第33回東京国際映画祭アンバサダーは役所広司! 是枝裕和監督が企画した豪華トークイベントを実施
2020年9月29日 18:00
[映画.com ニュース] 第33回東京国際映画祭のラインナップ発表会見が9月29日、東京・六本木アカデミーヒルズで開催され、役所広司が同映画祭アンバサダーに就任。新たな試みとして、是枝裕和監督が企画に参加したトークイベント「アジア交流ラウンジ」が行われることがわかった。
第31回では特集企画「映画俳優 役所広司」としてスポットが当たり、「映画館に行こう!」キャンペーンアンバサダーも務めている役所。東京国際映画祭を「役者として育ててもらった映画祭」と表現しつつ、「(アンバサダーは)例年であれば若くて美しい女優さんが選ばれるのに『なんで俺なんだ』と(笑)。少し躊躇しましたけど、映画界の活性化のために力になれるのであればという思いで、この場に立たせてもらっています」と説明。さらに「映画というのは大変な事件に直面し、それを乗り越えた時に素晴らしい作品が生まれるものだと思っています。コロナ禍の苦難を乗り越えて、(映画界が)力強く復活すると期待しています」と思いの丈を述べた。
国際交流基金アジアセンターと東京国際映画祭が実施する「アジア交流ラウンジ」では、「アピチャッポン・ウィーラセタクン×富田克也&相澤虎之助」「ホアン・シー×是枝裕和」「ジャ・ジャンクー×黒沢清」「キム・ボラ×橋本愛」「リティ・パン×吉田喜重」といった豪華トークを実施。「海外の映画祭で自分の作品を見ていただいた際、日本の映画が本当に豊かで多様な歴史を持ち、その下駄を履かせてもらって、自作が評価されていると感じることがあるんです。長い歴史を持つ国々には、それに比例する形で良い映画祭を有している。東京国際映画祭は、果たしてそれに見合っているだろうかという疑問を持っていました」と是枝監督は打ち明ける。
是枝監督「5年前には、このような形が良いのではないかという提言書も出させていただいた。山田洋次監督を囲む食事会でも、東京国際映画祭に関する厳しい意見を伝えさせていただきました。提言書のなかにも記しましたが、監督たちやお客さんが交流する場所が出来ればいいなと。交流の場としての映画祭を実践したいという思いで参加しています。豊かな映画祭を持つということは、その国の映画文化によって本当に大事なこと。そして、映画の“歴史”に対する意識、“未来”への視線も重要です。映画祭は、映画というものをどう考え、どうとらえているかを表明する場でもある。前向きに関与していきたいです」
Japan Now部門で特集上映が行われる深田晃司監督は、第23回の日本映画「ある視点」部門で受賞した「歓待」を例に出し「私のキャリアのなかでは非常に重要な作品でしたし、上映から10年という節目で特集上映を組んでいただけるのは非常にありがたい。でも、最初は『本当に自分でいいんですか?』と感じていた(笑)」と胸中を吐露。「日本は芸術文化に対する公的支援も少ないですし、映画業界への予算もあまりない。映画祭は“多様性”を保つ最後の砦のようなもの。相対的に助成の少ない日本だからこそ、映画祭の価値は高いと感じています」と話していた。
今回の作品エントリー数は、107の国と地域から1356本の応募があった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、「インターナショナル・コンペティション」「アジアの未来」「日本映画スプラッシュ」の3部門を統合した「TOKYOプレミア2020」では、32本を上映(オープニング作品「アンダードッグ」を含む)。アジアから12本、日本から10本、その他地域から10本となっており、25本がワールドプレミア上映となっている。フェスティバル・ディレクター久松猛朗氏は「全体の23本が監督長編3本以内の作り手によるもの。そのうち12本が初監督作品なので、非常に新しい才能を紹介できる機会になった。作品の傾向としては、移民問題、国をまたぐストーリーが多い。自身のアイデンティティを見つめ直す作品もあるが、全体としてはバラエティに富んだラインナップとなった」と解説した。
また、ジャパニーズ・アニメーション部門は、新プログラミング・アドバイザーとしてアニメ評論家・藤津亮太氏が就任。「『劇場版ポケットモンスター』の世界」「2020年、アニメが描く風景」「『秘密戦隊ゴレンジャー』生誕45周年記念 スーパー戦隊シリーズの歩み」「かわいいともだち」を企画。日本映画クラシックス部門では「丹下左膳餘話 百萬両の壺」「河内山宗俊」「人情紙風船」「無法松の一生(1943)」の4Kデジタル修復版、「ウィール・オブ・フェイト 映画『無法松の一生』をめぐる数奇な運命」が上映される。
第33回東京国際映画祭は、10月31日~11月9日に、東京・六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開催。
「オマールの父」(イスラエル/ロイ・クリスペル監督)
「アフター・ラヴ」(イギリス/アリーム・カーン監督)
「アラヤ」(中国/シー・モン監督)
「アップル」(ギリシャ・ポーランド・スロベニア/フリストス・ニーコウ監督)
「遺灰との旅」(インド/マンゲーシュ・ジョーシー監督)
「バイク泥棒」(イギリス/マット・チェンバーズ)
「カム・アンド・ゴー」(日本・マレーシア/リム・カーワイ監督)
「ある職場」(日本/船橋淳監督)
「君は永遠にそいつらより若い」(日本/吉野竜平監督)
「ファン・ガール」(フィリピン/アントワネット・ハダオネ監督)
「二月」(ブルガリア・フランス/カメン・カレフ監督)
「初仕事」(日本/小山駿助監督)
「赦し」(トルコ/ジェム・オザイ監督)
「私をくいとめて」(日本/大九明子監督)
「チャンケ:よそ者」(台湾/チャン・チーウェイ監督)
「最後の入浴」(ポルトガル・フランス/デイビッド・ボヌビル監督)
「蛾の光」(日本/リャオ・チエカイ監督)
「恋唄1980」(中国/メイ・フォン監督)
「Malu 夢路」(マレーシア・日本・フランス/エドモンド・ヨウ監督)
「皮膚を売った男」(チュニジア・フランス・ベルギー・スウェーデン・ドイツ・カタール・サウジアラビア/カウテール・ベン・ハニア監督)
「モラル・オーダー」(ポルトガル/マリオ・バローゾ監督)
「鈴木さん」(日本/佐々木想監督)
「ノー・チョイス」(イラン/レザ・ドルミシャン監督)
「兎たちの暴走」(中国/シェン・ユー監督)
「ポゼッサー」(イギリス・カナダ/ブランドン・クローネンバーグ監督)
「佐々木、イン、マイマイン」(内山拓也監督)
「スレート」(韓国/チョ・バルン監督)
「スウェット」(ポーランド・スウェーデン/マグヌス・フォン・ホーン監督)
「マリアの旅」(スペイン/ダビッド・マルティン・デ・ロス・サントス監督)
「ティティ」(イラン/アイダ・パナハンデ監督)
「ゾッキ」(日本/竹中直人監督、山田孝之監督、齊藤工監督)
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