人情紙風船

劇場公開日

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解説

わずか28歳で戦病死した昭和初期の名監督・山中貞雄の遺作となった人情時代劇。江戸時代。貧乏長屋で暮らす髪結いの新三は、個人で賭場を開いてヤクザから目をつけられる。そのため金に困った新三は、髪結いの道具を質屋に持ち込むが断られてしまう。一方、新三と同じ長屋に住む浪人・又十郎は、かつて父が世話した侍・毛利に仕官を頼むが全く相手にされない。ある日、偶然から質屋の娘を誘拐した新三は、娘を長屋へと連れて帰るが……。歌舞伎の演目として知られる河竹黙阿弥原作「髪結新三」の映画化。

1937年製作/86分

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映画レビュー

5.0極めてドメスティックで日本的なようで、グローバルな普遍性を持っていると思います

あき240さん
2019年9月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

見事な味わい深い余韻が残りました
成る程名作として多くの日本映画オールタイムベストのリストに必ず挙げられているだけあると思います

その味わいはルネ・クレール監督の名作巴里祭に近いものがあります
もちろんその作品のような恋愛を扱ってはいません
しかし大江戸の空の下に庶民の暮らしがあり、それぞれが懸命に生きていて、ドラマがあり、そしてまた明日も明後日もみな生きていくのです

巴里祭は本作の4年前の1933年の作品ですから、山中貞雄監督はそれを意識して撮ったのかも知れません

貧乏長屋の連中のシーンは女房どもも含めて、落語の世界のようですが、映像として表現されるその動き、会話、表情など、ジブリの宮崎駿監督の天空の城ラピュタなどの庶民が登場するシーンの元ネタになっているのではと思わせる濃密なものです

80年以上昔の戦前の映画ですから、映像は傷んでいます、音声も聞き取りづらくなっています
しかし撮されている映画そのものは現代のものよりずっと内容は優れているものです

セットの美術、衣装、脚本、役者たちの演技
カメラの構図、カット割
何もかも見事なものです

特にラストシーンの新三の結末を語らず、心中の有り様を見せず、大家を呼びに走る子供と溝の水に浮かぶ紙風船のシーンで終わるのは、巴里祭のパリの下町の街並みを俯瞰するラストシーンにも勝る余韻があります

どぶの水のような浮き世に浮かび、流されていく紙風船は貧乏長屋の庶民の暮らしを俯瞰している名シーンでした
紙風船がどぶに浮かぶのも、そこに暮らす人々の人情の息で膨らんでいるからなのです

このような優れた作品が戦前に作れる実力があったからこそ、後年の日本映画の世界的な高い評価をもたらしたのだと思います
もうこの時点で世界最高峰のレベルだったのです

山中貞雄監督は1909年の生まれですから、黒澤明監督のひとつ年上でしかありません
僅か28歳、戦地で病死して本作が遺作にならなければ、戦後はきっと黒澤明監督や、溝口監督らに負けない世界に誇る名作を量産したに違いないと思います

本作は世界的な再評価を受けるべき作品だと思います
極めてドメスティックで日本的なようで、グローバルな普遍性を持っていると思います

是非4Kでのリストアと海外への紹介を関係者の皆様にお願いしたいと思います

前進座総出演と言うことで、戦後の前進座の共産党との関わりから、本作の評価を高い下駄を履かせたものではないかと色眼鏡で見ていた自分を恥ずかしく思います

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あき240

3.5落ちぶれた浪人が妻に紙風船作りの内職をさせる映画。 浪人が周りから...

2019年7月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

落ちぶれた浪人が妻に紙風船作りの内職をさせる映画。
浪人が周りから浮いている感じがしたのだが、下敷きの歌舞伎の筋書きに浪人者を絡ませたというのを知って納得。

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Mr. Planty

4.0金や快楽に元取る愉快な民衆とパンクな男の最期

2019年2月6日
iPhoneアプリから投稿

老武士が首をくくる
長屋の人々の素っ気なく、あっけらかんとした、しかしどこか気持ちの良い態度 「何も久しぶりの晴れの日に首くくるってこたあねえのに。」迷惑な野郎だと。
祝い酒と弔い酒



お駒と忠七の会話 日本人形を映す
隠語でヤクザを呼ぶ 薬 いつものやつ
襖越し二段構造
ヤクザにやられる新三の位置と海野の位置
忠七の照れ屋と男の見栄、プライド、意気地なし、わかるっ

反抗心

毛利と海野
源七と新三
お駒と忠七

いつもの通り 小川沿い
魅力的なキャラクター 市、金魚売りげんこう、猪助、蕎麦屋

話している人を映さず、場面や物を映す。

海野と紙風船
おたきと紙風船
畳を転がる紙風船

海野とおたき 見てらんない

首くくりで始まり、心中で終わる。

新三の行く末は明かされず。

紙風船~

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ほぼぼーぼぼーぼぼ

4.0映画が戦争で失った最大のもの

2015年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

これが28歳の監督の作品とは信じがたい。
ラストの衝撃的切なさが、かくも観る者の心に迫ってくるその理由を知るために、少なくとももう数回は見返さねばならない。
主人公・海野又十郎は愚図な男なのだが、誰も彼を卑下したり、非難したりすることはできない。なぜなら、彼は侍としての矜持のみで生きているような男だからだ。
質屋の娘が長屋に連れてこられたことで、毛利何某との交渉のカードを手に入れたはずなのに、そっちのほうへは少しも動かない。娘を少しの間かくまったことへの謝礼すら拒もうとする。
しかし、謝礼を受け取ってしまったことで、彼の矜持は崩れ去り、生き方を失くしてしまうのだ。生き方を失くす。そうとしか表現のしようがない物語を、単純なペシミズムに陥ることなく、庶民のしたたかさとの対比でもの悲しさを際立たせている。
同じく河原崎長十郎主演の「河内山宗俊」の魅力とならぶ山中貞雄の大傑作である。
戦死という山中監督の悲劇は日本映画界の悲劇でもある。もっと多くの作品を残して欲しかった。

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よしただ
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