもない熱量とテンション。そして、勢いだけではない、歌舞伎役者としての技量があったからだと思います。

染五郎の高潔な格好良さ、勘太郎の真っ直ぐな格好良さ、七之助の崇高な格好良さ、どれも格好良くて、大好きなのですが、個人的に、1番のお気に入りは、七之助の鈴鹿/鳥烏帽子です。
さっきから、鈴鹿/鳥烏帽子と役名を書いていますが、後半にその理由が分かります。
詳細は割愛しますが、この時の七之助の芝居は、まさに鳥肌ものです。
というか、舞台で初見の時に、本当に鳥肌立ちました。
あの場面の七之助は、多分なんか憑いてる。

また、基本的に普段の歌舞伎では、見ることが出来ない、女形の殺陣がめちゃくちゃ格好良く、ビラビラの重たそうな衣装なのに、キレキレの殺陣が出来るのは、やはり歌舞伎ならではと思います。

芸は極めるということが無いのかも知れませんが、少なくとも肉体的に最も脂の乗った時期の歌舞伎役者のパワーとその時の最高の芸を存分に堪能できる、本当に大好きな舞台です。

また、月イチ歌舞伎でやったら、映画行くんやろな……とハマり過ぎてて、ちょっと恥ずかしいのですが、本当に面白いので、毎年やってくれ!と思います。

そして、再演も、なんとか、なんとか!

元が劇団☆新感線の舞台なので、台詞も現代語で分かりやすく、演出も派手で格好良いので、歌舞伎を観たことが無い方にも、非常におすすめです。

もっと人気出て、再演しないかな…

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きのこ

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