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映画「シネマ歌舞伎 スーパー歌舞伎 ヤマトタケル」 シネマ歌舞伎 スーパー歌舞伎 ヤマトタケル
劇場公開日:2013年9月28日
解説
歌舞伎の舞台を撮影し、映画館のスクリーンでデジタル上映する「シネマ歌舞伎」シリーズ第19作目。哲学者の梅原猛が3代目市川猿之助のために書き下ろし、1986年に初演、古典芸能の歌舞伎に現代風演出を加えた「スーパー歌舞伎」という新ジャンルを開拓した「ヤマトタケル」を映像化。大和の国の皇子・小碓命(おうすのみこと)は、誤って双子の兄・大碓命(おおうすのみこと)を殺害してしまう。父帝の怒りを買った小碓命は、大和に従わない熊襲(くまそ)の征伐に向かわされる。熊襲兄弟を打ち倒した小碓命は、ヤマトタケルと名乗ることとなるが、父帝の怒りは収まらず……。
2013年製作/220分/G/日本
配給:松竹
スタッフ・キャスト
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2019年10月27日
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鑑賞方法:映画館
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~梅原猛氏の遺志を、猿之助が壮麗に魅せる
光と影
光を猿之助、影を中車が体現。あらゆるものに具わる両面を、猿之助が太陽の如く、中車が新月の如く演じる。
親と子
親の心、子知らず。子は、親を選べず。身近にある永遠のテーマ。
男と女
強い男を慰められるのは、温かい女だけという。古来の神話。
さて、2回の休憩を含めて4時間という長丁場は、時に眠気との闘いでもあるが、それでも粛々と進んでいく物語の主題は最終幕の最終場に用意されている。
「天つ翔(かけ)る心、それが私そのものなのだ」と、飛行鳥と化したヤマトタケルの宣誓が、物語の総てを仕上げる。
『天つ翔る心』とはどういうことか。
財や名声とは対極にある価値観。それは、原作者の梅原氏が生涯追い求めたものそのものではないか。
その意味するところを考えながら、時間の許す限り何度でも観たい。
日本人の心のルーツを問いかける、壮麗な超歌舞伎である。
それにしても、猿之助の品性がこの舞台を強靭に支えている。
最後のカーテンコールでは、猿之助の意志が出演者皆に伝わっている様を感じ圧倒的だ。
そして、再びのエンドロールで繰り広げられるドラマ。
それは、劇中のフィクションさながらのリアルな世継ぎ物語。
その強い意志をもって切られる猿翁のミエに、亡き梅原氏の強く静かな佇まいが重なった。