コラム:シネマ映画.comコラム - 第35回

2024年8月13日更新

シネマ映画.comコラム

戦争と命の尊さについて改めて考える29作品

2024年8月15日は79回目の終戦記念日です。6日には広島市の平和記念公園で平和記念式典、9日に長崎市の松山町平和公園で平和祈念式典が開かれました。この夏も戦争について、命の尊さについて改めて考えるために、シネマ映画.comで配信中の「戦争」や「抗争」「紛争」などについて描いたドラマからアクション作品までをピックアップし、見どころなどをあげましたので、ご鑑賞の参考にしていただければと思います。

「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」

昨年12月から公開され、累計動員350万人、興収45億円を超える大ヒットを記録した「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」をはじめ、配信開始以降高い視聴数を記録している「8時15分 ヒロシマ 父から娘へ」など戦争の記憶を語り継ぐ作品から、現在も海外で起きている紛争と重なる作品まで計29作品。そのうちスクリーン1で配信中の8作品の見どころなどを紹介します。
※作品を視聴するには「シネマ映画.com」の会員登録が必要です。

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「アウシュヴィッツの生還者」
「アウシュヴィッツの生還者」

■「アウシュヴィッツの生還者

2021年製作/129分/G/カナダ・ハンガリー・アメリカ合作

【作品概要】
 「レインマン」の名匠バリー・レビンソンが、アウシュヴィッツからの生還者ハリー・ハフトの半生を息子アラン・スコット・ハフトがつづった実話をもとに映画化。「インフェルノ」のベン・フォスターが主演を務め、「ファントム・スレッド」のビッキー・クリープスが共演した。

▼見どころ

ベン・フォスターが、収容所で次から次へと理不尽な選択を迫られる主人公ハリーを魂から湧き上がる怒りと悲しみで見事に演じ切っています。アウシュヴィッツ時代の過酷な状況を表現するにあたり、体重を28キロ落とし、戦後のシーンを撮影するためにまた元の体重に戻しました。バリー・レビンソン監督は、本作で第2次世界大戦中、終戦後、1960年代と3つの時代を行き来しながら、人間の崇高さと恐ろしさに容赦なく迫っています。また、ハンス・ジマーが担当している哀愁をまといながらも力強いスコアは必聴です。

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「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」

■「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。

2023年製作/127分/G/日本

【作品概要】
 SNSを中心に話題を集めた汐見夏衛の同名ベストセラー小説を映画化し、戦時中の日本にタイムスリップした現代の女子高生と特攻隊員の青年の切ない恋の行方を描いたラブストーリー。NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」の福原遥が現代の女子高生役、「死刑にいたる病」の水上恒司が特攻隊員の青年役で主演を務める。「光を追いかけて」の成田洋一が監督を務め、福山雅治が主題歌を担当した。

▼見どころ

現代の女子高生・百合がある日、母と進路をめぐって喧嘩し、家出して近所の防空壕跡に逃げ込み目が覚めると、そこは1945年6月、戦時中の日本でした。百合は偶然通りかかった彰に助けられ、戦時中の日々を過ごすなかで、彰の誠実さや優しさに惹かれていくのですが、彰は特攻隊員で、程なくして戦地に飛び立つ運命というドラマが、幅広い世代の日本人の心を震わせました。

1945年の戦時下を完全再現した大規模セットの写真、美術設定画、VFXのメイキング映像などが公開されており、映像や小道具など、こだわり抜かれたディテールも必見です。

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「アンブッシュ」
「アンブッシュ」

■「アンブッシュ

2021年製作/111分/G/アラブ首長国連邦・フランス合作

【作品概要】
 内戦下のイエメンを舞台に、敵軍に囲まれた装甲車の救出に向かったUAE軍兵士たちの死闘を、実話を基に臨場感たっぷりに活写したミリタリーアクション。監督は、「96時間」「ライリー・ノース 復讐の女神」などアクション作品を得意とするフランス出身のピエール・モレル

▼見どころ

敵兵に待ち伏せされ、総攻撃を受けて装甲車は立ち往生。救助が到着するまで1時間、敵兵たちの容赦ない攻撃が続き、まるで戦場に放り込まれたかのような臨場感に、手に汗握ります。激しく火煙を立てる装甲車と、敵兵が360度全方位から大群で迫りくるシーンには背筋が凍ります。

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「インスペクション ここで生きる」
「インスペクション ここで生きる」

■「インスペクション ここで生きる

2022年製作/95分/R15+/アメリカ

【作品概要】
 ゲイであることから母に捨てられ海兵隊に入隊した青年が自らのアイデンティティを貫こうとする。本作が長編デビューとなるエレガンス・ブラットン監督が自身の半生をもとに描いたヒューマンドラマです。歌手としても活動する俳優ジェレミー・ポープが主演を務め、第80回ゴールデングローブ賞の最優秀主演男優賞(ドラマ部門)にノミネートされました。

▼見どころ

劇中で描かれていく実体験は、あまりにも濃密で衝撃的です。脳裏に焼き付くほどの凄まじいインパクトがあります。軍という閉鎖社会に吹き荒れる差別と憎悪の嵐。青年は理不尽な日々に幾度も心が折れそうになりながらもその都度自らを奮い立たせ、激しい訓練と偏見に立ち向かっていきますが、“死”も覚悟する海兵隊「ブートキャンプ」はまさに地獄。そして、物語や設定の衝撃度もさることながら、予想を遙かに超えた展開が待ち受けています。

