シネマ歌舞伎 二人藤娘

劇場公開日:2015年1月17日

解説・あらすじ

歌舞伎の舞台を映画館でデジタル上映する「シネマ歌舞伎」シリーズ第21弾。2014年4月に、第5期歌舞伎座(13年4月開業)のこけら落とし公演「歌舞伎座新開場柿葺落 鳳凰祭三月大歌舞伎」で上演された「日本振袖始」と「二人藤娘」を映像化し、2本立てで上映。役者たちが化粧をして舞台へ臨む姿など、普段は見られない舞台裏映像も収められている。「二人藤娘」は、舞踏の人気演目として知られる「藤娘」を2人で演じるという新解釈で再構成された演目。「京鹿子娘道成寺」を2人で舞った「京鹿子娘二人道成寺」もシネマ歌舞伎化されている坂東玉三郎が、中村七之助とともに藤の精を艶やかに演じた。14年1月に大阪松竹座で初演されて評判となり、同年3月に歌舞伎座で東京初演となった。

2015年製作/90分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2015年1月17日

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0 玉三郎さんの美意識

2026年3月2日
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鑑賞方法:映画館

驚く

カワイイ

二人藤娘は初めて観ました。
一人で踊る藤娘と異なり酒のやりとり等は二人でやると場面が分かりやすいです。
映画の冒頭に玉三郎さんからの解説のひと言もあり、途中に化粧場面や着付け場面も挿入されているので初めて歌舞伎舞踊を観る人にも楽しめる作品になっています。

藤娘は元は大津絵から抜け出たという設定を藤の木の精と設定を変えたり、近江八景を読み込んだ歌詞があり、藤音頭等が入れられたり、その時々で手を入れられて育てられてきた舞踊なので、深く理解しようとすると…歌詞の言葉は背景を知らない現代人にはわかりにくいのですが、

そんな事は考えずお美しい玉三郎さんの存在にうっとりし、玉三郎さんが育てようとしている七之助の可憐さを堪能できます。玉三郎さんはとてもお美しく目が釘付になりますので七之助さんの事をそんなに見ていないかもしれません。が、十分に色気ある方でもう大作は演じないという玉三郎さんの跡を継いで素晴らしい女形になってくれればと願います。

同時上映の日本振袖始も初めて観る作品でしたが、
玉三郎さんの変化に驚き過ぎてメイクに見入り唖然として展開を見つめました。
物の怪と美しい玉三郎さんの女形(岩長姫)との間にギャップが大きく、
演じられた岩長姫が八岐の大蛇の物の怪になるとわかっていたし、その悪役の写真も何となくは知っていてもあまりの醜悪さに本当に驚きました。
あれが玉三郎さんの美意識による物の怪たるものなのですね。よく歌舞伎にある化け物の役の化粧は力強い悪役らしさを出していてもどこかキリリとしたものを感じるものですが、玉三郎さんの八岐の大蛇は本当に醜い姿でした。玉三郎さんの物語解釈が深いです。

岩長姫は木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)と共に瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に妻として捧げられたのに醜いからと親元に返されたという古事記や日本書紀の姫がモデルで、本来の八岐の大蛇の伝説に出てくる姫ではありません。

でもそこに岩長姫を登場させることで醜女(全然醜くない玉三郎さんの演じる姫)の選ばれぬ女性の哀れも感じられるのですが…その姫の変幻した本性であるオロチの姿の醜さは怒りや呪い、お門違いな歪んだ嫉妬の醜さを体現しているのでしょうね。

勘九郎さんは、なるほど人形浄瑠璃から来た本作らしく神話というファンタジーらしさのある英雄譚らしき演技を感じました。人形の様な様式的美意識がありました。

八岐の大蛇の生贄に選ばれた稲田姫を演じる米吉さんは赤姫(赤い着物の似合う正統派の姫)の似合う清純さのある方で、私は以前ファイナルファンタジーX歌舞伎を観たのですが、そのユウナを演じた方です。登場場面は少ないものの、清らかな深窓の姫らしい存在感でした。そんな姫が大蛇の贄にされるなんて救わねばなりませんよね。

もう一度観たいと思うのでまた上映される時にはシアターで観たいと思います。

万人におすすめです。

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きらり

3.5 美と配置

2026年2月27日
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鑑賞方法:映画館

シネマ歌舞伎『二人藤娘』『振袖始』

『二人藤娘』は、美の蒸留だった。

同じ型、同じ振付。
だが分身には見えなかった。

玉三郎は藤の精だった。
関節が消え、気配が先に立つ。
踊りではなく、存在そのものが様式になる。

見ていると、泣きそうになる瞬間があった。
物語ではなく、密度に身体が反応した。

七之助は人間だった。
振りは正確で美しい。
だがそれは振付だった。
身体が先にあり、気配が後から来る。

並んだ瞬間、階層が分かれる。

疑って観た。
そして、認めた。

一方『振袖始』は構造の物語だった。

素戔嗚はヒーロー。
型も動きも整い、ぶれない。
だが荒ぶる神としては、少し整いすぎている。

稲田姫の米吉は美しかった。
関節が立たず、気配が流れていた。

石長姫の玉三郎は永遠だった。
選ばれない側の時間を背負う存在。

藤娘は精を見る舞台。
振袖始は運命を見る舞台。

美よりも、配置。
象徴よりも、構造。

私は後者のほうに、より強く動いた。

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さよなら

4.0 伝統の美

2026年2月27日
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鑑賞方法:映画館

幸せ

映画「国宝」を観て、実際の歌舞伎役者さんの舞台が気になって鑑賞しました。満席でした。
実際の他の歌舞伎の舞台も観に行って思ったのは、役者さんの存在感もさながら、舞台上にいる人全ての熱がすごい。思わず姿勢を正したくなる美があります。この映画は冒頭に玉三郎さんによる解説もあるので、音声ガイドがなくても楽しめました。

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Aki

4.0 美しい世界と神話の世界

2026年2月23日
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鑑賞方法:映画館
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デコっぱち子

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