ミシシッピー・バーニング

劇場公開日:

解説

1960年代のアメリカ南部における人種差別問題をテーマに、アラン・パーカー監督が実話に基づいて描いた社会派サスペンス。ミシシッピー州で3人の公民権運動家が消息を絶った。FBIは2人の捜査官を派遣するが、彼らを待ち受けていたのは、非協力的どころか敵意まで剥き出しにして捜査を妨害する住民達だった……。たたきあげのベテラン捜査官をジーン・ハックマンが、その相棒の若手エリート捜査官をウィレム・デフォーが熱演。

1988年製作/126分/アメリカ
原題:Mississippi Burning
劇場公開日:1989年3月11日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第46回 ゴールデングローブ賞(1989年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) ジーン・ハックマン
最優秀監督賞 アラン・パーカー
最優秀脚本賞 クリス・ジェロルモ
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映画レビュー

3.0白人至上主義

2024年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

今見たら、また違う感想を抱くに違いない。

でも、もうその気になれない。

当時、映画といえば、純粋な娯楽作品が絶対条件で、自分にとっては、スピルバーグやルーカスのフィルムがそれであった。

ヒーローが悪を倒し、カッコよく去っていく。思えば、そんな映画ばっかり、いったい何本見たことか。

やがてスピルバーグは『シンドラーのリスト』『プライベート・ライアン』でオスカーを獲得し、今も監督業を続けているが、その作風は大きく揺らいでいる。

人種差別を題材にして、見る人の心を揺さぶるのは、一種の禁じ手なのだろう。誰も何も言えなくなる。もちろんあってはならないことだが、この映画からもう30年近い年月が流れても、未だに白人至上主義がまかり通る社会は、なくなっていない。

きっと、これから30年たっても、人種差別を題材にした映画はなくならない気がする。
『ブレードランナー』が奴隷解放運動を根底に据えたSF娯楽映画であったように、テクノロジーの進化は、人種を開放しない。

アメリカが根底に抱える病理は、もう立派にビジネスとして成立している。
当時はその対象が虐げられる側だったのに比して、今は勝てない相手に対する畏怖の感情が混じっているように映る。

差別があるから、生きていられる人だっているのだ。

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うそつきかもめ

4.0同じ血が流れる!! 覆面を被る人間が黒人を襲った惨劇!

2023年6月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

1960年代に起きた実話に基づいた
黒人に対する根強い差別が引き起こした事件が描かれていました。
ミシシッピの田舎町に捜査にきた2人の男性
ジーン・ハックマンが自分を甘く見るな!
と敵意を剥き出しにする白人たちに
凄みのある熱い演技でした。
若き日のウィリアム・デフォーもエリートの
捜査官を好演していました。
白人男性の妻、ベル夫人が供述した
旦那と一緒にいた50分のアリバイをどうやって崩していくかがポイントとなっていました。

教会で祈りを捧げる黒人たち
無抵抗な人間にされる暴力的な仕打ち!
火で焼かれる建物!
首からロープで吊るされた男性。
数々のリンチから黒人を救おうとした
捜査官の懸命な尽力は、賛えたいと思いました。

銃を頭に突きつけられる場面は恐怖を憶えました。
歴史に名を残す、忘れてはならない事件だと
思いました。

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美紅

4.0所詮人間って・・・

2023年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 数十年ぶりに観て改めて深ーく考えさせられてしまいました。

 この映画に登場する地元警察や住民に生々しく描かれている人間の醜さ、残虐さ、弱さ、エゴを見るにつれて、怒りがこみあげてくると同時に自分が同じ人間であることがなんだか辛く、虚しく感じられてきてしまいました。
 今から60年ほど前にアメリカ南部で起こった事件がテーマですが、その当時はアメリカではある意味必然的に起こっていたであろうこのような悲惨な出来事も、人種差別は社会悪の代表格として撲滅が叫ばれ続け、状況は大きく改善されているはずなのです。が、今日でも一連のBLM問題にみられるような黒人への差別、虐待のニュースが後をたってません。実態は何ら変わっていないんですね。これだけ文明が発達し善と悪の区別くらい誰にだってつきそうなものなのにいまだに世界各地では時代錯誤な残虐で不毛な戦争が進行し人々の命が奪われ、身近な学校や職場や家庭で壮絶なイジメや虐待が行われそれを苦に命を落とす人が後を絶たない。
 所詮人間って他人を傷つけあわないと生きていけない生き物なんでしょうか。私は性善説を信じて生きてきたつもりなんですが、なんだかその信念が揺らいでしまいそうです。アラン・パーカー監督の卓越した演出力の効果もあるものの、この映画が実話をベースにしていることを考えると現状が重く私にのしかかってきてしまいます。
 この映画のキャストや見せ場についていろいろ語ろうと思っていましたが、前編でしんどくなってしまいましたので、このへんにしておこうと思います。うざいレビューになりすんません・・・

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おまつ

3.5反吐が出る世界

2022年10月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

想像を超える差別と暴力の世界。
緊張感ある音楽が反吐が出る世界観を一層引き立てている。

何もしない事は同罪というキーワードが出てくるが、それであれば街全体が同罪となるのだが、まさにその通りの街。ダメとわかっていても出て行く事ができない。

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ho
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