君は永遠にそいつらより若い
劇場公開日:2021年9月17日
解説
芥川賞受賞作家・津村記久子のデビュー作で第21回太宰治賞を受賞した「君は永遠にそいつらより若い」を映画化。就職も決まり卒業を間近に控え、日常をただなんとなく生きていた大学生の主人公が、暴力や児童虐待、ネグレクトといった社会の闇と、それらに伴う悲しみに対峙することになる姿を描いた。児童福祉職への就職が決まり、大学卒業を間近に控え手持ちぶさたな日々を送る堀貝佐世。友人とぐだぐだした日常を過ごしていた彼女だったが、同じ大学の猪乃木楠子と知り合い、過去に痛ましい経験を持つ楠子と独特な関係を紡いでいく。そんなある日、友人の友人である穂峰直が命を落としことをきっかけに、佐世を取り巻く日常の裏に潜んでいた「暴力」と「哀しみ」が露わになっていく。監督・脚本は「あかぼし」「スプリング、ハズ、カム」の新鋭・吉野竜平。佐世役は「“隠れビッチ”やってました。」に続き主演作はこれが2作目となる佐久間由衣。楠子役はテレビドラマ「あなたの番です」や映画「みをつくし料理帖」など活躍の続く奈緒。そのほか、小日向星一、笠松将、葵揚、森田想と注目の若手俳優たちが共演した。
2020年製作/118分/PG12/日本
配給:Atemo
スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る

- ×

※無料トライアル登録で、映画チケットを1枚発行できる1,500ポイントをプレゼント。
2023年4月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
津村記久子が2005年、当時20代後半で発表したデビュー小説の映画化。津村は新卒で入社した印刷会社でパワハラを受けて1年足らずで退職した経験をインタビューなどで明かしており、“虐げられる存在”の視点が本作の登場人物たちにも確かにある。それは組織や集団や社会のルールにうまく馴染めない人への攻撃であったり、処女や童貞に対する侮辱や中傷であったり、男から少女への性的暴行であったり、育児放棄された子であったり。
主人公・ホリガイ(佐久間由衣)は大学で知り合ったイノギ(奈緒)の少女時代の痛ましい体験を聞かされ、その場にいて助けられなかったことを嘆く。直接会ったことのない行方不明の少年を想い、「君を侵害する連中は年をとって弱っていくが、君は永遠にそいつらより若い」と伝えたいと願う。もちろん時間をさかのぼって過去を変えることはできないが、そうした願いを伝えることで、誰かの心に変化をもたらし、現在と未来を変えることにつながるかもしれない。弱者に向かって上から頑張れ!と声援を送るのではなく、同じ地平で寄り添い一緒になんとかしようもがくスタンスは、津村自身もハラスメントのサバイバーであることことが大きいのだろうと想像する。
吉野竜平監督が原作小説の空気感を誠実に映像化しようと努めたことは確かに伝わってくる。惜しいと感じたのは、終盤でホリガイが団地のベランダの外側から階下の住宅に侵入し、ネグレクトされた子を探そうとする場面。ホリガイが部屋に入るより前に室内で待ち構えたカメラが彼女を“客観的に”とらえるのだが、ここはホリガイの主観視点か、あるいは彼女の後ろから追随する映像によって、不法侵入を承知で未知の空間に分け入り、子供を救い出そうとする内心の緊張や高ぶりを表現すべきではなかったか。原作でもここの一連の描写は大きな山場になっていて、読者もホリガイの内面に同化してハラハラしながら読み進む部分なのだが、客観映像の演出ではそうした盛り上がりにやや欠けるように感じられた。
とはいえ、佐久間由衣と奈緒の好演は見応え十分。奈緒の役・イノギは「マイ・ブロークン・マリコ」でやはり奈緒が演じたマリコにも少し通じる部分がある。原作小説も素晴らしいので、未読の方はぜひ。
2022年8月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
圧倒的に無知でとっちらかった言い方しか出来なくても、その言葉は必ず誰かの胸に響くはず。
いろいろ生きてくだけでも大変な世の中だけど、
誰かが気にかけてくれる人がいるだけでも、自分も価値があると思おう。
児童福祉司として圧倒的に適性あり。
大学生までの人生が順調で
希望通りの大学に入れてキラキラした人生を送っている子達。
一方でトラウマを抱えていたり
人間関係が上手くいかなくて希望する人生ではなくなりかけている子達
まさに分岐点であるその時のその感傷的な部分を上手く描いていると思う。
男の子もだけど。
女の子はには特に慎重に生きて欲しいし
女の子を育てる親も気をつけて欲しい
女の子は子供でも別の雌が不幸になれば嬉しいとか蹴落としてやろうとか、そういった本能を持っている
蹴落として奪って輝いている雌がより良い男を捕まえる
この主人公たち2人はそんなマウント気質は感じられず
素直に生きているから真っ向から受け止めてしまうんだろうと感じた。
メインキャスト2人のような友情を見つけられることはとても貴重なんじゃないか、友情なのかよくわからない描写もあったけど。
大学生とかこれから大学進学を控えている子達に見てほしい。PG12だけどそこまで過激な描写は無かったような。
こんなまとまりのないことしか言えないんだよ私は、、、。