シネマ歌舞伎 楊貴妃
劇場公開日:2019年1月12日
解説
歌舞伎の舞台を映画館でデジタル上映する「シネマ歌舞伎」シリーズ第32弾。2017年12月に歌舞伎座に上演された坂東玉三郎、市川中車によって上演された舞踊劇を「沓手鳥孤城落月」と2本立てで上演。唐の時代、亡くなってしまった楊貴妃への思いを忘れることができない玄宗皇帝は、方士に楊貴妃の魂を探すよう命じる。方士が楊貴妃の魂を呼び出すと、蓬莱山の宮殿にあの頃のように美しい姿の楊貴妃がその姿を現した。白居易の「長恨歌」と能の「楊貴妃」をもとに、作家・夢枕獏が玉三郎のために作詞した1991年初演の舞踊劇。
2019年製作/G/日本
配給:松竹
スタッフ・キャスト
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2019年1月20日
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鑑賞方法:映画館
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あの世から楊貴妃を迎える使者役の市川中車は、粗削りな襲名当初に比べ、洗練された舞いと落ち着いた声色で、5年の精進を感じさせる。
この世に現れた楊貴妃は、対の扇を鳥か蝶の如くひらめかせ、華麗に舞い再び消える。
登場と退場時の簾の動きが、寸分の乱れなく美しい。
そして、京劇的な舞いからは、大陸文化への敬いを感じさせられた。
歌舞伎で馴染みの日本的な舞踊とは明らかに異なる優雅な舞い。
あらゆる芸術を取り込み自らの一部にしてしまう歌舞伎の恐ろしいほどの包容力と生命力。
舞い終り、使者に託す翡翠のかんざしは、
7月7日に必ず貴方の元に戻りますという約束の印。
冒頭でその事が語られ、より舞踊の意味が解る。
そして、劇中に流れる唄の字幕があることもシネマ歌舞伎の有り難いところだ。
玉三郎さんのインタビューもあり、
とてもとても、綺麗な2作品でした。