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「SISU シス 不死身の男」
「SISU シス 不死身の男」

■「SISU シス 不死身の男

2023年製作/91分/R15+/フィンランド

【作品概要】
 第2次世界大戦末期のフィンランドを舞台に、不死身の老兵とナチス戦車隊の死闘を描いた痛快バイオレンスアクション。タイトルの「SISU(シス)」とはフィンランドの言葉で、日本語への正確な翻訳は難しいが、すべての希望が失われたときに現れるという、不屈の精神のような意味合いを持つ。

▼見どころ

世界中のアクション映画ファンの間で話題を呼んだ本作ですが、鑑賞した人々の間では“笑ってしまう”という感想が出るほどの壮絶アクションが魅力です。また、主人公のアアタミは300人以上の敵兵を殺害し、軍部でも止められない殺りくマシーンという設定ですが、1939年のフィンランド冬戦争でソ連兵524人を葬り「白い死神」と恐れられ、瀕死の重傷を負いながらも生き抜き、96歳の天寿を全うした実在の狙撃兵がモデルではないかとも言われています。

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「8時15分 ヒロシマ 父から娘へ」
「8時15分 ヒロシマ 父から娘へ」

■「8時15分 ヒロシマ 父から娘へ

2020年製作/51分/G/アメリカ

【作品概要】
 広島に投下された原子爆弾を至近距離で被爆した父の凄絶な体験をつづった美甘章子のノンフィクション「8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心」を映画化。著者自らエグゼクティブプロデューサーを務め、地獄のような状況にあっても生きることを諦めなかった父の思いと、父から娘へ受け継がれた平和へのメッセージを描くドキュメンタリー。

▼見どころ

低予算の自主映画で、無名のアメリカ人監督作品にもかかわらず、劇場では若い世代を中心に満席が続出し、異例のスマッシュヒットを記録しました。原爆投下後、火の海の中、父と息子は想像を絶する苦痛の中、ひどく焼けただれた体を引きずって、救助を探しさまよいます。親子の姿を、美しい旋律とリアリティある特殊メイクによる再現映像は衝撃的です。

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「PHANTOM ユリョンと呼ばれたスパイ」
「PHANTOM ユリョンと呼ばれたスパイ」

■「PHANTOM ユリョンと呼ばれたスパイ

2023年製作/133分/G/韓国

【作品概要】
 「毒戦 BELIEVER」のイ・ヘヨン監督が、1930年代のソウルで繰り広げられる諜報合戦を緊張感たっぷりに活写したスパイアクション。出演は「ペパーミント・キャンディー」のソル・ギョング、「エクストリーム・ジョブ」のイ・ハニ、「パラサイト 半地下の家族」のパク・ソダム、ドラマ「イカゲーム」のパク・ヘス、そして「トンソン荘事件の記録」のソ・ヒョヌ

▼見どころ

1930年代の悲劇の時代を華やかな空間と音楽で表現した演出と迫力溢れるアクション。そして“ユリョンは一体誰なのか”という密室推理劇の緊張感と、生き残りを懸けた白熱する諜報合戦は、最後の最後まで結末が読めず、見る者の五感を刺激するような新たなスパイアクションです。

>>【「PHANTOM ユリョンと呼ばれたスパイ」を今すぐ見る!】


「フリークスアウト」
「フリークスアウト」

■「フリークスアウト

2021年製作/141分/R15+/イタリア・ベルギー合作

【作品概要】
 特殊能力を持つ団員たちが集うサーカス団とナチス・ドイツの戦いを描いた異能力バトルアクション。監督は、「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」のガブリエーレ・マイネッティ。第78回ベネチア国際映画祭コンペティション部門選出。イタリアのアカデミー賞と呼ばれるダビッド・ディ・ドナテッロ賞でも作品賞ほか16部門にノミネートされ、撮影、美術など6部門を受賞した。

▼見どころ

ユダヤ人の団長イスラエルが、超人たちの不思議な能力を披露するサーカスの世界へと、見る者を誘います。傍若無人に振る舞うナチス・ドイツ軍にサーカスの客を奪われ、イスラエルを連れ去られた4人が、巨大なナチス・ドイツへと前代未聞の戦いを挑み、特殊能力を使ったド派手な戦闘シーンは必見です。

>>【「フリークスアウト」を今すぐ見る!】


「日本独立」
「日本独立」

以上7作品に加え、スクリーン2で配信中の中からは計21作品をピックアップしました。

赤い闇 スターリンの冷たい大地で
異端の鳥
ウェイティング・バーバリアンズ 帝国の黄昏
キル・チーム
この世界に残されて
COLD WAR あの歌、2つの心
シチリアーノ 裏切りの美学
白い暴動
JSA
スパイの妻 劇場版
ゼロ・ダーク・サーティ
ナワリヌイ
日本独立
ハクソー・リッジ
バーフバリ 伝説誕生
バーフバリ 王の凱旋
FLEE フリー
ボーダーライン(2015)
モガディシュ 脱出までの14日間
わたしは金正男を殺してない
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明

お盆休み、夏休みにじっくりとご鑑賞ください。
※作品を視聴するには「シネマ映画.com」の会員登録が必要です。

>>【「シネマ映画.comスクリーン2」はこちら!】

筆者紹介

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