シネマ歌舞伎 高野聖

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シネマ歌舞伎 高野聖

解説

歌舞伎の舞台公演を映画館のスクリーンでデジタル上映する「シネマ歌舞伎」シリーズ第17弾。泉鏡花の同名小説を原作に、石川耕士と坂東玉三郎の脚本・演出で上演された歌舞伎を、「シネマ歌舞伎」用に新たに舞台上で撮影。ロケーション素材なども加えられ、これまでの「シネマ歌舞伎」シリーズとは異なる映画的技法で完成されている。飛騨から信濃へ抜ける山道で道に迷った修行僧の宗朝は、山中に一軒屋を見つける。そこには妖艶な女が暮らしており、女は宗朝を誘惑するが……。

2012年製作/89分/日本
配給:松竹
劇場公開日:2012年3月17日

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映画レビュー

4.0なまめかしさと聖なる世界の同居した美

2022年2月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

萌える

本来、相容れないはずのものなのに、この作品では同居している世界観。まじりあっているのとも違う。対立・お互いを否定、距離をとっているようで、絡み合う世界。そんな世界観にいつしか引きずりこまれていく。

よくある舞台中継とは違い、時にロケで実際に山中を歩く場面を入れたり、舞台真正面からではない役者のアップを入れたりして展開する。同時上映された玉三郎丈のインタビューを拝聴すると、かなり計算されて作り込まれている。

正直このオチは途中でなんとなく気づく。昔から繰り返された仏教譚。
それを象徴するかのような圧倒的な読経の声。

イソップ童話のような教訓?もしくは単なる仏教譚として括れない幻想的な世界。
玉三郎丈のなまめかしさ。
反対に獅童丈の朴訥とした佇まい(渋い)。
鏡花の世界に繰り返し表現される、わけのわからない(現実的でない)異端の世界。その中で表現される欲に溺れずに自分の有様を律して生きようとする様。それを”すがすがしい””美しい”と愛でる有様。
でもそれを「すがすがしい」と言いつつも、妖艶な異端の世界が印象に残ると言う二律背反な世界。

起伏に飛んだドラマはありません。
が、自分の生きざまを考えつつ異次元の世界に浸れます。

シネマ歌舞伎では『海神別荘』との合わせで、玉三郎丈へのインタビュー映像つき。このインタビュー映像を合わせてみると、より深く鑑賞できます。

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とみいじょん

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